【FVP】総額210億円の投資を行う地銀系VCの全貌を公開|スタートアップ投資TV

◯福田 知 FVP 代表取締役会長
FFGベンチャービジネスパートナーズ▶︎http://www.ffg-venture.co.jp/
昭和53年に福岡銀行入行後、融資の企画担当に22年間従事。
その後も営業企画部門、福岡銀行常務での勤務を経験し、平成26年には親和銀行取締役副頭取を務める。
その後はFVPにてベンチャー企業の発掘・育成および新たな産業の創出支援に従事。

◯松永 将幸 FVP マネージャー
FFGベンチャービジネスパートナーズ▶︎http://www.ffg-venture.co.jp/
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1985年生まれ、福岡県出身。東京大学 工学部卒業。ベンチャーキャピタリスト。  2010年4月より、アクセンチュア株式会社にて戦略コンサルタントとして、デジタル戦略策定や新規事業創出の支援に従事。 2019年1月より、株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズにて福岡・九州のベンチャー投資・支援に従事。

スーパーリージョナルバンクFFGの先進性

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capitalの石橋です。

今回は、株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ 代表取締役会長の福田さんにご出演をいただいております。改めて福田さん、今回からよろしくお願いいたします。

福田:
FFGベンチャービジネスパートナーズ代表の福田でございます。通称FVPと言っていますので、ぜひFVPと言っていただければと思います。

石橋:
大変ありがたいコメントですね。僕からすると言いにくいとまでは言わないですが、間違えやすいと思いますので、FVPさんとお呼びさせていただきます。

まずは福田さんから、FVPさんの母体であるFFGグループについて、ご説明いただけますでしょうか?

福田:
FFGはふくおかフィナンシャルグループと言いまして、九州を主な営業基盤として展開します。国内最大級の広域展開型の地域金融グループです。一般的に地銀と言いますけれども、我々はスーパーリージョナルバンクだというふうに思っております。FVPはこのFFGグループのベンチャーキャピタル(VC)でございます。

このFFGのことを申し上げますと、グループ傘下には、株式会社福岡銀行と株式会社熊本銀行、株式会社十八親和銀行、それと昨年の5月にデジタルバンクとして株式会社みんなの銀行というのを開業いたしました。

その他にも証券会社やサステナブルスケールというSDGsを評価・分析コンサルする会社、M&Aの専業の子会社など、そういうものをたくさん持っているんですけど、その一員が我々のFVPということでございます。

このFFGというのは地銀ではございますけども、地域に根差しているわけですが、一番先を行く銀行というふうに自他共に認めている金融グループで、常に先進的なことをやっております。

3つの銀行を統合したのも、公正取引委員会からいろいろと言われまして、それを乗り越えて、全国に先駆けてやったわけです。

デジタル銀行を作ったのも、地銀の中では初めてということでございます。

石橋:
それこそ最近、みんなの銀行さんがデジタルトランスフォーメーション(DX)銘柄というところで取り上げられてもいらっしゃいましたよね?

福田:
そうですね。DX注目企業に地銀で唯一選出されているということでございます。したがいまして、FVPは地銀系VCの枠にとどまらず、先進的なテクノロジー活用や新産業創出に向けてのスタートアップエコシステムの構築に貢献しようという会社でございます。

したがいまして、FVPは九州地域や金融領域、そういうものに縛られることなく、様々な分野のスタートアップに投資をしておりますし、先端的なテクノロジーを持つスタートアップと地場の企業をマッチングする、そういうマッチングイベントも積極的に開催しているというところでございます。

39年間の銀行キャリアから生まれた「新しいもの好き」

石橋:
ありがとうございます。

今FFGさんのご説明もいただいたかと思うんですけれども、まさに先進的な取り組みというところでのVCファンドさんももちろんある中で、元々福田さんがグループの中でFVPを立ち上げられたという認識で間違いないんですか?

福田:
初代の社長であることは間違いないです。

石橋:
今は会長でいらっしゃるんですよね。

福田:
はい、そうですね。

石橋:
福田さんが、今で言うとFFGグループに入行された時は、まだFFGではなかったということですよね?

福田:
そうですね。最初は福岡銀行です。

石橋:
どういうキャリアを歩まれていって、FVPで創業するに至っていらっしゃるんですか?

福田:
大したキャリアではないんですけども、私のFVPを立ち上げる前の経歴を申し上げますと、昭和53年、1978年に福岡銀行に入行をして以来ですね。

私は、本部勤務が非常に長かったんですけども、特に融資の企画部門には22年間おりまして、その後には営業企画部門も長く勤めておりました。

そういう部門を経て、最終的には福岡銀行の常務を経て、傘下の親和銀行、今は十八親和銀行となっていますけど、その合併前の親和銀行の副頭取を務めて、そこで退職して、それまで39年間どっぷりと銀行に浸かっておりました。

石橋:
頭取って肩書きのつく人とまともに喋るの初めてかもしれないです。

福田:
その企画部門が長かったので、私はいろんな社内ベンチャーといいますか、関連会社の立ち上げに関わっておりまして、銀行の中では新しいもの好きで通っているというのがあります。

その中で株式会社福岡キャピタルパートナーズという、不良債権を処理するファンドの立ち上げに関わったんですけど、この時に私が考えていたのは、ベンチャー投資も一緒にこのファンドの中でやってしまおうという、そういうことを実は目論んでいました。

石橋:
それって何年くらいの時の話ですか?

福田:
もう15~20年前ぐらい……。

石橋:
2000年初頭ぐらいですかね。

福田:
その時は、今のスタートアップ投資の環境とは全く違って、まだスタートアップというような言葉もない時代ですね。

ベンチャーに投資するというのは、キワモノみたいに思われていた時であって、結果的には大口のリミテッドパートナー(LP)出資者の反対にあって、「ベンチャー投資はまかりならん」ということで、結局その時はベンチャー投資はできなかったんです。

その時に、新産業創出のためにはリスクマネーが必要だということを強く感じておりましたので、今回FVPの設立のお話をいただいた時には、非常に強い思いで臨むことができたということでございます。

それから、準備段階としてキャピタリストを養成しようということで、ジャフコ グループ株式会社さんに部下を出向させておりまして、そのうちの1人が今回のFVPの設立時の主要メンバーの1人で、実務的にも役に立ったなというふうに思っております。

石橋:
なるほどですね。

Tシャツ、ジーンズ、テレワーク。銀行らしさからの脱却

石橋:
今、福田さんは会長さんでいらっしゃると思うんですけれども、今日も来ていただいた時はジャケットを着ていらっしゃいましたけど、収録中は部屋が暑かったので、脱いでいただくとTシャツでいらっしゃるし、普通に下見るとジーンズでいらっしゃると思うんですけど。

さすがに副頭取時代はTシャツとジーンズではなかったんですよね?

福田:
私がこのFVPの社長になって、率先してやったことの1つに、銀行らしさからの脱却ということでございまして、当然銀行はスーツで出社するのが普通ですけども、スタートアップに寄り添うべきVCが銀行のカルチャーをそのまま引きずってはいけないだろうと思いまして。

社長自らスーツを脱いでジーンズとTシャツで出社したというのが最初です。最初は社員もびっくりしていましたけども、だんだん慣れてきて皆そういうスタイルです。

それからオフィスにはいつもBGMを流してますし、コロナ前は5時を過ぎたらお酒も飲んで良いという、社内バーみたいなことをやっていたんですけど、さすがにコロナになって今は中止したり。

それから、働き方についても成果主義を徹底しようということで、当初はコアなしフレックスタイムみたいなことを試行したんですけど、コロナになって早速に全面的にテレワークを導入して、今でもキャピタリストは8~9割がテレワークですね。

この後に出てきます松永は、ほとんどオフィスで見かけないという。でも弊社一のキャピタリストですので、十分それで勤まっているということです。

総額210億円、70社超。フルラインナップの投資体制

石橋:
そういう組織体制であるとか組織文化の中で、改めてFVPさんが先進的というところをキーワードとしても挙げていただいていると思うんですけれども、ファンドとしてはどういうファンドをやっていらっしゃるんですか?

福田:
FVPファンド1号・2号というのは総額100億円で、純投資ファンドです。それから、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド、これはFFGとの事業共創を視野に入れた戦略的投資を行うCVCファンドですが、これは50億円。

それから九州オープンイノベーションファンドと言いまして、シード・アーリーに特化したファンドで、地元の企業さんの出資もいただいて、地元のアクセラレーターのGxPartners LLPさんと一緒に共同ジェネラルパートナー(GP)でやっているファンドですけども、これが10億円ですね。

それに積極的にファンド・オブ・ファンズ、他のVC、特にシード・アーリー期のVCには結構投資をしていまして、その枠も50億円確保していますので、総額では210億円です。社数も70社を超えているというところです。既に地銀系VCでは最大規模です。

石橋:
ちなみに本体の方でいうとCVCファンドもある中で、FVPファンドもあるということは、本当に地域問わずというか、どういう企業の方に投資されているケースが多かったりはするんですか?

福田:
先ほど言いましたように、九州地域や金融領域、そういうことに縛られずに、我々のアーリーからレイターまで幅広い分野に投資をしている。

創業前から創業後、そしてPre-IPOまで、フルラインナップの投資体制ということで、創業前にはKYUTEC、これはFFGが持っている財団なんですけども、FVPが運営受託をしておりまして、大学の研究シーズなどにギャップ資金を提供したり、設立されたばかりのベンチャーに最初の資金を助成したり、そういうことでプレベンチャー・ベンチャーの支援をして。

それから創業後は、九州オープンイノベーションファンドやDRONE FUND株式会社のような、シード・アーリー期のVCと連携をして間接的に投資をしていますし、FVPファンドで今度はシリーズAからPre-IPOまでしっかりとサポートするという、こういうフルラインナップの投資体制を持っているということでございまして、これも多分、地銀系VCの枠を超えているというふうに思っております。

さらに我々は、銀行系VCの枠を超えた国内有数の大型VCを目指しておりまして、もっともっと規模を増やしていこうというふうに思っています。

石橋:
なるほどですね。それこそちょうど今週末に、僕自身が福岡で出資されて連携していらっしゃる株式会社エフベンチャーズさんの主催されているTORYUMONというイベントにも行かせていただく予定で、若い起業家の方々がたくさんいらっしゃるというお話も伺っていますし、そういう連携も通じてフルラインナップで全体を支援しているという感じなんですね。

九州の大学との連携から始まった設立経緯

福田:
それと我々はこのFVPの設立経緯と言いますか、実は九州・大学発ベンチャー振興会議という、大学の技術シーズを事業化するにあたって産学連携で実践的な支援をしていこうという組織があるんですけども、それの設立に際して、実はその事務局として、それから唯一のVCとして参加するということで、FFGがこのFVPを設立したという経緯です。

したがって、この九州の各大学と非常にいろんな面で連携をしておりますし、そのために大学発ベンチャーには非常に強みを持っている。

FVP1号・2号が15年の運用期間としているのも、大学ベンチャーに投資をするという前提でやっています。当然その大学ベンチャーへの投資というのはポートフォリオの一部ではありますが、当初の設立経緯はそういうことです。

石橋:
ありがとうございます。

だいぶ改めて、歴史もそうなんですけれども、どういう思想でやっているから、今こういうポートフォリオというか全体感でやっていらっしゃるかだいぶわかってきましたので、ぜひ僕ら自身も連携していければと思っております。

これ以上、聞いていってしまいますと、第2弾でご出演いただく松永さんのパートがなくなってしまうのではないかなと思いますので、松永さんにはもう少し踏み込んでFFGさん・FVPさんがどういう強みを持って、どういうふうな具体的な活動をされていらっしゃるのか、またお伺いしていければと思っております。

改めまして福田さん、今回ご出演いただきましてありがとうございます。

福田:
ありがとうございました。

地銀系”らしくない”VCが描くアジア進出の物語|スタートアップ投資TV

コンサルから地方VCへ──福岡を選んだ理由

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capitalの石橋です。

今回は、前回に引き続きではあるんですけれども、ゲストの方が入れ替わっておりまして、引き続き株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズさんからご出演いただいておりますが、今回はマネージャーの松永さんに来ていただいておりますので、松永さん今回もよろしくお願いいたします。

松永:
よろしくお願いいします。FFGベンチャービジネスパートナーズ、FVPの松永と申します。よろしくお願いいたします。

石橋:
ありがとうございます。略称でFVPさんと呼ばせていただいておりますので、ここからFVPさんとそのままお呼びさせていただきます。

改めて、前回は会長でいらっしゃる福田さんにご出演をいただきまして、そもそもどういうような背景があってFVPさんがFFGグループの中でVCさんとしてやっていらっしゃるかというところを伺ってはきました。

今回は、松永さんにご出演いただいておりますので、そもそも松永さんがどのような方なのかをまずはお伺いしていきたいと思っております。

伝え聞くところによると、元々銀行マンの方ではないみたいなお話を聞いたんですけれども、どういうキャリアでいらっしゃるんですか?

松永:
新卒でAccenture PLCというコンサルティングファームに入りまして、ずっと大企業、特に通信業界だとかハイテク業界のお客様に対して新規事業の創出であったり、今でいうDXというところのご支援をずっとやっていて、そこから急に2019年に転職してきたので、全然銀行バックグラウンドではない経歴です。

石橋:
コンサルさんのお仕事とVCのお仕事は近からず遠からずな業界なのかなとは思うんですけど、なぜ9年Accentureさんにいらっしゃった中で、そもそもVCというお仕事に関心が出ていらっしゃったからFVPさんにいらっしゃったという感じなんですか?

松永:
大企業の方に新規事業の創出の支援を始めていた時に、だんだんと大企業様の中だけで完結しなくなってきて、オープンイノベーションと言っていたんですけども、スタートアップの皆様と大企業の皆様との提携であったり協業であったりというところをご支援して、そこから新しい事業を生み出していこうという形で。

キャリアの後半は、大企業の皆様を通じてスタートアップの皆様とお仕事をさせていただくことが、どんどん増えてきておりまして、だったら直接的にスタートアップの皆様と働くキャリアも挑んでみたいなと思いまして、そこでVCに移ってみたいなと考えた次第です。

石橋:
ちなみにVCさんという一言で言いましても、Accentureさんの時代は東京でお仕事されていらっしゃったんですよね?

松永:
はい、ずっと東京で、1回だけ大阪のプロジェクトもありました。

石橋:
スムーズに考えてしまうと、東京のVCさんに就職されるケースは僕の周りでも結構いらっしゃる気もしますし、多いのかなと思うんですけど、どういう背景があって、結果として今FVPさんにいらっしゃると思うんですけれども、地銀系のというか地方のVCさんに転職されることになっていくんですか?

松永:
まさに、先輩でも後輩でもコンサルタントご出身の方がキャピタリストでご活躍されていらっしゃる例が多くて、東京はそういった方もいっぱいいらっしゃるなというところもあります。

元々の思いとしては、東京に何もかもが一極集中しすぎているなと思いまして、元々地方の出身で大学から東京に出てきたという立場からすると、東京ではないところで働いたり、人生を過ごしていくようなキャリアもあって良いんじゃないかなと強く思っていました。

それを東京以外の場所で、かつVCでやろうと思った時に、どこがスタートアップ都市として発展しそうかみたいなことを考えて、今の福岡のVC、FVPに転職をしたという形です。

石橋:
今まさに、どこが地方・地域の中でもポテンシャルがあるのかというお話をいただきましたけど、当時でいうと、松永さんはコンサルタントとしてどういうふうにマーケットを見ていらっしゃって、やっぱり福岡だなとなったんですか?

松永:
西海岸がスタートアップとしてすごく盛り上がっているので、その研究をいろいろと調べたりした時に、スタートアップシティとして盛り上がるための要素があるみたいで、人口がとか、もしかしたら気候がとか、あとは中心となるような大学があるかないかとか、いろいろ要素としてあったので。

日本だとどこかなというのをピックアップしていって、その中でも既にスタートアップがあったりということもありますし、若い方の人口が増えている都市がどこだろうみたいなところを調べた時に、福岡がやはり一番可能性が高いかなと思いました。

かつ、思いを持った方、市長や自治体の方、金融機関や事業会社の方、思いを持った方が多い地域がいいなと思って、福岡がベストだったんじゃないかなと、その時は分析をして思っていました。

石橋:
ちなみに結果、入職されたのは何年度になるんでしょうか?

松永:
2019年の1月からです。

石橋:
ちょうど3年半ぐらいですね。

実際に考察した上で、福岡という地域を選ばれて、結果FVPさんに今いらっしゃると思うんですけれども、実際中に入ってみるとその福岡のポテンシャルであるとか、地銀系VCのFVPさんのポテンシャルはどういうふうに今感じていらっしゃるんですか?

松永:
まず福岡のポテンシャルからですと、当初の目論見通りというか予想通り、福岡はやはり日本で一番可能性がある都市だなと今でも思っております。

実際に私が転職してきた当時からでも、スタートアップの数、企業の数自体もかなり増えてきておりますし、そこからステージが上がって大きな資金調達を成功されたスタートアップ様も多く出てまいりました。

また、最近だとコロナもあったりして、東京で起業をされた方が福岡に移住されたり本社を移されたりというケースもいくつか出てきていて、東京でなくてもという文脈になった時に福岡が選ばれがちだなというところもあるかなと思っていまして、やっぱり福岡は良いところだったなと思っています。

石橋:
僕のお付き合いのある起業家の方でも、207株式会社さんという物流系のスタートアップの高柳さんという代表の方が、まさに急に福岡に移住して、そういう方が増えてるんですね。

松永:
本当に多くて、まさに高柳さんの例もそうですが、その他にも数社様が出ていらっしゃってきて、可能性が広がってきたなと思っています。

地域外・海外も投資対象──顧客基盤が最大の武器

石橋:
そんな中でFVPさんとして地域に根差して、全国的にも投資活動されている中で、どういうところに強みがあるというか可能性があるというふうにお考えなんですか?

松永:
スタートアップの皆様に我々がどうして選んでいただけているか、出資の時にどういったご期待をいただいているかというところで、やはり地域に、福岡・九州に顧客基盤を有しているというところをご期待いただくことが多くて、我々の強みの最たる部分かなというふうに思っています。

例えばSaaSのスタートアップ様が九州のお客様を開拓していこうとなった時に、我々のお客様をご紹介させていただく形で急に訪問するよりも、どういったところにお困り事があって、ここは相性が良いのではないか、というふうに我々としても考えてご紹介させていただくと、成約率が高かったり、実際にいい形で提携が進んだりといったところがございます。

そういった顧客基盤をもってご紹介できる部分が強みの1つかなと思っています。

石橋:
今のお話だと、場合によっては地域にいないスタートアップの方でも基本当然のように出資ができるみたいなお話という印象を受けたんですけど、それは間違いないんですか?

松永:
そうですね。

福岡・九州のスタートアップ様にはもちろん投資をしておりますが、相当数そうでないスタートアップ様にも投資を積極的に行っております。

石橋:
どちらかというと、そういう地銀系VCの方って珍しい方ですよね?

松永:
他の皆様だと、やはりその地域に本社であったり、支店であったり、提携実績をお持ちのところに投資をされる方も多いのかなとは思いますが、弊社は本当にそうではなく、東京であったり海外であったりも投資をしております。

石橋:
地域外の方、海外の方も含め投資する以外のポイントだと、FVPさんとして武器として持っているポイントは他にどんなところがあったりするんでしょうか?

松永:
我々はかなりフォローオン出資という形で、追加で1回目出した後に2回目・3回目と追加の出資をしていくところを積極的にやっておりまして、他の地方のVCの方だと取り組みにくい部分があるのかもしれないなとは思っています。

福岡銀行からお金をお預かりしてスタートアップ投資を行っていくところを、1号ファンド、2号ファンド、今後もファンドレイズをしていくとなった時に、ファンドをまたいでも追加出資ができます。

独立系の方々だとLPが号ごとに異なってくると、ファンドをまたいだ追加出資がなかなか難しいケースが多いかなと思います。

1LPの強みを活かして、1号から出した先様に2号から追加させていただくみたいなこともケースとして実際にございますので、連続して、最初からずっと継続してご支援させていただけるという部分も我々の強みかなというふうに思っています。

リード投資も積極的に──5,000万円から1億円のチケットサイズ

石橋:
前回では福田さんに、起業する前からの全体の流れといいますか、エコシステム的に包括でトータルでサポートしていらっしゃるというお話もいただいたんですけれども、今メインで投資活動されていらっしゃるFVPさんのファンドでいうと、どういうチケットサイズから?

もちろんフォローが前提かもしれないんですが、エントリーが始まったりですとか、どういうラウンド感だったりとか、先ほど追加の投資のお話をいただきましたが、リード投資だったりとかフォロー投資だったりすると、どういう方針でやっていらっしゃるんでしょうか?

松永:
まず投資方針から申し上げますと、リードも求めていただけるのであれば積極的に取っていきたいというふうに思っております。

石橋:
めっちゃ珍しいですよね。

松永:
そうですね。リードを取られる方があまりいらっしゃらないので、よくスタートアップの皆様にも「リードもやっていただけるんですか?」というようなお声掛けをいただくこともございます。

実際に私の担当しているスタートアップ様の半数近くは私どもでリード投資をさせていただいているケースになりますので、リードも積極的にやっておりますので、ぜひお声掛けいただきたいなと思っています。

石橋:
リード投資の上で、ラウンド感ですとかどういうところから始まるんでしょうか?

松永:
我々は大体プレシリーズAとかシリーズAくらいのラウンドから投資をさせていただくことが多いです。

それより以前のラウンド、シードにつきましては、我々が共同GPで運営している九州オープンイノベーションファンド様に出資いただいたり、他に我々がLP出資をしている他のVC様にご出資いただいてという形で、その後のラウンドから我々が出資させていただくことが1番多いです。

チケットサイズとしては、最初5,000万~1億円を初回の投資としては検討させていただくことが多いかなと思っております。

石橋:
僕の知っている銀行系VCの人の話ではないんですよね。大体は3,000万~5,000万円ぐらいで、全く悪い意味ではないんですけど、やっぱりそういう方が圧倒的に多いじゃないですか。

それは元々福田さんであるとかFFGグループ自体もそうかもしれないですけど、先進的なテーマだからこそ、どうやって調整していくのか分からないんですけど、そういうところから調整してそういうふうな制度になっているというところなんですか?

松永:
FFGグループは新しいこと、先進機種であることを非常に重視していて、地銀らしくない地銀、金融機関として本当に新しいことに様々に取り組んでおります。

たまたま地方にあるというか、福岡・九州に基盤を根差した良いVCになりたいというふうに思っておりますので、「フォローじゃないと」とか、「これぐらいのチケットじゃないと」といった部分をできる限り今後もなくしていきたいなというふうに思っています。

CVC課題を克服──キャリー設計と専任体制の構築

石橋:
いわゆるCVCさんですとか、地銀系はちょっと違うかも分からないですが、そういうところのあるあるの課題のアンチテーゼ的な質問をさせていただくと、CVCあるあるの1つに人が定着しないとか、例えばファンドとしてリターンが出た時にキャリーの設計というか、ボーナスと言うべきなのか、そういう設計がなかなかないというところ。

そういうところが本当にCVCあるあるとして課題があるのかなと思っているんですけど、それもFVPさんだとオリジナルのものとかだったりするんですか?

松永:
まさに今設計を進めておりまして、長きにわたって我々としても担当させていただいたキャピタリストが、出向から帰任して変わってしまうといったようなことが起きてしまわないような制度を作りたいなというふうに思っておりまして。

FVPのキャピタリストはそこを専任という形に転籍をするような制度を考えたり、外部からキャピタリストの方々をどんどん積極的に採用していきたいなと思っております。

その際にキャリーがあるかないかみたいな話もあり得ると思っておりますので、キャリーが出るような人事制度体系を策定したり。

石橋:
やっていることが銀行じゃないですよね。

松永:
良いVCを福岡に作りたいなというふうに思って、いろんな取り組みを進めております。

石橋:
ありがとうございます。

改めて先ほどフォローオン投資というところ、リード投資はもちろんやっていらっしゃる中で1つの特徴的なところかなと思ったんですけど、一般的なCVCさんでもそういう特徴ないかなと思うんですけど、今までの事例ベースだと1番フォローオン投資で累計投資しているようなスタートアップの方ってどのくらい投資していらっしゃったりするんですか?

松永:
回数で最大は多分3回目で、金額の最大は4億円以上、1社に投資をしておりますので、我々のファンドサイズからすると頑張って出している方かなと思っています。

石橋:
1つのファンドサイズで50億円単位で約10%投資しているんですよね。

ちなみに地域のスタートアップの方なんですか?

松永:
そうですね。その会社様は福岡のスタートアップ様ではありますが、福岡のスタートアップ様でなくても、東京のスタートアップ様だったり、他の関西や海外のスタートアップ様であっても、今後同じように追加出資していく可能性はあると思っています。

ベンチャーデットにも参入──エクイティと融資の両輪支援

石橋:
ありがとうございます。

僕自身が最近、地銀系の方々とお話とかディスカッションするケースも増えてきたんですけれども、最近マーケットの地合いがエクイティマーケットでいうと悪いというところも出てきているのか、ベンチャーデットというところも1つ大きいキーワードとして、ベンチャーデットのファンドとかもプレイヤーとして出てきているなと思う事例もちらほらと聞き及ぶんですけれども。

FFGさんという本体がいるとその融資というところとの接続ですとか、そういうご支援って何かあったりしないんですか?

松永:
実際に我々の投資先様からもエクイティだけではなくて融資もご相談させてくださいという声を多くいただいておりまして、我々の投資先様に10社以上実際に融資も行っておりまして、エクイティと融資と合わせてみたいな形でご支援をしている事例がございます。

ベンチャーデットという形でそれに中間的な性質を持った融資のお話も上がってきておりますので、それも弊社としてやっていけるように、今まさに取り組みを進めているような最中です。

石橋:
逆に言うと本当にコングロマリットになっていくというか、先にベンチャーデットからご縁ができ始めてエクイティが入るケースも今後出てきたりですとか、もちろん今で言うとエクイティから始まってデットというところも何でもありになっていくって感じですね。

松永:
もちろん金融機関系のVCでもございますので、様々な資金ニーズにお応えできるように、求めていただけていることに対してちゃんとお応えできるように制度を作っていきたいというふうに思っています。

石橋:
変化に強いというか、新しいマーケットが変わってきたりとかしてもどんどん自分たちで変わっていきながら、先ほど松永さんが良いVCを地域で作るんだとおっしゃってましたけど、まさにそこを目指して皆さんがやられているという感じなんですね。

松永:
なかなか良いVCであったりスタートアップエコシステムを根付かせていくということが数年単位ではなくて、もっと長期スパンで意思を持ってしっかり腰を据えてやっていくことが大事だというふうに思っておりますので、変わっていきながらかつ継続して今後もずっとやっていけるような形を取り組んでいきたいなというふうに思っています。

福岡・九州からユニコーンを、そしてアジアへ

石橋:
最後に、改めて松永さんは外の立場から地域系のVC、FVPさんに入ってきていらっしゃる中で、変化をさせられるVCさんだと思うんですけれども、今後の未来でいうと、もちろんFVPさんとしてどういうところを目指していらっしゃるとか、松永さん個人としてこういうところ目指していらっしゃるみたいなところで、どんなイメージなんでしょうか?

松永:
会社の方向性からでございますと、様々な取り組みをどんどんやっていって求められることに応えられるようになっていきたいというところもありますし、福岡・九州からユニコーン企業を生み出していくということであったり、今後日本経済の中だけではなくてアジア進出・世界進出を我々もご支援できるように取り組んでいきたいと思っております。

特に福岡・九州はアジアにかなり近いというところもありますので、アジア進出のところについても強みを打ち出していけるようになっていきたいなというのが会社の方向性だと思います。

私個人としては、良いVCを福岡・九州にというふうに思っているので、すごく良いキャピタリスト、良いVCが福岡・九州にもあるんだと思っていただけるように活動を広めていって、しっかり実績を出していきたいなと思っております。

石橋:
ありがとうございます。

ちなみにそんな松永さんに、見ていただいている皆さんが相談したいなと思ったら、何からご連絡していくのが1番良さそうでしょうか?

松永:
TwitterやFacebookでもよくご連絡をいただいておりますし、共通のお知り合いの方がもしいらっしゃるのであればその方を通じてという形でも、本当に何でも気軽にご連絡いただけたらなというふうに思っています。

石橋:
ありがとうございます。

今お話を伺ったように松永さんのFacebookとTwitterのURLは動画の概要欄に載せさせていただいております。

今回の話で、少しでも関心を持っていただいた方はぜひ良い意味でお気軽に、しかも九州以外の方も良い意味で何でもあり、ベンチャーデットのプログラムも始まっていくというところも伺っておりますので、そういうところもご質問をしていただけると良いのかなと思っております。

それでは改めて松永さん、ご出演いただきましてありがとうございます。

松永:
ありがとうございました。