国内初の女性単独GP 登場!|スタートアップ投資TV
◯矢澤麻里子 YazawaVentures-Founder & CEO
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ニューヨーク州立大学を卒業後、BI・ERPソフトウェアのベンダにてコンサルタント及びエンジニアとして従事。
国内外企業の信用調査・リスクマネジメント・及び個人与信管理モデルの構築などに携わる。
その後、サムライインキュベートにて、スタートアップ70社以上の出資、バリューアップ・イグジットを経験した後、 米国PlugandPlayの日本支社立ち上げ及びCOOに就任し、 150社以上のグローバルレベルのスタートアップを採択・支援。
出産を経て、2020年Yazawa Venturesとして独立。
リーマンショック後、門を叩き続けたVC業界
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。
今回は、株式会社Yazawa Ventures 代表の矢澤さんにご出演をいただいておりますので、改めて矢澤さん、今回もよろしくお願いいたします。
矢澤:
よろしくお願いします。
石橋:
こうやってお話をさせていただくのも初めましてだと思うので、基本的なところからいろいろお伺いしたいと思っています。
もともとはどういうキャリアから今に至るといいますか、国内の女性の単独ジェネラルパートナー(GP)としてはYazawa Venturesさん、矢澤さんご自身が国内初だと思うんですけど、そこに至るキャリアはなかなか独特なものなんじゃないかなと勝手に想像しているんですけども、もともとはどういうところから出発されていらっしゃるんですか?
矢澤:
まず簡単に自己紹介をさせていただきますと、私はアメリカの大学を卒業いたしまして、ニューヨークシティに移って、そこで起業みたいなことをちょっとしてみたんですけど、簡単なサービスを立ち上げてみたんですがやっぱりすごく難しくて、日本に帰国をしてきまして、そこからIT系の企業ですね。
ビジネスインテリジェンスとか企業資源計画(ERP)とか、そういう系統的なシステムのエンジニアとコンサルタントをしておりました。
その後、リスクマネジメント系の仕事とか与信管理とかそういったところに携わっていたんですが、もともと自分の起業みたいなサービスを作った経験であったり、あとは日本を良くしていくためには自分が今後どう生きていきたいのかと考えたときに、やっぱり小さい企業がたくさん立ち上がっていくような国であったりとか、そういったところがないと日本は良くなっていかないんじゃないかというふうに思って。
その中で自分はやりたかったことは何だろうと考えたときに、自分1人が起業するのではなく、もっと効率的に日本にたくさんの産業が生まれていくようなことをしていきたいというところからベンチャーキャピタル(VC)の存在に気づきました。
それに気づいたのがちょうど2009~2010年ぐらいのときで、ちょうどリーマンショックの後ぐらいなんですよね。入ってみたいというふうにいろいろ門を叩いてみたんですが、実際リーマンショックの後だったので。
石橋:
潰れているぐらいの時期ですよね。
矢澤:
おっしゃる通りです。ファンドもいくつかクローズしていたりとかそういうのもあって、なかなか日本のVCにチャレンジできなくて。
そういった中でたまたまシリコンバレーのVCの方にお会いする機会があって、そこでシリコンバレーにインターンさせてもらう機会がありまして、それが2012年です。
ちょうどそのタイミングでプライベートのことも重なって日本に戻ってこなければいけなかったんですが、そこで株式会社サムライインキュベートというシード特化のVCにジョインさせていただきまして、ここで初めてキャピタリストとして正式にキャリアをスタートしたという形になります。
サムライインキュベート初の採用、70社以上に投資実行
石橋:
当時のサムライインキュベートさんはどういう状態のタイミングだったんですか?
矢澤:
当時は、今のサムライインキュベートとは少し様相が違うというか、もっと榊原さん色がすごく強くて、ゴリゴリな感じですね。
今まで榊原さんが1人でファンドをやっていたところを初めての採用ということで、私と、株式会社SmartHRで最高財務責任者(CFO)をやっている玉木さんと同じタイミングでジョインさせていただいて、私と玉木さんと、代表の榊原さんで組織としてファンドをやっていくという形のタイミングではありました。
石橋:
なるほどですね。国内で当時のVCさんとしての就職先は、他にも選択肢は当時あったんですか?
矢澤:
やっぱりVCという存在がそこまで馴染みではなかったので、実際シードのVCもすごい少なくて。
当時はMOVIDA JAPAN株式会社というGenuine Startups株式会社さんの前身であったりとか、泰藏さんがやられていたものですね。
あとはイーストベンチャーズ株式会社さんとかインキュベイトファンド株式会社さんとか、そういったところが中心で、今はそれこそシードのVCは増えていますけど、なかなか就職先がすごいあるわけではなくて。
ただ一番最初に日本に帰ってきて、すぐにいろいろお会いさせていただく中で、サムライインキュベートに私も入りたいなと思っていたのと、一番最初にオファーいただけたというのもあってジョインさせていただきました。
「事業を一緒に作りたい」シード一択の理由
石橋:
もともとシードというか、VCさんもいろんなラウンドで投資されている方々がいらっしゃると思うんですけど、インターンの頃からいわゆるそのシード系のところで関わっていこうって思われていたんですか?
矢澤:
そうですね。インターンをしながらいろんなVCがあるんだなということを知りまして、じゃあ自分がやりたいのは何だろうと考えたときに、やっぱり事業を一緒に作っていきたいなと思いまして。
レイターになればなるほど事業も固まっていますし、あとは数値との擦り合わせとかそういったところになってきていて。投資はやりたい、ただ自分がやりたいのはたくさん事業を生み出していくこと。そう考えたときにシード一択になりました。
石橋:
なるほどですね。ちなみにサムライインキュベートさんはこれからみたいな時期に入社されていらっしゃると思うんですけど、その後は具体的にサムライインキュベートさんの中でどういうキャピタリスト活動というか、どんな感じでご活躍されていらっしゃったんですか?
矢澤:
まずはフロントをやらせていただきまして、当時私がジョインしたタイミングで、すでに60社近く投資はしていたんですよ。すごいですよね。
ただそこから私もジョインさせていただいて、ちゃんと意思決定もしっかり持たせていただいて、70社以上をご出資させていただきました。もちろん意思決定には榊原さんと玉木さんと3人でやらせていただいたんですけど、結構早いペースで投資させていただいて。
今はいろんなスタートアップ向けのイベントとかもあるんですが、当時はすごく少なかったので、そういったスタートアップ向けのイベントをやったりというのを中心にやって、スタートアップ全体を盛り上げていくというのをサムライインキュベートでやらせていただきました。
Plug and Play Japan立ち上げ、3人から30人超の組織に
石橋:
そこからいきなり独立というわけではないんですよね?
矢澤:
そうですね。サムライインキュベートでは、投資からインキュベーション、バリューアップするところですね。あとイグジットと、ファンドそのもののオペレーションですね。
Plug and Play Tech CenterというアメリカのVCでもありアクセラレーターの日本支社立ち上げのお話をいただきまして、そのタイミングで私自身もっとグローバルにチャレンジをしたいという思いもありましたので、代表の榊原さんともお話をした結果ジョインをしまして、そこで最高執行責任者(COO)としてやらせていただいたというのと、インベストメントのヘッドということで。
結構アメリカのVCでもあって、すでにPlug and Playの本社ではたくさん投資をしていたので、結構アメリカのやり方で投資をして欲しいというところがあって、それが場合によっては日本の投資のスキームとか法律上できないところもあったので、そこをどうすり合わせていくかというところを本社チームと詰めたりとか、そういったところもやって。
実際Plug and Play Japan株式会社から1社投資のところのサポートをしたりとか、そういうことをやっておりました。Plug and Playはアクセラレーターなので、実際投資もしていくんですが、大企業さんと一緒にサポートするというところがメインなので、そういったところで投資というところは直接はすごく大きくやっていたわけではないんですが。
一方で組織を作っていくであったりとか、たくさんのスタートアップを応援していくという意味では、半期で大体60社ぐらい採択して2年ぐらいで200社近くのスタートアップを支援させていただいたりとか、そういった形でシードだと数だと思いますので、そこは積極的にやらせていただいた感じですね。
妊娠を機に「サラリーマンVC」への違和感
石橋:
2年間やられて、どういうタイミングで退職をされていらっしゃるんですか?
矢澤:
もともとジョインしたタイミングで、2年で一定大きくさせようと思っていたんですね。
実際やっていく中で組織もついてきて、自分がジョインしたときには3人で最初スタートしたんですが、そこから30人ぐらいまで組織も大きくさせて、売り上げもちゃんと大きくなって、そういったところが見えてきたタイミングで妊娠をしたんですよね。
このままPlug and Play JapanでCOOとしてやっていくのか、また新しいチャレンジをしていくべきなのかということを考えたときに、Plug and Playのようなアクセラレーターが結構馴染みが出てきていますし、あとは自分がやれることも、どちらかというと見えてきているところだったので。
やれることもある程度知っていることをやっていくみたいな形だったので、そうすると自分の成長がなくなってしまうなと。そこに対してもすごく危機感を感じて。
じゃあ改めてどうしたいかと考えたときに、キャピタリストとしてもうちょっと自分自身が成長していきたいと思いまして。じゃあサムライインキュベートでもやって、Plug and Play JapanでもCOOをやって、他のVCに入るのかと考えたときに、それはすごくイケていないなというのと。
シードでいろんな起業家を見ていて、みんな熱い想いがあって自分の人生をかけてやっているのに、自分はサラリーマンVCみたいな感じになりたいのかと考えたときに、それはないなというところから若干考えるようになりまして。
出産1ヶ月前に退任、半年後にファンド準備開始
矢澤:
ちょうど出産の1ヶ月前でPlug and Play Japanに勤めて2年だったので、ちょうどタイミングだったんですけど、退任をして1ヶ月後に産んで、そこから半年くらい子育てをやりながらどういうファンドを作りたいのかと考えて、そこからいろいろ準備をして1年後に組成をしたという形になります。
石橋:
なるほど。めちゃくちゃ綺麗というか。
矢澤:
やっぱり難しいですよ。子育てしながらだと、結構思考が回らないんですよね。
多分それが今後、女性キャピタリストとかのあるあるなことになっていくと思うんですけど、すごい頭がグルグルしたり、でも手は動かせないので、やっぱり解決していくと楽じゃないですか。
いろいろ考えていて、あれどうした方が良い、こうした方が良いとか考えていって、それをすぐに手に落とせると楽だと思うんですけど、子供を抱えながら、これどうしようかな、でもこうできるかなとか考えていたりすると、精神的にはいろいろありますよね。
石橋:
なるほどですね。その流れで改めて独立をされて、今に至るという感じなんですか?
矢澤:
そうですね。
女性キャピタリストが増えない業界への課題意識
石橋:
改めて麻里子さんのキャリアは、VC業界がすごく長いのかなと思うんですけど、当時から同じように活躍されていて、今でもお付き合いがあって仲良くされている方はどんな方だったりするんですか?
矢澤:
昔からやられている方は引き続きお付き合いはされていますし、やっぱりシードの投資なので、もちろん他のシードの投資家もそうですし、その後の投資家ともすごく仲良くさせていただいているので、わりと広くというところはあります。
私の中で「なんかなぁ」と思っているところは、女性のキャピタリストがまだまだ少ないというところに関しては課題を感じていまして。
私がサムライインキュベートにジョインしてから、女性キャピタリストのイベントをやったことがあるんですね。それが2014~2015年くらいで、キャピタリストがそのときから増えているかというと、今やっと増えてきたなという感じで。
私もサムライインキュベートにいたとき、女性とかはあまり意識をしていなかったんですね。男性ばっかりだったんですけど、女性キャピタリストを増やしたいと言っていたんですけど、言っているだけでしかなくて何もできていなくて。
私は勝手に増えるだろうなと思っていたんですけど、今自分が組成するタイミングで、「あれ、あまり増えてないぞ?」みたいな感じになって。そこのところにもすごく課題意識として思ったりはしています。
石橋:
なるほどですね。次回の配信ではそういう課題意識を持った上で、どういうVCファンドとしてYazawa Venturesさんをやっていらっしゃるのかというところをまたお話いただければと思っていますので、よろしくお願いします。
矢澤:
よろしくお願いします。
【Yazawa Ventures】「働く」の未来を変える!幅広い分野のスタートアップをシードレベルから支援!|スタートアップ投資TV
バリエーション2億円以下、1,000万円から投資するシード特化戦略
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。
今回も、前回に引き続きまして、Yazawa Ventures 代表の矢澤麻里子さんにご出演いただいておりますので、麻里子さん、今回もよろしくお願いいたします。
矢澤:
お願いします。
石橋:
前回の配信では、麻里子さんがどういうキャリアを歩んだ上でYazawa Venturesを立ち上げていらっしゃるのか変遷をお伺いしました。
改めてYazawa VenturesさんがどんなVCなのか聞いていきたいと思うんですけれども、前回のお話からすると、大前提シードラウンドに特化したVCさんということで間違いないんでしょうか?
矢澤:
そうですね。Yazawa Venturesは「働く」を中心とした課題を解決するようなスタートアップに投資をしていくファンドでして、「働く」というところにおいてテーマを少しブレイクダウンすると、まず産業とか企業の生産性を上げるというようなデジタルトランスフォーメーション(DX)の軸というところを1つ分けているのと、もう1つは個人の働き方というふうに分けています。
その個人の働き方の中でも、ヘルスケアとか教育とか、そういった人がよりよく働いていくという上では欠かせない部分、そこを投資領域に置いています。
DXに投資するVCはたくさんいるので、それはそれで私も良い会社があれば投資をしていきますし、投資領域として置きつつ、個人がより良く働いていくという意味で、不妊治療の会社もそうですし、ヘルスケアとか教育に投資をしています。
ヘルスケアでも言ってしまえば広いので、例えば遠隔医療であったりとか、予防とか未病の領域であったりとか、健康の人がより良く健康でいられるとか、そういったところに投資を置いていたり、教育もそうですね、キャリアとかに繋がるような投資分野というところで。そういった「働く」に繋がるというところでヘルスケアと教育、そういったところにも投資領域として置いています。
投資のステージはシードで、バリュエーション2億円以下のスタートアップに1,000万~1,500万円投資しています。
石橋:
1,000万~1,500万円ぐらいですと、それこそリード投資・フォロー投資みたいなところというのはこだわりがあったりですとか、決めていらっしゃるようなルールみたいなのもあるんでしょうか?
矢澤:
基本的にはリード投資をしてはいるんですが、そこはあまり制限を付けずに、良いなと思ったところに関してはフォロー投資もしております。
一方で、リード投資をこれから積極的にしていこうというふうに改めて今思っているタイミングですので、これからリード多めでいこうと思っています。
単独GPだからこそ実現する、起業家との密接な関係性
石橋:
基本リード投資がメインになるということだと思うんですけど、その上で普段どういうふうに投資先の皆さんに関わっていらっしゃるというか、いわゆるハンズオンとかオフとかいろんな関わり方があると思うんですけど、どういうスタイルでやられていらっしゃるんですか?
矢澤:
基本的にはハンズオンでサポートさせていただいておりまして、投資をしてから次の資金調達までは定期的にミーティングをやらせていただきまして、そこに必要な事業開発であったりとか、人材、人であったりとか、法務周りだったりマーケティングだったりとか、幅広くサポートさせていただいています。
石橋:
国内で初の単独女性GPだと思うんですけど、お1人で投資の意思決定をして支援をして、なかなかお忙しくなってくると思うんですけど、どういうチーム体制といいますか、どのようにして投資先と関わっていらっしゃるんですか?
矢澤:
今は基本的に単独GPなので1人で関わってはいるんですが、今入ってくださっているインターンであったりとか、お手伝いいただいている方とかも数名いらっしゃいますので、そういった方にいろいろ協力を仰ぎながら投資をしております。
石橋:
基本的には投資先の皆さんは麻里子さんが直接関わってくれるという感じなのが、ある意味わかりやすいメリットというか、そこが期待値がずれずにやっていけるという感じなんですね。
ちなみにお1人で基本は今までやられてきているということは、意思決定までもどういうプロセスで、ご面談から投資します・しませんみたいなところを決めていらっしゃるのか、どういうプロセスになるんですか?
矢澤:
今は、基本的に私1人の意思決定にはなりますので、まずお会いさせていただいてからお話をして、そこでまず投資対象かどうかというところを判断しますし、その上で実際のデューデリをスタートさせます。
一般的な市場であったりとか、競合どうなのかとか、どれぐらいの時価総額の会社になりそうなのか、純粋にやろうとされている起業家の素質であったりとか、可能性であったりとか、あとはやっぱり解決したい課題が深いかどうか、そういったところを中心に一通り見させていただきます。
もちろん私もその業界のプロではなかったりしますので、それぞれ業界に詳しい方に一通りヒアリングをしたりとか、そういったところを踏まえて意思決定をしております。
「その起業家がその事業をやるべきか」を最重視する投資判断
石橋:
その中でも、特に見られているポイント、すごく意識してデューデリをしていらっしゃるポイントはあるんでしょうか?
矢澤:
その起業家がその事業をやるべきかどうかというところはすごく見ていますね。
あとは、その業界の負が深いかどうか、なかなか解決したいけど解決されていないであったりとか、解決しにくいような課題とその業界、そういったところを結構見ております。
石橋:
簡単に僕も事前にYazawa Venturesさんについて調べさせていただいたんですけれども、女性起業家にしっかりフォーカスをされて、創業期で出資されていらっしゃるんですよね?
矢澤:
「働く」というテーマを掲げてVCをやっているからこそ、働くことをブレイクダウンしたときに、やっぱり女性の労働力であったりとか、女性が活躍していくというところにまだまだ課題がありまして、そういったところを我々Yazawa Venturesが積極的に投資をしていくことによって解決していけるんじゃないかと。
そういったところもあって、女性が活躍していく上で解決すべき課題をやっているような起業家、そういった方だとわりと女性が多かったりするので、そういった女性に投資をしていくというところにすごく重点を置いています。
あとは「働く」に関わっているというところと女性起業家というところで、まだまだ女性起業家が業界には少ないので、そういった意味でも女性起業家にフォーカスして投資をしていくことによって、エコシステムを大きく変えていきたいなというふうに思っています。
投資先の50%を女性起業家に。インキュベーションプログラムで実現へ
石橋:
Yazawa Venturesが始まってから、すでに何社か投資も実行されているんですよね?
矢澤:
すでに何社か投資はしておりまして、その中で女性起業家はまだ実は少ないんですが、割合としては30%かなと思っています。
石橋:
目標としては、投資先のうち50%は女性起業家の方に投資をしていくみたいなスタンスですよね?
矢澤:
そうですね。近々女性起業家向けのインキュベーションプログラムをやろうかなと思っていまして、どうしても女性起業家は家庭があったりとかお子さんがいたりすると、「よし起業しよう!」「すぐ登記だ!」というふうになりづらかったりするんですよね。
なので登記のところも含めて、VCから調達する前に登記はしたけどどうしていこう、そういったところの課題を感じられている女性起業家に対して、投資をしていこうかなというふうに思っています。
石橋:
僕らもある意味シードVCとして同じような立場でやらせていただいているものの、僕らの場合は男性女性あまりこだわりはなく投資活動しているんですけども、結果女性起業家は5%もいないですね。
投資実行させていただいていて、女性起業家の代表の方、ボードメンバーの方を合わせても多分5%前後だと思うので、起業家の方を見つけていくだけでも結構ハードルは高いですよね。
それだからこそインキュベーションというか、育てていくみたいなプロセスが重要だというふうにお考えなんですね。
矢澤:
はい、おっしゃる通りです。やっぱりそこはまだまだやれている会社さん少ないですし、女性向けのインキュベーションプログラムというのがあっても、そこから投資に繋がらないんですよね。
実際に投資をしますと言っているプログラムはなくて、やっぱりうちがやるべきだなということで、近々ローンチ予定なので、ぜひこれを見ている女性起業家の方はぜひお声掛けください。
不妊治療など「働く」を支える課題解決に投資
石橋:
出資していらっしゃるところでいうと、「働く」が大テーマだとは思うんですけど、例えばどんな感じのテーマの企業さんに出資されていらっしゃるんですか?
矢澤:
1つ例を挙げるとしたら、不妊治療の課題を解決するスタートアップとかにも投資をしておりまして、女性が働いていく上で、不妊の課題はすごく問題なので、そういったところを我々がしっかり投資をしていくことによって、そういったスタートアップを伸ばしていくことによって変えていきたいなと。
石橋:
「働く」とか「働き方」に関連する課題を解決する方々にフォーカスをしていらっしゃるという感じなんですね。
麻里子さんに面談して欲しいよというときはどういうチャンネルからご連絡するのが、これから起業される方とか一番最適といいますか、拾っていただいたりするんですか?
矢澤:
一番手っ取り早いのはおそらくSNSとかで、FacebookとかTwitterとかでお声掛けいただけたら一番早いかなというふうに思っています。
石橋:
動画の概要欄の方に麻里子さんのFacebookとTwitterのURLは記載をさせていただいておりますので、もちろん女性にだけ出資をされているわけではないとは思いますので、女性でも男性でも、ぜひこれから起業される方でまずは相談してみたいと、それこそ働く領域に課題感を持っていらっしゃる方はぜひご連絡を直接していただけると良いのかなと思っております。
それでは矢澤さん、改めて第2回もご協力ありがとうございます。
矢澤:
ありがとうございます。
【女性の起業を後押し】女性が起業に不利な現状を変えていきたい!|スタートアップ投資TV
女性起業家は資金調達額が少ないのに成績が良い
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。
今回も、前回に引き続きまして、Yazawa Venturesから代表の麻里子さんにご出演をいただいておりますので、改めて麻里子さん、今回もよろしくお願いいたします。
矢澤:
よろしくお願いします。
石橋:
前回までで、そもそも麻里子さんがどういう方で、どういうファンドをやっていらっしゃるのか、だいぶ皆さんにもご理解いただけていると思います。
改めてファンドでいうと、女性起業家の方にかなり大きいテーマを持ちながら出資をされていらっしゃると思いますし、ご自身の背景的にもなぜそこにこだわっているのかもだいぶ伝わってきました。
女性にフォーカスをしているのが、投資戦略としても正しいという根拠などはあったりするんですか?
矢澤:
Boston Consulting Group, Inc.の調査データによると、女性起業家は実はパフォーマンスが高いんじゃないかというデータが出ていまして、350社を5年かけて調査したというデータで、女性起業家のほうが資金調達をする機会とか金額、頻度が低いというデータがあって、平均して男性の方が2億円ぐらい調達できているのに対して、女性は1億円以下しか調達できていないと。
一方で、具体的にレベニューをどれだけ出せていたのかというところでいくと、女性起業家もしくは女性が共同創業者に入っている経営チームの方が成績が良かったというデータが出ているんですね。なので、そこのギャップを埋めていくのがYazawa Venturesなんじゃないかなというふうに思っています。
そういった意味で、女性起業家はパフォーマンスが高いんじゃないか、そういったところをうちのファンドを通して実証していきたいなというふうに思っています。
ダイバーシティが組織に起こすイノベーション
矢澤:
ある大会社さんとお話していく中で、2007年か2008年、結構前からそういったダイバーシティみたいなところに意識を置かれていて、すごく大きい証券会社なんですけれども、役員クラスの女性を一気に増やすというのをやったんですね。
実際やってみて、今十何年経って、どこまで組織が変わったんですかというのを聞いてみたら、全然変わったと。見られる範囲がすごく幅広くなったりとか、やれることが変わったりとか、そういったところでイノベーションがやっぱり起きているんじゃないかみたいなお話をいただいて。
企業そのもので女性を増やしていくであったりとか、ダイバーシティ性の高い会社を作っていくとか、スタートアップを作っていくというのもそうですし、スタートアップ界隈全体ももっとダイバーシティ性が高くなっていくことによって、日本がもっと大きなイノベーションを起こしていけるんじゃないか、そういうふうにも思ってそこに注力していたりもします。
女性起業家が少ない理由とパートナーシップの重要性
石橋:
女性の方が創業もしくは共同創業者や役員に入っていて、ダイバーシティ性も上がっていくと、より法人活動としても結果戦略的に正しいというところもデータを含めて理解できてきたんですけれども、改めて女性起業家の方はやっぱり少ないじゃないですか。
男性と女性を単純に比べてしまうと、女性のプライベート面において、起業するということにハードルがあるんじゃないかなと、なんとなく想像ができる部分もありまして。
その中でYazawa Venturesをやっていらっしゃる麻里子さんとしては、「プライベートがあるから起業は……」、みたいな人もいらっしゃる気がするんですけど、そこの部分はどういうふうに彼女たちは解決をしていくべきなのか、ケーススタディみたいなものってあったりするんですか?
矢澤:
おっしゃる通りで、女性起業家が少ないのには理由があるんですよね。それは起業しにくいとか、起業してもそこの会社を運営していくことの難しさであったりとか。
その難しさはやっぱりプライベートであったりとか、そういったところから起因しているものも多かったりするので、私もこういった自分のVCを運用しながら解決していかなければいけないところかなというふうに思っています。
私も妊娠をしながらどういうふうに自分でVCをやっていこうかというのを考えていく中で、本当であれば妊娠前にできれば良かった、もちろんPlug and Playがあったので現実的には難しいんですけれど。
本当はそういうのをやりたかったんですが、途中で切迫早産になってしまって、入院はしなかったものの、家から一歩も出ちゃダメ、動いちゃダメという状態だったんですね。
そこで改めて難しいなと思って、出産まで一旦、私は考えるのをやめたんですね。出産して改めて考えていく中で、子供を育てながらやっていくということはすごく難しかったりもしますし、いろんな人にこういった課題があるんだよということを発信していくことが重要だったりとか。
ロールモデルという言い方は好きじゃないんですけれども、こういう人がいるんだよということをいろんな人に知ってもらうことによって、誰かの参考になって、それを自分自身の起業に繋げて欲しいなと思って、こういったことを言っているんですね。
嫁ブロックを超えて、サポーティブなパートナーを
矢澤:
その中で私が気づくことは、パートナーシップがすごく重要だなと思っています。これは女性に関わらず男性もあると思うんですが、一時期話題になった嫁ブロックですよね。
そういったところはすごく重要なので、だからこそ最近女性の起業家、男性起業家もスタートアップ同士の結婚であったりとか、起業家とVCであったりとか、そういったところが増えてきているとは思います。
だからこそ起業したいと思われている女性で、これからどういうライフプランを描いていくべきなのかと悩まれたときに、今一緒にいるパートナーと人生を一緒に考えていく上で、サポートが得られるのかどうかというところは話し合う必要があるのかなというふうにすごく感じました。
私はYazawa Venturesというのを立ち上げるときに、かなり旦那さんのサポートがあったからできたわけで、そこがなければ私は立ち上げられてなかったんですよね。
旦那のサポートがなければ難しかったというのは、立ち上げる前もサポートが必要だろうと思っていたんですけど、やっぱりやってみてこんなに必要だったとはというところがすごく大きな気づきだったんですよね。
家庭はスタートアップ以上にスタートアップ
矢澤:
男性の起業家も、どういった女性と付き合っていくかとか重要だと思っています。最近は、男性でも育休を取られるスタートアップの最高経営責任者とかいらっしゃいますよね?
石橋:
そうですね。SNSでもそういう情報を発信している方が多くなってきたなと思います。
矢澤:
あれはすごい大事で、家庭はスタートアップ以上にスタートアップなんですよ。例えば奥さんとかパートナーマネジメントもそうですし、子供のマネジメントもそうです。家庭もそうですし、言語化していないとか、しづらいものをいかに言語化しながら解決していくかとか。
家庭をうまく回せる人は良い起業家になれると思うので、スタートアップ以上にスタートアップの環境をマネジメントしてこそスタートアップだと思うので、ぜひそこは楽しみながらやって欲しいなというふうに思っています。
ライフプランの相談もウェルカム
石橋:
もしかしたらこれから起業しようとされている方で、女性の方であればプライベートでこれから考えるみたいな方もいらっしゃると思うので、「今後こうしていこうと思っています」とか「そこがわからないんです」みたいな、そういう単位でのご相談とかも大丈夫なんですか?
矢澤:
もちろんです。もうめちゃくちゃウェルカムです!
石橋:
ぜひそういう方がいらっしゃったら、概要欄の方に麻里子さんのSNSのURLの記載をさせていただいておりますので、ぜひご連絡いただくと良いのかなと思っております。
矢澤:
男性の起業家も奥さんとのとか、パートナーとのとか、そういった方もウェルカムですのでいつでもご相談いただければ嬉しいです。
石橋:
今回全3回にわたりまして、改めてご出演いただきましてありがとうございます。
矢澤:
ありがとうございました。
