【AIカメラ】30万台の映像資産×スタートアップ連携で生み出す新ビジネスモデル【セーフィーベンチャーズ 古田 哲晴 vol.01】
◯古田 哲晴 セーフィー株式会社 CFO兼管理本部長/セーフィーベンチャーズ株式会社 取締役
公式HP▶︎https://safie-ventures.com/
新卒でMcKinsey&Companyに入社し、様々な業界のコンサルティングや買収DDに従事。
産業革新機構(現INCJ)では、海外企業買収やスタートアップ出資に携わり、ソーシングから出資先の上場支援まで幅広く活動。
2017年よりセーフィーのCFOとして、2回の資金調達と上場をリード。
資本政策、事業戦略の構築に係る支援を推進中。
丹下
皆さんこんにちは、スターアップ投資TV、GazelleCapitalの丹下です。本日は私の推し、連れてきました。セーフィーベンチャーズなんですけれども、この動画をご覧いただければセーフィンチャーズの全てが分かる。そして、セーフィンチャーズに出資してほしいな、一緒に作っていきたいななんて方がいらっしゃったら、是非この動画を最後までご覧ください。ということで本日は、セーフィー及びセーフィーべンチャーズから古田哲晴さんをお招きしております。古田さん、よろしくお願いします。
古田
はい、よろしくお願いします。
丹下
ついに私は公式的にセーフィーをお呼びできて超嬉しいです。
古田
光栄ですね、最初にこうやって選んでいただきまして。
丹下
本当に動画でちょこちょこ言ってるんですけど、私がセーフィー出身者だとご存知の方がいらっしゃらなかったら、ちょっと熱いを込めて説明したいんですけど、私は9年ぐらいセーフィーにいまして、満を持してここに卒業してお邪魔しているんですが、9年間ずっとお世話になってきた大事な人を今日はお招きしているっていう会になります。
今日は、是非、前半と後半でセーフィー及びセーフィーンチャーズって何?っていうところをやりつつ、今後、共に創ると書いて「共創」ですね、この共創を求める方がどんな気持ちでどんなものを持ってお邪魔したらいいのかなってところが皆さんに伝わったらいいなと思ってますので、今日はどうぞよろしくお願いいたします。
古田
はい、よろしくお願いいたします。
丹下
早速ですけど、セーフィーベンチャーズはセーフィーから生まれていると思うんですけれども、そもそもセーフィーって何って言うところ、私は知ってるんですけどね、セーフィーっていうのをちょっと是非教えてください。
古田
はい、まずはもうカメラ、これをいろんなお客さんに買っていただいて、その映像をいつでもどこでも見ることができると。で、スマホやパソコンで簡単に見れるっていうところが一番の強みで。そしてその映像を、ただ見るだけじゃなくてAIと組み合わせて分析をしたりとか、IoTの各種センサーと組み合わせることによって、より価値の高いサービスをどんどんと生んでいるといった会社ですね。
今、大体30万台近いカメラがうちのクラウドに繋がってる状態でして、ニッチなクラウド録画型っていう市場においてもダントツの市場シェアというところで、今から4年ほど前ですかね、2021年には上場もして、これからまた伸びていこうってそんな会社でございます。
丹下
もう大好きなセーフィーの説明聞けて嬉しいんですけど、当時セーフィーが出た時って、まだまだ、それこそ今でこそアナログカメラなんて言葉になりましたけど、セキュリティカメラというものは、その場で警備員さんとかがモニターとかでガビガビの映像で見るみたいなのが当たり前っていうか、そういうもんだよねっていう市場の時に生まれたんですね。
古田
そうですね。まだまだアナログ、ないしはインターネットに繋がると言っても使い勝手が悪いカメラが大半っていう時に、我々のクラウドに繋ぐだけでいつでも簡単にスマホで見ることができるっていうこと。あとはそもそもやっぱりUI/UXが非常にいいと。スマホのアプリというかWebのサービスとして作られているので、ITの知識の人がいないと使えないっていうような監視カメラとはだいぶ違う世界観、これが提供できたかなと思ってますね。
丹下
そうですよね。難しいことをあたかも簡単にできてるみたいな、あのUI、UX私は大好きで。いつでもどこでも簡単に見られるの、今やもうあんまり珍しくなくて普通なんですけど、ご覧いただいてる方、是非よかったらデモ画面とかホームページにめちゃめちゃあるんでご覧いただきたいんですけど、是非積極的に他社さんと私は比べて欲しくて。いつでもどこでも見られるというものは同じなんですけども、見え方が随分違うというか、操作性の違い。これ体感的に見てほしいけど、マニュアル見なくてもちょっちょってこう操れるっていうのが私は非常に優しくていいなと思っています。 やめた後もやっぱ大好き。
古田
ありがとうございます。
丹下
でもそんなセーフィーなんですけども、そこから今はセーフィンチャーズの古田さんとして今日いらっしゃっていただいてるんですけど、そもそもセーフィンチャーズとはどのようなものなんでしょうか。
古田
そうですね、まずセーフィーやっているにあたって、やっぱり自分たちだけだとやれないなっていうのはどんどん分かってきてますと。やっぱりAIのサービスにしても、世の中どんどんAIベンチャーが出していって、それだと同じようなものをセーフィでもう1回再発明しても結構世の中的にもったいない話だなと思っていて。で、うちのカメラがあって映像があって、それをもう得意に既にできているAIを使って解析できるんだったら、その人と組んだ方が話が早いよなと。
丹下
確かに、確かに。
古田
同様にセンサーとかも物づくりってやっぱり1個が大変なので、それを全部自分たち0から作るよりは、既にそういうものを作ってる会社と組んだ方が早い、話が早いと。
そういった中で自分たちが単純に提携していろんな会社と広げていくってのは当然やってはいるんですけれども、よくよく見るとそういうものを作ってる新しいサービス、プロダクトやAIを作ってる方ってみんな結構のき並みスタートアップとかベンチャー企業多いと。
彼らが当社の数年前と同じような苦しみを味わっている、そんな状況の時に、出資もして、彼らの経営もサポートしながら一緒に事業を伸ばしていく。共創、共存とか、そういったことができるとお互いにとってWin-Winだよねってことを思い始めたので、上場を機に自分たちでベンチャーキャピタル作ろうと。作って、その出資した会社と一緒に事業展開をどんどん広げていく、こんなことをやってます。
丹下
私も元々大きい会社から10数名のベンチャーにジョインして今に至りましたけれども、普通の上場企業ってそういう自分たちのもの、自分たちの商品って内製しようって普通は思いませんか。
古田
そうですね、本当に大きい会社だとそうですけど。でも今の時代は皆さん協力してやっていこうとか、ベンチャーとオープンイノベーションとかやっていこうっていう発想自体は一定はあると思うんですけど、それやりきれるかどうかみたいなところがやっぱり違いとしてあるのかなと思いますね。
丹下
そう、いやあ素晴らしい。でもそれで行くと、じゃあセーフィーベンチャーズとは、セーフィから出てきたCVCであって、セーフィにとってシナジーのある企業を応援していくものみたいなイメージですかね。
古田
そうですね。将来的にはもっと広くいろんなスタートアップと仲良くやりたいなって気持ちはあるんですけど、言うてもまだまだ自分たちの資金力も限られてる中でやっていくので、もうセーフィ本体と強いシナジーがありそうなところ。映像を取り扱うAI系、ないしは映像と親和性のあるようなIoTデバイスを持ってるような会社、こういったところ、ないしは近しいサービスですかね、同じようなお客さんを一緒にターゲットにしていくような会社っていうところを中心に、今は10社ほどですかね、出資をしているっていうとこです。
丹下
もう既に10社ほども実行されてらっしゃるんですね。
古田
そうですね。
丹下
セーフィーベンチャーズはちなみにいつ立ち上がったんですか。
古田
立ち上がったのは2022年の秋頃ですね。
丹下
じゃあ上場した翌年くらいにはもう。早くないですか?そういうものなんですかね。
古田
元々ずっとやりたかったんですよ。前職そもそも投資ファンドにいてベンチャー投資もやってたし。
丹下
そっか、もし是非この流れで古田さんのキャリアをお伺いしたいんですが、私と古田さんって、こないだお伺いしてやっと自覚したんですけど、半年くらいしか入社が…古田さんのが半年早くて、その半年後に私が入社した形だったんですけど。だって古田さんが入った時ってもうまだ10人もいない…
古田
ちょうど10人ぐらい行ったくらいですね。はい。
丹下
やっと、時に…さんが入って。そんな規模の会社にキラキラキャリアを持った方が、そんな、売れるかもわからないようなベンチャーにボンと入ってくるその心は、って気持ちなんですけど、元々何をされてたんですか。
古田
元々最初はコンサルなんで、マッキンゼーという会社に新卒で入って、5年ぐらいやってて。
丹下
はいはい。
古田
で、若干やっぱり外部からアドバイスするコンサルの限界みたいなのを感じたので、ちょっとやっぱりファンドに行って、ある種お金の力で経営者を変えたりとか、自分が乗り込んでいってできるような、そんなことやるの面白そうだなと思ったので、当時、産業革新機構という…実はこの間解散したんですけども、国が出資していた投資ファンドで。そこで大型の海外投資がメインで、たまに国内のベンチャー投資とかもやっている、会社全体はベンチャー投資が主なんですけど、自分自身のキャリアとしては一部だけベンチャー、あとは買収みたいな仕事を6年ぐらいですかね。
丹下
古田さんはじゃあ元々キャピタリストだったということですか。
古田
そうですね、プライベート・エクイティのキャピタリストですね。
丹下
え、そこからセーフィへですか。
古田
ですね。
丹下
何があったんですか。
古田
いやあ色々…プライベート・エクイティの一番大事なとこって経営者を選ぶというか、その経営者を連れてきて、その人と一緒に成長っていうとこになってくると思うんですけど、そこで自分が代わりになれないもどかしさですね。
お金投資して、人を連れてきて会社を良くして、会社を数年後に売ってその差益を儲けるっていうのがプライベート・エクイティ・ファンドのビジネスですけども、そこで自分がむしろ経営者と一緒になって改善とか価値の向上みたいのやりたいなと思うと、やっぱり自分自身がそういう経営の経験を積みたいっていうところで。
当時いろんな選択肢、もっと大きい会社もあったし小さい会社もあったんですけども、そんな中で一番面白そうだなと思ったのがセーフィーだったので飛び込んだのは2017年か。
丹下
すごすぎる。私なんか特にこう無敵の人だから、捨てるものも特にないしイエーイって感じで入っちゃいますけど。古田さんがそうやってジョインされた志はすごくわかります。安全圏からアドバイスをするだけの人じゃなくてもっと手触り感を持って共に掘っていくぞっていうお気持ちだったのは分かるんですけど、それで実際に掘りに行ける人何人いるんだよって思いながら今聞いてるんですけど。実際ジョインしてみて正直どうでした?
古田
いや、楽しかったですよ、全然。までも、やってる仕事内容が全然違ってびっくりしますよね。
丹下
例えば何が。
古田
その前のファンドの時って、言うなればちょっといいクラス乗った飛行機で世界本当に物理的に一周してたんですよ。
丹下
なんかそんなイメージありますね。
古田
投資先がポルトガルとイギリスとチリとスイスとかにあったんで、本当に世界1周で各地を回ってみたいな仕事してたところから、倉庫みたいなマンションの一室みたいな部屋に入って。
丹下
分かる、絵が浮かぶ。
古田
そこの中でカメラの在庫いっぱい数えて棚卸してなんだとかやったりとか。で、在庫数が合わないっつって、「社長がどっか持ってったに違いないからどこ持ってったんだよ」みたいな話をしながらやったりとか。請求書1枚1枚印刷して自分で請求内容をチェックして、みたいな封筒に入れて。全くこれまでに経験ない現場作業っていうのはまずは新鮮だったのと。
やってる中で、この「売り物を開発して売上を作って、そして回収する」ってこのビジネスの基本サイクルみたいなところが、「作って、作って、売る」みたいな言い方をうちの社長よくしますけども、その辺がやっぱりすごい、もうめちゃめちゃ実感持って肌触りあって。
丹下
そうですよね。
古田
分かった世界だったので楽しかったですね。
丹下
確かに。いや、これをご覧いただいてる方、今の話はすごく意外性があると思っていて。というのは、やっぱりもうセーフィーって随分立派になったというか、外から見たら大きな企業になっていると思うんですね。その中にいるボードメンバーであるCFOの古田さんが、ほんの少し前まで倉庫の在庫を数えていて紙を触っていたなんて皆さんは多分想像がつかないと思うんですけど。
やっぱりそういった現場を知る、その本当に0→1、そして1→100を今やってきた古田さんだからこそ、CVCとして新しい目線っていうのがあるとは思うんですけども。その、そんな古田さん、もしくはそのセーフィーのメンバーたちが選んだ現状のポートフォリオ、どんな感じなんですか。
古田
そうですね、やっぱり映像に絡む会社がほとんどなってくるんで。1番代表的な会社は、例えば「RURA(ルーラ)」っていう商品を持ってる、会社名はタイムリープっていう会社になるんですけれども、ここが遠隔接客サービスですね。
丹下
はい。お、ドラクエ。
古田
そうです、まさにそのルーラですね、名前はね。はい。なんで、ここはちょっと大きめのディスプレイみたいなのがあって、そこの前にお客さんが行くとピコンと画面が立ち上がって、遠隔地にいるオペレーターが接客してくれると。例えば夜の漫画喫茶とかネットカフェみたいなとこ行くと、やっぱり今の時代、夜間の受付のためのアルバイトを全店舗に置くのは大変ですと。
そういったところにそのディスプレイが置いてあって、夜来た人に対して画面上でピョンと出てきた人が代わりに接客してくれるという状態。
丹下
無人接客ということですかね。
古田
そうですね、店舗においてはもうそこに人がいない状態。
丹下
うんうん。
古田
で、これがないと、その人が雇えないから夜の時間を閉じちゃう、ないしは一応空いてるんだけど、やっぱり来た時に孫ついて帰ってしまう人がいるって、こういう状況に対して。ディスプレイを各店舗に…30店舗運営してる状態の時に、そのディスプレイ越しに3人の方が遠隔接客してくれる。
丹下
え、30店舗をたった3人が。
古田
3人で回してるらしいですね。一気になんか企業からするとだいぶコストダウンにもなるし。それよりもコストダウンっていうより、今は本当に人手不足の時代なんで、やっぱ人が雇えない。
丹下
課題ですもんね。
古田
ええ。そういった時にやっぱりこのサービスがあることによって店舗の運営が維持できるっていうサービスだなと思ってて。
丹下
いやすごい。じゃああれですよね、じゃあその30店舗を見てる3人の人たち、この司令室みたいなモニターがこうパパってあるところをこうやって見て、お客さんから「はい」ってこうやって出るわけですね。ああすごい。それをやってるのがルーラ。
古田
「RURA(ルーラ)」というサービスで。はい。
古田
そのタイムリープさんとかって、やっぱり我々と同じようなデバイスがあって、SaaSのサービスがあって。で、そして僕らのカメラとも連携して、その画面に映らない外から来てる人とかを、映像、我々のカメラから確認して。で、連携しながら見ることによって、すごく運営者にとっては楽なサービスにすることができるってことで、当社と一緒に実は共同プロダクト、RURA for Safie、セーフィー版みたいなものを作って、今一緒に展開している。
丹下
はあ、確かに。え、ちなみにそのRURAは、セーフィーの画面上で見れるみたいなことなんですか?また別のアプリケーション?
古田
RURA側のアプリがちゃんと独立してあって、RURAのアプリの方でセーフィーの映像も一緒に見えるみたいな、そんな連携の仕方ですね。
丹下
あ、じゃあそのRURAを導入する人は、それこそ漫画喫茶であれば、その辺につけた周辺のセキュリティカメラの映像と一緒に、このお客様がいらっしゃった接客の瞬間の映像もポンって見れて、同時管理できるって形なんですね。
古田
ですね。
丹下
めちゃめちゃ良くないですか。
古田
いいんですよ。なんで、ホテルの受付とかも同じで、やっぱり。
丹下
確かに最近無人ですもんね。
古田
です。で、やっぱ人が減っていくにあたって、僻地なんかでも多分同じようなこと起こると思っていて。僻地の店舗に行ったけど人がいない、ないしは店をどんどん閉じちゃうみたいな時にもうこの時間はバイト君雇えないんで、この小売店なんかでもここに遠隔接客サービスがあって。で、働く人も自宅からちょっとサポートできたりもできるんで。
丹下
確かに最近は、特にこう僻地、遠隔地方だと高齢化が進んでいますし、店舗に行く手間も省けるから、それがあると、お家にいながらコミュニケーションも取れて接客ができて、それすごくいい。かつ、カメラも入ってるからちゃんと防犯もできてるってことですよね。あ、使い方無限大。
古田
いっぱいあるんですよ。なるほど。今、薬の法律なんかが変わってくると、やっぱり薬剤師の人しか売れないみたいな時に、遠隔で薬剤師の人が売るみたいなこともできるんで。
丹下
じゃあ、混雑してる調剤薬局にRURAが入ってセーフィーが入って、ピッみたいな感じで薬がすぐ出てくるみたいな。
古田
そうですね、そういうこともあるかもしんない。
丹下
それ欲しい。なるほど。1回そのセーフィーベンチャーズで素敵なRURAがあって。他にはどんなポートフォリオなんでしょうか。
古田
そうですね、例えばHataLuck and Personさんっていう会社は、シフトワーカーの働き方を支援するっていうことで。
丹下
はいはいはい。
古田
簡単にいうとシフト管理アプリみたいなのもあるんですけれども、それよりもやはりLINEに代わるようなもの。例えばアルバイトの人がバイト先の店長さんに自分のプライベートLINEとか教えたくない時に、店舗の人とのやり取りをするためのチャットツールみたいなものであったりとかして、そこで店舗の情報とかお知らせとか一元的に受け取れるみたいな、そんなサービスをやってるのがハタラックさん。
丹下
はいはい。ハタラックさんってセーフィーとどんなシナジーが。
古田
そうですね、ここもやっぱり店舗において、今これからって店長さんとか精肉コーナーのマネージャーとか、それぞれちょっとした管理職みたいな方々の人数確保が結構大変になってくると。そういった中で、その方が2、3店舗まとめて面倒を見る。
当社の映像を見ながら、店長さんがアプリで指示をしていくとか、その店長さんが管理している…店長さんに限らず、その精肉コーナーのマネージャーでも、盛り付け方1つ違うだけで実は売上が全然違ったりすると。
そういうのをセーフィーの映像を見ながら、成功事例をそのアプリ上を通じて「こういう盛り方するんだよ」って指示していくとか。こういったことでアルバイトの方とかパートタイマーの方と店長さんとのコミュニケーションを活性化するためのツールに、映像を加えることによって、より便利なサービスを広げていく。
丹下
ああ、それでいくと今のお話だと、セーフィーの導入事例に焼肉ライクさんあると思うんですけど、例えばそういうところとすごく相性がいいみたいな話ですか。
古田
そうですね、これから先そういうどこの店舗も飲食店も小売も、どうしてもパート、アルバイトさんいると思うんで、そういったシフトワーカーが必要な領域においては、本当にお互いに送客、相乗効果があるかなと思ってますね。
あと他には、MODE×Bonxさんっていう、この辺はIoTのスタートアップで。いずれもセンサーの会社のMODEさんと、あとはボイスインカム。トランシーバーの代わりで今色々と使われてるんですけど、耳に入れて指示を遠隔から聞けるみたいな、こういったインカムのサービスがBonxで。ここはもう創業者の宮坂さんがスノーボーダーだったんで、そこでスノーボード中もクリアな音声が聞けるようなインカムを自分で作られた感じですね。これだから、例えば大きな店舗とか行くと、店員の方がちょっとつけてるやつが意外とBonxだったりしますと。
丹下
はいはい、ああ、なるほど。ああ、すごい勉強になります。ちょっとまだまだ掘り下げたいんですけど、続きは2本目でお送りしたいので、一旦この最後の締めにはですね、是非、古田さんからこのセーフィンチャーズの未来、もしくはセーフィーの未来というか、こんな感じでイメージしてるんだみたいなのがふんわりあれば是非教えてください。
古田
はい。そうですね、やっぱり映像の可能性とAIの成長ってこれからめちゃめちゃ大きいなと思っていて。そうですね。本当にただのAIっていうものというよりは、いろんなものを組み合わせたマルチモーダルなAIが増えていく中で、やっぱ映像って欠かせないパーツかなと思ってます。
そういった中で、そこの辺りのスタートアップの人がどんどん出てくるにあたって、当社、言うても30万台のカメラがあって、大企業がお客さんにいる状況なので。本当にそれ、一緒に事業やっていくと、確実にそのスタートアップの方にとってもメリットがあるし、我々もその新しい商材を手に入れることによって、自分たちの売上とかお客さんに対する提供価値も上げていけるんで。この辺り、映像とかAIとか志す人にとっては、当社と一緒に事業を伸ばしていけると、新しい業界を作れるんじゃないかなってそんな期待をしてます。
丹下
素敵。まさに共に創ると書いて「共創」という、セーフィーが掲げているテーマにぴったりなやつですね。はい、なるほど、ありがとうございます。次回もよろしくお願いします。
【投資先は仲間】AI・IoT企業に注目する共創型CVCがスタートアップの営業から経営課題まで解決【セーフィーベンチャーズ 古田 哲晴 vol.02】
丹下
皆さんこんにちは、スタートアップ投資TV、GazelleCapitalの丹下です。本日はセーフィー第2弾。もちろん皆さん前編ご覧になりましたよね?私の推しなんで是非ご覧になってくださいね。ということで早速後半戦を始めていきましょう。
今日もですね、前半戦に引き続きましてセーフィーとセーフィーベンチャーズのCFOの古田さんをお招きしております。ということで古田さん、今日もお願いします。
古田
はい、お願いします。
丹下
いやもう前半戦めちゃめちゃ楽しかったんでこのままのテンションで私は行っちゃうんで、皆さん前半戦見てないと後半戦の私のテンションに多分ついてこれないんで、前半戦は是非見といてくださいね。
このまま行くんですけど、前半の時には古田のご経歴も軽く触れていただきましたし、そもそもベンチャーズはセーフィから生まれてるんでセーフィーとはなんぞやってところもこう触れていただき、ポートフォリオも一部触れていただいたんですが、そこから今回是非ですね、もうちょっと深掘りして。
セーフィーのIRにも載ってたんですけど、MODEとかMUSVIとかBonxっていう会社がいくつかIRの中にも既に激戦のポートフォリオとか出資先として映ってたので、是非ここをですね、投資先の中から是非ご紹介いただきたいんですが。まずはMODEさんからご紹介よろしいでしょうか。
古田
まずMODEさんっていうのは、センサーの会社ですけども、センサーを持たれているということと、あとはいろんな会社の機器と繋ぐことができるので。彼らのサービスに入ると本当にいろんな機器の情報が繋がったダッシュボードみたいなのもあって、それで各体を知ることができると。
例えば今出してるスライドでいくと、これ水中ポンプに繋がっていて。というのはトンネルとか掘ると、やっぱりその水を排水するポンプすごい大事なんですよね。排水ポンプが止まったりすると、いろんな工程が全部止まってしまいます。ということで、そのポンプの状況っていうのをこのセンサーを使って把握することができるっていうのが、彼らのサービスの1つの例になります。
丹下
なるほど。この何にでも入れられるセンサーと…
古田
そうですね。いろんなデバイスと繋ぐことができるっていう仕組みを作ったのが彼らのすごいところで。結構会社によって違う規格だったりするところで、その情報を全部一元的に管理できるプラットフォームとして作られたのがこのMODEさん。
丹下
すごすぎる。その次に、MUSVIってこの資料でいくとなんか窓みたいなの出てるんですか。
古田
大きいめの窓、まさに「窓」っていう商材なんですけれども。
丹下
「窓」っていう商材なんですね。
古田
はい。あの大きなディスプレイ越しに、空間と空間を繋ぐことができるというサービスですね。元々SONYの研究所から生まれたビジネスになっているので、音声とかはもう抜群ですと。
普通こういうオンラインのサービス、例えばZoomにしてもGoogle Meetにしても、ミーティングってどうしても音がバッティングしてしまって、どっちか一方しか喋れないことが多いと。同時に喋るとどうしてもうまく干渉してしまうっていうものに対して…
丹下
確かに。
古田
これはもう「空間をつぐ」というコンセプトをそのままに、もう本当にリアルに向こうと繋がってるかのように。その音がですね、ちょっとちゃんとキャンセリングされて、同時に話しても全く干渉しないし。話したら左から聞こえる、話したら右から聞こえるみたいな、本当に空間が繋がってるかのように、この窓を通じていろんな場所をつなげることができる。
丹下
SONYっぽい。
古田
SONYっぽいですよね。どこでもドア。ちょっと向こうには行けないけど、気持ち繋がってるっていうそんな状態のサービスです。
丹下
確かこう、双方向通話ができるみたいなってことですか。
古田
双方に繋がった状態で、しかも、かしこまらなくてもいい。いつでも繋がってるんで、「ちょっと丹下さん、いいすか」って窓越しにいる…実はその窓越しにいる丹下さんは福井にいるかもしれないし、北海道にいるかもしんないですけども、その相手の拠点とスムーズにコミュニケーションできるっていう。
丹下
もしかしてこれって、電話みたいにウェブ会議とかだとお時間を決めてその時間に電話をかけて出てきてくれるけど、これは空間が繋がってるってことは、置きっぱなしでずっとここに窓が開いてる状態ってことですか?あ、それは確かに繋がってるわ。
サテライトオフィスとか、最近はね、リモートだからこそあると思うんですけど。セーフィーとかだと例えば倉庫とかが遠隔地になると思うんですけど、そことじゃあ常時繋げることによって、まるで隣にいるかのように「ねえねえ古田さん、あれなんですけど」って言ったら…
古田
「どうした?」って言ってやってくるっていう。そういう繋がり方ができる。
丹下
どこでもドアっぽい。あ、それがMUSVIの「窓」。ああ、なるほど。あとこれ、Bonxって読み方であってますか。
古田
そうですね、Bonxと言いまして、ここはボイスインカムですね。このインカム、耳につけるイヤホンみたいなものの高性能版だし、その内容、伝えた内容なんかがちゃんと文字起こしされたりとか記録に残ったりすることができるということで。本当にいろんな大手のチェーン店であったりとか、建設現場なんかでこのインカムを使って現場にまとめて指示を出すみたいなことに使われてますね。
丹下
へえ。ちなみに今その激戦の3社の事業内容ざっくり聞きましたけども、どの辺が良かったっていうか、何がどうシナジーを感じたんですか。
古田
この建設業界の攻略に、この3社と我々の合わせた4つのセットでものすごいはまってるっていう状況になってまして。
丹下
なるほど。あくまでもこのセーフィのカメラとサービスとシナジーというよりも、その攻めている業界に対してポジティブかどうかってところに関して、シナジーを感じてくれてるんですね。
古田
もちろんサービス自体の繋がりもあるんですけれども、やはりお客さん、ないしスタートアップにとって大事なところっていうのは、やっぱりそのプロダクトが広く使ってもらうことであり、お客さんからした時にいろんなサービスがまとめて使える状態によって仕事の仕方が変わる、業務の効率が良くなるって、すごく大事なステップだと思っていて。
ここでいうと本当にあの建設現場において、センサーで大事な先ほど言った水中ポンプのような「壊れました」ってなったら、我々の映像カメラを使ってどんな状況か確認して、「あ、これ本当に壊れてる、やばいわ。ちょっと作業工程変えよう」っていう指示を、そのままその場でピコッと繋がってるBonx使ってインカムで指示を出して。
で、今日1日がありましたっていうのを、遠隔地にいる本社の人にMUSVIの窓で報告を。
丹下
そういうことですね。すごい、全部三位一体になってますね。
古田
そうなんです。こうすることによって、働き手が少なくなってる建設業界を助けることができるし、働いてる人にとっても今までに比べて…これ全部ですね、1個1個写真撮ってきて書類に起こしてて、なんとかしてるって世界に比べて、全てこのオンラインツールを使って簡単に共有できるっていうのが、現場を助ける大きなサポートだなと思ってますね。
丹下
ちなみにこれはもう全て商品化というか、もう販売が開始されて。
古田
そうですね、もう実際にこれ使っていただいてますね、全て。
丹下
なるほど。これは、例えばMODEだったらMODE社の製品ですし、窓はMUSVI社の製品、BonxはBonxの製品ですけど、セーフィーから購入できる、セーフィーと一緒に契約できるということなんですか。
古田
セーフィーが営業パーソンとして、お客さんのところにもまとめてみんなで行くみたいなイメージで。で、我々がこの取りまとめて「じゃあ一緒に実証実験やりましょう」であったりとか、使ってもらう。で、最終的な契約はもう個社だったり当社通じたり、それはバラバラになるんですけれども。
原則として、お客さん、すでにセーフィーを使ってる建設業界のお客様でめちゃめちゃいっぱいらっしゃるので。そういった方々にとっては、「あ、いつものセーフィーから追加の面白い商材の提案が来た」って受け止めてもらえるので。この3社からすると、巨大な販路がセーフィで手に入ったみたいな、そんなイメージかなと。
丹下
セーフィンチャーズはCVCだから、別にこの3社を子会社化したわけじゃないですね、あくまでただ出資をして。
古田
出資して、その会社の成長と共に、僕らセーフィー本体からすると一緒に売れる商材が増えるので、それによってお客さんがよりセーフィーを使ってくれるようになっていくし。物によってはもちろん我々を通じて売ることができるので、当社の売上も増えるし。少なくともお互いWin-Winだよね、まあ、なんだったらお客さんも含めた三方にとって良い結果になるよねと思ってます。
丹下
例えば私がMODE社の人間で、10数名の会社でやっとセーフィー CVCから出資もらって「売るぞ」って思ったら、セーフィーの営業マンが「一緒に売りに行こう」って言ってくれて、なんならセーフィーの既存顧客のところに一緒に抱き合わせで担ぎ上げて行ってくれて。売れるしかなくないって思っちゃうんですけど、それ、そんなことをしてくれるってことですか。
古田
やってますね、いっぱい。
丹下
え、それは私はほら今VCに行ってキャピタリストとしていろんなの見てますけど、基本、冷たい方をすればお金を出すことが我々の役目なので。もちろんその会社が大きくなるために最大限の努力はするんですけれども、できる範囲って限られてると思うんですよ。なんかもう、なんていうか、ほぼ仲間じゃないですけど、なんかこう自分たちのものとしてこう歓迎しすぎてない?すごい。
古田
CVCとしてはそこまではやりきれないんで、やっぱセーフィー本体にとってはそこはある種、本業になってくるところあるんで、そこはCVCならではですよね。ベンチャーキャピタリストとしてはそこまでは入り込めない。
でもセーフィー本体にとって、本当に事業提携者、パートナーが手に入るっていう状況になっているので、本当にお互いにそこはプラスだなと。で、CVCにとっても実はいいことは、そのセーフィの開発の人の意見を通じて、本当にそのサービスが売れそうかどうかっていうのが…
丹下
うん、ああ。
古田
かなり、こんなにちゃんとある種デューデリができるのはないんですよね。
丹下
え、でもそれをやってる時でも出資してますよね。
古田
あ、それは両方ありますよ。なんで、事前に一緒に売りに行ってお客さんのリアクション見て。
丹下
もはやインタビューしに行ってるんですね。
古田
なんとか建設さん、なんとか建設さん、リアクションとって「これは絶対売れるわ、じゃあ出資しよう」っていうのも当然一部計算としてはありながら。
丹下
強い。皆さんご存知の方はいらっしゃるかもしれないんですけど、我々は初期にオリックス社から出資を受けていて。その時に常駐して出向、何人かいらっしゃってましたよね。私はもうその仕組みを当時は知らなかったから社員が増えたと勝手に思っていて。
なぜならば、うちの商品だけをオリックスの販路に乗せてお客さんをどんどん引っ張って売ってきてくれてたので、「あ、うちの営業さんでオリックス担当なんだ」と思ったんですけど、逆だったっていうのが後で分かって。まさにそういうのを、それこそノブレスオブリージュじゃないですけど、今返してるっていう状態なんですかね。
古田
まさにオリックスさんはもちろんのこと、キャノンマーケティングジャパンさんとか、NTT東さんとか、本当にいろんな会社さんが我々に出資して、そして一緒に我々のプロダクトを売ってくれた。こうやって事業が広がっていくって目の当たりにしたんで、自分たちも同じことをスタートアップ企業に対してやっていけるといいし。
なんだったら、そこに再びそのオリックスさんとかキャノンさんを実は連れてきていて。いくつかの出資先は、セーフィーとオリックス、ないしセーフィーとキャノンマーケティングジャパンの共同出資にして。で、セーフィでも売るし、キャノマーケさんも嬉しいみたいな、そんな構造にして。出資先各社がどんどん盛り上がるようにっていうのは今でもやってますね。
丹下
もはやマフィアですね、それは。なんかすごい良い善の循環がものすごく回ってるというか。お金を出すのも十分なんですけど、それだけじゃなくて、もう本当にセーフィーの仲間として。
古田
そうですね、一緒にやっていこうよと。それが「セーフィー共創圏」っていう言い方として、共に作ってる。
丹下
共創、うわ出た。
古田
仲間作りをっていうのをずっと心がけてやってます。
丹下
いや、本当に共に創ってる。ああ、なるほどな。
もし今、視聴者の起業家側だったら、ちょっと仲間に入れて欲しいって思っちゃいますね。でも、そんなセーフィーさんの仲間に入るためには必要条件がいっぱいあると思うんですけども、どういうのが好きとか、こういうのが得意とか、なんかこういうのにシナジーを感じやすいみたいなのがあったら。ポイントがあればお伺いしたいんですが、どんな人を求めていますか。
古田
色々あるとは思います。で、そこでAIとか今IoTとか多いんですけど、それは変わっていく可能性全然あるかなと思っていて。でも何よりも大事なのは、お客さんをちゃんと捕まえてるサービスであることっていうのは。
丹下
それは、すでにPMFしてるとかってことですか。
古田
そこの直前ぐらいでもいいんじゃないですか?やっぱり最初のコアとなるお客さんがいて、そのお客さんにどういった形でぶっ刺さってるのかっていうのは大事で。
コンセプト止まり、ないしは本当にPOC止まりでなかなかうまくいかない会社がすごくいっぱいあるところから、PMF寸前、ないしは一緒にやったらPMF行けるよねって見えるようなところ。そのために裏側で、もうこの提案できるお客さんとちゃんと関係作れてる。ま、こういう会社さんはやっぱりしっかりと伸びるなってイメージはあるので。そこは大事ですね。
丹下
あ、じゃあそうすると、シードよりちょっと後の、プレAに差しかかるくらいな感じの企業さんが出会いやすい。
古田
シードからプレAですよね。やっぱり、本当にシードの完全にコンセプト、イメージだけだと、個人のエンジェルはもちろん喜んでやると思うんですけれども。会社として出資するからには、やっぱりこのお客さんにこう刺さってるって話はどうしても欲しいところで。
複数お客様に行って跳ねてますってPMFフェーズだと、あんまり出番ないかもなって思う…もちろん会社さんのシナジーによっては、「あ、これもっと拡大しましょう」っていうのも、0→1でも1→10でも10→100でも、どのフェーズでもありっちゃありなんですけど。1番やっぱり、そうですね、シードAちょい手前ぐらいの会社が、実際ポートフォリオとしても多いかなとは思います。
丹下
ああ、なるほど。もうここまで話を聞くと、正直無敵っていうか、セーフィーに選んでもらえたら担ぎ上げてもらって、お客さん無限大に、もう強強の営業マンついて一緒にっていうところもあると思うんですけど。とはいえ、努力は絶対に必要で、選ばれた後もその商品力が育っていかないと、どんなにこう強いセーフィーが隣にいてくれても伸び悩むことってあると思うんですが。
その中で今までのポートフォリオの中であ、もうちょっとこうすればよかったなって反省点とか、何かこうしくじった経験とか。さすがにちょっとキラキラでお腹いっぱいになってきたんで、さすがにあるだろうと思って聞きたいんですけど、なんかありますか。
古田
そもそも、なんか選ぶみたいな立場で…本当お互いの、なんでしょうね、マッチングかなって大前提である中で。僕らも出資したいけど、向こうにとっては別にセーフィさんいらないですっていうこともいっぱいあるんで。それはいろんな状況があって、本当にお互いのビジネス判断でいいのかなとは、まず大前提で思ってますと。
で、そういった中でも、やっぱりそんなにね、会社の経営ってうまくいかないんですよ、どの会社行っても。で、セーフィーも色々あったじゃないですか。
丹下
そうですね、色々あったんですよ。
古田
なんで、外から見ていると順調に成長した会社に見えるけども、初期の頃って特に「人」なので。本当にこの重要なキーマンがいなくなってしまったりとか、採用した人が期待通りにうまくフィットしなかったりであるとか。そういうのは常に絶対あるところで。
スタートアップ各社においても、僕らの見立てでは「あ、めちゃめちゃすごい営業と開発の人がいて、この会社は伸びるだろうし、今プロダクトめちゃめちゃいい」と思って出資して、1年ぐらい経ってみると「あれ、なんか開発全然進んでないけどどうなった」みたいな話もあるし、「あの人やめちゃったの」みたいなのもあるし。
ここはもうやっぱり100人、200人ぐらいまでの間は、本当に1人の人の「いる・いない」、ないしは期待値との違いみたいなところが、もう会社の経営上の重要なものになってくるなというのは、いろんな出資先と話してても、人関係の話で一番多いすね。
丹下
しかもすごくこう打撃が大きいのに、アンコントローラブルすぎて。おっしゃってるように今すごく手触り感があるんですけど。
古田
セーフィーもね、いっぱいあった中で。そのコントロールできないとして諦めてるんじゃなくて、その経営陣自体が変わっていく。うちのね、佐渡島さんも人の話聞かなかったじゃないですか、昔は。本当全然聞かなかったんですけど。
丹下
全然聞かなかった。
古田
数年経った時にみんなで研修とか受けて、「傾聴」ってことをみんなで知ったんですよ。経営陣が合宿に行って「あ、傾聴とは」って。それでしばらく社内で傾聴ブームが起きたみたいな。
丹下
あった。ワンオンワン、やりましたよね。
古田
ちゃんとワンオンワンしようとか。そういったところを、30超えたいおじさんたちがみんなで学んで変えていこうみたいな。全然どこの会社も完璧な人はいないんで、どの経営陣もそういうものがあって。そういう経営としての壁を何回か乗り越えてきて、ちょっと安定してくるかなっていうところがあるのに対して、それまでのフェーズ、やっぱり100人未満ぐらいのフェーズは、本当にまだまだマネージメントする側も未熟だし。
「まあ、ちょっとなんか付き合ってらんねえわ」みたいな思いで動く人もいっぱいいるし、尖った人がどうしてもう多くなるので。
で、自分たちもそれ辺をすごい経験してるがゆえに、本当にそのスタートアップ各社、経営者にとっての良きメンターというとちょっとおこがましいかもしれないですけど、アドバイスができるようなことはいっぱいあって。そういったことは確かに、意外とそのお金も大事だし営業も大事なんですけども、経営陣にとって相談できる相手になってることが、意外とベンチャー支援にとって一番大事なのかなとは思ったりしてます。
丹下
なるほど。確かに通常って言い方が正しいかわからないんですけども、ある程度それこそ100名超えてきた企業さんって、外から連れてきたプロ経営者とかプロの役員で名を連ねてるってことも珍しくないんですけど。
それでいくとセーフィーのボードメンバーって、古田さんを含めほとんど皆さん、それこそ前編を是非ご覧いただきたいんですけど、金曜日の夜にカメラを1台1台あるないって数えて請求書折りしていた、あの頃から経験してる古田だからこそ、10人の時はこう、30人になったら、50人になったら、100人超えたらこうだよっていう、本当の生の話を壁打ち相手として話してあげられるってことなんですね。
古田
そうですね、やっぱり会社それぞれ違うけど、でもやっぱり、「どうでした」って聞きたくなる。自分たちもめちゃめちゃいろんな先輩ベンチャーに聞きまくってきたんですよね。
そこの例えば新卒採用を始める時にどうしました、みたいな話はもう他社にいっぱい聞きましたし。内部監査とか上場準備とか色々聞いた時に、やっぱり社外のアドバイザーじゃなくって、自ら経験した人の話ってすごい聞きたくなるとこあると思うんで。
丹下
そりゃそうだ。
古田
そこは結構感謝されやすいところだなと思いますね。
丹下
はい。じゃあそうやってこうセーフィベンチャーズとご縁があったところは、その営業支援だけではなくて、そういった経営に対して、そのマネジメントの成長支援みたいなところも、親身になって一緒にやってくれるってところがあるんですね。
古田
そうですね。自分たちもスタートアップ業界に恩返ししたいなって気持ちもあるし、投資先が成長してほしい気持ちもあるし。大体やってて楽しいっすからね、そういう話も。はい。
丹下
私が好きな理由伝わった?多分伝わりましたよね、そういうとこなんですよ。いや、そうなんだよな。いや本当に最高だと思います。
え、とはいえ、じゃあそんなセーフィーに選ばれたいってなったら、人柄とかどうですか?こういう経営者を見てるみたいな。
古田
経営者はどこまで行っても誠実な人であることが一番大事だなっていうのは、一番には思います。もちろん営業力とか開発力とか色々あるんですけども。やっぱり人として信用できる人にしかお客さんはつかないし、メンバーもついてこないので。
本当に誠実な経営者であって。あと強みはもう人それぞれでいいと思うんですよ。もうめちゃめちゃ強引だなこの人って人もいるし、おとなしいなみたいな人もいるし。なんですけども、そこは自分たちが信用できるかどうかっていうところが一番で。
事業内容自体も変わることは全然あり得るので。ピボットするかもしれないんで、事業というよりは経営者の人を見てる、出資するのがベンチャー出資の一番大事だなと思いますね。
丹下
なるほど。その誠実さっていうところなんですけど、具体的にじゃあ何をしたら誠実じゃないなって思うんですか。
古田
なかなかないですけどね。分かりやすく嘘をつかれるみたいなことは、多少あるんですよね。資料を見てても「え、何これ?聞いてた話と違うんですけど」みたいなところを、まあ、盛っちゃうレベルの人はいいんですけども、「それさすがにちょっと嘘つきだよね」みたいなものとか。
過去の資本政策とか見てても、「え、ちょっとこれ、なんて説明つかなくない?これ」みたいな。「過去なんか、なんでそこでこの怪しいブローカー入れてこうしたんだろう」みたいな話とか、そういう系のやつですね。
この人は事業をやりたいのか、つまりお客様に何か新しいサービスとかプロダクトを使って欲しいのか、ただ金儲けがしたいのかみたいなところは。もちろん金持ちになりたいモチベーション、めちゃめちゃ大事な、起業家の性として大事なんですけども。そんな手前で、もっと大事なものがあった上でのそういう話だって時に、ちょっと謎の、「この、なんでこんな取引したんだろう」みたいなやつがある人とかは、ちょっと会社として信用できないなっていう目になることありますね。
丹下
ああ、なるほどな。恋愛に通じるところ私非常に多いと思っていて、違和感って見逃しちゃいけないなっていつも思うんですよね。多分そういう「誠実じゃないかも」って思うのが、ほんのりとした違和感で。多分そういうところを見逃さずにチェックされていて。多分でもきっと、そういうところを見逃しちゃったら、将来的に悪い意味で大きいインパクトになっちゃうみたいな可能性があるから、やっぱりそういうとこを大切にしてみているって形なんですかね。
はあ、なるほどな。でもそうすると、大体の人、これをご覧の皆さんもそうだと思うんですけど、概ね皆さん誠実でいらっしゃいますし、事業に対しては熱意と、きっとそこには確かなペインというか、救いたい人がいて作っている事業であることが、私が出会った方ほとんどなので。
あとは、じゃあシナジーがあるかどうか。
古田
そうですね、やっぱそっちの絞り込みは、どうしてもでかいですね。なんで、どうしてもいろんな事業がある中で、映像とかAIとかに引っかけないと、どうしてもセーフィーとのシナジーが生まれにくいとこあるので。
意外とそんなに全てのお客様、全てのスタートアップにとってセーフィーがじゃあ正しいパートナーなのかっていうと、そうじゃないかもしんないと思います。
丹下
合うところは合うし、ってことですね。あ、でも私1個だけ知ってます。ハードウェア作ってる会社、ちょっと好きじゃないですか。
古田
おお。作ってるというか、本当に工場があって作ってるというよりは、「物がある」、物を扱わざるを得ない人にとっては、僕らも好きだし、向こうにとっても。意外とこの物があるスタートアップ企業ってみんな苦しんでいるところがあって。
その辺のところ、やっぱりお互い同じ共通の苦しみが分かることによって、「そう、あの時どうした?」「あ、こうしたよ」みたいな話ができるっていうのはありますよね。
丹下
なるほどな。私も実はいくつかご紹介を私経由でさせていただいていて。その中の、やっぱこうハードウェアを扱ってる方はすごく私にとってもピンとくるというか、きっとお互いシナジーというよりも、ご縁がなくてもいい壁打ちになるだろうなって感じることがすごい多いんですよね。悩んでることが、まさにその10名、20名の時の悩みにすごく近いことがあって、「あ、きっとこれは古田さんに相談すればいいのかもしれない」ってよく思いますね。
古田
やっぱりね、物があると面倒くささが出てきて、その分だけ、その面倒くさいをどううまくやるかみたいなところはすごく共感できるんですよね。
丹下
でも可愛いですよね、物があると。
古田
愛着が湧きやすいですよね。
丹下
愛着が湧くんですよ。やっぱ手触り感って大事だなって思いますね。
ここまで聞いたんですけども、あとは、是非この動画をご覧の皆様は、起業家の方とか、それこそこれから起業していこうなっていう志のある方が多くいらっしゃると思うので。もし、今の話を聞いて「あ、ちょっとセーフィーに話聞いてもらいたいな」って思ってる方がいたらですね、そういう方にむけてメッセージというか、こういう風なのいいよとか、ざっくばらんに。もう古田さんの感想でも何でもいいです。よかったら視聴者の皆さんに簡単にこうメッセージをいただけると嬉しいなと思います。
古田
セーフィの場合、セーフィと一緒にこの「映像から未来を作る」っていうことを実現できるパートナーの方は、本当に一緒に仕事をしたいなと思ってますと。
そういった中で、やっぱりスタートアップ独自の苦しみみたいなところ、特に物があるベンチャーとか映像とか取り扱う世界だと、当社がやっぱりいろんなところでお助けできるところもあると思うし。我々にとっても皆さんの商材を一緒に扱えることによって、お客さんにより幅広いサービスが提供できるって、本当にお互いwin-winだと思っているので。
なんかピンと来た方、是非ですね、遠慮なくお声がけくださいと思ってますんで、どうぞよろしくお願いいたします。
丹下
ありがとうございます。ちなみにお問い合わせは、セーフィーのホームページ経由、もしくはベンチャーズに。
古田
ベンチャーズの方に問い合わせていただけると。もちろんセーフィー本体に来ていただいても繋がることは繋がるんですけども、ベンチャーズの方に直接の方が早いかなと。
丹下
ありがとうございます。ちなみにその場合って、古田さんが面談にお出になられるんですか?それともベンチャーズのどなたかが。
古田
状況によりますけどね。あの、直接出る時ももちろんいっぱいありますし。スケジュール上ちょっと先になっちゃうんだったら、担当者が出た方が話が早いって時もありますんで、それはケースバイケースで。
でも、そういった機会に話すのは、やっぱり会社のスタートアップのアイデアって、世の中にまだない新しいアイデアだったりするんで、聞くこと自体がすごい楽しいので。それはいつでも大歓迎です。
丹下
嬉しい。ありがとうございます。みなさまも最後までご覧いただきありがとうございます。
