【起業家必見】現場DXとM&Aに挑む!成功する起業家の共通点を資金調達経験のある投資家が語る【directX ventures 北嶋 正樹 vol.01】
◯北嶋 正樹 株式会社directX Ventures 代表取締役/パートナー
X(Twitter)▶︎https://x.com/mmasaki15
公式HP▶︎https://directx-ventures.com/
2000年に大学を卒業後、システム開発を行った後にKPMGコンサルティング株式会社にて4年ほどリスクマネジメントのコンサルティングを行う。
その後2006年に「芸者東京エンターテインメント株式会社」を友人と設立。
10年ほど立ち上げた企業の運営を行った後に株式会社フレクトにてBtoBのSaaSを経験した後にL is Bに入社。
ソシャゲ起業家からCFO、そしてキャピタリストへ
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。
今回は、株式会社directX Ventures代表取締役パートナーの北嶋さんにご出演をいただきますので、北嶋さん、今回からよろしくお願いいたします。
北嶋:
よろしくお願いします。
石橋:
めちゃめちゃ緊張してますね。
北嶋:
いつも見ているYouTubeなので、これに出られると思ってすごく準備してきたんですけど、緊張しますね。
石橋:
ありがとうございます。
今ご紹介したdirectX Venturesさんは、弊社のGazelle Capitalと一緒に共同運営的にさせていただいているコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)さんでもあるので、僕はすごくよく知っている部分も多いんですけれども。
今回はまだまだdirectX Venturesさんも今年の6月から新しく始まったCVCさんなので、もしかしたら知らないよという起業家の方のためにも、とにかくこの1本さえ見ればdirectX Venturesのことが全てわかる、北嶋さんの人柄もだいぶわかるみたいな動画にしていきたいなと思っておりますので、ぜひ最後までご覧いただければなと思っております。
それでは、色々とお伺いをしていきたいところなんですけれども、そもそも、うちのYouTubeを見ていただいていたということは、おそらくスタートアップの情報とかが好きな方なんじゃないかなと思うんですが、簡単に北嶋さんのご経歴というか、どんな職歴で今に至るみたいな感じなんでしょうか?
北嶋:
私は2000年に大学を卒業して、新卒で株式会社大和総研に入社して、その後KPMGのグループのリスクコンサルティングというか、コンサルティング部門で仕事をしていて、2006年から高校の時の先輩に誘われて、スタートアップの会社を作ったというのが、僕のスタートアップ人生の始まりです。
石橋:
その当時はどんな会社をやっていたんですか?
北嶋:
当時の環境でいうと、まだスタートアップという言葉はなくて、ベンチャー企業という言い方をしていたんですけど、やっぱりガラケー系の時代だったので、当時はガラケーのSNSとか、そういう環境がある中で、僕らはソーシャルゲームをその時期に立ち上げていたというような会社でした。
石橋:
結果、一番最初に高校の先輩と創業したスタートアップもうまくいったという感じなんですか?
北嶋:
そうですね。2006~2007年ぐらいでは、まだいわゆるSNSのオープン化がされていなくて。
石橋:
MobageとかGREEが出る前だったという感じなんですかね?
北嶋:
出ていたけども、オープン化していなくて。僕らはガラケーの単発のゲームを作っていて、要はサーフィンでいうと沖で待っていた状態で、波は来ていないけどそこでゲームを作っていたみたいなところから、mixiとかGREEとかがオープン化して波が来て、そこからガラケー系のソーシャルゲームが伸びていったみたいな、そういうようなタイミングです。
石橋:
携帯向けのソシャゲ会社から、現状のdirectX Venturesさんの親会社さんは株式会社 L is Bという会社ですけど、L is Bの取締役最高財務責任者(CFO)になるというのは、全然違うコミュニティな気はしなくはないんですけど、どういうふうにその後キャリアを変遷していくんですか?
北嶋:
僕がそこで10年ぐらいやっていて。
石橋:
結構ソシャゲの会社を長くやっていたんですね。
北嶋:
そうですね。創業で一緒にやらせていただいていましたし、すごく良いチームというか良い組織でやっていました。
スマートフォンになってアプリも機能化してきて、僕もそのタイミングでゲームではなくもう少しロジカルなビジネスをやりたいと思いまして、そこからSaaSと呼ばれるBtoBの仕事を2018年からやっていて、2020年にL is Bに入ったような感じです。
売上6億円、社員50名のSaaS企業を上場へ導いた5年間
石橋:
約5年ほど前にL is Bさんに入社されるわけですけれども、改めて何をやっている会社で、当時だとどんなステータスだったんですか?
北嶋:
僕が入社したのが2020年の冬でして、事業内容はすでに今の基幹となっているビジネスチャットのdirectをSaaSの形態で提供しているんですけれども、事業内容で言ったら現場に特化したSaaSのビジネスをしていて、2020年の段階では売上高が6億円ぐらい、社員数が50名、ちょうど主幹事証券を選定するタイミングで、上場準備のために入ったみたいなタイミングでした。
石橋:
そこからは想定通りというか計画通り上場も果たされて、今みたいな感じなんですかね?
北嶋:
予定より1年長くかかりましたけど、ほぼ予定通りで。予定通りと言っても市場環境的にはSaaSの調達バブルがはじけたりとか、そういうタイミングがあったんですけれども、比較的順調に上場までいったのかなというふうに思います。
石橋:
北嶋さんご自身も今は上場企業のCFOでもいらっしゃいますけど、未上場時点から当然いらっしゃったので、ご自身もスタートアップとして資金調達もされていらっしゃった?
そこをリードされていたという感じだったんですか?
北嶋:
もともといたゲームの会社でも何度か調達はしましたし、2020年からL is Bでも3回目の資金調達で、上場直前のレイターと言って良いと思うんですけど、そこで10億円ほど資金調達をしたという経験があります。
まだ投資家か調達する側かで言ったら、スタートアップの気持ちの方が大きいかなというふうに思います。
石橋:
ありがとうございます。北嶋さんとしては、どの時点からこういうCVC活動をやっていこうとか、なんで始めたみたいなところは、どういうふうに整理されていらっしゃったんでしょうか?
北嶋:
上場するタイミングまでは、やっぱり上場の準備とかそういったことで頭がいっぱいだったんですけど、それが一段落したら上場後の成長をしなければいけないと思って。
そういう意味だと直後から、例えば合併と買収(M&A)をしなければいけないとか、そういった文脈の中で、自分の得意な分野というか経験ある分野でスタートアップと連携した方が良いみたいなのは、上場直後から考えていましたね。
ファンド規模3億円、チケットサイズ1,000万〜3,000万円の投資戦略
石橋:
改めて、L is Bさんの子会社でCVCであるdirectX Venturesについて、もうちょっと具体のお話をここから聞いていきたいんですが、ざっくりファンドのサイズ感だとか、どういうチケットサイズでやっていくとか、もう結構決まっていらっしゃるんでしたっけ?
北嶋:
ファンドのサイズは3億円です。僕らの上場したての直後の会社で、小さく始められてよかったなというふうに思っています。そういう意味だとサイズも3億円なので、1回のチケットサイズは上限3,000万ぐらいで、小さいのだと1,000万~3,000万という間で、今ご出資の活動をしています。
石橋:
投資の領域だと、当然CVCではあると思うので、親会社のL is Bさんが現場向けのビジネスチャットツールのdirectを広くやっていらっしゃるので、そこから紐づくようなところに投資されていくんですかね?
北嶋:
基本的な考え方は、現場向けとかフィールドワーカー向けに課題を解決するようなサービスをスタートアップでやられている会社に出資したいと思っていますし、多少外れていても、なんだかんだ応用分野があったりするので、ベースはフィールドワーカー向けで、そこからぼんやりと対象が広がっているみたいな形でやっています。
石橋:
CVCではあると思うので、どういうラウンドのスタートアップに投資をすると言いますか、それこそ北嶋さんはL is B社としてはレイターラウンドをCFOとして引っ張っていらっしゃったと思うんですけど、実際どのぐらいのラウンドが一番フィットするイメージでいらっしゃるんですか?
北嶋:
フェーズというか、それぞれごとに良い面もあって、ちょっと怖い面もあると思うんですけど、対象としてはシードからミドル・レイターまで両方やっていきたいと思います。
シードはやっぱりどうなっていくかまだわからないというところもあるんですけど、その分応援しがいもあるなと思いますし、逆にミドルだと、出資直後から例えば営業協力とか、一緒にマーケティングしましょうみたいな話もできるので、それはそれで良いかなというふうに思います。
年間20回の展示会出展、営業チームが投資検討に参加する理由
石橋:
directX Venturesさんが仮に株主になっていただいた上だと、どういう連携をどこまで期待して良いのか、北嶋さんとしてはどういうふうにお考えだったりするんでしょうか?
北嶋:
一番わかりやすい例でいうと、親会社のL is Bは建設業の中でも大手のゼネコンさんやサブコンさんの比較的大手企業に深く入っているので、そういうところにニーズがあるかとか、「実際に商談してみますか?」みたいな、そういう営業的な協力はできると思いますし、すでにやっていたりします。
あとは、僕らは年間でビジネス展示会に20回ぐらい出ているので、そういうところにブースのスペースをお渡しして、「物を置いてみますか?」みたいなマーケティングでも一緒にやっています。
石橋:
僕らも普段一緒にファンド運営をさせていただいているので、よく思うのが投資面談中とかに営業のチームの方が会議室の中に入ってきて、起業家の方々のサービスを営業の方が検討のフェーズから触ったりしているじゃないですか。
実際投資に至った場合は、この方々の手触り感があるかないかみたいなところだなと思っていて。現時点でお客さんの目の前での生感を持っている営業のチームの方が、ちゃんと手触り感があるかどうかを検討のプロセスで出てくるというのは、よっぽどだなと個人的には良い意味で思いますね。
北嶋:
やっぱりトップダウンでこれを売ろうと言ってもなかなか売らないですし、逆に営業がこのプロダクトが好きとか、このスタートアップのこの人が好きみたいな関係になると、言わなくても売ってくるので、そういう関係づくりはした方が良いなというふうに思っています。
個性の強い起業家を求める──クセが強くても成功への執着心があるか
石橋:
もう少しdirectX Venturesさんの投資方針みたいなところで、こんな起業家、こんなビジネスモデルでも全然構わないんですけれども、今投資していきたいなとか、魅力を感じる部分はどんなところですか?
北嶋:
起業家さんで言いますと、やっぱり成功していらっしゃる方々を見ると、皆さんやっぱりクセが強いというか、あまり周囲に迎合していないというか、そういう方々が非常に多くて。
人付き合いとしてはどうかみたいな人であっても、ものすごくビジネスに対して執着心があったりとか、成功に対して貪欲だったりする人が成功されていらっしゃるなと思いますので、キャラが立っているというか、個性の強い方にお会いできたら嬉しいなと思います。
石橋:
横井さん(株式会社 L is B 代表取締役社長CEO)はどんな人なんですか?
北嶋:
外に対しても社内に対してもあまり裏表がなくて、成熟した大人だなと思いますので、キャラが強いというよりかは、ちゃんとしているなと身内ながら思います。
役割分担で言ったら、横井は営業の方面でやっていて、僕はコーポレートとか財務面をやっていましたので、完全にそこは切り分けています。横井はあまり会社にいなくて。
石橋:
お客さんのところにいるんですか?
北嶋:
そうですね。お客さんのところにずっといるようなタイプです。
プレ時価総額50億円で10億円調達──VCとの対話が戦略を変えた
石橋:
L is Bさんに例え話で色々お伺いしたいんですけど、それこそ北嶋さんが入社されてから約5年間でいうと、L is Bさん目線でこういうハードシングスがあったとか、これでだいぶ逆転したみたいなところはどんな話があったりするんですか?
北嶋:
上場前の資金調達が、当時の時価総額で言ったら50億円に対して10億円ぐらいでの調達をしました。
石橋:
プレが50億円ぐらいだったんですか?
北嶋:
ポストで53億円。その調達活動はそんなに簡単ではなくて、当時はまだSaaSの時価総額というか評価は高くついていた時期なんですけど、いずれにしてもレイターステージで調達するというのは、確実に何年後、3年後とかもしくは4年後に3倍になるところから入ってくるので、将来の夢とかはあんまり関係なくて。
石橋:
現実が問題なんですね。
北嶋:
3年後の上場時の時価総額がいくらだから、その3分の1ぐらいのバリュエーションみたいな形なので、なかなか確実性を伝えるのは非常に難しかったです。逆転ではないですけど、当時僕らビジネスチャットはずっとやっていたんですけど、まだフィールドワーカーに特化していなくて。
石橋:
2020年当時ですか?
北嶋:
そうです。売れるところに全部売るみたいな形で、デスクワーカーにも売っていたりとかしていたんですけど、調達活動でベンチャーキャピタル(VC)の方々と面談するうちに、Slackに勝てるのかとか、Teamsに勝てるのかみたいな話をディスカッションして。
その結果、たまたま当時から建設業でも何社か入っていたので、建設業に全振りする戦略の転換をして、それが結果的に良かったなというふうに思いますね。
石橋:
ある意味VCさんとのファイナンスの時のディスカッションを通じて、より戦略がシャープになっていったという感じだったんですね。
北嶋:
そうですね。なので調達前と後では全然違うと思いますね。
石橋:
ビジネスの数字面でも、やっぱり現場にフォーカスしたことで、より売りやすくなったというか、成長しやすくなったというところなんですか?
北嶋:
そうですね。例えばマーケティングとか営業の投資も建設業向けにしましたし、営業のロールプレイングというか、売り方も事例を頭に覚えるのも全部建設業とか、そういうふうにしましたので、VCさんとの調達はいろんなこと言われるんですけど、たしかに真摯に受け止めて真剣に考えると、おっしゃる通りみたいなことも結構あって。
石橋:
だいたいみんな正論を言ってきますからね。
北嶋:
最初は「ん?」と思うんですけど、考えると「たしかにその通りかも」みたいな学びにはすごくなりました。
返事は1週間以内、出資決定は1ヶ月──起業家経験が生んだスピード感
石橋:
北嶋さんは投資サイドになっているので、directX Venturesとして逆の立場をやっているわけじゃないですか。
もともと起業家としてファイナンスも引っ張っていって、色々とVC向き合いもしていたご自身だからこそ、投資家になった今は、これは気をつけたいとか、これをしたくないとか、もしくはこういうふうにありたいと思っていることはありますか?
北嶋:
1人1人個性があって違うので、あまり画一的な押し付けとか、こういうものだみたいな意見はあまりしないようにしたいと思いますし、時間も僕に向いている時間よりもお客様に向いていただきたいので、そんなに時間は取らないようにしたいと思っています。
僕が調達した時にすごく感じたのが、返事が早いVCと返事がなかなか来ないVCさんがいて、ダメな返事であっても早くもらえる方がありがたいですね。
石橋:
それはそうですよね。
北嶋:
それは自分の経験から心がけていて、1週間ぐらいでダメならダメと言ってほしい。検討が次に進んでいるならそれも教えてほしい、みたいなのが実体験として思っています。
石橋:
今実態としてdirectX Venturesさんでいうと、北嶋さんや横井さんに一度ご面談をいただいてから、たしかに1週間前後で進めるか、お断りするか、辞退するかのご連絡はたしかにできているようにも思いますし、実際にポンポンと検討が進んでいって、出資のオファーを出せるみたいなところでいうと、1ヶ月~1ヶ月半ぐらいのスケジュール間で、今はデューデリジェンスも含めて進めているという感じですよね。
北嶋:
そうですね。その前段階で御社がちゃんとフィルタリングしてくださっているというのが大きいと思います。
石橋:
最低限のやつはそうですね。今でも月5社~10社ぐらい北嶋さんにご面談をいただいている感じですかね?
北嶋:
そうですね。
IVSでの出会いからLP出資へ──スタートアップとの接点づくり戦略
石橋:
もともと北嶋さんとかL is Bさんと弊社のご縁でいうと、2024年のInfinity Ventures Summit(IVS)で、京都で開催されていたイベントで、北嶋さんとオフラインでお会いするのは初めましてで、お名刺交換させていただいたところから3ヶ月後か4ヶ月後ぐらいに弊社の3号ファンドにファンド出資をいただいたところからご縁は始まっているんですが。
改めてVCファンドへの出資とCVC活動みたいなところは、どういう戦略で北嶋さんとしては考えていらっしゃって、今後はどんな戦略で考えているんでしょうか?
北嶋:
M&Aも含めた投資活動が1つの成長戦略にあって、年間1社~2社ぐらいM&Aをやってグループ会社にしていきたいと思っています。
それをやるための手段として、もちろん成熟した会社をグループにする時もありますけど、スタートアップも対象にしていきたいという気持ちもあって、であれば出会える仕組みを作らなければいけないということは思っています。
そこからVCさんにリミテッドパートナー(LP)出資をしようというのは、2024年の春・夏あたりには考えていて、IVSでもそういう出会えるミーティングスペースとかサイドイベントに顔を出していたという流れです。
石橋:
ちなみに弊社以外でいうと、先ほどの戦略に則るとどんなVCさんに投資されていらっしゃったりとか、今後もやられていくんですか?
北嶋:
今時点では、Gazelle Capitalさんの他に株式会社ANOBAKAのAIファンドにもLP出資させていただいていて。
石橋:
長野さんとか萩谷さんがやっているANOBAKAさんですね。
北嶋:
はい、その2社だけです。
今後はCVCを自分たちでやり始めたので、どちらかといったら資金はそっちに寄せたいなと思っているので、LP出資はそこまで活発にはしないかもしれないですけど、完全に扉を閉めてしまうのももったいないので、機会があればやりたい、やるかもしれないみたいな。
VCの方は皆さん行動量がすごく多いので、そういった方々と話したりとか接点を持てると僕としても嬉しいです。
ソフトウェア完結型ではない、実業と掛け合わせたビジネスに注目
石橋:
改めて、directX Venturesとして1号ファンドの新規投資組入れ期間でいうと、1年~2年間ぐらいで1号ファンドとしては満了していくのかなと思うんですが、この1号ファンドで北嶋さん的にはこういうところにトレンドがあるんじゃないか、ポテンシャルがありそうみたいなところはどういうご意見をお持ちなんでしょうか?
北嶋:
事業領域で言ったら、先ほどフィールドワーカー向けとか現場向けと申し上げましたけど、最近特に関心があるのは、ソフトウェアで完結していないようなビジネスを展開していて。
なぜかというと、ソフトウェア完結型だとL is Bでもできるかもしれないとか、自分たちの能力でできるかもしれなくて。
そこに例えばハードウェアとか人材とか、いろんな専門領域や実業とかを掛け合わせていくと、その会社にしかできないことになるので、ぜひそういった会社とは一緒にご出資という形でさせていただいて、一緒に成長したいなと思います。
石橋:
ありがとうございます。
ぜひ最後に起業家の方に向けて、directX Venturesとしてこんなビジョンでやっているから、こんな起業家問い合わせをしてきてほしいみたいなお話を、カメラ目線で最後にいただければと思いますが、お願いしてもよろしいでしょうか?
北嶋:
directX Venturesは、今年まだ立ち上げて半年ぐらいのVCでして、L is Bという現場特化型の現場にフォーカスしたデジタルトランスフォーメーション(DX)を提供している会社のCVCでやっています。
そういう意味だと、フィールドワーカーとか現場というキーワードに少しでも接点がある起業家の方々がいらっしゃれば、ぜひともご連絡いただきたいと思いますし、どうやって成長するかも含めて、一緒に悩んだりとか考えたりして成長していけたら良いなと思いますので、ぜひお声掛けください。よろしくお願いします。
石橋:
ありがとうございます。
北嶋さんのSNSアカウントとか、directX Venturesさんのホームページ等からのお問い合わせもいただければと思いますし、一緒にGazelle Capitalと運営させていただいているファンドですので、弊社側に直接「directX Venturesさんに検討してもらいたい」みたいな感じでご連絡いただいても全く構いませんので。
どちらかというと、多分前さばきは僕らのほうがやることが多いのかなと思うので、そちらのほうがスムーズかもしれません。
toBとか現場向け、ないしはSaaS、ソフトウェア系のスタートアップの方は、もしかしたらご縁はつながるかつながらないか、投資なのでわかりませんが、ご面談いただく、ディスカッションいただくだけでもブラッシュアップして学びになる機会にもなるかと思いますので、ぜひご連絡いただければなと思っております。
第2本目では、どんなところに投資しているの?みたいなところを色々と突っ込んでお伺いしていきたいと思っておりますので、また北嶋さん、よろしくお願いいたします。
北嶋:
よろしくお願いします。ありがとうございました。
石橋:
それでは皆さん、次回の動画でもお会いしましょう。さようなら。
【投資判断のリアル】「直販だけで成長した会社はほぼない」成長フェーズで変えるべき営業の考え方|ビジネス成功の鍵は”協業”【directX ventures 北嶋 正樹 vol.02】
賃貸管理の緊急対応を変革する「フューチャープロパティ」
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。
今回もdirectX Ventures代表取締役パートナーの北嶋さんにご出演をいただいておりますので、北嶋さん、よろしくお願いします。
北嶋:
よろしくお願いします。
石橋:
1本目の動画より、だいぶ緊張がほぐれてきた感じがしますね。
北嶋:
ほぐれました。
石橋:
よかったです。
1本目の動画では、改めて出資してもらいたい起業家さんは全てdirectX Venturesのことがよくわかりますよという動画にしたんですけれども。
2本目の動画の今回は、どういう会社に具体的になんで投資しているのかみたいなところをお伺いしていきたいと思っておりますので、色々と突っ込んでお話いただければと思っております。
一緒にやっているファンドなので全部知っているんですけど、北嶋さんからのビューをお伺いしていければなと思っております。
早速、1社目から社名を挙げていただければと思いますが、どちらから話していきましょう?
北嶋:
1社目は株式会社フューチャープロパティという会社で、代表取締役CEOの竹内さんという方の会社です。
石橋:
フューチャープロパティさんはどんなことをやっている会社なんでしょうか?
北嶋:
不動産領域なんですけれども、賃貸物件の管理会社が顧客となっていて、設備トラブルとか、例えば水道が水漏れしているとか、そういった時の緊急対応を工事会社とマッチングして管理会社の負荷を下げるというようなサービスであるクイックシューゼンという名前のサービスを提供していらっしゃいます。
石橋:
インベスター・リレーションズ(IR )を拝見していくと、L is Bさんでも並行して投資をされているという感じですよね?
北嶋:
そうですね。directX Venturesを作る前から投資活動をしていて、ファンドができたタイミングで追加でご出資をしています。
何度もピボットを乗り越えた創業者の粘り強さ
石橋:
1本目の動画の最後でも、北嶋さんとして注目している領域で、単純なソフトウェアだけじゃなく人が介在するような実ビジネスのところと絡めた事業に期待をしているみたいなお話もいただいたところと、クイックシューゼンさんのサービスの概要はまさに合致するところなのかなと思いますけど。
そもそも事業面ではなくて竹内さんは、北嶋さん目線だとどんな方だと見ていらっしゃるんですか?
北嶋:
フューチャープロパティを設立してから今まで何度もピボットしていて、ものすごく苦労されているというか。でも生き延びている、すごく粘り強い人なんだろうというふうに思いました。
あとは、自分でも設備の不良があった現場に行って何が起こっているのか見たりとか、情熱がものすごくあるなと、事業に対する熱が強い方だなというふうに思っています。
石橋:
僕も竹内さんとは1号ファンドからで約5年間ぐらいお付き合いがありますけど、この人が報われないんだったらVC としてやっていられないぐらい、誠実に事業に向き合うタイプの起業家さんだなとは思っているので、そこの部分も北嶋さんからもご評価いただけていてすごく良かったなと個人的にも思ったりはするんですが。
北嶋さんとしては、こういうふうに伸びる可能性あるよなとか、なんで投資したのかみたいなところでいうと、どんなところに魅力を強く感じたというところだったんでしょうか?
システムとマッチングで解決する「めんどくさい」課題
北嶋:
設備の修繕は水漏れが想像しやすいですけど、とにかく入居者さんはすごく急いでいるんですよね。
石橋:
トイレが壊れたりすれば結構テンパりますからね。
北嶋:
管理会社に連絡したら、管理会社は入居者さんと連絡して、ビルのオーナーさんに連絡して、工事会社さんを探してみたいな。要はものすごくめんどくさいことをやっていると。
そこをシステムの力とマッチングするプラットフォームを作ることで解決しようとしていて、他社が真似できないというか、ものすごくめんどくさいことに取り組んでいるので、そういう意味だと、これをやりきれば伸びる事業になるだろうと思って、そういう見立てで投資をしています。
石橋:
投資をされたラウンドとしては、結構まだシード・アーリー気味という感じですよね?
北嶋:
そうですね。シードの早い段階だと思いますけど、まだプロダクトができて最初の顧客がつきましたというタイミングで。顧客がついたけど、まず現場確認は自分でしてきますみたいな。そういうところもすごく好きだなと思いました。
石橋:
一番最初にお客さんがついたところから比べると、期待通りに成長されているのか、なかなか難しさみたいなところを感じていらっしゃるのか、北嶋さんとしてはどういうふうに観察していらっしゃるんですか?
北嶋:
思っていたよりも事業が着実に伸びているなと思います。
1件あたりの修繕は、例えば2~5万円ぐらいかと思っていたら、10万円超えるような修繕対応の依頼が来ていたりとか、管理会社さんに契約してもらうペースも比較的受注率も高いですし、実際に工事の発注も来ていますので、本人の努力が素晴らしいんだと思いますが、思ったよりも順調にできているなというふうに思います。
石橋:
ありがとうございます。
ぜひ皆さんも、まだまだ隠れたスタートアップですが、フューチャープロパティに注目をしていただければなと思います。
ドローン測量で建設現場を変える「FLIGHTS」
石橋:
それでは2社目の会社様もお伺いしていきたいんですけれども、どちらの会社にしましょう?
北嶋:
2社目は株式会社FLIGHTSの、代表取締役は峠下さん。
石橋:
FLIGHTSさんはどういう事業をやっているんですか?
北嶋:
ドローンを活用して土木工事の現場の測量をやっているというのが、一番イメージしやすいと思います。
石橋:
FLIGHTSさんはL is Bさんと近くなってきたというか、建築・建設・土木とかそっち系のスタートアップさんなんですね。
北嶋:
同じような顧客のところをやっていますし、領域も非常に近いなというふうに思います。
石橋:
ちなみにFLIGHTSさんはいつぐらいに出資されて、どういうところに魅力を一番最初に感じ始めたんですか?
北嶋:
出資させていただいたのは2025年9月なので、つい最近です。
魅力に感じたのは、先ほどソフトウェア×何かみたいなことにつながるんですけど、L is BとかdirectX Venturesは絶対できないような、ソフトウェアにとどまらない建設業向けのサービスをやっていらっしゃるというのに非常に魅力を感じて、創業時からずっとドローンとかの知見を貯めてきていらっしゃったので、非常に良い会社だと思いました。
上場企業シーティーエスとの協業で広がる販売網
石橋:
ドローンの測量みたいなお話で行くと、上場しているところだと株式会社Liberawareさんとか色々いらっしゃる中、ここが良いなと思った決め手は何かあったんですか?
北嶋:
もちろん事業面というのもあるんですけれども、成長の過程においてこれから伸びていくというタイミングだと、僕らの顧客の紹介とかも非常にしやすく、同じように僕らもまだベンチャーの気持ちでいるので、非常にやりやすいかなと思います。
僕らの販売パートナーの代理店であるスタンダード上場企業の株式会社シーティーエスという会社があるんですけど、そこもこのタイミングでFLIGHTSさんにご出資していて、知っている仲間と一緒に事業というか、この領域を伸ばしていけるなというふうに思っています。
石橋:
実際にシーティーエスさんは、L is Bさんのdirectも販売パートナーとしてたくさん売っていらっしゃる感じですか?
北嶋:
そうですね。売っていただいていますし、上場後ですけれども少し株も持っていただいて、比較的近い関係でやらせていただいています。
石橋:
そういう中で、L is Bさんからしても販売実績がある良いパートナーだとわかっている方々が販売パートナーとして売って、一緒に売上利益を伸ばしていくというのは、めちゃめちゃ綺麗なパターンですよね。
北嶋:
そうですね。完全に知らないところに踏み出すよりも、知っている人がいたりとか、知っている会社がいる方が、安心感があって良い関係が築きやすいなというふうに思います。
石橋:
FLIGHTSさんは、おそらく物があって一緒に売りやすいとなると、シード・アーリーではないのかなとは思いますが、どのぐらいのステージ感のスタートアップさんなんでしょうか?
北嶋:
ミドルステージと言って良いと思います。きちんと売上も出ていますし、サービスもできているので、シード時期が終わってミドルで、これからもっと大きくGo to Marketしていくようなフェーズかと思います。
顧客から直接ニーズが来る測量サービス
石橋:
ドローンによる測量は、今後もマーケットとしては広がり続けると言いますか、どんなふうに広がっていくだろうとか、顧客の声とか現場感でいうと、どんな痛みになっていたりとか、どういうビューをL is Bさんだからこそが持っているみたいなことはあるんですか?
北嶋:
ちょうど昨日に弊社の営業から「ドローンを使って3次元で撮りたいけど、御社はどこか知っているサービスはある?」というのが、既存顧客のゼネコンさんからちょうど来て、まさに「あります」ということで、FLIGHTSさんを紹介するんですけれども。
明らかにそういったニーズはあって、かといって決定版のサービスもないですし、なかなかドローンでそれこそ海外製とかも入ってきていますけど、本当に安心できるサービスというか、測量にしても精度が高いという決定版はまだないのかなというふうに思いますので、僕らのお客様にもちゃんと紹介していきたいなというふうに思います。
石橋:
たしかに人手不足だし、ドローンのサービスが始まってからまだわかりやすい決定版は明確にはなっていない感じがしますよね。
北嶋:
そうですね。
石橋:
ありがとうございます。
パートナーセールスを科学する「deex」
石橋:
ぜひ他の観点の会社さん、今割とフィールドワーカー向けの会社さん、2社ともそっち系かなと思ったんですけど、他のテーマの投資先さんとかっていらっしゃるんですか?
北嶋:
3社目はdeex株式会社という会社で、代表取締役は牛丸さんという方が務めていらっしゃって。
これはフィールドワーカー向けではなくて、いわゆる販売代理店とか、僕らも自社製品を販売代理店経由でお客様に売っていますけど、そういった販売代理店を活性化させるとか、見つけるとか、そういったソリューションのサービスを提供していらっしゃいます。
石橋:
パートナーセールスと言われるやつですね。2社目までの事例を聞いていくと、ご自身たちも販売代理店活用だとか、そこにすごく知見とか課題があったから出資に至ったみたいな感じだったんですかね?
北嶋:
おっしゃる通りでして、僕たちが自社のSaaSのサービスをエンドユーザーに売っていく中で、なかなかスタートアップは営業をそんなたくさん抱えることはできないので、販売代理店を活用しなければいけないと思いますし、例えば超大手企業に売る時には、直販だと信用が足りないからパートナーを挟まないといけないケースも非常にあります。
L is Bの成長も最初はパートナーが一緒に売ってくれたというのは非常にありますし、もっと活性化すると自分たちも良いなというふうに思っている中で、deexさんとお会いできて出資しました。
直販だけで成長している上場SaaS企業は1社もない
石橋:
まさにL is Bさんも1年半ほど前に新規上場されて、これからも売上利益を自社としても伸ばさないといけないからこそ、deexさんのサービスであるCoPASSを自社でも活用するし、そもそもその痛みを等身大でよく知っているからこそ見極められたところなのかなと思いますけど。
他方で北嶋さんからすると、そういうシナジー面はあるとはいえ、投資仮説みたいなところはdeexさんについてはどんなご意見をお持ちだったりしたんでしょうか?
北嶋:
例えばアメリカにおいては、ものすごくパートナーセールスの方が比率が高いとかありますし、一方で日本でグロース市場に上場しているSaaS銘柄を考えると、ほぼパートナーセールスがうまいんですよね。あとは相手先ブランド製造(OEM)で提供するのがうまかったりとか。
自社の直販だけで成長している会社というのは、おそらく1社もないんじゃないかなというふうに思います。これはマストですと。
ただ、それができる会社とできない会社があったりとかするので、それをみんなができるようになるお手伝いを彼らがすると思うので、そういう意味だと非常にニーズが高い会社だというふうに思います。
石橋:
代表の牛丸さんもよくプレゼンテーションとかピッチでもお話しされていらっしゃいますけど、そもそもソフトウェアとか製造業の領域だと、売上高全体の60~70%がいわゆる代理店販売による流通している売上高みたいなこともお話しされていらっしゃって。
僕らが普段想像しているよりずっと代理店さん経由でいろんなサービスが流通しているんだなというのは思うところでもありますし、日本でも巨大なマーケットだと思うので、L is Bさんも良い導入事例になっていただきながら成長を後押ししていけるんじゃないかなと思います。
科学的アプローチと人間関係を両立する起業家
石橋:
ちなみに牛丸さんはどんな方なんですか?
北嶋:
牛丸さんは、そもそも直販は比較的ザ・モデルとか言われたりとか、科学されていて売り方が進んでいるけれども、代理店営業は全然科学されていないんですよね。
それを、まずはきちんと科学的アプローチをしなければいけない。ただし、間に代理店が挟まるということはそこに人が挟まるので、どんな人がいて、どんな意思決定をしたりとか、代理店においても誰と誰が仲が良いとか、人間的なウェットな関係も非常に大事でして。
牛丸さんは科学的アプローチもできるし、人付き合いもめちゃくちゃ積極的にやっているということで、まさにパートナーセールスの領域ではぴったりな起業家かなというふうに思います。
石橋:
ありがとうございます。
日本初のステーブルコイン「JPYC」との協業
石橋:
最後に取り扱えるかどうかまだわからないんですけれども、4社目の事例についてお話しいただければと思いますが、いかがでしょうか?
北嶋:
JPYC株式会社の代表取締役の岡部さんという方にご出資しています。
石橋:
この前金融庁に初めて承認が出て、発行も先立って始まったりとか、だいぶ金融業界でいうとホットなトピックスかと思うんですけども。
北嶋さんたちとしては、どういう背景からJPYCさんと取り組みをしていこう、出資していこうとなったんですか?
北嶋:
岡部さんとの出会いは2025年7月のIVSです。サイドイベントでたまたま僕が1人で歩いていたら、向こうも1人で歩いていて、普通の出会いをしました。
「何をやっていらっしゃるんですか?」とお聞きしたら、「ステーブルコインをやっています」ということで、「えっ」となって。
バックグラウンドをお聞きすると世代も非常に近くて、建設会社においても、例えば元受けのゼネコンさんと下請けである協力会社さんが協力する時に、いわゆるピアボーナスというか、何かをやってくれた時に少しピアボーナスを払うというような概念実証(PoC)をやっていらっしゃる会社があって。
石橋:
BtoBの決済でもピアボーナス的なことをやっていらっしゃる会社がいたんですね。
北嶋:
そうですね。そこですでにJPYCを使ってやっていたんですね。
石橋:
そうなんだ。だいぶ先進的ですね。
北嶋:
普通にWebで一般公開されているので見られると思いますけど、それが1年前ぐらいにPoCでやっているというのが調べて出てきて、並行してたまたま僕らの顧客でもピアボーナスをやりたいという相談は受けていたんですね。
まさにステーブルコインがぴったりというのがその時の所感ですね。
現場から生まれるピアボーナスのニーズ
石橋:
金融業界ゴリゴリのスタートアップではありますけど、現場ベースでそういう使いたいというご意見がもう出てきている感じなんですね。
北嶋:
そうですね。なにか+αのことをしてもらった時にピアボーナス的にやりたいというのは、職場環境の改善という意味でも、これから非常にあると思いますね。
石橋:
JPYCさんでいうと、だいぶポテンシャルを考えても投資したラウンドはレイターになるんですかね?
北嶋:
おっしゃる通り、レイターと言って良いです。
石橋:
今後はしっかり一緒に社会実装を、特に現場とか建築建設に限らず広げていこうというようなパートナーシップも含めて、資本を絡めてCVCとしても出資するという感じですかね。
北嶋:
そうですね。彼らもものすごくステーブルコインの日本第1号で注目を集めていますし、彼らは彼らで間違いなく成長していくと思うんですけど、僕たちはユーザーとしてコインを使って社会実装していくというのをお手伝いしたいですし、僕ら自身もそれをサービスとして自分たちの成長の糧にもしたいなと思いますので、ご出資してよかったなと思います。
石橋:
ありがとうございます。
建設現場に限らない、幅広い投資領域
石橋:
directX Venturesさんも建築・建設だけではなく現場向けに色々お客様がいらっしゃいますけど、そこにCVCの投資先も引っ張られるのかと思いきや、普通にセールステックの人がいたりとか、普通にゴリゴリのフィンテックの方がいたりとか、思っているよりもおそらく見ていただいている起業家さんも幅が広いとご認識いただくと良いかなと思います。
必ずしもご自身たちが現場向けのソリューションじゃなかったとしても、ぜひご縁はいただけると良いのかなと思っておりますので、ぜひ幅広めにご連絡をいただければなと思っております。
第3本目では、もうちょっと変わったテーマトークとして、親会社側のL is BさんのM&A戦略に紐づくみたいなお話をいくつかブレイクダウンしてお伺いしていければと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
北嶋:
ありがとうございます。
石橋:
それでは次回もお会いしましょう。さよなら。
【東証100億円問題】既存事業だけでは困難な100億の壁をどう超えるか|上場CFOが率いるVCの成長戦略【directX ventures 北嶋 正樹 vol.03】
時価総額50~60億円、100億円の壁に挑む
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。
今回もdirectX Ventures代表取締役パートナーの北嶋さんにご出演をいただいておりますので、よろしくお願いします。
北嶋:
よろしくお願いします。
石橋:
今まで1本・2本目でdirectX VenturesがどんなCVCなのかをお伺いしてきました。
今回は少し観点を変えて、directX Venturesの親会社であるL is Bさんの取締役CFOである北嶋さんの立場として、L is B社がいわゆる「東証100億円の壁」と呼ばれるような、上場維持基準の変更があるわけですけれども、今それに伴ってマーケット感がザワザワしたりバタバタしている、変化の過渡期にいるフェーズだと思います。
その市況下の中でどういうM&A戦略であるとか、M&A戦略に則ったCVC活動を考えていらっしゃるとか、実行していらっしゃるのかというご意見を改めてお伺いしていきたいなと思っておりますので、よろしくお願いします。
北嶋:
よろしくお願いします。
石橋:
ちなみに撮影時点のL is B社の時価総額とか株価でいうと、だいたいどのぐらいなんでしょう?
北嶋:
この撮影時点で、時価総額がだいたい50~60億円の間を推移しています。
石橋:
上場してから5年以内に100億円以上の時価総額を達成していないと、上場維持が難しくなるところが100億円の壁かと思うんですが、まさにL is Bさんはそこにチャレンジしている最中みたいな感じなんですね。
北嶋:
そうですね。
上場後に突如出現した「100億円の壁」
石橋:
L is Bさんの上場スケジュールを考えると、上場される前はこういう100億円の壁の議論は特になくて、上場された後に急に出てきたという感じなんですか?
北嶋:
僕らが上場したのが2024年3月で、そういうニュースがあったのかなかったのかぐらいですけど、例えば証券会社とか監査法人から「こうなりますよ」みたいなアナウンスとか注意喚起というのはなかったですね。
石橋:
実際、上場後に100億円の壁が発生し始めて、結果北嶋さんたちとしてのアクションは以前と以降で明確に変わったりはしたんですか?
北嶋:
変わってはいないと思います。成長戦略という意味では変わっていなくて、もともと上場する前から既存事業も伸ばす、新規投資もやっていくみたいな形でやっていました。
変わったとすれば、IRというか株主さんからの質問でそういうのが増えますので、質問に答えたりとかそういった対応はしています。
石橋:
100億をどうやって超えるのか、質問がよく来るようになったんですか?
北嶋:
ものすごく来ます。「100億はいつどのように達成するんですか?」みたいなのが来ますね。多分、上場している会社さんはみんなそうだと思います。
石橋:
しかもグロース市場上場されたスタートアップ出自の上場企業さんだと、まさにそこに相対している方が多いですよね。
北嶋:
そうだと思いますね。
石橋:
CFOの横のつながりとかでもそういう話になったりするんですか?
北嶋:
CFOの横のつながりは、お互い気を使って株価のことは言わないみたいな。例えば「M&Aをやっています」とか、「どうやって成長しています?」みたいな話はしますけど、あまり触れないことも多いです。
非連続な成長にはPLとBS、両方のエンジンが必要
石橋:
基本的な質問になってしまうかもしれないですけど、壁を越えていかないといけないとなった時に、なぜ既存事業への投資と既存事業への成長だけでは不十分なのか、わざわざ新規事業投資とか、M&Aをやらないといけないのかというのは、北嶋さんないしはL is Bさんとしてはどういうふうに整理されていらっしゃるんでしょう?
北嶋:
不十分かどうかは難しいので置いといて、高く成長していくには、もちろん既存事業も成長しますけど、それだけじゃなくて、よく非連続な成長も作るべきだみたいなことは言われますし、僕自身もそう思っています。
なので、この会社が伸びていくタイミングでは、新しい領域に踏み出して、そこでもまた既存事業として伸ばしていくという階段を上らないといけないなというふうに思います。
石橋:
やっぱり既存事業だけで伸ばそうとされている方々がいらっしゃるとするならば、どうしても踏み込む限界みたいなのがあるんですか?
年次で20~30%ポジティブに伸びていても、それだけ考えるとまさに非連続な成長にならないからというところが大きいんですかね?
北嶋:
非連続な成長を売上で作ろうと思ったら、当然何かしらの投資をしなければいけないんですよね。例えば営業を採用するとか、広告宣伝を打つとか、開発するとか、足元の損益計算書(PL)は必ず一旦赤字に触れたりとかします。
石橋:
先行投資が膨らむということですよね。
北嶋:
おっしゃる通りで、営業利益が毀損してしまうと四半期とか短期のPLも株主の皆さんは気にされるので、既存事業の高い成長だけど利益も高く維持することは、非常に難易度の高い問題だと思います。
石橋:
基本矛盾していますよね。
北嶋:
おっしゃる通りですね。
石橋:
それが故にM&Aみたいな話になってくるんですか?
北嶋:
成長の仕方はいわゆるPLを使って投資をして伸ばすやり方と、貸借対照表(BS)を使う伸ばし方があって、それぞれ両方ともやると+αで伸びていくという意味で、元となるエンジンが違うみたいな、そういう考え方をしています。
石橋:
わかりやすいですね。PLによる成長とBSによる成長。まさにBSによる成長側がM&Aであったりとか、今回スタートアップ投資TVでそれに紐づくスタートアップとの投資活動みたいなところに交通整理されていくという感じなんですか?
北嶋:
おっしゃる通りですね。
2024年秋に2社をグループイン、今後も継続
石橋:
ちなみに足元だとどういう会社をM&Aされていらっしゃるんでしょう?
北嶋:
今までに2社買収していまして、2024年の秋に岡山県にある従業員20名ほどのシステム会社を1社目としてグループインしていただきました。
2社目は大阪にある建設領域で、ビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)というサービスに関わっていらっしゃる会社なんですけれども、それを今年の秋にグループインしていただいて、今2社やっています。
石橋:
今後でいうと、わかりやすく実業をやっている方々だけではなく、それこそSaaSであったりソフトウェアをやっている会社も買収し得るという感じなんですかね?
北嶋:
そう思いますし、ソフトウェアもそうですし、やっぱりフィールドワーカーとか、もしくはシステムのソフトウェアに近い領域にM&Aしていくというふうに考えています。
CVCはM&Aのソーシング活動にもなる
石橋:
改めてM&Aという大戦略がある中で、CVCとかスタートアップ向き合いというのは、北嶋さんたちL is Bさんたちとしてはどういうふうに整理されていらっしゃるんでしょうか?
北嶋:
事業の成長というか、企業価値の最大化の手段の1つとしてM&Aがあって、M&Aをするための前段階として、それこそスタートアップの皆さんと接点を持っておくというのもあるし、それが直接M&A対象にならなくてもそういった知見を持っておけば、出資を受けたいんじゃなくて売却したいという方もたまに出てきたりするので。
石橋:
現時点でもたまにいるなというのは思います。
北嶋:
そういったソーシング活動にもなりますので、つながっているなというふうに思います。
M&Aとマイノリティ投資、両輪で進める覚悟
石橋:
L is Bさんとしてはグロース上場で新興系上場企業さんというステータスの前提の中で、M&Aとマイノリティ投資、CVC投資というのをうまく活用されている認識なんですけど、どんな会社さんであれば北嶋さんたちのようなこういう戦略を取ることがCFO目線でおすすめできるとか、それこそ真似していくのもありなのではないかとお考えでしょうか?
北嶋:
おそらく皆さんは、M&Aをしなければいけないのかを考えていらっしゃると思うんですよね。CVCはどうかわかりませんけれども、投資活動はしていこうというのは比較的多くの会社さんが考えられていると思いますし、実際にやろうと思えばできると思います。
ただ、実際にやるとなると色々な覚悟というか、やりきる決意がいるんですけど、それさえあれば皆さんもできるかなというふうに思います。もちろん1~2年後にはもっと多くのM&Aが活発になっているんだろうというふうに思います。
石橋:
実際M&A活動をされている方々というのは当然L is Bさん含め多くいらっしゃる中、並行して掛け算の要素としてCVC・マイノリティ活動も覚悟を持ってやっている方で、しかもちゃんと親会社のボードメンバーがコミットしているというと、もっと少なくなってくるのかなと思いますけど。
実際に、当時の始める前の想定と始めた上での現実の差分は、思ったよりうまくいっているのか、思ったよりもゆっくりだなみたいなところも含めて、どんな感じの手触り感で今いらっしゃるんですか?
北嶋:
投資の活動においては、思ったよりもスピード感を持ってできているなというふうに思います。
もちろんこれはGazelle Capitalさんのソーシングとかご紹介の力があってこそなんですけれども、もっと出資する先を探すのに苦労するだろうなと思っていたんですけど、意外と良い会社様にいっぱい出会えるので、うまくできているなというふうに思います。
石橋:
ありがとうございます。
ぜひ改めてどんな会社にdirectX Venturesが投資しているのかの話は2本目の動画を振り返ってみていただければ、どういうところに実際にやっているのかというのはわかっていただけるかなと思っております。
いきなり結婚ではなく、同棲期間としてのマイノリティ投資
石橋:
今はM&Aをやらない会社はいないと思っているので、よく言われる例え話ですけど、いきなり結婚するんじゃなくて同棲期間ぐらい挟んだ方がお互いのためにも良いのではないか、そのためにも段階的にM&Aしていくと考えると、マイノリティ投資から始めるというのは個人的にはすごく良いアクションなんじゃないかなと思っているので。
めちゃめちゃポジショントークっぽくもあるんですけど、広まれば良いなとは思っておりますので、結果はL is Bさんとの取り組みがどういう良い結果を出せるのかというのが大事なところだと思っておりますし、今後もぜひ皆さんも注目していただければなと思っております。
北嶋さん、全3回にわたりましてご出演ありがとうございます。
北嶋:
ありがとうございました。
石橋:
北嶋さんは4~5年ぐらい視聴者でもいらっしゃったので、今日見ていただいている方が4年後にご出演いただいているかもしれませんので、ぜひ色々と活かしていただければなと思っております。
それでは次回の動画でもお会いしましょう。さようなら。
