当時は倍率250倍!?新卒でVCを目指した経緯とは?|スタートアップ投資TV

○山口 丈寛 basepartners有限責任事業組合 代表パートナー
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みらい證券株式会社にてベンチャーキャピタル事業に従事。2007年に株式会社シーエー・モバイルのCVC事業にてスタートアップ投資/アライアンス支援/M&A業務に従事。2014年に独立開業し、スタートアップ経営/VC・コンサルファームにおける外部パートナー参加/M&Aアドバイザリー事業などの実績を積む。2014年にCVC事業の再立ち上げの為、株式会社シーエー・モバイルに復職、戦略投資室室長に就任。2017年にbasepartners LLP創業。BP1LLP代表組合員。

魚が食べられない魚屋の息子がVCを志した理由

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。

今回は、basepartnersさんから代表パートナーの山口さんにご出演をいただきまして、動画をお送りさせていただこうと思いますので、改めてよろしくお願いいたします。

山口:
よろしくお願いします。

石橋:
今回は、山口さん第1回目のご出演ということなので、まずはどういう経緯でそもそもbasepartnersさんを創業するに至るのか、みたいなところをいろいろとお伺いしていきたいと思っているんですけれども。

山口:
ちょっと簡単に自己紹介を改めまして、basepartnersで共同代表をやっている山口と申します。

僕はともとベンチャーキャピタル(VC)に入ったきっかけが実は新卒の就活のときで、もともと実家が魚屋なんですよ。魚屋を僕が継いでいたら4代目。

石橋:
結構老舗なんですね。

山口:
ただ僕は当時魚が食えなかったんですよ。違うなということで、ただサラリーマンになんとなくなるのもイメージがなくて、どうしようとなっていたときに、社長になりたい、自分の会社をやってみたいな、みたいなものが大学3~4年くらいから考えていて、いろいろと悶々とした時期を過ごしていたんですけど。

ある講義でベンチャービジネス論みたいな講義を受けて、平尾光司先生という日本にベンチャーという言葉を持ち込んできたメンバーの1人らしいです。株式会社日本長期信用銀行の副頭取とかもされていた人で。

VCという、起業家に投資をして応援するビジネスがあると。これは楽しそうだし、ここで良いネタがあればそれで起業するみたいな、一石二鳥な感じを受けたんですね。それでVCというものを就活で探し出したというのがきっかけです。

求人ゼロの時代、テレアポとメールで切り開いた就職

石橋:
最近だとVC業界に就職したいとか、チャレンジしたいみたいな若い人が増えてきているなと思うんですけど、山口さん世代だと周りにそういう方はいらっしゃいました?

山口:
全然いなくて、もちろん求人もないんですよ。ジャフコグループ株式会社さん、大和企業投資株式会社さん、日本アジア投資株式会社さんぐらいで。説明会に行ったけど1000人ぐらいいて、採用枠が3~4名とかなんです。これは無理だなと思って。

当時GoogleとかYahoo!は検索窓じゃなくて、ディレクトリー検索は分かりますか?ジャンルを選んで結果が出てくるんですよ。

金融と検索して、証券会社、その他みたいになっていて、VCがあったんですよ。そこにテレアポとメールアポを取ったのが就活ですね。

当時みらい證券株式会社という会社があって、メールで応募したら返ってきたんですよ。多分一発目ぐらいで返ってきて。

実は今の株式会社サイバーエージェント・キャピタルさんにいる竹川さんという人がいるんですけど、竹川さんが当時そこにいて、「面白い奴がいるから会ってみるか」と言ってくれたらしくて。

それで採用面接をして、同じ日ぐらいに確か社長さんと常務も出てきて、「面白いからお前やれや」と言われて「やります!」と言って入社を決めたみたいな。そういうエピソードが2005年ぐらいにあります。

石橋:
証券会社でそんなオープンなところがあったんですね。

山口:
実はその会社の社長さんとか創業者の人は、ジャフコの創業期とか社長もやられた人で、結構VCのルーツがある人たちがやられていたので、VCはすごいなと思っていたというのが、この業界に飛び込んだきっかけです。

サイバーエージェントグループでCVCの世界へ

石橋:
学生時代に金融畑にいたわけじゃないのに入ってきて、その後どういう遍歴を辿っていくんですか?

山口:
みらい證券はインターンで1年、社員として1年半ぐらい働かせてもらって。

当時僕の中で「どうしようかな」と思っていた部分が、金融畑でずっと行ってしまうと事業のことが分からないし、起業家の方に当時も営業をしていたんですけど、対峙できる僕の強みがなかったんですよ。

企業のブランドもジャフコさんと比べるとそんなになかったし、出せる金額も少なかったので、ワンショット1,000万~2,000万円くらいが僕ら新人ができる投資で、投資できる数も限られていたので。

悩んでいたときに、竹川さんという先輩が上司だったので、相談したときに「株式会社サイバーエージェントのグループで、事業会社だけを投資している会社があって、そこでメンバーを募集しているらしいよ」というのをいただき、そこでいろんな良い出会いがあって、株式会社シーエー・モバイル(現:株式会社CAM)という会社に転職しました。

石橋:
竹川さんはその頃にもう株式会社サイバーエージェント・ベンチャーズ(現:株式会社サイバーエージェント・キャピタル)さんにいらっしゃったんですか?

山口:
竹川さんはその後はベンチャーに入っています。竹川さんはスタートアップの方に入ってやっていたときですね。

石橋:
偶然その後に同じサイバーグループに?

山口:
僕はシーエー・モバイルという会社で、今で言うCAVCをやっていたんですけど、そこの投資先に竹川さんの会社があったんですよ。ちょっと複雑なんですけど、株主として先輩の会社に関与するという。

石橋:
なるほど、ややこしいな。

山口:
ややこしいんですよ。その後竹川さんはサイバーエージェント・ベンチャーズに入るわけですけど、みたいなことがありました。

シーエー・モバイルとして投資をやっていたので、ファンドを持っていなくてBS(バランスシート)投資で、累計30社ぐらいポートフォリオを持っていました。というのを20代半ばぐらいまではやっていました。

3.11に起業、営業代理店からフリーランスへ

石橋:
先ほどのお話でいうと、ずっと金融畑にいらっしゃるんですか?

山口:
ずっとVCの仕事をやっていたんですけど、20代半ばくらいになって、「俺って起業しなくて良いんだっけ?」という焦りが出てきて。

たまたま投資先で出会った同い年の人が初めに1人で起業していて、「一緒にやろうよ」という相談を受けて、「これは何かの出会いだよな」と思ってジョインしました。

その人が社長をやっていたので、純粋な起業ではないですけど、ゼロから会社を作るみたいなところはそこが初めてです。

石橋:
ちなみに当時はどういう系の事業をやられていたんですか?

山口:
本当にお恥ずかしいんですけど、簡単にいうと営業代理店でした。

石橋:
VC業界だったけど、別にスタートアップなわけじゃなかったんですね。

山口:
今で言うスタートアップではないですね。起業したのが2011年3月11日。

石橋:
(東日本大震災で)やばくないですか?

山口:
やばいんですよ。一応VCをやっていたので、ちゃんと売上を作りながら参画しないといけないなと思って、見込み客とかも作っていたんですけど、吹っ飛んじゃって。1からとりあえず売上を作んないと、キャッシュを稼がないといけないので、営業代理店で。

石橋:
なるほど。そこからベンチャー企業はどのぐらいやられていらっしゃったんですか?

山口:
結局1年ぐらいですかね。当時は1,000万円とか5,000万円とかを投資して、そういうお金を扱っていたわけですけど、当時は10万円とか20万円のものを売るのがすごい大変で。

でも楽しかったのでやっていたんですけど、当時Web制作をしますという商材を売っていたりとか、そんなのだったので。

1年経って気づいたのが、僕は自分の得意分野がそのときぐらいからなんとなく分かっていて、ベンチャーのエクイティに関わることとか、合併と買収(M&A)とかは当時もサイバー時代にやっていたので、強みでちゃんと自分の力で商売してみたいなと思って。

そこから独立して、向こう3年間ぐらいは半分フリーランスみたいな形で、M&Aのアドバイザーがメインで、人材紹介とかもちょっとやって過ごしていました。

共同代表・外川氏との出会いでVC起業へ

石橋:
なるほどですね。そこから金融に戻りつつ、最終的にbasepartnersさんに繋がってくるのはどういう経緯ですか?

山口:
2014年ぐらいに、1人でずっとやっていると、M&Aで仕事決まると1年分の最低限の報酬が稼げるので。

石橋:
単価が大きいですもんね。

山口:
だから金銭的にやりがいはあったんですけど、1人でやっているのって「ずっとこれやっていくんだっけ?」となって。やっぱりチームで何かやりたいというのが芽生えだして。

そのタイミングで古巣のシーエー・モバイルという会社から「コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を改めて立ち上げるので、どう?」という誘いをもらって、もう一回出戻ったというのが次のキャリアです。

それを2年くらいやったんです。2年くらいやっていくうちに、やっぱりVCの仕事がすごく楽しいし、僕に合っていた。僕は人のために頑張る系の仕事がすごく好きなんですよ。

VCで起業できたらすごく良いんじゃないかと改めてそのとき感じて、basepartnersを起こすというのに繋がりました。

石橋:
なるほどですね。ちなみにbasepartnersさんも共同代表としてやられているわけですけど、どういった出会いというか、最初にまたVCとして起業されるタイミングで、どういうチーム構成でやっていこうとか、何か考えとかあったんですか?

山口:
当時シーエー・モバイルを辞めるタイミングで、シーエー・モバイルの創業者で今一緒にやっている外川という人がいるんですけど、外川は早めに退任していたんですよ。

ただ、一応戻してくれた方でもあったので、挨拶をしに行って「辞めようかと思っている」と言ったところ、「じゃあ2人でVCやるのってどうかな?」というのを急に言われて。

全然アイデアはなかったんですけど、そのときはVCに転職しようかなぐらいに思っていたんですけど、VCを立ち上げるのは大変じゃないですか。お金集めが僕らの始めに当たるハードルで。多分、外川はそれができるなと。

僕はVCの投資もできるし、投資後の支援は多分得意だからというので、良い組み合わせかもなと思って、2人で立ち上げるという感じですね。

コワモテの素顔は多趣味で「誘われたら断らない」

石橋:
ちなみに全然話が変わっちゃうんですけど、山口さんは、ともすればコワモテに見られるじゃないですか。

普段スタートアップと関わっていらっしゃる以外のプライベートの時間で、趣味とか、VC業界だからサウナ好きな人とか、最近は釣りとか筋トレとかいろいろいらっしゃいますけど、普段何していらっしゃるんですか?

山口:
立ち上げる前にずっとやっていたのは、釣りとサッカーとサバゲーかな?結構多趣味なんですよ。

basepartnersの立ち上げで余裕がなくなってきちゃったので、最近は仕事を半分趣味にも置き換えてやっているという感じですかね。老化防止のために筋トレをやっているくらいです。

石橋:
スタートアップ系の人たちとも遊びに行ったりもするんですか?投資先とか、業界の同じようなVCの方とか。

山口:
僕は結構起業家さんとつるむことが多いので、飯を食うぐらいですかね。あまりないですね。仕事の時間を誰かと過ごすことが最近あまりなくて、課題です。

石橋:
山口さんと仲良くなろうと思ったら、その起業家の方とかでいうと、ご飯にフランクに誘ったりとか、「釣り行きましょう」みたいなことを言うのが一番良さそうですか?

山口:
釣りに行くのはハードルが高いですけどね。でも、僕は結構ノリ良いんですよ。

当時、竹川さんから教えられた教えというのが、「誘われたら断るな」みたいなのをずっと言われていたので、基本誘いはほぼ断らないし、わりと何でも合わせられる人間なので、意外となんでも大丈夫です。

石橋:
了解しました。この動画を見て山口さんとお話してみたいなとか、距離をもうちょっと詰めたいなという方は飲みに誘っていただいたりとか、わりとフランクにボールを投げていただいても?

山口:
したことないことを誘われるのは大体大丈夫です。

石橋:
了解しました。今回は、そんな山口さんがどういう遍歴でbasepartnersさんに至るのか、みたいなところを伺ってきたんですけれども、次回の動画では、その山口さんが立ち上げていらっしゃるbasepartnersさんについて細かくお伺いをしていきたいと思っておりますので、次回もぜひよろしくお願いいたします。

山口:
よろしくお願いします。

【basepartners】スタートアップを全力支援!リソースやハンズオンでの経営支援まで?!|スタートアップ投資TV

8億円ファンドで20社に投資、平均投資額は2,500万円

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。

今回は、前回に引き続きまして、basepartnersの代表パートナーである山口さんにご出演をいただいておりますので、改めて山口さん、よろしくお願いいたします。

山口:
よろしくお願いします。

石橋:
今回は、前回に続いて山口さんがやっていらっしゃるbasepartnersさんについての概要からお伺いをしていきたいなと思っているんですけれども、そもそも立ち上げて今運用されているファンドは、どのぐらいの規模感で、いつぐらいからやられていらっしゃるんでしょうか?

山口:
投資活動を開始しているのが2018年です。新規投資の方は最終局面に来ているんですけど、約8億円の資金を運用させていただいています。

今は投資先が20社あって、平均投資額でいうと2,500万円くらいという感じですね。

石橋:
投資先の起業家の方々の資金調達の規模感でいうと、シードとかの方に特化している感じですか?

山口:
基本はシード期を応援したいと思って立ち上げているので、そこに特化していて、ただ全体の1割ぐらいはシード以外にも、パフォーマンスを最大化みたいなところで張っている部分もあります。

toCやエンタメにも積極投資、オールジャンルで起業家を支援

石橋:
シードの中でもC向けであったりとか、B向けであったりとか、もしくはそのマーケットみたいなところ、何かbasepartnersさんとしてこだわっていらっしゃるポイントは何かあるんでしょうか?

山口:
基本はオールジャンルを狙いたいと思っています。ただ、他のVCさんを見た時にうちの特徴をいうと、toCとかエンタメ事業みたいなところにも積極的に張れているファンドの1つかなと思っています。

石橋:
ちなみに今C向けB向けに限らずだと思うんですけど、例えばシードの頃から投資しているような投資先はどんなところがいらっしゃったりするんですか?

山口:
この間石橋さんにプレゼンさせてもらった会社で、ピトン株式会社という会社があります。ここの会社は小村さんという代表がやられていて、ざっくりいうと建築業界出身の方なんですね。

そこで感じられた課題とか、こうあったらより建築の現場とか、家作りが良くなるよねという視点で、SaaSの形でソフトウェアを作られているのと、あとはハードウェア、家を建てるために下に基礎というものを敷くんですけど、ここの新たなハードを開発されて、ものづくりもしているし、ソフトウェアも作っているという面白い会社があって。

そこの会社は設立をどこの業者さんに頼むか、というところから一緒に相談して投資させてもらっています。

ビジネスプランコンテストでの出会いから投資実行へ

石橋:
ちなみにそのぐらいの「これから起業するんです」みたいな人だと、どういうルートで山口さんたちと接触というか、コミュニケーションが始まったんですか?

山口:
結構いろんな起業家との出会いがあるんですけど、小村さんとの出会いが良いなと思った流れがあって。小村さんと出会ったのが、YKK AP株式会社の社員でいらっしゃるときに、SBIホールディングス株式会社の大学に通われていて、ビジネスプランコンテストみたいなカリキュラムがあったんですよ。

そこの臨時審査員を僕がやっていたときに出会って、明らかにプレゼンの質が違ったんですよ。「これ投資できるかもしれないな」ぐらいだったので、一応こういう職業をしているから「起業するんだったら絶対連絡ください」とその場で言っておいたんですよ。

というのを覚えていてくださって、小村さんはその後にすごく有名なメガベンチャーの株式会社アンドパッドに転職されているので、その報告もいただきながら「良いベンチャー行かれちゃったな」と思ったんですけど。

やっぱり起業の夢というか、目標が捨てられなくて「やっぱり起業します」ということで相談いただき、やるんだったら僕もあのとき言っていたし、ぜひ応援させてくださいというので投資させてもらいました。

投資判断は最短2週間、「この人に賭けて後悔ないか」を重視

石橋:
ちなみに今シード特化で「これからやるんです」みたいな人もよくコミュニケーションされていると思うんですけど、basepartnersさんとしては投資活動でどういうところを見極めて、特にシードに限ってやっていらっしゃったりするんですか?

山口:
皆さんの言うところでは、起業家を見て、その起業家がやりたい市場を見て、その中での事業の戦略とかを見るみたいな、多分3ポイントがあると思うんですけど、ここはもちろん伝えるわけですよ。「投資家はこういうことを見るよ」と。

その上で、その人が本当にその事業をやりたいのかとか、やりたいことはあるけどどうやって進めるのか、会社はやっぱり収益が立たないと経営を続けていけないから、資金調達だけで生きていけるほど甘くないじゃないですか。

その辺をきっちりイメージできているのであれば、「起業良いと思いますよ」というようなアドバイスはさせてもらっていて、時間をかけてちゃんと準備して臨んだ方が良いよというのは話したりしますね。

石橋:
なるほどですね。ちなみに検討期間みたいなところでいうと、実際に山口さんであったりとか、basepartnersさんとコンタクトを始めると、どのくらい検討期間を経て投資への意思決定とか、お断りも含めてされていらっしゃるんですか?

山口:
本当に早いと、過去実績で弊社の一号ファンドの実績でいうと、2週間で投資実行までしたケースもあります。アベレージだと実行まで1ヶ月~1ヶ月半ぐらいかなと思います。

一応シードVCなので、あまり長い期間見るものもそんなにないんですよ。指示するものもあまりないので、その人のやる気とかその人の人柄とかマーケットのやり方を見て、「よし!この人に賭けよう!」という感じはありますね。

石橋:
そういうふうに伝えると誤解を生みそうですけど、大きくいうと事実ですよね。

山口:
個人的にはシードをやっていて思うのが、チャレンジして失敗することはあるじゃないですか。でも、失敗してもこの人に賭けて後悔ないなというのをなんとなく感じられた人に投資しているというところがあります。

キャラはみんなバラバラですけど、それは結構共通しています。

30社の起業家・経営者がLPとして参画する独自のエコシステム

石橋:
ちなみに投資された後のbasepartnersさんとしてのコミュニケーションでいうと、どういう投資先への関わり方をしていらっしゃるんですか?

山口:
まずは月1以上で、今だと結構対面は難しい時期もありますが、対面で話をしましょうというのと、あと月次の進捗を聞かせてもらいながら、逆に僕らができることはないかというのを投げかけてもらうようにはしていますね。

あとは都度、一応僕らがお手伝いできそうなことを伝えている部分もあるので、何かあったら「熟睡していなければ起きるからいつでも連絡して」と言って、都度対応するようにしています。

石橋:
ちなみにbasepartnersさんとして投資先に支援するときに、何かすごい特徴的なところとか、大事にしていることは何かあるんですか?

山口:
多分basepartnersは、さっき8億円のファンドと言ったんですけど、basepartnersのファンドにとっての投資家さんは実はめちゃくちゃ多くて、カウントでいうと30社で個人の方もいるんですよ。

実はもともとの立ち上げのきっかけが、起業家による起業家を応援するためのファンドにしたいというのがあって。

実はbasepartnersの投資家さんは起業家の人、上場企業を経営したことがある人、イグジット経験者とか、デザイナーとか最高技術責任者(CTO)の人もいて、この人たちの経験値もなるべくシェアというか得てもらうようにはしているので、その辺が特にシードの皆さんにとっては生きているものがあるかなと。

そこの橋渡し役を僕らがするという感じになっています。

石橋:
なるほどですね。ちなみに特にこういう支援の内容が「シードの人だと好評だ」みたいなものは何か偏りとかあったりするんですか?

山口:
よくあるのでいうと、開発を伴うプロジェクトがあるじゃないですか。中にエンジニアさんがいた場合は、足らない経験値を埋めるみたいなところのニーズが多かったりとか。

エンジニアさんがいない場合でいうと、業者の選定というとちょっと言い方が悪いかもしれないですけど、というところにちゃんと入っていただいて、正しい今のシード期の会社にとっては、この会社が一番良さそうなところを一部入ってもらって、みたいなことをやっています。

社外CFOとして2億円の資金調達を支援したチームライク事例

石橋:
先ほど、ピトンさんをシードの投資先でわかりやすい事例を挙げていただいたと思うんですけど、投資先でいうと、シードだけじゃないところでも一部投資されているというお話でしたが、ラウンドの進んでいるというか、規模の大きくなっている会社さんで代表的な投資先の事例はどういったところがあったりするんでしょうか?

山口:
去年結構思い出に残っている案件があって、株式会社チームライクという会社があります。この会社さんは、株式会社MonotaROさんみたいなビジネスをやっていて、産業向けのビニール繊維商材を仕入れてインターネットで流通しているというビジネスです。

BtoBのeコマースをやっているという感じなんですよ。実は投資しているタイミングでは売り上げが1桁億円半ばくらいで、利益もわりと出ている会社なので、正直資金はそんなに必要ない会社。

ただそこの会社の社長さんから増資の相談を受けて、シードではないけどファーストラウンドをさせてもらったという会社になっています。

石橋:
それでいうと、そのタイミングで資金ニーズも極端にいうとなかったかもしれないときに、その投資先の方々からどういうようなことを期待されてbasepartnersさんにお声掛けがあったというか、どういった背景だったんでしょうか?

山口:
実はチームライクの中村社長は、僕が新卒でみらい證券にいるときに飛び込みで営業をかけた会社の社長だったんです。当時は別のビジネスと会社を経営されていて、VCから調達されていたので、僕は投資のチャンスを逃しちゃっていたんですよ。

ただ仲良くしてくれていて、僕からすると起業家の先輩みたいな関係値になったんですけど、今チームライクという会社を立ち上げて、こんな感じまできているんですけど。

今は増資のチャンスはあると思っていて、実は銀行借り入れとか営業キャッシュで資金は作れるかもしれないけど、大きなチャンスを感じていてしたいんだけど、「うちの会社増資するのはどう思う?」という相談を受けて。

普通に自己資金でやれる会社だったので、いろんな選択肢があるのでVCから調達しなくても良いと思うけど、やるんだったら僕が頑張りますと。一緒に投資できるファンドを持っているからということで、そこから投資も決めて、社外最高財務責任者(CFO)としてお金集めを僕は一緒にやるという感じで、去年約2億円ぐらいの資金をまとめられてという感じです。

石橋:
山口さんは金融畑ご出身だからこそ外部CFO的にも、さっきのプロ人材の活用みたいな話じゃないですけど、そこまで入り込んでやることもあるんですね。

山口:
そうですね。僕が財務経理を全部完璧にできるかというとそうではないんですけど、企業経営に関わる必要なものが僕らが直接持っていたり、僕らの支援者の方々が持っていたりするパターン、それで結構充足できる部分があるので、それを都度投資先のニーズを僕が汲み取り、引き出してきて与えてあげるみたいな役割かなと。

FacebookやTwitter、メールで気軽にコンタクト可能

石橋:
おそらく今後2号ファンド等の動き出しもあるかと思うんですけれども、山口さんに事業の壁打ちをしてほしいとか、それこそ投資検討してもらいたいときとか、どういうルートでコンタクトをするのが一番良さそうですか?

山口:
今は外川と山口が共同代表で、あと石川というNo.2と田中という4人でやっているんですけど、外川はちょっとレスがあまり期待できないんですけど、僕と外川以外のメンバーにFacebookでもTwitterでも、あとはinfoのメールも設けているので、そこから連絡いただければ誰かしらは反応できます。

石橋:
承知しました。

山口:
外川は少し陰キャなので。

石橋:
あまり表には出ていらっしゃらないですね。

山口:
でも実は、株式会社東京通信という会社を合わせて共同代表で経営しているんですよ。実は去年上場したんですよ。

石橋:
えー、すごい。

山口:
なので最近また表舞台に出ているという。

石橋:
すごいな。

山口:
ちょっと変わったファンドで。

石橋:
そんなケースがあるんですね。

山口:
あったんですよね。結構いろんな経営の経験値も上場の経験値を持ったメンバーがやっているファンドなので、起業家の皆さんのいろんな角度での対応もできるかなと思っています。

石橋:
ありがとうございます。動画の概要欄の方に山口さんのFacebookのURLですとか、basepartnersさんのinfoのURL等も記載をさせていただいておりますので、動画を見ていただいて、山口さんにぜひお話してみたいな、basepartnersさんにお話を聞いてもらいたいなという方は、ぜひご連絡していただくと良いかなと思っております。

【C向けビジネスにとってのPMF】コロナ禍に対応した〇〇の追求が大切!|スタートアップ投資TV

シード期の次が難しい──C向けのシリーズA調達に必要な指標とは

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。

今回は、前回に引き続きまして、basepartnersから代表パートナーの山口さんにご出演をいただいておりますので、山口さん、今回もよろしくお願いします。

山口:
よろしくお願いします。

石橋:
今回は、1回目2回目の放送に引き続き、テーマを設けましてお話をお伺いしたいなと思っているんですけれども、2回目の配信でbasepartnersさんはシードに特化されていらっしゃって、C向けのビジネスにも積極的に投資活動されているということでしたので。

テーマとしては、C向けのビジネスの人たちがシードの時期から資金調達をして、どのようにプロダクトマーケットフィット(PMF)を達成し、シリーズAに向かっていくのかというところでお話を伺っていければと思うんですけれども。

かなり大きいテーマというか、抽象度が高いテーマなので、ブレイクダウンしながら聞いていければと思うんですけれども、まさにシード時期でC向けで起業家の方に投資した後は、シリーズAに向けてどういうところに注意しながら事業投資して、事業成長させるケースが多かったりするんでしょうか?

山口:
すごく感じたのが、シード時期は僕らみたいなtoCにも積極的に張れるVCや投資家は何社かいるので、そこはあまり困らないかなと思っているんですけど。

次の調達、プレAなのかAなのかというのを、どっちもそうなんですけど、toCビジネスをやる限りはそこですら明確に売り上げなり目に見える重要業績評価指標(KPI)をある程度作っておかないと、調達は難しいなというのは、いろんな会社を見て感じたところではありますね。

石橋:
やっぱりC向けだと、売り上げよりかはKPIを伸ばしている方が多いんですか?そんなこともないんですか?

山口:
KPIだけ伸ばしていても「これってユーザーの人が買うんだっけ?」という質問が来るんですよ。ずっと隣で見ていたので「そうだよな」と思いながら。

やっぱりユーザーだけ伸ばしていても、マネタイズできなければ事業としてサービスとして継続できないという部分を結構突かれるので、できれば売り上げに直結するようなKPIも示したいか、むちゃくちゃでかい売上ができるやつだったらまた話が別ですね。

VTuber「ゲーム部」の急成長──20万再生から始まった爆伸び事例

石橋:
それぞれの事例は投資先であったりするんですか?それこそなかったらなかったで良いと思うんですけど、KPIが爆伸びしすぎていて、これは誰がどう見てもマーケットフィットしている事例であるとか、逆に両軸がしっかり伸びていて、高く評価を受けていったところはどうだったんでしょうか?

山口:
まず1つ目でいうと、本当に目の当たりにしたのが、当時VTuberが世に出てきて2年目くらい経って、キズナアイさんとかが突出していてみたいなときに、キャラ4人の絵を見て投資した会社があるんですよ。

今でいう「ゲーム部」というチャンネル名だったんですけど、実はこの間サービスとしては一旦終了を迎えたんですが、初めのリリースでいきなり20万再生ぐらいで当時のVTuberでメガヒットを出せて、出すもの全てが数十万再生を叩き出し、急激にファンの人を集められたというのを、リリースして1ヶ月ぐらいで。

当時ランキングがあったんですよ。累計再生数じゃなく、その月々の再生数で切った月のパフォーマンスを見るランキングがあって、そこで一気に1位に上がっていって。

あれは売上を無視で思いっきりコンテンツに投資しまくったので、目の当たりにしたのは爆伸びで、KPIも上がっていって、それに対して評価いただいたかなという事例がありましたね。

石橋:
それはどちらの会社さんだったんですか?

山口:
今は株式会社Brave groupという会社をやっていて、多分「ゲーム部」というコンテンツ名のほうが有名だと思いますね。

PMFの定義──月商100万円では不十分、10倍・100倍の成長傾向が鍵

石橋:
ちなみに今、コロナ禍の影響もそうですし、コロナ以外の影響でも、C向けのビジネスの方々がPMFを迎えたな、みたいなところは山口さんとしてどういう現象が起きたりとか、どういう状態だと、それこそ山口さん目線でも、外部の次のラウンドを見てくださるような投資家さん目線でも、どういうところをC向けでいうとPMFと呼ばれるケースが多かったりするんでしょうか?

山口:
うちの投資先に限った話になっちゃいますが、1年間ぐらいで売り上げは作れていた例があったんですよ。ユーザーから課金なり従量課金なりで、月商で100万〜200万円ぐらいは作れていたんですが、これだと多分PMFしているとは言えなくて、ずっと頭打ちになるだけなので。

多分そのときはニッチでコアなファンが付いていて、お金を払ってでもコンテンツを楽しみたいとか、サービスを使いたいという状況。これだと多分VCなりスタートアップもPMFじゃなくて、この売り上げなりファンの数が10倍とか100倍になる傾向がないとダメかなと思って、この傾向が出始めたときはPMFの第一段階なのかなと僕は思っています。

石橋:
なるほどですね。

山口:
やっぱりニッチでコアな昔からいるファンの方、視聴者の方だけじゃなく、それ以外の方々がお金を使ってくれているとか、そういう部分だと思いますかね。

Airporter事例──都内30%のホテル開拓から見えた「面」と「点」の両立

石橋:
エンタメ領域以外のC向けの投資先だと、事例とかってあったりしますか?

山口:
株式会社Airporterという会社があって、外国人の観光客向けのスーツケースとか荷物を当日配送します。これはBtoCのビジネスをやっています。

ここに関しても彼らはすごい営業が強かったので、それを提供できる面は押さえていたんですよ。都内のホテルの30%近くは取っていたので、Airporterのサービス使えますとなって。

もちろんこれだとPMFができていなくて、それをさらに使う観光客の人が出てくる。そこの分量がどれだけなのかみたいなところが、売り上げの成長みたいなところでいうとPMFの指標の1個になったのかなとは僕は思っていて。

やっぱり面を取るだけじゃなくて、そこで実際に売り込んでいただくオペレーションが確立でき始めてくると、売り上げがすごく立ってくるんですよ。この辺はPMFに近づいてきたかな、みたいなのは思ったところはありますかね。

結構消費者にサービスを届けることを大事で、この辺がかみ合ってくるとPMFに近づくんじゃないかなという部分はありますかね。

資本政策とパートナー選び──M&Aと資金調達を並行検討する戦略

石橋:
ちなみにC向けのビジネスですと、先ほどの売上がついてきてはいないけどKPIが伸びてきて、みたいなタイミングで資金調達しないといけなかったりとか、やっぱり資本政策とか資金繰りは、B向けももちろん大事ですけど、C向けはなおさら大事なんじゃないかなと個人的には解釈していまして。

今後のことを考えてそういう資本政策を取る中で、どういうパートナーを選ぶべきというか、VC目線でいうと、キャピタルゲイン、投資リターンみたいなところも考えないといけないと思うんですけど、どういうふうにアドバイスをしていったりとか、どういう基準でパートナーを選んでいくべきだったりするんでしょうか?

山口:
一応僕らは商売でやっているし、最大化をしなくちゃいけないという意味だと、できれば経済的にも良い条件で着地させたいし、してほしいというのはちゃんと明確に伝えます。

でもその上で、起業家側も一番組みたいという先をできるだけ実現できるところを見つけようねと言って走ったという感じですかね。

結局、顧客へのアプローチができるネットワークを持っているところと、開発なりカスタマーサポートのリソースを持っているところで、かつその事業を支えるための資金も潤沢に提供いただけるところみたいなのが出てきて。

大体、資金を潤沢にしていて、リソースを提供できる会社は買収額が大きくなるわけですよ。僕らもそこの先すごく良いよねとなったという感じです。

石橋:
なるほどですね。

エクイティ調達とM&Aの同時進行──透明性を保ちながら最適解を探る

石橋:
最後にエクイティの調達とM&Aを並行して進めていらっしゃったとお話したと思うんですけど、それは具体的にどういうふうにやっていらっしゃったんですか?

これからM&Aも見定めながらファイナンスされる方にとってすごく参考になるような気がしたんですけど、どうだったんでしょうか?

山口:
例えば事業会社さんでいうと、同じ相手にそれぞれの話をしていた先も当時はありましたね。調達でより独自で突き抜ける道と、ただ良いご縁があればそういうものも選びたい、そういう状況でありますという話は現場でもさせてもらっていたとは思います。

ただ純粋なベンチャー投資をされている取引先には、もちろんM&Aの話をしても意味ないと思うので、それは調達メインでやっていた。

これは不義理になっちゃう場合もあるかなとは思ったので、一応そういうのも並行して少し動いていますというのは、起業家の方からも入れてもらったと思います。

石橋:
全3回にわたりまして、改めて山口さんご自身のお話から始まり、最終的にはC向けビジネスをどういうふうにPMFしていくのかみたいな、ちょっと抽象度の高い質問までお答えいただきました。ありがとうございます。