ドイツ証券、スタートアップ創業を経験して分かったVCの魅力とは?|スタートアップ投資TV

○千葉 貴史 Spiral Capital株式会社 パートナー/ベンチャーキャピタリスト
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2016年6月よりSpiral Ventures Japan(現:Spiral Capital)の1号ファンド立ち上げメンバーとして参画して以降、20社以上への投資を主導。
当社への参画以前は、2013年より3年間、
不動産テック系スタートアップであるイタンジの創業メンバー&取締役COO/CFOとして、
0→1の創業期から拡大期において、事業開発、ファイナンス、経営管理領域全般を統括。
それ以前は、カーライル・グループのバイアウトチーム及びドイツ証券の投資銀行部門において、
通算6年間に渡りプライベートエクイティ投資業務、
M&A・資金調達のアドバイザリー業務に従事。東京大学経済学部卒。
千葉県生まれ千葉県育ち。趣味は情報収集(ネット検索、読書)と、子供達と戯れること。
娘はディズニープリンセスとプリキュア、息子はアンパンマンが大好き。

リーマンショック前夜、外資系投資銀行からキャリアをスタート

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。

今回は、Spiral Capital株式会社からパートナーの千葉さんにご出演をいただきまして、今回の放送はお送りしていきたいと思っております。改めて千葉さん、今回もよろしくお願いいたします。

千葉:
よろしくお願いします。

石橋:
今回のパートでは、千葉さんご自身が僕自身ご経歴を拝見していても話を聞いてみたいなというか、Gazelle Capitalというベンチャーキャピタル(VC)ファンドとしては既存産業×インターネットでシード時期から投資をさせていただいているので。

それこそ千葉さんがどういった、それこそ前職時代の創業時のお話であるとか、その上で今はVCのパートナーとしてやられているというところ、本当に純粋に関心がありまして、ぜひいろいろとお伺いしていきたいなと思っているんですけれども、一番最初の社会人としてのキャリアはどこから始まっていらっしゃったんでしょうか?

千葉:
もともと大学を卒業して最初の仕事は、ドイツ証券株式会社という外資系の投資銀行に入りまして、当時は2007年でリーマンショック前で、かなり金融業界が就活生からも人気があった時代だったんですけれども。

その時にドイツ証券の投資銀行部門に入って、基本的には合併と買収(M&A)のアドバイザリー業務であったりとか、資金調達のアドバイザリー業務なんかをやっていました。

特にリーマンショックが間もなく来たということもあって、割と企業再生系の案件でだったりとか、ファンドによる企業買収の案件のアドバイザリーだったりとか、半導体の再編みたいなものだったりとか、そういったいろんな案件を4年ほど最初のお仕事をしてきたという感じですかね。

石橋:
ちなみに、そもそも証券会社というか、一番最初の新卒のときにそのキャリアを選ばれたのは、明確にそれからのキャリアのイメージで、逆引きしてそれを選ばれたとか、何か理由とかありますか?

千葉:
もともと大学のときはプライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)に行きたいというのがあって。

どちらかというと、PEファンドは新卒で入れないというか、採っていなかったので、そこのステップというかキャリアとして、投資銀行かコンサルティングファームが海外で多いということもあって、それで就活している中で一番内定が早かったドイツ証券にサクッと入ったという感じです。

ちょうど4年ドイツ証券をやって、プロモーションしてというタイミングで、そろそろPEにチャレンジしてみたいと思いまして。

そこで当時外資系のPEで、特に日本でかなり根を張ってやっていたカーライル・ジャパン・エルエルシーに行きたいということでカーライルを受けたところ、タイミングと縁があってカーライルに入ったという流れですかね。

石橋:
めちゃくちゃ綺麗ですね。作戦通りというか、狙い通りPEファンドに入られて。

わずか2年で上場支援から株式非公開化まで経験、29歳で起業を決意

石橋:
そこから、冒頭のところで僕がすごく関心あるところなんですけど、起業家になられていくわけじゃないですか。

しかも重厚長大なというか、既存産業領域で起業されていくことになると思うんですけど、どういう流れでそれこそPEファンドに入られてからご活躍もされていたと思うんですけど、転職というか退職されて起業という流れになったんでしょうか?

千葉:
カーライルでは丸2年やらせていただいて、PEは買収案件とかもそんなに投資銀行と比べると案件の数が多くなかったりするケースもあるんですけれども、僕は割と運が良くて、最初に経営支援を担当させていただいた株式会社ブロードリーフという会社があって、そこの経営支援から東証一部に上場するようなところまでやらせていただいたりとか。

あと、今は株式会社ソラストという同じく東証一部に上場している会社で、時価総額1,500億円ぐらいある会社なんですけど、当時は時価総額100億円強ぐらいのときに株式非公開化をするところで関わらせていただいたりだとか、割とM&Aで売却するような案件だったりとか。

PEとしてのお仕事は、一通りいろいろと短期的にやらせてもらえたというところもあったんですけれども。

石橋:
2年でその経験をやってるということですもんね?

千葉:
割とそうですね。運も良かったなというところは正直あるんですけれども。

一方で、投資銀行と違って経営陣と近い距離で仕事をする機会が増えた中で、経営陣の人たちを見ながら経営の手触り感というか、株主として経営のアドバイスをするといっても、正直自分自身経営もよくわかっていないところがあって。

そういう中で、自分自身の経営の経験というか会社経営というものをやってみたいなと思うようになって、割と自分の周りでも先輩が起業をしたりとか、あとは投資銀行の先輩が最高財務責任者(CFO)として活躍したりとか、そういった事例がチラホラ出始めた時代でもあって、自分でもやれるんじゃないかみたいなふうにちょっと思ってですね。

そのときはかなり飛び出したいというか、チャレンジしてみたいという思いがすごくあって、リスクテイクをするのであれば30代手前かなということで、ちょうど30歳を迎える前の29歳の時にとりあえず辞めますということで、辞めて起業しようと思いましたね。

不動産テックのイタンジ創業メンバーに、「縁とタイミング」で参画

千葉:
そのときにイタンジ株式会社という不動産テックのスタートアップの創業メンバーとして参画するんですけども、そこは結構縁みたいなところがあって。

自分で起業していくつかやるアイデアを持っていたんですけども、ちょうどカーライルを辞めたタイミングでイタンジの創業社長の伊藤さんという人がいて、彼がもともと3~4年くらいの飲み友達みたいな接点があって、ちょうどカーライルを辞めて起業しようと思ってるんだよねみたいな話をしたときに、ちょうどイタンジという不動産テックのスタートアップを創業するから一緒にやろうということで誘われまして。

マーケット選定的にも不動産は非常に大きい産業ですし、課題も大きくて解決しなければならないこともすごくあって、当時非常に優秀な最高技術責任者(CTO)もいたので、このメンバーだったらすごく面白いことができるんじゃないかなと思って、それでイタンジの創業に参画したみたいな感じです。

そこまではかなり流れ的なというか、これもまた縁とタイミングみたいなところで創業に参画して、3人でスタートするみたいなことでやったという感じですかね。

創業3年目、BtoBのSaaSで光明が見えたタイミングで転機

石橋:
最終的にはイグジットを迎えられていらっしゃると思うんですけれども、創業メンバーから始めて、千葉さんはどこのフェーズまでと言いますか、どういったタイミングでSpiral Capitalさんにと言いますか、きっかけとか理由はどういった時期だったんですか?

千葉:
僕はイタンジがM&Aでイグジットするよりも手前で辞めているんですけれども、ちょうど丸3年創業からやっていまして、始めたところからグロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社さんのような大手のVCさんから資金調達をしたりですとか。

あとは一方でスタートアップあるあるですけど、なかなか最初のサービスがうまくいかなくて。何度かピボットを繰り返しながらも、大きくは3つ目ぐらいのメインのサービス、BtoBのSaaSでかなり売上が立つようになってきたところで。

それなりに苦労しながらも、僕が辞めた3年目ぐらいのタイミングというのは、ちょうどBtoBのSaaSの事業にシフトして黒字が見えたタイミングであったりとか。

事業責任者の当初採用した10人くらいのメンバーというのは非常に優秀なメンバーが多くて、事業責任者レベルでかなり事業が回るような状況にもなってきたというところもあったので、ある意味自分が最高執行責任者(COO)、CFOとしてやってきた中でいうと、その役割が果たせたかなというふうに感じたタイミングがあって。

ちょうどそういうタイミングで、Spiral Capitalの1号ファンドの立ち上げというところで一緒にやろうという話があったということなので、これもかなりタイミングみたいなところがあって。おそらく半年早く声をかけられていたら行かなかったかもしれない気もするし、縁みたいなところがありますね。

ドイツ証券時代の先輩が代表、VC立ち上げという稀有な機会

千葉:
Spiral Capitalの代表の奥野が、もともと僕のドイツ証券時代の先輩で、僕を新卒で採用してくれた先輩なんですけれども、Spiral Capitalの代表もやっているみたいなところがあって。

石橋:
そこもまた縁なんですね。

千葉:
そうなんですよ。やっぱりよく知っている人間がVCを立ち上げるというところで、あとは僕自身、経営とかスタートアップでいろいろとチャレンジしてみたいというのもありつつも、自分の長期的な興味関心的にいうと、投資ビジネスみたいな領域、PEなのかVCなのかわからないですけど、もう一度投資の領域に長期的には挑戦したいなという思いがあって。

そう見るとかなりタイミング的に、なかなかVCとか特にアーリーステージのVCを1から立ち上げにいくという機会はなかなかないなと思った中で、自分が長期的に何をやっていきたいのかと思ったときに、いろんな数多くの領域のいろんなイノベーションを支援していきたいという思いがあって、それでVCに移ったという感じですね。

ここもかなり縁みたいなところがあるかなと思いますね。

「転職ではなく、VCという事業の立ち上げ」長期でコミットする覚悟

石橋:
今後もまだまだ未確定のところは多いと思うんですけれども、千葉さんとしてのこれからのキャリアはどういうふうに描かれているとか、イメージは何かお持ちだったりしますか?

千葉:
それでいうと、VCに転職したみたいな感覚というよりは、VCという事業をある意味スタートアップとして立ち上げているという感覚に近くてですね。

僕自身今パートナーとして、特にジェネラルファンドという純投資ファンド側のジェネラルパートナーとして担当させていただいている中でいうと、基本的には長期でこのVCの仕事にはコミットしてやっていきたいなと思っていますね。

割と人生いろんなことをやりながら、ある種回り道もしたようなところもあるんですけども、やる中ですごくVCの仕事というのが自分自身の性格とか、興味関心にフィットしているなと感じるところはすごくあって、日々楽しくやっているので。

自分のキャリアというよりは、今はまずSpiral Capitalという器を使いながら、より多くのユニコーンというか、産業を変えていくようなスタートアップを生み出していきたいなと思っている感じです。

石橋:
ありがとうございます。これ以上聞いていくと僕の興味がどんどんSpiral Capitalさんのファンド自体の話になっていっちゃいそうなので、Spiral Capitalさんについては2回目の配信でお送りさせていただきたいと思っておりますので、改めて第1回目のご出演になりますが、千葉さんご出演ありがとうございます。

千葉:
ありがとうございます。

【Spiral Capital】異質な組み合わせ?既存産業と先端テクノロジーで変革を生み出すベンチャーキャピタル|スタートアップ投資TV

2本のファンドで総額170億円規模を運用

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。

今回は、Spiral Capitalの千葉さんのご出演回の2弾目ということで、Spiral Capitalさんについていろいろとお話を伺っていきたいと思っておりますので、改めて千葉さんよろしくお願いいたします。

千葉:
よろしくお願いします。

石橋:
早速ではあるんですけれども、1本目にそういったご遍歴で千葉さんが創業メンバーとして参画されて、1号ファンドからすでに約4年間ファンド活動もされていらっしゃると思うんですけれども、今はどういったファンドを運用されていらっしゃるんでしょうか?

千葉:
ちょうど5年目になるんですけど、2016年に1号ファンドを立ち上げていまして、これは70億円の規模で立ち上げて、3年半ほどで組み入れが完了したという感じですね。

2号ファンドのレイズをしていて、これは春にファイナルクローズする予定なんですけれども、目標としては100億円以上の規模でファイナルクローズしたいと思っていまして、そのまま2号ファンドと。

もう1個、去年2020年に入ってからの新しい取り組みとして、オープンイノベーション支援に特化したSpiral Innovation Partners株式会社という会社をSpiral Capitalグループの子会社で新設をしまして。

こちらの方で物流大手企業のセイノーホールディングス株式会社さんがアンカーリミテッドパートナーになる形で、物流領域の変革に特化したLogistics Innovation Fundという物流特化ファンド。

CVCのより拡張概念でセクターフォーカスVCという言い方を僕らとしてはしているんですけれども、そちらのファンドを70億円規模で運用していまして、なので現状はこのジェネラルファンドの純投資ファンドの2号ファンドとLogistics Innovation Fundの2本立てで運用しているような形になっています。

一応僕自身、両方のファンドの意思決定には関わってはいるんですけれども、主にはジェネラルファンド側の担当パートナーとしてやらせていただいているという感じですかね。

クロステックとDXを軸に産業変革を支援

石橋:
それぞれのファンドで色が違ったりはするとは思うんですけれども、そもそもその全体像でいうと、どういうマーケットの投資をしていくような方針でやっていらっしゃるんでしょうか?

千葉:
私がメインで担当しているジェネラルファンドの方で言いますと、1号ファンドの立ち上げの時から1つ大きなテーマとして掲げていたのが、クロステックと言われているようなレガシー産業×テクノロジーで産業変革をしていくような産業変革系のテーマというのが1つの柱としてあります。

あとは最近デジタルトランスフォーメーション(DX)がかなりバズワードみたいな形で言われてはいますけど、2016年ぐらいでバズワード化する前からDXみたいなテーマにはずっと取り組んでいて、レガシー産業だけではなく、業務とか購買とか生活のあり方を変えていくようなホリゾンタルなレイヤーのDXというようなものも対象にしている感じです。

割と幅広いITネット関係はかなり幅広くやっていますし、AI、IoT、ロボティクス、ドローン、そういった先進的なテーマの投資先も複数ありますし、B向けC向けもかなり幅広くやっている感じがあるので、そういう意味だとDXを柱に据えながらも、かなり総合的にやっているようなVCになるという感じですかね。

シリーズA前後に1~5億円、リード投資が基本

石橋:
1号ファンドでいうと70億円で、現在はレイズ中の2号ファンドで約100億円以上のファンドをやられていると思うんですけれども、その規模感だとどういったラウンドのスタートアップの方々に投資しているケースというのが多いんでしょうか?

千葉:
ラウンドでいうと、基本的にはアーリーステージをメインにしていまして、いわゆるシリーズAの前後ぐらいですかね。

プレA・シリーズA・シリーズBあたりが大体6~7割ぐらいの領域で、そこからミドル・レイターステージも幅広く投資をするという形で、逆にやらないのは、本当に立ち上げたばかりのシードみたいなところは、今のところはあまりやらないような形になっているというところですかね。

石橋:
なるほどですね。大体1社あたり平均するとこのぐらいの金額を投資しているみたいな、ボリューム感のイメージとかもあるんですか?

千葉:
1号ファンドの時は大体1~2億円くらいが多かったんですけれども、2号ファンドでいうと1~5億円くらいのレンジで、アーリーステージだと大体1~3億円くらいからエントリーしつつ、ミドル・レイターになるにつれて追加投資も含めて5億円とか、最大10億円くらいまで投資できるようなファンドにしていこうという形でやっています。

最低5,000万円くらいというのが、1つの投資のロットサイズです。

石橋:
基本的にシリーズA前後で1~5億円レンジで投資されていかれるとなると、ほぼリード投資家さんとしてコミットされているのかなと思うんですけれども、そういったリードの投資かフォローの投資かの決め方の方針とかルールとかっていうのは何かあるんでしょうか?

千葉:
特にアーリーステージにおいてはリード投資家としてラウンドをリードしてやっていく形がほとんどで、ミドル・レイターステージになってくると調達規模も大きくなってきたりもするので、そこはフォローでも投資をするような形ですね。

なので割とリードがメインなんだけれども、フォローでも検討はできるという形ではやっていますね。

選ばれる理由は「相性」と「事業への深い共感」

石橋:
最近、VCファンドさん自体の数も増えてきたりとか、大型のファンドの数も増えてきているような印象を僕自身も持っているんですけれども。

Spiral Capitalさんとして、起業家の方に選ばれている理由でいうと、どういうところを選ばれている理由として挙げていただいていたりとか、既存の投資先はこういうところをSpiral Capitalさんに価値を感じて、引き受け先として選んでいるみたいなところは何かあったりするんでしょうか?

千葉:
それでいうと、最近ファンド間の競争も激しくなってきているので、割と採用支援機能とか、いろんな機能をつけながら差別化をしていくというのはあるかなと思うんですけど。

ただ結構現場で起業家の方と話していて思うんですけど、その機能があるからそのVCを選ぶということは実際あまりないかなと思っていまして、大体は相性とか、投資はある種結婚よりも解消が難しいかもしれないような関係があるので。

やっぱり投資家が起業家のビジョンだったり事業に深く共感できるかというところと、それに加えて起業家から見て投資家に入ってもらいたいと思うか、そういう相性というのは結構大事かなと思っていまして。

僕も起業家出身ということもありますし、事業の議論をすること自体はすごく好きなので、どうやったら事業を伸ばせるのかとか、そういう議論をしていく中でフィット感があれば選ばれるみたいな感じなんじゃないかなと思います。

「使命を帯びた起業家」を最重視する投資判断

石橋:
ご自身でも資金調達をご経験されていらっしゃって、今もちろんパートナーとして投資活動をしていらっしゃると思うんですけども、その中でこういうところの判断軸で投資をしているであったりとか、こういう起業家の人を探しているみたいなところは、何か千葉さんの中でお持ちだったりするんでしょうか?

千葉:
基本的には、起業家とテーマみたいなところを一番大事に見ていて、特に起業家を一番見ているという感じかもしれないですね。

一応アーリーステージのVCなので、いろいろ一通り分析はするんですよね。経営チームがどうだとか、マーケット競争優位性とか、ビジネスモデル、あとは投資リターンのシミュレーションはどうだとか。

そういうのは一通りかなりデューデリジェンスしてしっかり見てはいるんですけれども、やっぱりこの起業家にベットできるかみたいなことがすごく大事で、とりわけどういう起業家が好きかというと、使命を帯びているような起業家というんですかね。

その領域は自分でなければ変えられないとか、成し遂げられないんだと思えるような、そういった使命を帯びているような起業家であるとか、そういった情熱を持っているかとか、この人でなければこの領域はやれないんじゃないかと思わせてくれるような要素を持っているかとか、そういう起業家自身の強いオリジナリティみたいなところですかね。

海外でこういうのが流行っているからとか、トレンドだからとか、儲かりそうだからという起業の参入アングルというよりは、起業家の原体験なのか、性格の興味関心なのか、いろんな理由によって、その起業家でなければ成し遂げられないことをやっているなと思えるか、というところが結構大事に見ているところですね。

ラボテック、宇宙ロボット──多彩な投資先の共通点

石橋:
この約5年間の中で、本当に様々な投資先ですとか、起業家の方とも面談をしていらっしゃると思うんですけども。

既存の投資先等でいうと、まさに今おっしゃっていただいたような使命を帯びてやっているであったりとか、この人だからこそ、もちろんマーケットがあって戦略が正しくてもちろん投資リターンもありそうなところは前提だと思うんですけれども、印象的なところの事例ですとか、その人に対する印象のエピソードみたいなのは何かあったりするんでしょうか?

千葉:
例えばうちが投資をしている株式会社POL(現:株式会社LabBase)という会社があって、ここはラボテックという言い方をしていて、日本の研究開発の産学連携とか、研究開発のマーケットを変革していくというか、エンパワーしていくということをやっている会社なんですけれども。

もともと社長の加茂さんは、投資した時だと25歳以下の若手起業家で、最初は身近な理系の就活生の課題を解決していくダイレクトリクルーティングサービスから入っているんですけれども。

そこから実際に事業をやる過程で、さらに研究者をエンパワーしていく、研究者がより活躍できるような環境を作っていくということで、そこは非常に高い志・使命を持っていて、いろんな事業群を作っていくことによってアカデミアの世界であったりとか、研究者の「不」を解決していくことをやっていたりしますね。

石橋:
千葉さんと加茂さんが出会ったのはどういうフェーズだったんですか?

千葉:
もともとはICC(Industry Co­-Creationサミット)というイベントで、3年以上前かと思うんですけれども、彼が登壇していたときに懇親会で話す機会があって、話したときにビビッときたというか、当時23歳とかそのぐらいだったかなと思うんですけど、年齢の若さを感じさせないようなエネルギー・パワーというか、組織に対する意識の高さであったりとか、話していてかなり違うなと感じたところはありましたね。

そこでぜひ投資したいなと思って、それで3年くらいコミュニケーションを重ねながらシリーズAをやるというタイミングで投資をさせていただいたという経緯ですね。

石橋:
他には何か印象的な投資先は何かございますか?

千葉:
あとはGITAI Japan株式会社というロボットベンチャーがちょっと変わり種なんですけど、宇宙ステーション内の作業を代替していくロボットですね。アバターロボットという人型ロボットで、遠隔制御するロボットなんですけども。

この会社は株式会社SCHAFTというGoogleに買収された東京大学発のロボットベンチャーの創業者とか、リードエンジニアだった人とか、あとは情報システム工学研究室(JSK)という東京大学の中にあるロボット研究室で、すごく日本の中でも有名な研究室があって、そこの准教授とかを辞めて入ってくるような人とか、ロボット研究者の日本最高峰の人材が集まっているような会社なんです。

そういう人的な質というか、最高のロボットを作るという情熱みたいなところとか、このチームでなければやれない領域なんじゃないかなと深く感じさせてもらえたようなところでしたね。

そこはピュアにこういう会社を支援していかなければいけないなとか、日本の産業にとって本当に必要な会社だなという観点で、投資をさせていただいているというところがありますね。

石橋:
本当にクロステックとはいえ、本当にフロンティアテックというか、ある意味幅広にも見ていらっしゃるというか。

千葉:
そうですね。ロボティクスもやっぱり産業、これまで人でやっていたものとかを自動化していくとか、ロボットでリプレイスしていくというのは、長期的に見るとメガトレンドでもあるんですけど、そういった形で割と幅広くDXを捉えている感じではありますね。

物流特化ファンドとジェネラルファンドの棲み分け

石橋:
ちなみにこれは興味本位の質問になってしまって恐縮ではあるんですけど、まさに先ほどセイノーさんと物流に特化したファンドもやられていながら、クロステックの領域のジェネラルファンドもやっていらっしゃると、まさに物流領域の投資検討先というのが出てくるケースももちろんあると思うんですけども。

そういうときはどういうふうにしてそれぞれのファンドで検討されたりですとか、何か明確にラウンドが違ったりとか、どういうふうな棲み分けでやっていらっしゃるんでしょうか?

千葉:
基本的には物流領域ど真ん中に近いものに関しては、物流ファンド側で検討することになるケースは多いかなと思うんですけど、物流が絡むと言っても結構幅広いというか、電子商取引(EC)とかは物流なしには語れないですよね。

そこがよりセイノーさんとシナジーが強いものとか、物流のど真ん中系を変革していくようなものに関しては、Logistics Innovation Fund(LIF)の方で検討するのが基本になってくるかなと思うんですけれども。

ただ物流とはいえ、比較的ど真ん中系よりは周辺に近いようなものとかは、ECとかDtoCみたいなテーマもかなり投資もしてきていますし、そこは棲み分けがなされているかなという感じではありますね。

10兆円のギフト市場、日本酒のグローバル展開も

石橋:
それこそEC・DtoC系のマーケットの投資先だとどういったところがあるんですか?

千葉:
ECだと株式会社Graciaという若手起業家の当時東京大学をちょうど卒業するぐらいのタイミングの経営チームなんですけども、ギフトECです。

ギフトは10兆円のマーケットで非常に大きいマーケットなんですけれども、まだまだ顧客体験・購買体験が変革する余地があって、そういうところに切り込んでいる会社ですかね。

あとはDtoCでいうと、株式会社FABRIC TOKYOとか、あと株式会社WAKAZEという日本酒の会社も投資をしていたりしますね。日本酒のグローバル展開をさせていくということで、フランスのパリに醸造所を作ってやっているような会社で。

ある意味日本酒産業というのはレガシーで、新規参入もほとんどなくて、日本の伝統産業なんだけれども、あまり新しい風みたいなものがなかったんですけれども、そこに対してスタートアップ的な酒の製造手法を持ち込んで、かつ海外の現地生産をすることによってグローバルで日本酒を売っていくことをチャレンジしている会社でして。

そこもかなり強烈な経営チームというか、非常に志の高い経営チームがやっている会社なので、そういったところにも投資したりという形ですね。

コンタクトはSNSや紹介経由で、メンタリングイベントも開催

石橋:
お話を聞いているとクロステックというわかりやすいテーマはありつつ、幅広に投資検討であったり投資先組み入れしていらっしゃるような印象を受けるんですが、千葉さんに起業家の方が投資検討してもらいたいよとか、事業の壁打ち相談したいよというときは、どういうチャネルからコンタクトすると良さそうでしょうか?

千葉:
何でも良いですけどね。

石橋:
Facebook、Twitterとかでも?

千葉:
そうですね。でもTwitterのDMは結構スルーしちゃう。いろんな問い合わせがあったりするので、結構スルーしちゃうこともあって。

別に何でも良いですけどね。Twitter、Facebook、誰かしら知り合い経由でご紹介いただくケースとか、割とご紹介のルートがかなり多いですね。

シリーズAぐらいになってくると、エンジェルの方とかシードVCの方だとか、スタートアップの支援をしている方とか、起業家の紹介とか、紹介経由でお会いすることがすごく多かったりとか。

あとは最近の取り組みとしては、より早いシードの起業家向けにメンタリングイベントというか、ライトに一気にディスカッションしてメンタリングしていくようなイベントもやり始めていたりとかするので、そういうところにカジュアルに来ていただいても良いですし。

そこは基本的にどんな領域でも検討するようなスタンスで、全ての領域をゼロベースで検討するスタンスでやっていますので、あまりテーマを決め打ちせず、どちらかというとその起業家だからこそ見えるようなオリジナリティがあるような領域であったりとか、そういうのを含めてかなり幅広く議論していきたいなと思いますね。

石橋:
ありがとうございます。動画の概要欄の方に千葉さんのFacebookとTwitterのアカウントも記載をさせていただいておりますので、ぜひ事業の相談等したいなと思った方はそちらの方から直接ご連絡をしてみたりですね。

それで、なかなか返信来ないよという場合には、ぜひ僕らの方にもお声掛けをいただければお繋ぎもさせていただけるかなと思っておりますので、ぜひお気軽にご連絡をしてみていただけると良いのかなと思っております。

【業界経験は不要】スタートアップは情熱と覚悟が1番大事!?|スタートアップ投資TV

業界インサイダーでも失敗する理由

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。

今回は、前回に引き続き第3弾ということで、Spiral Capitalのパートナーの千葉さんに引き続きご出演いただいておりますので、改めて千葉さん、よろしくお願いいたします。

千葉:
よろしくお願いします。

石橋:
今回は、第1弾の千葉さんの自己紹介から第2弾のSpiral Capitalさんのご説明に引き続き、やはりクロステック領域に投資しているようなSpiral Capitalさんだからこそ、お伺いしたいことがありまして。

昨今DXが話題にもなってきてはいますが、外部の業界経験のない方々が本当に既存産業領域で産業変革するようなスタートアップを作れるのか、みたいなところをテーマに、いろいろと千葉さんにオープントークでディスカッションさせていただければなと思うんですけれども。

まさに千葉さんご自身が既存産業×インターネットというか、産業変革するようなスタートアップだったと思うんですけれども、ご自身の体験ベースでいうと、そういった外様であったりとか外から入っていく、ないしは中から入っていくっていうところでいうと、どういった意見をお持ちだったりするんでしょうか?

千葉:
今の投資先でも20代の起業家にも結構投資していますし、社会人経験少なく大学卒業して間もなく起業していくようなパターンの起業家にも結構多く投資をしているんですけれども、結論としてあんまり業界経験の長さとか有無というのは、その領域でやるにあたってそんなに関係ないんじゃないかなと思っていまして。

イタンジの、僕の前職の例でいくと、むしろ業界の専門家がいたんですよね。社長の伊藤さんは不動産業界歴がものすごく長い、親の代からやっていたりとか。CTOも賃貸ポータルサイトの運営歴を持っていた形で、僕だけが業界知見がないみたいな感じで。

僕以外の役員はみんな深い業界知見を持っていて、当時の最初のサービスとか事業計画もかなり業界の構造に関してのペインを理解した上でやっていたので、正直かなり成功確率が高いと思っていたんですよね。最初のサービスで自信あったんですけど。

石橋:
外様というよりも、中の人たちが立ち上げていくみたいな。

千葉:
そうですね。ある意味インサイダーで、僕としてはインサイダーの人と組んで起業するみたいな感じに近いパターンだったんですけど。

でも実際やってみると、業界構造が思ってたのと違ったりとか、不動産会社といっても地方によっても違えば、企業規模によっても違うんですね。システム投資の考え方とも全然違ったりするし、結果ピボットしながら、徐々に商流を深く理解しながら、軌道修正しながらやっていったわけなんですけれども。

必ずしも業界経験があったからといっても、その業界での経験があるバリューチェーンのごく一部のところだけをやっていました、例えば大企業でそういうことをやっていました、そういう人が必ずしもその業界の本質的なペインのことを熟知できているとも限らなかったりもするので、どちらかというと、やりながら深く学んでいくみたいなことのほうが大事なのかなという感じはしますね。

なので、それは何らかのきっかけというか、業界での経験だったり、もしくは何らかの業界のサービスが好きだったりとか、そういうきっかけは何でも良いと思うんですけれども、そこで面白いチャレンジをしたりとか、自分ならではの解決したいものがあって、ということがあるんだったら、あとは飛び込んでやりながら実際学びながら軌道修正するスタンスの方が良いかなという感じではありますね。

ケンブリッジ大学で学び直した起業家の覚悟

石橋:
Spiral Capitalさんは、それこそ先日新規株式公開(IPO)もされていらっしゃるENECHANGE株式会社さんにも投資をしていらっしゃると思うんですけれども、ENECHANGEさんでいうと、創業メンバーの方々であったりとか、外様・インサイダーでいうとどういった形の方々で、初期の頃どういうふうに戦っていらっしゃったんですか?

千葉:
ENECHANGEのファウンダーの城口さんは、シリアルアントレプレナーで大学在学中の頃から起業していて、ENECHANGEが3社目の挑戦みたいな形になっているんですけど、3度目のENECHANGEを創業する前に、「次は電力だ」と。

電力はマーケットも大きいし、長期的に取り組む価値のある産業領域。東日本大震災とかいろんな原体験もありながら戦うマーケットを定めた上で、そこで彼が何をやったかというと、ケンブリッジ大学院に留学するんですよね。本人は文系で、東京大学法学部なんですけど。

なぜかケンブリッジ大学の理系のスマートエナジーを研究するところに飛び込んで、修士課程・博士課程で学びながら、日本の電力自由化の規制緩和に合わせて日本とイギリスで創業していくみたいな。

最終的に統合してENECHANGEという形でやっているんですけれども、そういう形でやるマーケットに関する知見がなければ、学びに行くというか、学びながら実際に起業していくみたいな。

なかなか真似できることではないと思うんですけども、本気でやりたいのであればそういう研究領域に飛び込んで専門家になってしまうというパターンもあるかなと。

高校3年生の2人に1人が使うサービスを生んだ「やりながら学ぶ」戦略

石橋:
逆にいうと、そのケースはなかなか真似しにくいというか、模倣しにくいかと思うんですけど、千葉さんの投資先だと、やはり20代の前半で創業されていらっしゃったりとか、20代で起業されている若手の方にも投資されていらっしゃるかと思うんですが、そういった方々、そもそも社会人経験がなければ、そもそも既存産業領域を知る余地もないわけじゃないですか。

そういう方々はどういうふうに戦っているケースが多いとか、こういう巻き込み方があるみたいなものは、何かエッセンスがあったりするんでしょうか?

千葉:
やっぱりやりながらというところは大きいかなと思いまして、先ほどPOLの話をしたと思うんですけども、POLも最初の立ち上げは身近な理系学生のペインを解決していく、就活生の課題を解決するサービスから入りつつ、その領域でいろいろと動いていく中でいろんなアカデミアの課題が見えてきて、そういった課題もどんどん解決していこうということで、事業領域を広げていくアクションを取っていくわけですね。

徐々に広げていく事例とかでいうと、スタディプラス株式会社という教育領域のプラットフォームをやっている会社があって、ここも最初は学生起業で受験生時代の課題を解決するために学習管理のアプリをスタートして、それが今や高校3年生の2人に1人ぐらいが使うようなものになってきているわけなんですけども。

そういったみんなが使うようなサービスになっていく過程で、学習管理のシステムを塾向けに提供しようということで塾のDXの領域だったりとか、デジタル参考書のサブスクサービスみたいな、そういったC向けである意味シェアを取っているからこそいろんな学習参考書の出版社を巻き込みながら、そういったサービスを立ち上げたりという感じで。

派生的にやっていくからこそ見えてくるいろんなペインというのがあって、やっているからこそ必然的に既存のアセットを活かしながら展開していくことができるようになってくるかなと思いますので、やりながら志を上げていくというところがすごく大事かなと。

若手起業家の武器は「ゼロベース思考」と「巻き込み力」

石橋:
逆に極端にいうと、年齢というのは関係ないといえば関係ないんですかね?

千葉さんとして若手の方に相対的に投資されているケースが多いのかなという印象を受けていたので、若手の人の特徴みたいなところは、千葉さんとしては捉えているところは何かあったりするんですか?

千葉:
もちろん年齢は若手も投資していますし、30代40代で投資している起業家もいて、それぞれ良さもあるし、対象のマーケットによっては、より経験者じゃなければやりにくい領域とかももちろんあるとは思うんですけれども。

若手の起業家を見ていてすごく良いなと思うのは、思考がすごく柔軟というか、ゼロベースなんですよ。

良くも悪くも既成概念にとらわれていなかったりだとか、そういう思考の瞬発力とか学習力とか、PDCA(計画・実行・評価・改善)でどんどん回していくようなスピード感であったりだとか、そういったところは非常に良いなと思いますね。

僕自身不動産テックをかじっていたことによって、不動産マーケットに関して変に知ってしまっているからこそ、ちょっと見方が厳しくなるみたいな。経験に縛られちゃうケースというのもあって、良くも悪くもみたいなところがあるかなと思うんですよね。

なので、フラットな思考というか、ゼロベースの思考というところはかなり若手のアドバンテージで、パワー・エネルギーみたいなところとか。あとはいろんな支援者を得られやすいというのもあるかと思っていて、別に起業は1人でやるわけじゃないので。

例えばうちのSpiral Capitalにライフネット生命保険株式会社の岩瀬さんが先日ジョインしたんですけれども、岩瀬さんも出口さんという生命保険業界の経験が長い方と共同でやっていますけれども、そういう知見のある人の力を借りながら起業していくというパターンもありますし、そこはそういった周りの支援者を巻き込みやすいかもしれないですね。

若手の方がそういう応援者・支援者を得やすいというところはあるので、そのあたりのアドバンテージ、逆に経験が長くないことによるディスアドバンテージを補える要素というのはすごくいっぱいあるんじゃないかなと思います。

レガシー産業攻略に必要な「10年やり抜く覚悟」

石橋:
お話としては、やりながら見極めていかないといけないところに収斂されていくのかなと思うんですけれども。

それこそ先ほどイタンジさんのお話のように、業界経験がある方たちが創業していっても、やはりピボットしていったりとかなかなかクリティカルに課題が捉えられないケースもあるという中でですね。

これから、例えば外様の立場で既存産業×インターネットで起業していこうみたいな人がいたときに、どういうところに気をつけていたりとか、どういう戦略を取っていくと、よりサイクルが短くできるといいますか、失敗の回数というか、そういうのが少なくでき得るみたいなエッセンスみたいなものは、既存の投資先とか見ているとどういう実例とかノウハウがあったりするんでしょうか?

千葉:
個人的には特に重たい産業というか、レガシーな産業、巨大なマーケットに対して切り込んでいくタイプのビジネスというのは時間がかかるなと思いますね。

これはショートカットしようと思っても難しいというか、業界の構造も想像以上に複雑であったりとか、ITリテラシー、ITの浸透度合いみたいなものとかも違えば、広告宣伝をうったからといってスピードが一気に上がるかというとそうでもなかったりとかあるんですよね。

なのですごく大事なこととしては、長くやる覚悟を持つことがすごく大事かなと思いますね。レガシーよりでかいマーケットに切り込むというときに、5年~10年。

例えばイタンジも今は、株式会社GA technologiesというグループ会社の傘下で、引き続き申込受付のサービスがシェアをとって伸びているんですけれども、それも創業から7~8年とかやり続けているからこそ、マーケットへの浸透というのが出てくるわけですね。

どうしても最初は試行錯誤で回り道したり紆余曲折があるというのは、どうしても発生すると思うんですけれども、そこから一気に広がるかというと、その先も改善し続ける、やり続けるみたいな。そういうのがないとやっぱり難しいのかなと思いますね。

スタディプラスも10年くらいやっていますし、最近投資先でテレビCMをいっぱいやっている、みんなのマーケット株式会社の「くらしのマーケット」という、ハウスクリーニングとか不用品回収とか、生活サービスのECモールをやっているところもあって、今すごく伸びているんですけど、そこもやっぱり10年ぐらいやっているんですよね。

10年かけて数万点のサプライヤーを集めていて、良いサービスを作ってということをやり続けているからこそ、領域のNo.1プレイヤーになっていけるというところはあるので、やりきる覚悟・情熱を持ち続けられるかみたいなところは何よりも重要かなと。

あとは業界のペインを知る上では、足で稼ぐじゃないですけど、顧客と向き合って実際サービスを出しながらどうかということを、それをやりまくっていくということしかないかなとは思いますかね。

石橋:
ありがとうございます。ぜひ既存産業というか、まだまだ経験したことのないようなマーケットでも、そのマーケットに長くコミットするような覚悟をお持ちで、それこそ試行回数もいろいろあるかもしれないですけど、諦めずにチャレンジし続けるぞという思いのある方は、ぜひ概要欄の方から千葉さんのアカウント等を掲載させていただいておりますので。

ぜひコンタクトを取りながら事業相談等もしていただけると良いかなと思っております。それでは全3回にわたりまして、改めて千葉さん、ご出演ありがとうございます。

千葉:
どうもありがとうございました。