みずほ銀行からコンサル業を経てVCに!日本とインドネシアを繋ぐVC登場!|スタートアップ投資TV

○池田 翔  グローバル・ブレイン株式会社-Indonesia Office Representative
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みずほ銀行、デロイトトーマツコンサルティングを経てGBに参画。みずほ銀行では、中堅・中小企業支援やシンジケートローン組成に従事。
デロイトでは、新事業の企画・運用や、ビジョン策定、中長期/短期戦略の立案・実行支援、および東南アジア(インドネシア)駐在での現地法人支援に従事。米国公認会計士

競技ダンスで学んだ「ニッチを攻める楽しさ」

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。

今回は、グローバル・ブレイン株式会社から国内ではディレクターを務め、インドネシア拠点では代表を務めていらっしゃる池田さんにご出演をいただいておりますので、改めていろいろと海外のお話も含めて伺いたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

池田:
よろしくお願いいたします。

石橋:
早速なんですが、まずは池田さん個人のお人柄を皆さんにお話していきたいなと思うんですけれども、経歴だけ拝見してしまうと、最初に株式会社みずほ銀行に行かれて、その後にデロイト トーマツ コンサルティング合同会社さんに転職をされて、そしてグローバル・ブレイン株式会社さんに入っていらっしゃるかと思うんですけども。

結構堅めなキャリアといいますか、ベンチャーキャピタル(VC)業界に中途で転職をされている方は、こういうキャリアの方が多いなという印象は受けるんですが、学生時代からそういう堅めなキャリアというか、元々そういう「金融業界に行くんだ!」とか、元々会計系の勉強とかされていらっしゃったんですか?

池田:
全くなくて、大学時代はかなり軟弱な生活を送っていました。4年間ずっと競技ダンス部というところに入っていて。

石橋:
社交ダンスみたいな?

池田:
そうです。それを競技でやっていました。中学・高校とずっとサッカーとか陸上をやっていて、全然勝てなくて、大学に入って「何か勝てることをやろう」と。

一橋大学だったんですが、サークルで強いのがボートとラクロスと競技ダンス。その辺だったら日本一を目指せそうだという中で、軟弱なほうに行ったと。

石橋:
それは軟弱と言うんですかね?

池田:
一応4年間やらせていただいて、最後は全日本と東部日本の学生競技ダンス連盟の理事長をやって、全日本戦とかでもファイナルに行かせていただいて。

石橋:
全然軟弱じゃないじゃないですか。

池田:
結果なんとかなったので、ニッチを攻める楽しさを見つけたのはそこかなと。

石橋:
なるほど。競技ダンスという、勝てるマーケットをちゃんと選んだということですね。

確かに一橋大学と聞くと、経済系とか商学系に強いようなイメージがあるので、やっぱりそこからみずほ銀行とか、どういう意図というか背景で新卒のキャリアを選ばれていたんですか?

池田:
結構お恥ずかしい話なんですが、部活が忙しくてあまり真面目に就職活動をしていなくて。

石橋:
理事長までやられてたんですもんね。

池田:
そうですね。我々のときは、銀行は割と間口がまだ広かったので、いくつかの銀行さんを受けさせていただいて、内定をいただいて、そこで就職活動を終えてしまったと。あまり考えてなかったというとお恥ずかしい話なんですが実態でございまして、それでみずほ銀行に入らせていただきました。

宝くじ販売から何十億円のローン組成まで、銀行で学んだ泥臭さ

石橋:
みずほ銀行時代はどういうことを新卒としてはやられていらっしゃったんですか?

池田:
みずほ銀行では7年間ぐらい在籍させていただいたんですが、支店で働いていた時代と本部にいた時代があって。

本部ではシンジケートローンという何百億のローンの組成を、いろんな金融機関でシンジケートローンを組んでやりましょうと。それのアレンジメントをやる部署に行ったんですが、それ以外では支店にいたときは結構泥臭いことをやっていて。

法人周りをずっとやっていたんですが、メインは何十億円くらいの売り上げの会社にお金を貸しますというところなんですが、泥臭いところでいうと、代表者さんの資産運用も取らなきゃいけないし、従業員さんにカードローンも売らなきゃいけないし、宝くじも売ったりしてまして。

みずほ銀行で宝くじを取り扱っているもんですから、「宝くじ○○枚売るまで支店に帰ってくるな!」とかですね。

石橋:
銀行マンはそんなこともやるんですね。

池田:
そうなんです。かなりいろいろなところまで手広く泥臭くやらせていただいてましたね。

ショッキングな粉飾事件が転機に。「金貸しだけでいいのか」

石橋:
その後にデロイトさんに転職された後にグローバル・ブレインさんにいらっしゃるかと思うんですが、プロフィールを拝見していくと、会計士の免許というか資格もアメリカで取得されている?

池田:
あれは米国の公認会計士の資格を持っているというだけなので、試験自体も日本からも受けられるんですよ。

あれは単に銀行にいたのである程度ファイナンスの知識はあったので、「一応取っておくか」というノリで趣味で取っただけなので、あまり業務に直結しているわけではないです。

石橋:
銀行員時代に在職中に勉強して独学で取られたみたいな感じですか?

池田:
資格を取ったのは、銀行を辞めた後ですね。

石橋:
デロイトさんに転職されてから?

池田:
そうですね。

石橋:
7年間みずほ銀行さんにいらっしゃった後に、何がきっかけでコンサル畑といいますか、デロイトさんに行かれようと思われたんですか?

池田:
銀行を辞める前、取引先が粉飾して破綻するという、割とショッキングな事件があって。

つい2~3日前に会社に行った時は「今度ゴルフ行く?」とか言っていた部長から、ある日の朝に支店に行くと、FAXが届いているわけですよ。「もう返せません」と。会社に行ってもドアが開かなかったりして。

その後、債権者集会を開いてとかいろいろあったんですけれども、お金を貸して仲良くさせていただいていたつもりだけれども、テーブルのこっちとあっちというか、多分同じ目線じゃなかったんだろうなというところは結構思って。

業務的にも厳しい体験だったというのと、結構その辺でこのまま金貸しだけだといいのかな?というところを少し感じました。私の力不足というところでしかないんですが、そんなこともあって知恵を出すようなところも勉強してみてもいいかもなと思って、コンサルに入ったというところですね。

石橋:
銀行マンの最後の体験でいうと、リアル「半沢直樹」みたいな世界線がやっぱりあるんですね。

池田:
そうですね。ちょっと録音されたらまずそうなこととかもなくはなかったかなと思っています。

LinkedInのメッセージから始まったVC転身。インドネシア代表へ

石橋:
その後、デロイトさんにはどのくらいいらっしゃったんですか?

池田:
デロイトも6年くらいはいたのかな?結構いろんな体験をさせていただきまして、丸3日くらい寝ないようなプロジェクトに入ってみたりとか。

あとデロイトの時代、最後の2年間ぐらいは東南アジアに赴任しておりまして、その時代にインドネシアにおりました。

石橋:
そもそもデロイトさんからグローバル・ブレインさんへ転職されるときは、インドネシアでグローバル・ブレインさんとの接点があったとかなんですか?

池田:
全くなくてですね。インドネシアにいる時代に、そろそろ次のキャリアを考えようかなと思っていて。

ファイナンスとコンサルにいると、いわゆる投資機関はプライベートエクイティ(PE)ファンドであったりVCであったりというところは興味が出てくるものなんですけれども、LinkedInでいきなりメッセージが飛んできて、それがグローバル・ブレインで。

基本は面接だとかも全部遠隔でやって、1回だけ面接で日本に来たときについでに行きましたけど。なので、たまたまですね。

石橋:
結果的に今はインドネシア拠点の代表をやられているというのは、転職した後も東南アジアに関わっていこうというのがキャリア志向的にもあったんですか?

池田:
あまり明確になくて、VCという仕事自体はすごく面白いなと、転職活動をする中で知って、面白いなと思っていたんですが、東南アジアですぐにやりたいかというと別にそんなことはあまり思ってなくてですね。

なので私自身、最初にグローバル・ブレインにジョインしたときは、1年ちょっとぐらいかな、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を担当もさせていただいて、日本で根を張ってやっていくというつもりだったんですが、会社的にインドネシアはもう良い時期なので「そろそろ出そう」というタイミングで「池田くん行く?」と言われて。

私も銀行に行ってコンサルに行ってVCというだけだと、そんなにニッチじゃないんですね。掛け算で付加価値を付けていくという、1個乗せても良いかなと。

石橋:
競技ダンスを攻めるみたいな文脈なんですね。

池田:
インドネシア自体はすごく成長している市場ですし、平均年齢はまだ20代で活気もすごくある国で、私自身好きな国でもあるのでコミットさせていただこうと。

コロナで半年間の日本滞在。子どもとSwitchで過ごす日々

石橋:
今はちょっとコロナ時期で国内にいらっしゃるのかなと思うんですが、完全にインドネシアにずっといらっしゃるんですか?

池田:
おっしゃる通りです。実際でいうと、2020年からインドネシアオフィスは正式に稼働しているので、稼働してすぐコロナで戻ってきちゃっているんですが、そういうのがなければ向こうに家族と一緒に住んで。デロイト時代も家族で一緒にインドネシアに住んでました。

石橋:
ではご家族からすると「一瞬日本に戻れるんじゃないかな?」と思ったら、急にまたインドネシアみたいな感じなんですか?

池田:
そうですね。インドネシアでしばらく暮らして、転職して日本に戻ってきたと思ったら「インドネシアにまた行くよ」と言われて、コロナでまたすぐ戻ってきたと。

石橋:
結構バタバタですね。

池田:
子どもが可哀そうです。

石橋:
改めて新卒のキャリアから今なんでグローバル・ブレインさんにいらっしゃるのかだいぶ分かってきたんですけど、お仕事以外の部分といいますか、プライベートなところでいうと、未だに競技ダンスとか、普段でお休みの日は何をやっているんですか?

池田:
競技ダンスはさすがにやってないですね。妻も一応競技ダンスの同じ部活の人間ではあるんですが、やはり子どももいるので、休みの日は子どもとサッカーか、子どもとSwitchで遊んでるしかないですね。

石橋:
良いお父さんをちゃんとしてるわけですね。

池田:
マリオカートとスプラトゥーンがだいぶ上手くなりましたね。

石橋:
しかも国内にいる時間もだいぶ長いですもんね。

池田:
もう半年になりつつあるので。

石橋:
ちなみに今後はどのくらいに戻っていくみたいな見通しは立っているんですか?

池田:
見通しはまだ立っていなくて。インドネシアはまだコロナの新規感染者があまり治まってないので。

現地には他にも日系のVCさんがインドネシアにいらっしゃるんですが、そういった方も結構戻って来られていて。そういった方であったり日系の商社さんであったりと、「いつ戻る?」という相談をしています。

石橋:
このタイミングで幸か不幸か、日本でご縁をいただけて大変ありがたいです。

池田:
とんでもないです。こちらこそよろしくお願いします。

石橋:
ありがとうございます。今回は、そんな池田さんにご出演をいただきまして、お人柄であったりグローバル・ブレインになんで入社されたのかお伺いしていったんですけれども。

次回は、そんな池田さんが所属されているグローバル・ブレインさん自体について、様々なファンド、7号の基幹ファンド以外にも、先ほどお話にも上がったCVCファンドも運用もされていらっしゃいますので、その観点も深掘りしてお伺いしていければと思っておりますので、また次回もぜひよろしくお願いいたします。

【グローバル・ブレイン】海外拠点は5カ国以上!?|スタートアップ投資TV

1998年創業、純投資とCVCの両輪で総額1,500億円を運用

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。

今回も前回に引き続き、グローバル・ブレインさんから池田さんにご出演をいただきまして、今回は池田さんの所属されていらっしゃるグローバル・ブレインさんについてお伺いをしていきたいと思っているんですけれども。

改めて、どういう流れでできたVCさんで、というところから簡単に教えていただきたいんですが、紐解いていくと、きっかけというか歴史はどんな感じなんですか?

池田:
一番最初でいうと1998年に創業した会社になっていまして、最初のうちはベンチャー企業さんへのいろんなご支援、コンサルみたいなところも含めてやっていたと聞いていて、2001年頃からVC事業をやっていると。

うちの特徴でいうと、恐らく一番特徴なのが純投資ファンドと呼んでいる我々自身のファンドですね。これが今7号のファンドなんですが、それ以外にいわゆるCVCというのを複数運用させていただいています。

今でいうとKDDI株式会社さん、三井不動産株式会社さん、ソニーフィナンシャルベンチャーズ株式会社さん、ヤマトホールディングス株式会社さん、セイコーエプソン株式会社さん、あとちょっと公表してないところがいくつかというところで、いわゆる純投資とCVCを両方やっているのが一番の特徴かなと思っています。

総運用総額が1,500億円とか、という格好になっています。

石橋:
直近の7号ファンド単独だと200億円ぐらいですか?

池田:
そうですね。200億円ぐらいかな。

シリーズA中心、純投資とCVCを使い分ける投資戦略

石橋:
大体その基幹ファンドは、それぞれどういう投資方針でどういうスタートアップの方に投資をされていらっしゃるんですか?

池田:
投資するラウンドみたいな話でいうと、そこは共通していて、基本はシリーズA以降、ただたまにシードもやったりとかレイターもやったりします。

特徴的なところでいうと、三井不動産さんの中にはグロースというところがあって、そこはワンショット10億円とかの大きい出資をさせていただくものもあります。

純投資ファンドは当然ながら、いわゆる出資をさせていただいていて、すごく大きくなられるところであればセクターを問わず出資をさせていただいていて、CVCのほうについては当然純投資だけという目線ではないので。

石橋:
お金を大きく出していらっしゃる事業会社さんの色が、ある意味付いているということですよね。

池田:
おっしゃる通りです。基本的には事業連携ができる、および今後見込まれる会社に出資をさせていただいて、基本は資本業務提携という格好で事業的なご支援もしながらやらせていただいております。

クラスターの事例:純投資からCVCへの連携投資

石橋:
先ほどの三井不動産さんもそうだと思うんですが、CVCさんで、場合によってはシリーズAで基幹ファンド側で投資をされた上で、継続して追加投資をしていく文脈でCVCさんで投資をされるケースとかもあったりはするんですか?

池田:
ございまして、私がご担当させていただいているお会社ですと、クラスター株式会社さんというVRのイベントプラットフォームをやられている会社があるんですが、2018年の2年ぐらい前に我々が他のVCさんとコリードで出資をさせていただいて、昨年に結構事業も育ってきたタイミングで、KDDIさんと三井不動産さんのファンドからご出資をさせていただいて。

今はKDDIさんとの連携をかなり密にやっていまして、最近だと「バーチャル渋谷」といって、渋谷の街をバーチャル上に持ってきて、いろんなコンテンツを乗っけるみたいなところをKDDIさんと組んでやっていただいていて、ああいうものもまだまだ拡張できると思ってますし。

やはりKDDIさんは広大なネットワークを持っていらっしゃいますので、そのあたりで事業連携もすごく密にやっていますし、三井不動産さんについても、三井不動産さんはご存じのとおりリアルなアセットをものすごくお持ちなので、それをバーチャルなアセットと組み合わせたら何ができるんだろうというところで今すごく議論をしていて、そちらもすごく広がる可能性があるなと思っているので。

クラスターさんの例でいくと、我々が出資をさせていただいた後で、さらに企業価値を上げていくためにCVCさんもコラボを、我々のほうでも入って作らせていただいたりとか。

一方で逆の例もあって、CVCと連携したいスタートアップさんもいらっしゃるんですよね。

そういったところで、先にCVCさんでご出資をさせていただいた後で、我々も一定程度の規模のあるファンドでございますので、ラウンドで逆に我々の純投資で入らせていただいたりとか、というところもあるので、そこは純投資といわゆるCVCをうまいこと順回転で回していくように運営をさせていただいているのが我々ですね。

起業家ファーストの資金調達支援

石橋:
起業家さんからすると、ある意味複数のお金の出し元がある状態だと思うんですけど、例えば「このスタートアップむちゃくちゃいけてるな」というところが基幹ファンドで投資をされていらっしゃって、次の資金調達をされるタイミングで、資金調達のバジェット全体が関わるわけじゃないですか。

そこの枠の調整といいますか、それぞれ利害関係者がいる中、どういうレギュレーションというか、使い分けはされていらっしゃるんですか?

池田:
いろいろ細かい運用のルールはあるものの、大前提は起業家ファーストです。

スタートアップさんがどこから資金を持ってくるのが一番良いのか、それに応じて我々のお財布で適切な格好でご支援をさせていただくので、そこはやはりスタートアップさんがいかに育っていくために我々をどう使うか、というところが一番大事かなと思っております。

70人超の体制で事業以外を徹底サポート

石橋:
それでいうと、先ほどのCVCさんは本当に国内の大きい会社さんが多いなとは思ったんですが、それであればどういうご支援をいただけるのかなんとなく想像ができるんですが、基幹ファンドのほうですと、投資先の方々にどういうサポート体制だったりとか、普段起業家の方々とこういうふうにコミュニケーションをとっているみたいなものはどんな感じなんでしょうか?

池田:
我々キャピタリストは、事業の壁打ちだったり云々は当たり前に日々やっておりますというところと、我々は他の日本のVCさんも最近は多いですけれども、いわゆる支援チームみたいなところはかなり拡充をしております。

採用であったり、PRであったり、知的財産であったり、法務とか財務とか経理とかも当然ですが、デザインであったり。

社内に人を抱えるケースもあります。例えば知的財産とかは弁理士の人間を雇ったりもしてますし、PRだったらPRの人間を雇ったりしてます。他にもデザインとかであれば、外部の方と密に連携をさせていただいて。

人材の採用の部分もGBHR株式会社という会社を持っていて、そちらのほうで支援をさせていただいたりとかというところで、スタートアップの方には本業をきちんと伸ばしていただいて、そこは彼らしかできないので、それ以外のところは、いろんなところで我々が側面支援できるような体制は整えつつあって、そこを非常に力を入れていますね。

我々は会社全体で70人超いて、30人ぐらいキャピタリストがいるんですが、逆にいうと20人ぐらいはバックオフィスも含めて、いろんな支援でサポートをする人間たちがいるという格好ですね。

起業家のステージに応じた柔軟な支援

石橋:
極論なんでも事業以外のところはサポートしますみたいなスタンスですと、良い意味でめちゃくちゃグローバル・ブレインさんを使いこなしている起業家の方はいらっしゃったりするんですか?

池田:
いると思います。ただ、当然我々もリソースに限界があるものですから、全てのものを全ての会社にご提供するというのはなかなか難しいので。

そこは会社のステージであったり、チームの体制であったり、いろんなところを見させていただいて、この会社にはこういった支援をさせていただくという割り振りはある程度させていただいてはいるんですが、ディマンディングに使っていただけると我々も嬉しいなと思っています。

逆に言えば、会社によっては当然「見守ってください」という方もいらっしゃるので。

石橋:
性格が分かれますよね。

池田:
そうですね。そこはケースバイケースですね。

海外5拠点で展開、グローバルネットワークの強み

石橋:
せっかくなので、もうちょっとグローバル観点の話も、やっぱり“グローバル”・ブレインさんなので、ぜひお伺いしていきたいなと思うんですが、そもそも海外でも投資活動をされていらっしゃるんですよね?

池田:
もちろんしていまして、日本に当然本拠点があるんですが、海外でいうとUSAのシリコンバレーですね。あとはUK、UKはヨーロッパ全体とイスラエルも見ています。

あと韓国・シンガポール、シンガポールから東南アジア全域を見ると。あとインドネシア、インドネシアは広いのでインドネシアだけ見ているんですが、という格好で海外5拠点でやっています。

今はコロナの関係とかもあってなかなかうまくいかないんですが、「次の国はここ!」「次の次の国はここ!」というのが社長のほうから聞こえてきておりますので、考えておりますね。

石橋:
なるほどですね。現地でも基本的にはシリーズAのラウンドで、タイミングで投資はされていらっしゃる?

池田:
そうですね。

石橋:
サポート体制も基本変わらないという感じなんですかね?

池田:
サポートでいうと、当然人材採用とかを、日本にいる人材採用の支援の会社が海外で人材採用できるかというと、そこはなかなか難しいんですね。

ただ、例えばアメリカの会社が日本市場に進出します。そうすると日本に代表のオフィスが必要だし、そこの代表者も必要だよねといったときに、採用の支援をやったりというのは当然しています。PRの支援とかも含みます。

日本企業の海外展開を現地ネットワークで支援

石橋:
逆に日本のスタートアップが、例えば投資先で「事業展開したい」というふうになってくると、グローバル・ブレインさん的にはどういうところでサポートがあったりですとか、こういうところに強みを持っているみたいなものは何かあるんでしょうか?

池田:
日本のスタートアップさんが、ある程度若いステージのうちに海外に行くかというと、あまり行かないケースが正直多いんですね。

とは言うものの、当然「行くよ」という話になれば、各拠点で我々も根を張って動いているので、現地の企業であったり、東南アジアだと財閥であったりとか、現地のVCとか、ネットワークは当然にございますので、そのあたりの支援は繋ぎ込みみたいなところが十分にできるかなとは思っています。

50社が参加するα TRACKERSで大企業とスタートアップを繋ぐ

池田:
あとは、我々は申し上げた通りCVCに結構特徴があるんですけれども、そういった活動の中でいろんなことをやってるんですけど、α TRACKERSというのをやっていて。

それが何かというと、日本の大企業でいわゆるオープンイノベーションをやりたいという会社がいっぱいあるわけですよね。

ただ、CVCの運用とかは結構難しかったりするので、新しいことをやろうとしつつも悩みも持たれているような会社のネットワークを作って、最初は16~17社ぐらいで始まったんですけど、今50社ぐらいになっておりまして。

定期的に会合を持ったりとかして、アメリカとか中国の先進的なプレイヤーを連れてきてちょっと話をしてもらったりとか、スタートアップにピッチもしていただいたりとかやって、結構その辺で悩みを昇華させていくようなこともやっていて。

そういうことをやっていると、当然各大企業の会社は海外にいろんなフットプリントを持ってるんですよね。

ただ、持っていながら活かしきれてなかったりすることは結構あるので、そういうところは「このスタートアップと何かできませんか?」みたいなことは当然にやっているんですね。

海外から日本に来る文脈もそうなんですが、海外という文脈においても企業と連携して事業を作っていくみたいなところが我々の得意分野なので、その辺りを活かしていきたいと思っていますし、できるだけ使うようにしております。

22~23年の歴史が生んだ大企業との信頼関係

石橋:
それこそ22~23年前から創業されていらっしゃって、ずっと継続してVCをやって成績を出されているからこそ、そういった大企業の方とも与信があって、結果的に大企業の方とスタートアップというところを繋ぎ合わせるところに強みがあるのかもしれないですね。

池田:
いろんな苦労をしてきたと聞いていますが、だからこそたくさんのノウハウが溜まっているんじゃないかとは思っています。

石橋:
ありがとうございます。今回はグローバル・ブレインさんの歴史からどういうところに特徴・強みを持っていらっしゃるのかというお話をいただきました。

次回の放送では、池田さんの拠点でもいらっしゃる海外、インドネシアもそうですし、どういうふうにしてグローバルに日本のスタートアップが出ていくべきなのかみたいな、グローバル観点でのテーマでお話を伺っていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

【スタートアップの海外進出】海外へ進出するタイミングと大切なポイント!|スタートアップ投資TV

海外展開の前提:ローカライゼーションの重要性

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。

今回も前回に引き続き、グローバル・ブレインの池田さんにご出演をいただきまして、今回のテーマとしては、いかにしてグローバルでスタートアップをやっていくか、戦っていくかというところをテーマにしながら、インドネシアでグローバル・ブレインの拠点の代表をやられている池田さんにいろいろとお伺いしたいと思いますので、改めてよろしくお願いいたします。

池田:
よろしくお願いします。

石橋:
前回と前々回、少し話の流れで出てきたところだと思うんですが。

そもそもグローバル・ブレインさんとしては海外の方にも投資をしていらっしゃるし、国内のスタートアップで海外に出ていくようなサポートをしていらっしゃる中で、池田さんとして日本のスタートアップがどういうふうにしたら海外により展開しやすい、向こうで成功できる・上手くいくみたいなところの大枠は、オープンクエスチョンで恐縮なんですが、何かお考えはお持ちだったりしますか?

池田:
すごく難しい質問だと思うんですが、大前提として業種によって全然違うんだろうなというのがある上でなんですが、どんなビジネスでもそうだと思うんですが、ローカライゼーションは極めて大事だと思っています。

日本で始めたベンチャー企業が、日本で事業をやりながら海外もやるというのが、良いのかどうかというと、結構そうじゃないケースも多いんだろうなとは思っていて。

例えば、日本で大成功されているベンチャーさんと言うと、株式会社メルカリさんとかの話になると思うんですが、彼らもアメリカとかすごくやられていて素晴らしいなと思うんですが、彼らは日本で立ち上げながらアメリカをやったんだっけ?というと、そういう訳ではないので。

石橋:
全然違いますよね。

池田:
そういう意味でいうと、やはりPMFであったり、いろんな各地域、日本で始まったベンチャーであれば、日本が一番相性良いケースが多いと思うんですが、そこである程度事業を確立して、次の成長の一手として海外を見ていくという順番のほうが自然なのかなと。

そこを同時並行で行くのが良いのかどうかというのは慎重に見た方が良いのかなと個人的には思っています。

シリーズA・Bでの海外展開、そのタイミングは?

石橋:
逆に僕ら自体も起業家の方のピッチを聞いていたりすると、ピッチ資料の中に「海外展開をして、だからマーケットサイズが大きいんです」とご説明いただくケースが散見されるなというふうに感じることがありまして。

その中で、もちろん今のお話の文脈だと、大きくなってからというか、一定のところまで行った上で海外展開が良いのではなかろうかという話だと思うんですが、仮に途中で、こういうような何かサインだったりとか、何かこういうようなものが数値として出てくると、海外をシリーズA・Bでも見始めても良いのかもしれない、みたいな事例も含めて何かあったりしますか?

池田:
めっちゃ難しいことを聞きますね。

石橋:
すみません。

池田:
結構難しいと思っていて、というのが私は昔コンサルをやっていた頃に、いわゆる日本でトップクラスと言われるような大企業を日本でも支援したこともありますし、海外、東南アジア・インドネシアでも支援をしていたことがあって。

日本である程度の支援を取り切って、当然日本もある程度自走するようになってきました。というところになったので、「次に海外」というような格好なのかなと。

当然日本でもまだまだ成長の伸びしろがあるとは言うものの、次なる成長エンジンとして向こうに持っていくという格好が自然かなというふうには思っています。

リソース分散のリスク:文化・宗教の違いを理解する

池田:
やっぱり海外は結構難しいじゃないですか。例えば、インドネシアとかは新興国なのでまた事情も違うんですが、文化みたいなところであったり、宗教みたいな話であったりも全然違うわけですよね。

私は、インドネシアにいた頃は、日系の製造業の会社支援をかなりみっちりやらせていただいて、コンサルのときに。彼らは工場で働いてるわけですよ。ただ、何時間かに1回は礼拝に行って帰って来ないし。

石橋:
しょうがないというか、そういうものなんですよね。

池田:
お昼休みに行ったら戻ってこないし。それは別に良い悪いとかではないと思ってるんですけどね。違いがすごくあるので、やっぱり体力がかかるんですよね。

スタートアップは限られたリソースを集中して一点突破していくことがすごく大事だと思っているので、それを不必要に分散させることが良いのかどうかというのは考えた方がいいんじゃないかなと。

海外起業で成功するためのチーミング戦略

石橋:
今日見ていただいている皆さんの中にも、「海外でチャレンジしたいんだ」みたいな、志とかバックグラウンド、思いを持っていらっしゃる方もいらっしゃると思うんですけど。

場合によっては、日本人が国内でグローバル展開のためにスタートアップを創業するんじゃなくて、そもそも殴り込んで海外で創業して、海外のスタートアップとして事業をやられているケースというのも、場合によってはあるのかなと思うんですけど。

そういった実例に、例えば投資していらっしゃったりとか、もしくはその投資先の実例でも構わないですが、そういう起業をするときにどういうところに気をつけるべきですとか、何かこういうところを押さえておくと、海外でも少し成長しやすいみたいなエッセンスは何か池田さんとしてご意見はお持ちですか?

池田:
アメリカとかで我々が支援させていただいている先で、日本人で起業されている方も当然いらっしゃいますが、私がよく知っているところで、東南アジアで申し上げるのであれば、そういった日本人の方で向こうで起業される方がちょいちょいいます。

我々もタイやインドネシアでご支援をさせていただいておりますし、ベトナムやシンガポールなんかでもご出資であったりのお話、ご相談をさせていただくケースはございます。

いろいろあるとは思うんですけど、申し上げた通り、ローカライズみたいなところは非常に大事なので、どういうチームが組めるかが一番大事なのかなと思っています。

日本人が得意なところもあれば、やはり限界もあると思うんですよね、各地域において。そこのところは、上手い具合に得意領域で補完できればいいだけの話なので、チーミングをいかにするかというところが大事なのかなと思っています。

今でいうと、当然我々も東南アジアのシンガポールとインドネシアにおりますし、他にも日系の素晴らしいVCさんは東南アジアにたくさんいらっしゃいますので、そういった方も当然東南アジアで日本人で起業されている方に支援するケースは多々見ていますので、今は海外で起業するのもやりやすいんじゃないかなというふうに思っていますね。

実例に学ぶ:日本人CEOと現地コファウンダーの役割分担

石橋:
ちなみに、実際にグローバル・ブレインさんの投資先の実例とかですと、どういうふうなチーム組成をされていらっしゃって、その結果どういうところの強みを持っていらっしゃる、みたいなものはあるんでしょうか?

池田:
我々がご支援させていただいているところで、例えば直近でお話させていただいた会社ですと、インドネシアで事業をやられている、本社はシンガポールですが、そこは日本人の方が最高経営責任者(CEO)でコファウンダーになっていて、一方で現地の市場や業界のことをよく分かっている方とタッグを組んで一緒に起業されていると。

例えば、資金調達周りで日系で東南アジアに行っている事業会社もそうだし、VCもそうですし、たくさんあるので、そことの相談であったり、もしくは事業連携のところであったりは日本の方が主導してとか。うまいことタスクを分け合いながらやっている会社はありますね。

ベンチャーキャピタリストへの最適なコンタクト方法

石橋:
ちなみに、そういった海外での起業とかに関心があって、相談したいみたいなときは、池田さんにどうやって連絡するのが一番コンタクトするには早いですか?

池田:
FacebookでもLinkedInでも何でもありだと思いますが、ただよく言われるのは、私とかであれば別に連絡がくれば誰とでも話をさせていただきますけれども、VCの方やエンジェルの方とかもそうですけど、たくさん連絡が来る方がいらっしゃるので、一番接点を持つのに良いのは、何らかの形の紹介とは言われています。

ただ、我々であれば、例えばグローバル・ブレインであれば、問い合わせみたいなところに連絡いただければ、各キャピタリストに当然情報連携もされますし、先ほど申し上げたようにFacebook、LinkedIn等々で個別に連絡いただいても全く問題はないです。

石橋:
承知しました。ありがとうございます。池田さんのFacebookのURLですとか、グローバル・ブレインさんのお問い合わせフォームは概要欄の方にも記載をさせていただいておりますので、ぜひそちらからもご連絡することが可能ですし、場合によっては、いきなり連絡しにくい方であれば、僕らにお問い合わせいただいても池田さんたちをご紹介することもさせていただけるかなと思っております。

海外で起業したいとか、場合によっては、今すでに大きい事業規模になってきたけど、これから海外展開とかも見据えて事業を作っていきたい、アセットを国内で作っていきたいみたいな起業家の方も、ぜひ池田さんにお問い合わせ・ご連絡をどしどししていただければなと思っております。