【学生起業家】早稲田在学中の起業&NY留学→VC業界参入のキッカケは?|スタートアップ投資TV
○渡辺大和 株式会社DG Daiwa Ventures シニアマネージャー
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公式HP▶︎https://dg-daiwa-v.com/
大学在学中に共同創業した会社で事業売却を経験し、2013年に㈱電通入社。
流通、保険、通信、自動車、官公庁、自治体のデータ活用、デジタライゼーション推進業務に従事。
2016年より経営企画局にて事業戦略策定、
コーポレートベンチャーキャピタル・電通ベンチャーズでの投資業務を担当。
4年間、ML/SaaS/Media/xR/blockchain領域において、
スタートアップのソーシングや成長戦略に携わる。
シリコンバレー赴任、海外投資先の日本進出支援、投資先取締役、
㈱電通グループ・マネージャーを経て、2020年9月から現職。
19歳で起業、預金残高6万円の危機を経験
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。
今回の収録は、DG Daiwa Venturesからシニアマネージャーの渡辺さんにご出演をいただきましてお送りしていきたいと思っております。渡辺さん、改めてよろしくお願いいたします。
渡辺:
よろしくお願いします。
石橋:
いつもスタートアップ投資TVを見ていただいているということなので。
渡辺:
スタートアップ投資TVは大ファンで、いつも見ています。
石橋:
ありがとうございます。
今回は、いつも見ていただいている中で恐縮ではあるんですけれども、まずは渡辺さんご自身の自己紹介といいますか、どういう流れで今DG Daiwa Venturesさんにいらっしゃるのか、というところをぜひいろいろとお伺いをしていきたいと思っているので、いろいろとご質問をさせていただければ思うんですけれども。
そもそも僕は渡辺さんと同年代でして、学生時代から起業されていたみたいなところもお話を聞いたりもしていたんですけれども、もともとどんな学生時代を過ごしていらっしゃったんですか?
渡辺:
大学在学中に会社を共同創業して、今となっては学生起業は結構珍しくないというか。
石橋:
増えましたね。
渡辺:
当時リーマンショックが終わったぐらいで、ある種珍しがられながら、一番最初の会社は19歳のときに立ち上げて。人がいなかったので、コードを自分で書きながらいろんなプロダクトアイデアを出して、サービスの実装などを繰り返していました。いわゆる学生のワナビーな起業家という感じで。
サービスとしては、ソフトウェアの仮想化だったりとか、あとはWebメディアとかをいろいろやっていました。
早稲田大学の中にインキュベーションオフィスという家賃5万円くらいのオフィスがあって、そこの4学年上くらいに株式会社リブセンスの村上社長がいらっしゃって、あとはホットティー株式会社の保手濱さんに話を聞きに行ったりして、めちゃくちゃ感化されて。
僭越なんですけども、いつかああいう起業家になりたいというふうに思ってやっていたんですけど、なかなか現実はそう上手くいかずに、意識だけ高い状態ですね。
石橋:
ちなみにその当時は、それこそ同年代の形態もベンチャーキャピタル(VC)から調達されている方も多いと思うんですけど、調達とかもされていらっしゃったんですか?
渡辺:
私も起業家として資金調達に回ったこともあるんですけど、当時は恥ずかしながら全然お金が集まらなかった。会社の口座の預金があと6万円とかになって、給料が払えないみたいになって。
慌てて即金でキャッシュインする謎のテレアポみたいなやつを受注したりとか、あとはいろいろ仲間割れとかもしましたし、一通り初期のスタートアップがぶち当たる問題を全部コンプリートしてるみたいな感じでした。
ニューヨーク留学でベンチャー投資の世界を知る
石橋:
学生時代に起業されて、卒業された後もそのまま起業家みたいな感じだったんですか?どういう感じで社会人になっていかれるんですか?
渡辺:
結局振り返ると、起業家としては上手くいかなかったと思っていて。会社経営から結局退任していて、自分はキラキラした先輩には近づけなかったので、苦い思い出を抱えながらずっと残りの大学生活を過ごしたみたいな感じなんですけど。
そういうときに、アントレプレナーシップを扱って教えている講義がニューヨーク大学にあるというのをネットでたまたま見つけて、留学で繋いでくれるエージェントを見つけて、ニューヨークに飛んだんですね。
ニューヨークは土地柄ファイナンスに強い講師が多くて、ホットなトピックはサブプライム問題の振り返りとかですけど。
一方でFacebookの上場観測が出ていたりとか、あとはスタートアップが西海岸で盛り上がり始めているのを東海岸の金融プレーヤーが冷静に見ているみたいな構図があって、割とベンチャー投資という世界を漠然と意識するようになったのはその頃になります。
電通から電通ベンチャーズへ、CVC経験を4年半積む
石橋:
それは在学中に留学みたいな感じで、向こうに行っていたんですよね?
渡辺:
そうですね。留学に行っていました。
石橋:
帰ってきて会社も退任されていらっしゃって、普通に社会人になられたんですか?
渡辺:
そうですね。普通に社会人になりました。
何者かになりたいという思いがあったんですよね。向こうに行って、ファイナンスかエンジニアリングかマーケティングで一流のスキルがあると、どこでも渡り合っていけるというのがわかったんですけど、ファイナンスと開発については身近に自分の100倍すごい人がいて、これは勝ち目がないなと思って。
一方でマーケティングは、ビジネスの中で最も必要な要素の1つだと思うんですけれども、知見があまり体系化されていないというか、スキルをちゃんと会社に入って学びたいなみたいなのがあって、その中である程度大きなプロジェクトを見られるということで、株式会社電通に入社しました。
石橋:
なるほどですね。一番最初は電通ベンチャーズさんに最近までご在籍されていたかと思うんですけど、電通ベンチャーズさんに途中で異動されたんですか?
渡辺:
途中で異動していて、流れとしては最初にマーケティングをやりたいですと言って入って、配属がプラットフォームビジネス局というところで、なんでも屋さんみたいな感じで。
保険会社さんとアプリサービスの開発をやったりとか、アイドルのPR業務をやったりとか、自治体さんの知事の方が読む文章を書いたりとか。
石橋:
本当に幅広なんですね。
渡辺:
広い意味ではマーケティングに関わるんですけど、楽しかった一方で、器用貧乏っぽくなっていて。ふと3年目くらいのときに、転職活動とかも並行してやりながら、スキルをまとまったものとして身につけたいなと考えていたら、他社さんの最終面接ぐらいのタイミングで上司に呼ばれて、「電通の経営企画局に異動です」と、いきなり言われて。
いろいろ話を聞いてみると面白いなと踏み止まって、社長直轄の組織で、当時立ち上がったばかりのVCの組織制度づくりをやりながら、徐々に後半は自分の案件を挙げて投資実行をやるようになった、という感じです。
石橋:
トータルすると、電通ベンチャーズさんには何年くらい在籍されていましたか?
渡辺:
4年半くらい、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)として投資活動をやっていました。
シリコンバレーでの経験が独立系VCへの転機に
石橋:
僕自身も前職がCVCで2年間くらいやらせていただいていたので、4年となると結構長いなというイメージが印象値としてあるんですけど、そこからDG Daiwa Venturesさんに転職していらっしゃると思うんですけど、最終的に電通ベンチャーズさん時代の後半で投資活動もされていらっしゃって、おそらく担当投資先もある中で、最終的に転職しようと決め手になったのは?
しかも転職するとよりVC業界に入り込んでいくわけじゃないですか。もう一度起業するわけでもなし、マーケティングの道を極めるわけでもなし、VC業界にというのはどういう理由だったんですか?
渡辺:
最初からVCになりたいと思っていたわけではないんですけれども、転機になったのが2018年にリミテッドパートナー(LP)出資先のシリコンバレーのVC、Morado Ventures, LLCというところなんですけども、そこに籍を置かせてもらって、そこで実際に働いたということで。
そこのマネージングパートナーのアッシュという人がYahoo! Inc.の創業メンバーだったりもするんですけど、VCのパーティに出させてもらったりとか、Kleiner PerkinsとかSequoia Capital Operations, LLCの偉いパートナーと話す機会とかも作ってくれたり。
僕は当時良い感じに20代で、年齢が偉い方と良い具合に離れていたので、ズケズケいろんなことを聞けて、Yahoo!の創業者のジェリー・ヤンさんが近くに座っていて。
アッシュもそうですけども、割とペイフォワードで何でもキャピタリストのこととか、事業家のいろはみたいなところも教えてくれて、それが本当に自分にとって糧になったんですけど。
そういう経験をしていく中で、シリコンバレーは事業家とキャピタリストを行き来して、それで人生を豊かにしている人たちがたくさんいて。
自分の今のやってきたことと、次できるステップはなんだろうと考えたときに、事業家という選択肢ももちろんあったんですけど、いろいろと悩んだ結果、今の独立系VCのDG Daiwa Venturesへの転職というのを考えました。
それは人に惹かれたというのもあるんですけど、チームワークで投資していくファンドだというところで、すごい自分とも合っているなと、そういう出会いがあって、独立系VCのキャピタリストとしての道を選んだという感じです。
将来はCFO・COOとして事業サイドへの挑戦も視野に
石橋:
なるほどですね。興味本位の質問になってしまって恐縮なんですけど、僕自身もある意味冒頭でお伝えしている通り同年代で、VC業界は丸4年半ぐらいになるんですけど、改めて2年前ぐらいに独立をさせていただいて。
今後でいうとどういうキャリアを考えていらっしゃるというか、もう1回事業畑に行きつつVCをやっていくのか、VC畑でやっていくのか。
僕自身はもう1社別に会社をやらせていただいていて、その会社の方でも去年の2020年の11月頃に株式投資型クラウドファンディングのツールを使ってファイナンスをさせていただいたんですけど、どっちもやるとすごく相性が良いというか、掛け算になるなと思っているんですけど、渡辺さんの中で今後のご自身のイメージとかはあるんですか?
渡辺:
今VCでの経験が長くはなってきたので、ベンチャー企業の最高財務責任者(CFO)だったりとか、あるいはマーケティングみたいなところを活かして最高執行責任者(COO)のロールもできるCFOみたいなところとかは目指してみたいなとは思っています。
自分で事業をやることはものすごく大変だというのも理解しているつもりで、そこのところに踏み出していけるタイミングをまだ伺っている状態です。
石橋:
ありがとうございます。次回は、改めてそういう流れでDG Daiwa Venturesさんに渡辺さんがいらっしゃるわけですけれども、そんなDG Daiwa Venturesさんについて渡辺さんからいろいろと深掘りをして、どういう投資先に投資していらっしゃるのかというところも含め、お話を伺っていきたいと思っておりますので、改めてよろしくお願いいたします。
渡辺:
よろしくお願いします。
【DG Daiwa Ventures】ファンド総額200億円!投資される起業家の特徴と行動分析!スタートアップ投資TV
運用資産200億円、国内外に投資する独立系VC
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。
今回は、前回に引き続きまして、株式会社DG Daiwa Venturesからシニアマネージャーの渡辺さんにご出演をいただきまして、渡辺さんの所属するDG Daiwa Venturesさんはどういうファンドなのかというところ、いろいろとお話を伺っていきたいと思っているんですけれども。
そもそも僕自身が業界に4年くらいいるみたいなことを言っておきながら、あまり今までの投資先でですとかコミュニティでも、DG Daiwa Venturesさんとそんなに繋がりがなくて、本当に僕自身も全然知らないみたいなお恥ずかしい状況でして、名前を聞くと硬そうなVCさんなのかなと印象を持っていたりするんですけど、いつぐらいからやられていらっしゃって、どういうファンドを運用されていらっしゃるんですか?
渡辺:
DG Daiwa Venturesがいつからという話からすると、DG Daiwa Ventures自体は2016年から始まっている会社になるんですけれども、略してDGDVと呼んでいただければと思うんですが、10社以上のLPが出資している独立系のVCで。
株式会社デジタルガレージや大和証券株式会社さんの名前はお借りしているんですけれども、実際には製薬会社さんだったりとか、保険会社さんだったりとか、機関投資家さんだったりとかからお金を預かって運用しているファンドです。
昨年2020年の秋に2号ファンドを125億円で組成させていただいておりまして、今投資が続いている1号ファンドと2号ファンドを合わせると運用資産残高(AUM)が約200億円というVCになります。
投資実行のうち半分くらいは海外、半分くらいは国内に投資しているんですけども、海外のベンチャーにも投資しながらビジネスモデルを見て知見を蓄積していくことで、国内の投資先の経営陣とのディスカッションでも活かしていくみたいな、そういう特色のあるファンドになります。
DG Labの1,000人規模のコミュニティが投資を支援
石橋:
国内外問わずだとは思うんですけど、領域・マーケットであったりとか、投資のラウンドとかであったりすると、どういうところに投資されていらっしゃるんでしょうか?
渡辺:
領域はAI ・ブロックチェーン・XR・バイオヘルス・セキュリティみたいに置いてはいます。
なぜそう置いているかというと、ファンドの特徴として一番大きな特徴だと思うんですけど、DG Labという、別名DGラボファンドとも言っているんですけども、DG Labという存在があって、我々DGDVがLP出資もしていただいてるデジタルガレージの中に、オープンイノベーションの組織であるDG Labというのがあるんですけれども、そこが今の5領域に力を入れていると。
そこの領域の技術系のコミュニティの中で、一線級のエンジニアだったりとかデータサイエンティストが集まっている組織なので、ここが投資先の発掘だったり、出資させていただいた後の事業開発・研究開発を一緒にやってくれるという。
例えばヘルスケアだと、アメリカの医療許認可機関のFDA(Food and Drug Administration)に派遣されていた人だったりとか、ブロックチェーンではビットコインのコミュニティで有名なエンジニアの方だったりとか、一線級の専門家がデューデリジェンス(DD)を一緒にやったり、出資後の支援で汗をかいてくれるという特徴的な仕組みがあって、今の5領域というのを基軸には置いている状態です。
シリーズA以降に強み、追加投資は数億円規模も
石橋:
そういう強みを活かしながらマーケット選定をしていらっしゃって、ラウンド感とか、大体1社あたりの投資のバジェットは?
渡辺:
オールステージと皆さんおっしゃるとは思うんですけれども、その中でうちのファンドが武器として持っているのは、シリーズA以降のステージの起業家がぶち当たる問題に対処するための武器というのを多く持ってるかなと思っていて。
1つは、エキスパートによる新規株式公開(IPO)支援というのが特徴としてあります。
長くベンチャーキャピタリストとして投資をやってきたメンバーもいれば、それだけではなくて、監査法人でスタートアップのIPO支援をやっていたメンバーとか、上場前の会計監査をしていたとか、あるいは証券会社でIPO業務を担当していて多数の主幹事案件を主導した実績のあるメンバーとかがファンドの中にいるというのは、ユニークなところかなと思っていて。
割と多視点でIPO準備に当たることができるという意味で、シリーズA以降の起業家の方には非常に武器になる情報とか、レイターステージの方とかだと主幹事以外のセカンドオピニオンが欲しいとか、そういったことにも対応ができるようなVCの体制になっています。
石橋:
大和証券さんがいるわけですもんね。それはノウハウに満ち溢れていますよね、どう考えても。
渡辺:
総額125億円というファンドサイズではあるんですけれども、それに比べると追加投資の枠というのを比較的多めに確保していて、詳細の比率までは申し上げられないんですけども、実際にファンドとして追加投資2・3回として、しかも金額を単にプロラタではなくて、アーリーステージの投資額が数千万円だとしても後には数億円とか。
もちろんその重要業績評価指標(KPI)を着実に達成している会社様に対しての例ですけれども、比較的追加投資には積極的なファンドであるというところでいうと、アーリー面も入ると思います。
石橋:
普段そういったエキスパートの方々にIPOの支援であるとか、DG Labのプロフェッショナルの方々がDD含めノウハウがあるのかなとは思うんですけれども、どのぐらいの頻度で投資先の方々とコミュニケーションだったりとか、何か伴走スタイルは決まっていらっしゃったりするんですか?
渡辺:
基本的には月に1回とかの定例とかが多いと思うんですけども、それとは別で不定期に事業支援であったりとか、先ほどのDG Labとの連携であったりとかの会議が別途であって、そこでコミュニケーションをしたりとかもあります。
投資の決め手は「Why now?」に答えられるか
石橋:
もうちょっと踏み込んで、渡辺さんご自身がDG Daiwa Venturesさんの中でどういう投資活動をしていらっしゃったりとか、どういうところに投資していきたいのか。転職してまだ間もない時期かなとも思うので、今まで転職されてから既に投資実行はされていますか?
渡辺:
4ヶ月経ったんですけれども、4件投資しました。
石橋:
転職してから月1件ペースで?
渡辺:
そうですね。ファンドが組成されたばかりなので、投資のスピードも速くて、全体でも10件以上投資しています。
その上でどういう会社に入れていきたいとか、どういう起業家に投資していきたいみたいな話でいうと、個人的になぜ今か?「Why now?」に答えられる事業家か否かというところを、最も重視していて。
例えばマクロで規制が変わるタイミングだったりとか、あるいは世の中のニーズが急変しているタイミングとか、ゆっくり変わってきたものが一気に変わるタイミングというのを捉えている。そのWhy nowのインパクトと、インパクトの規模とタイミングの正確さみたいなところを結構見ていますね。
GDPR対応のAI企業、規制変化を捉えた投資事例
石橋:
今の時期でいうと、コロナが国内でも海外でも広がってきていますけど、そういうWhy now?を捉えているような投資先の事例とかもあったりするんですか?
渡辺:
国内も海外も私は案件として担当しているんですけれども、ヨーロッパのAIの会社で1plusX AGという会社があるんですけど、Googleのダイレクターレベルにいたエンジニアが2人で起業している会社で。
何をやっているかというと、ヨーロッパではEU一般データ保護規則(GDPR)という厳しいプライバシーの制約がある中で、どういうユーザーが自社のサイトを訪問したか見づらくなっていると。広告とかコンテンツ配信のアキュラシーが下がっている。
GDPRがあると、サードパーティークッキーを使わないでどうやってそれを知れるかどうかみたいなところが課題にはなってくるんですけども、この会社はファーストパーティーだけで学習したデータというのを拡張して、どういうユーザーが訪問していて、どういうコンテンツを配信すべきかわかるサービスを作っていると。
これも1種のWhy nowに応えていて、世の中的なプライバシー規制の流れとかゲームチェンジがある中で、今まさにEUでもアメリカでも日本でも来ようとしているみたいなのがあるので、規模とタイミングもベストで、トラクションも伸びてきているというところで直近投資させていただきました。
成長速度の速さが時流を読む力を生む
石橋:
そういった起業家の方々は、投資されるシーンでシリーズA前後が多いと思うんですけど、それこそシード時期だったりすると、皆さんどういうふうに時流を読んでいらっしゃる方が多いという印象というか、今シリーズAでちょうど時流に乗っかっているみたいなところは、なかなか見極めるのが難しかったりすると思うんですね。
どういう考え方をしているような投資先の企業の方が多かったり、何か傾向とかあったりするんでしょうか?
渡辺:
時流を見るのは成長速度が速くないと見えなくなるというか、自分の変わる速度が早くないと波が見れないというのがあるのかなと思っていて。
タイミングが良い事業は、大体初回会ったときよりも次に会ったときに月次売上が伸びていたりするんですよね。何でそうなのかというと、1回目会ったときと2回目会ったときの差分がかなり大きいんです。
具体的には、前職の投資先になっちゃうんですけども、株式会社CLUEの阿部さんとかは成長速度が速くて。
石橋:
最近、大型の調達もされていましたよね?
渡辺:
そうですね。最近は20億円調達と、かなり大きな調達をされていますけれども。
初回にお会いしたのは2016年ぐらいにお会いしたときも、1回目会ったときと2回目会ったときの私たちが申し上げたことに対するお答えであったりとか、数字面でもそうですし、とにかくそこのブラッシュアップの速さとアジャストの速さみたいなところが段違いだったなというのは、今思い返してもそう思いますね。
石橋:
確かに時流とか変化自体は皆さん観察できるかもしれないけど、そもそも変化して対応していけないと数字としてもついていかないというのは、おっしゃる通りかもしれないですね。
ありがとうございます。次回も渡辺さんにご出演をいただくんですけれども、次回は少しテーマを持ってお話しいただきたいと思っていまして。
次回はそういうキャリアを持つ、今はDG Daiwa Venturesさん、独立系のVCにいらっしゃるわけですが、前職の電通ベンチャーズさん時代と今のDG Daiwa Venturesさんの環境の違いみたいなところも比較しながら、いろいろと切り込んでお話しいただければと思っておりますので、ぜひ次回もよろしくお願いいたします。
渡辺:
よろしくお願いいたします。
【戦略的サイレント?】CVCはシリーズB以降が効果的!スタートアップ投資TV
CVCと独立系VCの本質的な違いは「目的」にある
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。
今回もDG Daiwa Venturesから渡辺さんにご出演をいただいておりますので、改めて3本目もよろしくお願いいたします。
渡辺:
よろしくお願いします。
石橋:
緊張してますか?
渡辺:
いやもう全然。
石橋:
ありがとうございます。カジュアルにいろいろと今回は渡辺さんの過去の経歴も照らし合わせながら、VC業界についてお伺いしていきたいなと思っているんですけれども、前職の電通ベンチャーズさんと今のDG Daiwa Venturesさんを比べると、形式でいうとCVCと独立系のVCそれぞれご経験されているのかなと思うんですけれども。
2本目の回でも転職されてから4ヶ月間で既に4社投資されていらっしゃって、すごいペース感で投資されていらっしゃるんだなと、僕としても印象を受けたんですけど。
CVCと独立系のVCでいうと、意思決定のプロセスであったりとか、投資のペースとか、その後のアフターフォローとかも全然違ったりするものなんですか?渡辺さんとしてはどういうふうにお考えだったりしますか?
渡辺:
かなり違うかなと思っていて、パキッと分かれるわけではないんですけれども、グラデーションの場合もありますが、VCとCVCの一番の違いは目的の違いかなと。
VCはアセットクラスの1つとして、純粋にイグジットしてファイナンシャルリターンを得るということが第1目標だと。
CVCはもう1つ別のKPIとしてストラテジックリターン、戦略的なリターンが出てくるのが一般的で、戦略的リターンはすごく難しいですよね。戦略リターンについて議論することが増えるので、CVCの方が議論するトピックが多い分、やっぱり時間がかかるというところはあるかなと思っていて。
実際にはCVCだから事業シナジーだけだよね、みたいにパキッとは分かれないんですけれども、CVCもファイナンシャルリターンが上がらない案件は、会社としてそもそも存続していかないみたいなところもあるので、長く協業していくためには結果的にファイナンシャルリターンも、みたいなCVCも増えてきていますけれども。
とは言いつつも、目的の違いからCVCが投資するべきシリーズだったりとかは、結構決まってくるかなと思っています。
CVCが得意とするのはシリーズB以降の投資
渡辺:
これは自分自身の失敗とかも振り返ってなんですけれども、個人的にはCVCが得意とするシリーズは、シリーズB以降の投資かなと思っていて。
石橋:
割と遅めですね。
渡辺:
そうですね。遅めともとれると思うんですけども、過去にCVCとしてシードだったりとか、かなりアーリーな投資先と協業してストラテジックリターンを焦って出そうとしたこともあるんですけど、そこは予算とか時間軸の期待値が合ってこなかったなというのが正直あって。
シリーズAの調達の後は、プロダクトマーケットフィット(PMF)してやっと事業を伸ばしていけるフェーズに、事業会社との協業というところが本当に良いのかというのはある。脇目も振らずに全てのリソースをメイン事業に振ったほうがお互いにとって良い場合が多くて。
よほど事業会社から大きな予算がつくとか、メイン事業とドンピシャに組めるみたいなことじゃない限りは、大企業・事業会社と協業するタイミングはまだ早いのかなというフェーズがシリーズAかなと。
なので、CVCの担当者的にはシードとかシリーズAで投資することもあると思うんですけども、そうなったら上の人に説明をして、「しばらくは戦略的に放っておきます」じゃないですけども、「サイレントでいきます」というメッセージを社内に出すことも結構重要かなと、CVCはそうなんじゃないかなと思っています。
起業家がCVCを選ぶ際の判断軸とは
石橋:
逆にCVCの数でいうと、コロナの影響で沈んだ部分もありましたが、ボリューム自体でいうと増えている傾向にありますよね。
その中で、起業家の方から見てもCVCの方からお声掛け、ご検討の機会をいただいたりとか、場合によっては「投資したいです」というオファーをいただくケースも、それこそおっしゃっていただいているシードであったりとかシリーズA、プロダクトをまだまだ磨かないといけないフェーズでもあるかなとは思うんですけど。
起業家目線に立った時にどういう判断軸で、このCVCさんはこういう感じだったら割と早い段階でも受け入れていいという、そういった基準というか判断軸みたいなのは、起業家目線だった場合は渡辺さんだったらどういうふうに考えたりしますか?
渡辺:
起業家目線ということを考えると、新規領域で10万円の売上を0から上げる難しさは、やった人しかわからないし、それは既存産業で10億円の売上を立てるよりも、もしかしたら難しいことだったりするので。
そこをちゃんと理解して、事業家とか経営陣の立場に立って、問題を指摘する側じゃなくて一緒に問題を解決してくれる側のCVCさんであったり、VCさんもそうだと思うんですけども、一緒にやられる方が良いのかなと思っていまして、自分自身もそれは自戒としてかなり意識をしています。
株主定例とかでいろんな投資家さんがいらっしゃると思うんですけども、そこであえてちゃんとできていることとか素晴らしいことは、きちんとスピークアウトするようにしていて、そういうことが起業家さんのモチベーションにも繋がるかなというふうには思っていますので、私のキャリア上起業を経験して失敗したところもあったので、そこは意識して伝えるようにしています。
注目する技術領域:エッジコンピューティングと電気機械関連
石橋:
現職でいうと独立系のVC、DG Daiwa Venturesさんにいらっしゃると思うんですけど、先ほどのお話で必ずしもシリーズAでなくても、もうちょっと前の段階から投資オファーを出して追加で出資をしていくケースもあるとおっしゃっていましたけど。
2回目の配信では海外の投資先の事例もご紹介いただいたと思うので、国内でいうと、シリーズAよりも前の段階とか、特にこういうマーケットであればいろんな起業家から話を聞いてみたい領域とか、渡辺さんが注目してるようなところは何かあったりするんですか?
渡辺:
追加投資もさせていただいている例でいうと、Idein株式会社さんというポートフォリオがあって、エッジコンピューティングの会社で、ラズパイ(Raspberry Pi)みたいな安価な計算機でも高いパフォーマンスを出せるようにするActcastというソリューションを持っていらっしゃる会社なんですけれども。
ここは半導体大手のアームのAIパートナーにGoogleと並び立って選ばれていたりとか、最初からグローバルで評価されているという。
電気関連の技術とか電気機械関連の要素技術って、日本にまだチャンスがあるんじゃないかと思っていて、これは最初から機能面で単純に比較したときにもグローバルで評価されるものは他にもあるんじゃないかなと思っていて。
Ideinさんとか他のポートフォリオでいうと、音声出入力のデバイスのフェアリーデバイセズ株式会社さんという会社にも投資をしたりするんですけども、そこも追加投資をしています。
Ideinさんとかフェアリーデバイセズさんで溜まってきた電気関連の技術の成長を見て、伴走してきたという実績を持って他の電気関連の要素技術を持つベンチャーに対しても投資ができれば良いなと考えていて、まだ探し切れていないんですけど。
投資先の発掘方法と5領域を超えた投資姿勢
石橋:
なかなか、そういった電気関連のベンチャーさんはいらっしゃらないですよね?
渡辺:
そうですね。
石橋:
普段はどういうふうに探していらっしゃったりするんですか?
渡辺:
一番多いのは人からの紹介、VCネットワークであったりとか、あるいはエンジェルの方からの紹介であったりとかが一番多いです。
あとは、起業家からの紹介もすごく大切にしていて、起業家から紹介されて投資に至った例というのは何件もありますし、起業家の周りにいるエンジニアが「ここイケてる」みたいなことを言っているのを聞いて紹介してもらって、みたいな流れとかもあったりはしますね。
石橋:
他に注目しているマーケットとかは、渡辺さんの中であったりしますか?
渡辺:
我々がその5領域、AI、ブロックチェーン、XR、バイオヘルス、セキュリティというのを置いているので、ある程度そこを意識しながら、ラボのメンバーにも情報をキャッチアップしながらやってはいるんですけれども。
個人的に興味があるのは、EdTechですね。Why nowというところに応えるんじゃないかなと仮説を持って、まだ全然言語化できていないんですけども、やってみたいなと。
石橋:
基本領域は5領域だけれども、他の領域でも投資検討自体は全然Welcomeということですか?
渡辺:
柔軟にやっています。
コンタクト方法とメンタリング対応について
石橋:
ちなみに渡辺さんに投資検討のご相談とか事業の壁打ちしてもらいたい方々、起業家の方でいうと、どういうチャンネルからご連絡するのが一番良さそうでしょうか?
渡辺:
概要欄にTwitterを載せていただければと思います。
石橋:
TwitterのDMとかで渡辺さんにコンタクトすればお返事いただいて、メンタリングとか壁打ちとかからという感じですかね?
渡辺:
Twitterを実名にするので。
石橋:
了解です。概要欄の方に渡辺さんの実名アカウントになっている状態でURL記載をさせていただいておりますので、そちらの方から、それこそ5領域でこれからチャレンジしていくような起業家の方ですとか、それ以外の領域でも幅広く投資活動・投資検討活動されていらっしゃるということですので、ぜひお気軽に。
僕たち自身も比較的まだまだ若いつもりでいるので、お気軽に投資検討のご相談を渡辺さんにご連絡いただければと思っております。
それでは全3回にわたりまして、改めて渡辺さん、ご出演をいただきましてありがとうございます。
渡辺:
こちらこそありがとうございました。
