住友商事を経てベンチャーキャピタルに?商社マンキャピタリストの素顔と野望!|スタートアップ投資TV

○水谷航己 株式会社ジェネシア・ベンチャーズ インベストメント・マネージャー
公式HP▶︎https://www.genesiaventures.com/
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2013年4月、住友商事株式会社に入社し、リスクマネジメント部に配属。
2015年には、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に出向。
2016年からは住友商事に帰任し、金属事業部門のリスクマネジメント担当として、国内外の自動車部品製造事業、金属加工事業のM&A、与信管理、投資先事業会社支援に従事。
2018年7月より株式会社ジェネシア・ベンチャーズに参画。東京大学/法学部卒。

東大法学部で目指した官僚への道

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。

今回は株式会社ジェネシア・ベンチャーズの水谷さんにご出演をいただきますので、改めてよろしくお願いします。

水谷:
よろしくお願いします。ジェネシア・ベンチャーズの水谷です。

石橋:
ありがとうございます。あんまり僕自身もですね、実はまだ水谷さんときちんとお話しさせていただくのは初めてなので、まずは水谷さんご自身のことをお伺いさせていただければなと思うんですけど、東京大学出身のスーパーエリートキャリアですよね。

水谷:
傍から見たらそこは謙遜しきれない部分があるのかなとは思うんですけれども。

石橋:
もともと学生時代はどういったことをやられていたりしたんですか?

水谷:
いろいろやってましたね。サークル活動もそうですし、音楽・スポーツもそうですし。だいたい勉強以外のことはいろいろやってたかな。

でもやっぱり将来に向き合うにあたって、何をしたいんだというのを結構悩んでいたんですけれども、当時は社会に対して世の中で暮らしている人がより豊かに生活できるような、こういうところに貢献できる仕事がしたいなと思っていて。

あとはその学部柄ですね、東京大学の中でも法学部というちょっとまあ特殊な環境にいたこともあって。もともとは国家公務員、官僚を目指して、大学に入ってから今までサボっていた勉強をやろうかなというところで、勉強を始めたのが大学3年生ぐらいですね。

そこから試験勉強を進めていたんですけれども、まさかの試験に落ちるというですね。そのまま留年ということになったのが2011年のことでした。

石橋:
結構、大きな転機といえば転機というか。

水谷:
そうですね。自分の自己実現というか、やっぱりそこへの気合いが全然足りなかったなというところもありましたね。

東日本大震災のボランティアが転機に

石橋:
落ちた後っていうのも変な表現ですけど、落ちてしまった後にどういう遍歴を経て新卒の会社とか、どういう会社を選ばれていくんですか?

水谷:
その試験があったのが2011年5月なんですけども、2ヶ月前に東日本大震災が起きていたというような時代でした。

試験には落ちたものの、単位は取れていてすごく暇だったので、その大震災で被害を受けた地域、岩手県大槌町ですとか宮城県女川町といったところに数ヶ月間滞在させていただいて、ボランティアというような経験を積ませていただいて。

粛々と試験勉強は続けつつもですね、そういったところで、家を流されて仮設住宅で暮らしている中学生の生徒さんたちに、放課後学校のような形で、高校入試に向けた勉強を教えるというような仕事をしばらくさせていただいていました。

石橋:
試験勉強をしながらボランティアをされていらっしゃって、その流れで公務員にはならなかったんですね。

水谷:
そうですね。そこでボランティアをさせていただく中ですごい感じていたのが、やっぱり何かが起きているところの最前線で意思決定をしていく、それから実行をしていくという人たちは、必ずしも官僚や公務員の方たちだけではないなというのをすごい感じまして。

NPOの方だとか地場の企業の方々だとか、そういった人たちが現場を率先してまとめていくと。その中で後から公務員たちとかが予算や法律を作ってバックアップをしていくと、こういうようなケースが多くてですね。

じゃあ自分として、この社会との関わりの中でどっちの立ち位置がいいのかなと考えた時に、やっぱり霞が関で予算や法律を作るよりかは、もっと現場に近いところで仕事をしていく方が合ってるなというのをすごい感じてですね。

そのフィールドがより世界でできるというところで、最終的には総合商社の住友商事株式会社に入社を決めたという経緯になっております。

住友商事での経験と「成熟産業」への違和感

石橋:
東京大学を卒業して住友商事さんに行かれて、ベンチャーキャピタル(VC)業界にいらっしゃるって結構業界が全然違うと思うんですけど、最終的なきっかけと言いますか、どうしてジェネシア・ベンチャーズさんにいらっしゃる流れになったんですか?

水谷:
住友商事はですね、すごい大きな企業でして。僕はその中でも投資やトレードの意思決定のサポートをしていく部署にいました。

その中でも電力とかインフラ、それから自動車部品の製造、鉄鋼ですとか、日本の基幹産業とも言われるような事業を、住友商事だけではなく、そういった業界の名だたるプレイヤーの方々と世界で事業を作っていくというような仕事をさせていただいてました。

そこで流通するお金の大きさもそうですし、事業が生み出していく雇用の大きさ、こういうのも非常にダイナミックに感じていたんですけれども、ビジネスモデルがやはりもう数年間、数十年間結構変わらない、割と成熟産業というようなものを非常に感じていました。

住友商事に入ってからも、社会に対してポジティブインパクトを与えるような仕事がしたいという思いは変わっていなかった中で、こういった基幹産業、骨太な産業をもっと興していくような仕事に就きたいなと思うようになっていて。

それが住友商事でできるのか、外でチャレンジをしたいのかっていうのをいろいろ考える中でですね、外に出てチャレンジをしようかなという中でですね、ジェネシア・ベンチャーズのGeneral Partner(GP)の田島に会ったというような流れになっています。

ビズリーチ経由でVC業界へ──2020年7月の転身

石橋:
本当に転職活動されている中で、田島さんと出会われてって感じなんですね。

水谷:
そうですね。転職活動をしようかなと考えていた時、ビズリーチに登録をさせていただきまして、そこでエージェントさんからメッセージをいただいて。

当時、VCという存在は知っていたんですが、採用しているというところまではなかなか知らずに、エージェントさんから話をもらって、これは面白そうだなと。

自分のやりたいことと過去に投資をしていたっていうところで、バックグラウンドがうまく一致する、もちろんスタートアップを作っていくっていったところについてはゼロからになるわけですけれども。

一定程度の投資の実務経験ですとか、あとはジェネシア・ベンチャーズって大企業との仕事も多いんですが、住友商事の中でやっていた経験も踏まえて仕事ができるかなというところで、興味を持っていろいろと話をさせていただきました。

石橋:
今ってジェネシア・ベンチャーズに転職されて、もうどのくらい経たれるんでしたっけ?

水谷:
ジェネシア・ベンチャーズに転職してから、ちょうど2020年7月で2年になりました。

大企業出身者が直面した「経営者との距離感」

石橋:
ゼロからスタートアップというかVC業界に入ってきたとおっしゃってましたけど、ゼロから入ってこられて一番苦労したところとか、すごい心がけていらっしゃることとかって、水谷さん個人としてベンチャーキャピタリストとして何かお持ちだったりするんですか?

水谷:
もともと大企業のサラリーマンとしてVCにやってきて、日々お会いする方って社長や経営者の方だったんですね。

その中で自分が知っている社長さんっていうのは結構シニアの方で、経営のサポートをする仕事はしてたものの、なかなか距離が遠かった存在でした。

それが、経営者の人たちとより近い距離で仕事をさせていただくにあたって、よりフラットにコミュニケーションをしていくと言いますか、自分の中でそこのフラットなコミュニケーションをするまでにちょっと時間がかかってしまったっていう。

やっぱり経営者や起業家ってすごいんですけども、すごいっていうメガネを通しすぎてコミュニケーションしてしまっていたなという時期が、最初はあったんですけれども。

そのリスペクトっていうのはもちろん持ちつつも、しっかり自分が付加価値のサポートをしていくというところについては、もうちょっと遠慮なくですね、コミュニケーションをしていくことが、最近ようやくって言ったら変ですけれども、徐々にコミュニケーションを積み重ねていく中でいろいろと学ばせていただいたというのはあります。

起業家の方からも学ばせていただいてますし、あとはキャピタリストの先輩、ジェネシアの先輩でもそうですし、他のベンチャーキャピタルファームの先輩からも学ばせていただいているというところですかね。

コロナ禍で7kg減量──プライベートと苦手なこと

石橋:
ここまでお話を聞いていくと、むちゃくちゃしっかりして、むっちゃ綺麗な感じのお話だなって思っちゃうんですけど、逆にプライベートで何されてたりとか、水谷さんの苦手なところとかってなんかないんですか?

水谷:
苦手なところ、そうですね。プライベートではですね、最近よく釣りに行ったりということもありまして。あとは運動ですね。私、ジェネシア・ベンチャーズに入ってから約10kg太ったということもありまして、コロナが始まってから今は頑張ってダイエットをしまして、実は2月から7kgも体重が落ちました。

石橋:
ありがとうございます。今回はですね、ダイエットを頑張っていらっしゃる水谷さんにご出演をいただいたんですけれども。

次回の放送では水谷さんが選ばれたジェネシア・ベンチャーズさんについて、どういった投資をされていらっしゃるのかとか、どういった方針で起業家の方と伴走していらっしゃるかとか、投資の意思決定をしていらっしゃるかみたいなところをお伺いできればと思っておりますので、改めてまたよろしくお願いします。

水谷:
よろしくお願いします。

【ジェネシア・ベンチャーズ】豊かさと機会を!投資支援に宿る思想とリアル!|スタートアップ投資TV

創業1年半のスタートアップVCへの転職を決めた理由

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。

今回は前回に引き続きジェネシア・ベンチャーズの水谷さんにご出演をいただきまして、ジェネシア・ベンチャーズさんについていろいろとお伺いをしていきたいと思っているんですけれども。

僕自身はそれに加えて質問をさせていただきたいと思ってまして、住友商事さんからVCに転職されるときに、なんでジェネシア・ベンチャーズさんを最終的に選ばれたのかという。ビズリーチさんがきっかけだとお伺いしたんですけど、どういうところに共感というか、ジェネシア・ベンチャーズさんを選ばれる決定的な理由というのがあったんですか?

水谷:
今から2年半ほど前ですね、転職活動をしようとしていたとき、ジェネシア・ベンチャーズのGPの田島にお会いしまして、当時ジェネシア・ベンチャーズは創業1年半という、まだまだ歴史も浅くメンバーもまだ3、4名しかいない、そういうベンチャーキャピタル自体がスタートアップっていう、そんなようなVCでした。

特徴としては、シードフェーズの投資をしていると。あとは東南アジア投資もやっている、国内だけではなくてグローバルで活動をしているVCというところで、結構自分としても、日本国内だけにやっぱり閉じたくないなと。

しっかり海外の成長を取り込みながら、日本だけではない多くの人たちが豊かに暮らしていくという意味では、やりたいこととすごい一致をしているなというふうに思っていました。

最終的な、外形的な決め手っていうのはもちろん、そういうジェネシア自体がスタートアップであるとか、シードフェーズで産業を作るところから、ゼロから作るところをやっていく、あとは海外もしっかりやっていくのもあったんですけども。

一番の決め手は、代表の田島と話をさせていただく中で、メンバー個人個人の自己実現と会社のビジョンやミッションがどこまで一緒にアラインしているかって言ったところがすごい大事だという話をしていて、それが個人的にはダメ押しと言いますか、「一緒にやりたいな」と。会社のビジョン・ミッションに向けてやりたいなと思えたのが最終的な決め手になって、ジェネシアに入らせていただきました。

石橋:
恐ろしいほど綺麗な理由で、めちゃくちゃ良い理由ですね。

水谷:
田島さんは結構強面なんですけれども、個室で二人でお話をさせていただく中で、一緒にやりたいなというふうに心から思えたのが一番ですね。

「手段としてのVC」を掲げる、創業4年弱のファンド

石橋:
その中でジェネシア・ベンチャーズさんについて、今ちょっと触れてはいただいたんですけれども、改めてどういった会社でどういったファンドを運用されていらっしゃるのかというところを、ご説明いただいてもよろしいでしょうか?

水谷:
ジェネシア・ベンチャーズは今申し上げた通り、現在の時点でまだできて4年弱ぐらいのベンチャーキャピタルです。

若いスタートアップとしての要素を持っているファンドなんですけれども、GPがですね、株式会社サイバーエージェント・キャピタルの代表をやっていた田島と、東南アジアのヘッドをやっていた鈴木隆宏、この2名が務めているというところもあって、しっかり実績やネットワークを持っているというところが大きな特徴かなというように思っています。

今メンバーは全部で10名なんですけれども、自分自身もそうなんですが、大手の企業や事業部、あとはスタートアップで自分自身で事業や経営に携わりながら仕事をするというのが好きなメンバーが多くて、経営者や事業者の目線で物やことに向き合うということが好きなメンバーが多いというファンドですね。

結構自分がいいなと思ったビジョンやミッションですけども、ジェネシア・ベンチャーズのビジョンが「すべての人に豊かさと機会をもたらす社会を実現する」というところで、そのビジョンに向けて、アジアで持続可能な産業が生まれるプラットフォームを作るといったところを掲げている集団です。

このビジョンやミッションを実現するために、手段としてのVCをやっているという、そんなファンドっていうのが大きな特徴かなって思ってます。

大手企業との連携で産業を作る、独自のエコシステム

石橋:
手段としてのVCだからこそ、というところで言いますと、どういった領域に注目をしていたりとか、投資対象として何か線引きと言いますか、基準とかって何かあるんでしょうか?

水谷:
そうですね、やっぱり大きな産業を作るだとか、個人の幸せに向かっているかどうかとかっていうのは結構重要視しています。

それはやっぱり投資対象になってくるビジネスモデルを考える上では、「儲かるけどそれでやるの?」みたいなのは結構やっぱり議論はしているかなと思います。

あとは大きな産業を作っていこうとするときに、既存の社会のプレイヤーと連携・協業していくっていうのは非常に大事になってくるなと思っていて。

今ジェネシアのファンドのだいたい半分ぐらいは、大手の企業の方からご出資いただいているというところで、各業界から一社ずつ、スタートアップ連携やオープンイノベーションに積極的な企業の方々に参画いただきながら、一緒にいい産業を作っていこうと、こういうような取り組みをしているという特徴があるかなと。

石橋:
具体的には、そういったファンドに出資いただいている大きい企業さんたちと、その投資先のスタートアップにこういうふうにサポートしているであったりとか、こういう協調している部分があるみたいなところで、何かあるんでしょうか?

水谷:
企業さんごとに、取り組みをしたいニーズも結構バラバラだったりするんですけれども、よくある形としては、シードやプレシリーズAでご出資させていただいているスタートアップが、順調にフェーズが進んでいく中でシリーズAやシリーズBで、我々のファンドにご出資していただいている企業から投資をいただいて、そこから事業連携をしていくですとか、そういったようなケースはいくつか出てきてきているかなと。

こういうようなエコシステムは、どんどん広げていきたいなと思っています。

助太刀とAcall、シードから大型調達へ導いた支援事例

石橋:
その中で、ジェネシア・ベンチャーズさんとして代表的なところと言いますか、これぞジェネシアっぽい投資先というものって、何かあったりするんですか?

水谷:
まあ全部と言って。

石橋:
それは間違いないですね。

水谷:
プレスリリースなどが出ている中で、いくつか事例を挙げさせていただくという意味では、2つあるかなと。

1つが株式会社助太刀という、建設領域で事業を作っている、現場と職人さんのマッチングサービスから、職人さんが給料の前払いですとか、あとはECで工具を買ったり、こういうようなプラットフォームを作っているところで。

シードでご一緒させていただいてから、シリーズAで伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社さんが入ってくる、シリーズBで未来創世ファンドさんが入ってくる中で、ファンドにご出資いただいているJA三井リース株式会社さんですとかがご出資いただいて、そこから事業連携を取り組んでいったりですとか、そういうような事例の側面サポートというのをやらせていただいたりというところがあります。

もう1社が、最近シリーズAの調達を発表したAcall株式会社で、受付管理や会議室予約のサービスから、今はスマートオフィスの基盤を支えるSaaSを提供するスタートアップがあります。なかなか生産性が低くて幸福度が低いというような日本の働いている人たちが、しっかりどこでも安全に働きやすくするという形で事業開発をしているところ。

そちらはシードで出資をさせていただいてから、ジェネシアのファンドにご出資いただいているみずほキャピタル株式会社さんとご一緒させていただきながらですね。

今回のシリーズAでは、ジャフコグループ株式会社さんがリードに入っていただいているんですが、フォローでDBJキャピタル株式会社さんにも入っていただいてまして、DBJさんも今ジェネシア・ベンチャーズのファンドのLPさんとしてご一緒させていただいているところで、こちらも側面支援をさせていただいている形で、スタートアップと大企業の連携の事例というものは増やしていきたいなと思っています。

10名で80社超をサポート、Facebook Messengerで全員が支援

石橋:
側面支援みたいな表現を使っていただいていると思うんですけど、今だいたい累計すると何社ぐらい投資先ってあるんでしょうか?

水谷:
今、だいたいグローバルで80社を超えてきているかなと。

石橋:
だいたいその80社強ぐらいの方々に対して、10名のスタッフの方々、普段どういったコミュニケーションといいますか、投資先のサポート、頻度であるとか内容であるとか、どういう形でやられているんでしょうか?

水谷:
普段のコミュニケーションチャンネルとしては、Facebook Messengerですね。みんな大好きですね。

こちらで支援先の経営チームの方々と、あと我々10名全員が入るグループチャットを作ってまして、そこでコミュニケーションを取るというような形になっています。

ジェネシアの中ではGPが2名いまして、うちの1人がメインで見つつ、キャピタリストの誰かが2人で見てるという中で、それ以外のキャピタリストの持っているネットワークや知見はしっかりレバレッジできるように全員で入るというような形でやっています。

あとはやっぱり投資をさせていただくときに、どういうコミュニケーションでやっていくかっていうのは結構支援先ごとにバラバラでして。

定例で週1、2週間に一度、月1でやるようなケースもあれば、そういうのはなくてケースバイケースでやらせていただくケースもあれば、半年後にファイナンスをやるからちょっと密に、というようなケースもあったりという形で、そこはフレキシブルにコミュニケーションさせていただいています。

石橋:
なるほど、ありがとうございます。今回は水谷さんからジェネシア・ベンチャーズさんについてご説明をいただきました。

次回の放送では、今回事例としても挙げていただいているようなAcallさんですとか助太刀さんのような、シリーズA、Bに進んでいるようなスタートアップがどういうふうにしてそこに到達しているのかですとか、シードの段階でどういうふうな意思決定をしていらっしゃるのかというのを、水谷さんのほうからいろいろまたお伺いできればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

水谷:
よろしくお願いします。

【シードからステージを上げる秘訣】大きな事業の一歩目に向き合うVC|スタートアップ投資TV

シード調達で重要な2つの観点

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。

今回も前回に引き続きジェネシア・ベンチャーズの水谷さんにご出演をいただいております。水谷さんは、2年間のキャリアをかけて様々なフェーズのスタートアップの方々を見ていらっしゃると思うんですけれども。

今回は創業初期のシードのスタートアップの方々がどういうところに気をつけるといいのかとか、前回で事例として挙げていただいている助太刀さんとかAcallさんのような投資先のスタートアップの方々の大きな資金調達に進んでいく過程の中で、どういう風なタイミングでいわゆるPMFしているのか、みたいなところのお話をいろいろとお伺いしたいと思っておりますので、何卒よろしくお願いいたします。

水谷:
よろしくお願いいたします。

石橋:
なのでまずは早速、シードのスタートアップがどういうところに気をつけると、特にジェネシア・ベンチャーズさんの観点からするといいなと思われているのかみたいなお話をいただけると大変ありがたいです。

水谷:
我々はシードフェーズ、特に初のベンチャーキャピタル(VC)ラウンドでの調達に際してお声掛けをいただくことが非常に多いんですけども、シードフェーズでの資金調達も大きく2つかなと思っています。

まず1つが、シードからシリーズAに向かうまでにやることっていうのは仮説検証ですね。大きな課題や欲求を見つけて、その課題を解決する、あるいは欲求を充足するビジネスモデル、これが成り立つかどうかの仮説検証をするフェーズかなというふうに思っています。

なのでまずその課題や欲求が本当に巨大なものであるのか、それに対するソリューションとしてしっかり刺さるものなのかどうか、これをやっぱりどこから攻めるのか、どういうふうに攻めるのか、いろいろとPDCAを回しながら検証するっていうのがすごい大事になってくるかなと。

仮説検証するにあたってのユーザー、お客さんの解像度の高さですとか、それを刺激するためにどれだけの打ち手を出せるのかですとか、ここを持っておくっていうのがまずすごい大事かなと思っています。お金が着金した、じゃあ0から何をするのか、ここを明確に決めていけるかどうかっていうのがまずすごい大事かなと。

高速でPDCAを回すための2つの鉄則

石橋:
仮説検証では、ある意味数を打っていくことも非常に重要なのかなとは思うんですけれども、その仮説検証を、いわゆるPDCAを高速に回していくために、こういうところに気をつけると、もしくはこういうふうにやってしまうとあんまりスピードが出ないのかもしれないな、みたいな観点は何かあるんでしょうか?

水谷:
すごく良い質問です。やっぱりこのPDCAをクイックに回していくという意味では、期間を区切るといったところと、あとはその目標とすべき効果、これを事前に定めておく。こうすることで、どんどん回っていくのかなと思ってまして。

ダラダラやってても結構キリがなかったりすると、あとこれだけ投資したらこれだけユーザーの反応が得られるだろうっていうのは、獲得もそうですしアクティブ率の向上もそうですし、いろいろあると思うんですけれども。

ここをクイックに回していく、どういうふうにドミノを倒せば全部が倒れていくのか、2ヶ月なら2ヶ月しっかりと検証していくと。それでGOなのかNO GOなのか、これをもってどんどん回していくことが非常に大事かなと。

それをするためにはやっぱりカスタマーですね、ユーザーさんと向き合って声をどんどん拾っていくっていうのが大事だと思うので、そこが見えるようにしておくことっていうのは、やっぱり初期的な仮説検証の上では非常に大事になってくるかなと。

シリーズAまで伴走できるVCを選ぶ重要性

石橋:
今お話しいただいた高速で仮説検証を回していくという観点の他にも、シードでファイナンスするときに、もしかしたらその後に気をつけるべきことみたいな観点でお話しいただけると。

水谷:
どこのVCからどれだけ調達するかっていうのが、すごい大事になってくるかなと思ってまして。やっぱりその巨大な課題や欲求に向き合うにはですね、たくさんのリソースが必要になってくると。

多くのリソースを導入するためには、かなり資金が必要になってくるということもあったりするので、しっかりと仮説検証を回し切ってシリーズAに到達するまでに、必要な資金を供給できるファンドを選んでいくのがすごい大事かなと。

場合によってはシリーズAまでの間にやっぱりプリシリーズAを挟まなきゃいけないと、こういうようなケースも多分に出てくるわけで。その時にやっぱり支えきれる人たちを仲間に取り込んでおくっていうのは、シードフェーズの資金調達では非常に大事かなというふうに考えています。

プロダクトマーケットフィットの本質とは

石橋:
それこそ前回事例に挙げていただいていたAcallさんは非常に最近、リリースも出されていて、僕自身も印象的だったんですけども。

おっしゃっていただいたようにAcallさんはシードの頃、ジェネシア・ベンチャーズさんにファイナンスを受けていらっしゃって、2回目のプレシリーズAのラウンドでまたジェネシア・ベンチャーズさんからも追加で投資をされていらっしゃって、今回シリーズAの大きなファイナンスにつながっていらっしゃると思うんですが。

いわゆるそのシリーズA、シリーズBに到達していくタイミングでプロダクトマーケットフィットってよく言われると思うんですけれども、水谷さんご自身から見ていてどういうふうな状態をまずPMFと言うであったりですとか、どういうタイミングでそれこそAcallさんであったり他の投資先の方が「これは!」みたいなことを迎えたりとか、何かありますか?

水谷:
そうですね、PMFの定義というのは、結構投資家さんごとに変わってくるものなのかなと思うんですけれども。

僕の理解としては、大きな課題や欲求、これを解決するためにビジネスモデルとしてしっかり成り立つ、かつそのビジネスモデルに対しての模倣困難性が高いと、誰も真似できない強みを持つことができるかどうかっていうのがすごい大事かなと思っていて。

これがやっぱりスタートアップとして大きな企業、ビジネス、産業を作ることにつながるのか、あるいはその中小企業みたいな形のモデルで収まってしまうかを分ける違いかなというふうに考えています。

そういう観点で言うと、例えばその取引者数とか売上の金額とかで測るようなケースもあったりすると思うんですけども、大事なのはそれではなくて、ちゃんと再現性がある形でビジネスモデルができているかどうか、これを測るっていうのがシリーズAまでにおいては非常に大事になってくるのかなと。

受付管理から3000社導入へ、Acallの成長軌跡

水谷:
今石橋さんに名前を挙げていただいたAcallなんですけれども、シードのフェーズでお会いさせていただいたときは受付管理から始まっていました。

皆さんも結構いろんな会社のオフィスにお尋ねしていると、入り口にiPadが置いてあるようなケースがあると思うんですけど、その受付管理サービスの基盤を作っている会社でして。

当時はそのプロダクトから始まっていたんですけれども、そこから会議室の予約ですとか、あるいはどこで誰が働いているかっていうチェックインをフックにですね、より機能が深掘りされてきていると。

今だと7月にリリースされたものだとリモートワークですね、これをカバーできるようなウェブアプリのリリースをしていますと。

この過程の中で、最初どの会社さんでも、小さな会社さんでもセルフサーブできるような形で、まず今の時点でも3000社まで伸びているんですが、それだけやっぱり社数を増やしていく中で機能が増えていく。

機能が増えていく中で、オフィスビルを運営している不動産開発会社さんと連携をして、面を取っていくと。ここの仮説検証を非常に進めていってですね、スタートアップ規模の小さな会社さんだけではなくて、より大きなたくさんの従業員のいる会社さんへの導入もできるよねと。

ここでビジネスモデルが回っていくってところが検証されて、大きな資金調達を決めることができていったと。開発と検証はかなり時間がかかるものの、誰もがやっぱり幸福度高く、生産性高く働くという巨大な目標に向けて、どのプロダクトも進化をしていったという事例かなと思います。

石橋:
めちゃくちゃわかりやすいです。

巨大な課題に向き合う、最初のステップで伴走する

石橋:
お話を伺っていて、一貫して本当にジェネシア・ベンチャーズさんとしてもある意味水谷さんとしても、その巨大なマーケットという巨大な市場、巨大な課題というところにすごく言葉としても何回もお話しいただいているような気もしますし、すごく意識していらっしゃるようなところなのかなとは感じました。

水谷:
そうですね。やっぱりその課題の大きさ、あるいはそれを思っている人の多さ、社数の多さっていうのが会社のトップライン、伸びしろに直結するものなのかなと思っていますし。

我々は未上場のフェーズでの投資がメインになってきますけど、会社経営者、起業家の方からすると1フェーズでしかないので。そこから先もやっぱり成長していくことができるかどうかという観点でそこに向き合う、そこの最初のステップでご一緒していきたいなというふうに考えています。

石橋:
ありがとうございます。僕自身、大変勉強になりました、ありがとうございます。

今回は、3回に渡りましてジェネシア・ベンチャーズの水谷さんにご出演をいただいたわけですけれども、そういった巨大なマーケットですとか、それこそ思いを持ってその課題に取り組んでいきたいという方は、概要欄のほうにもジェネシア・ベンチャーズさんのコンタクト先等ですとか、水谷さんをはじめとした皆さんのご連絡先、SNSのアカウントですね、掲載させていただいております。

ぜひお気軽にって僕が言うのも変なんですけど、お気軽にSNS等でご連絡いただくといいのかなと思っております。それでは水谷さん、改めてありがとうございました。

水谷:
ありがとうございます。