【東芝テックのCVC】リテール領域のアセットを活用した相互成長が可能なCVCとは?|スタートアップ投資TV
◯鳥井 敦 東芝テック株式会社-CVC推進室 室長
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楽天で約10年間勤務。オークションサービスや動画配信サービス、電子書籍サービスなど数多くの新規事業立ち上げに携わる。2013年に東芝入社。教育分野向けの新規事業PJに従事。東芝テック転籍後、オープンイノベーションを活用した新規事業創出活動を推進し、2019年に東芝テックCVCを新設。2021年より現職としてCVC活動を率いる。
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国内トップシェアのPOS事業を軸に、グローバル展開する東芝テック
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capitalの石橋です。
今回からはですね、東芝テック株式会社 CVC推進室 室長の鳥井さんにご出演いただいておりますので、改めまして鳥井さん、今回からよろしくお願いいたします。
鳥井:
よろしくお願いします。
石橋:
CVC推進室っていう肩書きも、僕自身今までいろんなゲストの方を迎えてきましたけど、初めてのご経歴のパターンだなと思いつつ、あんまりいらっしゃらないですよね?
鳥井:
そうですね。普通に「CVC」とかの方が多いですもんね。
石橋:
まさに今回はその東芝テックさんのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)がどういうCVCなんだっけってお話をこの1本目ではお伺いをしていこうとは思ってるんですけれども、僕自身この事前の打ち合わせで東芝テックさんどんな会社だっけって改めてちょっと簡単に勉強させていただきましたが、まずはCVCってことなので、東芝テックさん自体の簡単なご紹介を鳥井さんからいただいてもよろしいでしょうか?
鳥井:
東芝テックは、一番知られているところでいきますと、国内の販売時点情報管理(POS)事業というところが非常に知られているサービスです。
石橋:
いやゆるPOSレジってやつですね。
鳥井:
POSについたスーパーさんとかコンビニさんとか、いろんな小売さんに向けてご利用いただいてますので、国内でもトップシェアの一社としてもやらせていただいてるんですけど。
実はあまり知られてないところとしては海外の方も割といろんな大手さん、特にアメリカとかだと大手の上位数社は我々のPOSシステムを使っていただいているとかっていう形でグローバルにも展開してますし、一番知られてないのは、コピーの複合機のビジネスであったりだとか、インクジェットプリンターのヘッドのビジネスとかもやってたりします。
石橋:
インクジェットプリンターのヘッドってどこですか?
鳥井:
カートリッジのその先ですね。インクを吐き出すような部分ですね。そういった部品事業みたいなのもやってたりするような感じですね。
石橋:
割と東芝テックさんの抱えている顧客層でいうと、小売業だけじゃなくて、いわゆるtoBの販売もめちゃめちゃ持っているって感じになるんですか?
鳥井:
そうですね。あと結構POSシステムって止まるとお店ができなくなるので、それをサポートするためのサポート網だったりだとか、そういったものも非常に充実している会社なのかなと思いますね。
石橋:
海外でもPOSの事業でだいぶシェアを持たれているという話でしたけど、基本的には北米がほとんどなんですか? 他の地域も海外で強い地域はあられるんですか?
鳥井:
北米、ヨーロッパも全般展開していたりしますので、グローバルではいろいろと展開させていただいている会社になります。
石橋:
CVCといっても幅広に相性を見れるというか、toBのソリューションであれば、極端に言うとご縁は作りやすいという感じなんですかね。
鳥井:
そうですね、特に我々のCVCって元々新規事業を今後東芝テックの成長戦略としてやっていきましょうみたいなところで入ってますので、我々がCVCやってるって言うとどうしても「リテールテックでしょ?」とか、そこの印象強くないですか?
石橋:
いまだに僕はリテールテック寄りだと思ってます。
鳥井:
実はポートフォリオを見てもらうとリテールテックだけじゃなくて、ドローンの監視システムであったりだとか、もう少しオフィス寄りのソリューションだったり、今後また出てきますけど警備系のソリューションだったり、そういうオフィスで使ってもらえるようなものも実は入ってきたりして、実は割と幅広で見てたりします。
2016年から始まった、新規事業創出を目的としたCVCの歩み
石橋:
まさにその新規事業の一環で始まったみたいなお話もいただきましたけど、元々はいつぐらいからどういう流れでCVCやっていこうとなった?しかも会社全体でいうとすごく大きい会社だと思うので、その中でなんでわざわざCVC始まったんだろうなと、ちょっとぜひ教えていただきたいです。
鳥井:
私が元々東芝テックに移ってきたのも東芝から移ってきてるんですけど、東芝テックって国内の小売さんをターゲットに事業をやらせていただいていて、国内の人口の構成だとか大きなマクロで見ていくと、どうしてもやっぱりお店って減っていったりだとか、そうするとやっぱり次の新しいイノベーションだとか新規事業っていうのを会社の中に取り込まなきゃいけないという課題が元々ありましたと。
じゃあこれをどう立ち上げようかっていうところで、実は私は新規事業のプロジェクトを推進する立場で関わることが多いキャリアなんですけど、それをやってきた中でですね、大企業の中でそういうプロジェクトってそんなに急に伸びないし、かといってパワーかけたいけど一つのプロジェクトにそれの専門性高い人集めて立ち上げるってすごく難しいじゃないですか。
そういうのを考えた時に世の中を見るとスタートアップを取り巻いている環境とかってめちゃくちゃ変わってましたし、やっぱりこういう人たちと一緒に新しい事業を取り組んで、会社の中にイノベーションを取り込むとかってしなきゃいけないよねっていう議論から、元々始まっているので、そのCVCっていうスタンスなんですけど、新規事業をうちの中で作っていくっていう役割を持っているようなCVCっていうところは面白い立ち上がり方しているのかなと思います。
石橋:
具体的にいつ頃からCVCとして、それこそ一社目の投資とかを始めてらっしゃったんですか?
鳥井:
実は一社目は2016年にやってるんですけど、この時はCVCって言ってなかったんですね。新規事業戦略部とか推進部って言ってたんですね。
一応CVCっていう名前をつけたのが、その1社目の投資をやっていく中でやっぱり有効だねっていう話になって、社内の中でスタートアップさんへの投資をしやすい制度っていうので、投資委員会制度だったりだとか、そういったスタートアップさんに年間でどれくらい投資しましょうっていう予算を取って、中期計画上にそういった予算を載せてもらったりとかっていう、うちは貸借対照表(BS)でまだ出資してますので、そういう制度を整えたのが2019年。
そこから本格的に投資活動を始めましたので、そこのタイミングで一応CVCっていうような形にさせてもらっています。
石橋:
結果、新規事業戦略部のCVC推進室って順番になるのが、そういう経緯だからって感じですね。
鳥井:
そうなんです。かなり独特ですよね。
石橋:
大体最近だとCVC、まずはオープンイノベーションの文脈でポンと作っちゃうとか、いきなり子会社作っちゃうとか、それこそベンチャーキャピタル(VC)の方と二人組合でいきなりエントリーし始めるとか、結構多いですもんね。
鳥井:
そうですよね。うちはそういう意味では本当に二人組合もせずにCVCの組織を立ち上げた時に、実はリミテッドパートナー(LP)投資をVCさんにさせていただいて、とはいえ僕らもVC業界とか全てにプロフェッショナルな人数が集まってるわけじゃなかった。
その中で投資委員会に出させていただいたりだとか、そういったところで二人三脚でいろいろと動いていただきながら自分たちで立ち上げてるっていうのは、割と今いっぱい立ってきてるんですけど、割と独特な立ち上がり方をしてるCVCなのかなっていう気はしますね。
年間6〜10社、シリーズA前後に最短1.5ヶ月で投資判断
石橋:
CVC絡みの話は3本目でまたお話を伺っていければと思ってるんですけれども、改めて今、その年間でどのぐらい予算を押さえて、中計とかに載せているみたいなお話もいただきましたけど、だいたい今年間でいうとどのぐらいの規模で、全体でいうと投資をしていこうみたいな金額感になってるんですか?
鳥井:
金額感でいくと2桁億円ですけども、50億円よりは全然低いです。
ただ、年間で予算を取らせていただいて、中計上に毎年同じような金額を上げさせていただいて、年度ごとに一応出資額というのを確定させていってます。
そこの中には今言ったVCさんへのLP出資というのと直接投資というので予算を分けて、とはいえ今でいくと年間6本から10本ぐらいの直接投資ができるぐらいの予算感は持たせていただいているという感じですね。
石橋:
大体今は1社当たり平均すると、いくらぐらいを投資するケースってのが多かったりするんですか?
鳥井:
一番低い時は3,000万円とか、すごく小さいところから行きますけど、大きいとだいたい1.5億円ぐらいのサイズ感でやることが多いですかね。
ただ、この1.5億円っていうのが割と投資委員会で決済しやすいっていう意味でスピーディーに投資できる範囲なんですけど、これを超える案件っていうのも通常の経営会議にかければ投資はできたりしますので、そういったサイズのものも手がけていったりするようなスタンスでやってます。
石橋:
1.5億円ぐらい事業会社さんとして投資するって割と小さくはないなとは思うんですけど、そうなると対象スタートアップでいうとどのぐらいのラウンドで、どのぐらいの規模の調達している投資先が多いんですか?
鳥井:
今だと元々がプレAぐらいのところからBぐらいをターゲットにしてますので、そこの間が多いですけど、案件として一番多いのはステージAぐらいが多いですかね。
だいたい今だと10億円前後ぐらいから動き出すので、その前後の幅の中で、リードを取ることはないので、全く取らないわけじゃないんですけど、単独で入る際とかはリードのような立ち位置になったりすることは多いですが、VCさんが入られているフォローであったりだとかっていうので入ることが多いです。
石橋:
投資委員会方式を取ってみたいなお話で、かつ1.5億円は割とそこを通しやすいみたいなお話もいただきましたけど、起業家の方がシリーズAを次目指していこうというタイミングになった時に、どのぐらいのスケジュールで東芝テックさんにお声がけするのか、このぐらい検討は必要だよねみたいなイメージになっているんですか?
鳥井:
標準的に行くとやっぱり3ヶ月くらい欲しいなっていうのが本音ですけど、一番短いので行くと1.5ヶ月くらいで決議を採っていたりとかするので、割とショートでも対応は可能だったりします。
石橋:
今って委員会だとどういう方々で決めてらっしゃるんですか? 鳥井さんがいて取締役の方とか代表の方とかいらっしゃるんですか?
鳥井:
うちの投資委員会の制度でいくと、実は少し特徴的で、事業本部の本部長とかその事業に関わる方は入ってないんですね。
石橋:
逆に入ってないんですね。
鳥井:
入ってないです。むしろコーポレートの役員という形で、法務だったり財務だったり研究所長だったりとか、新規事業戦略の役員だったりで構成してまして、一定事業部と独立したようなコンテンツがスタートアップさんにも投資できるっていうような形で運営させていただいているっていう形になります。
石橋:
そういうふうにBS投資とはいえ、毎回臨時取締役会とかやってるってわけじゃなくて、投資委員会方式にしても、ちょっと意思決定しやすいようにはしてらっしゃるんですね。
鳥井:
そうですね。投資委員会ももう週に1回やるので。
石橋:
めっちゃやってますね。
鳥井:
そうです、多いですね。かなりクイックでそういった案件をレイズしやすい状態にはしてますね。
フィナンシャルとストラテジック、両輪のリターンを追求する投資後支援
石橋:
ちなみに先ほど、たまにリードはやるけどフォローが多いみたいなお話をいただきましたけど、投資された後の起業家の方とのコミュニケーションですとか、新規事業開発の目的とはいえ、どういうサポートなのか、場合によってはご協業なのか、どういう内容に具体的になってくるんでしょうか?
鳥井:
ベースの考え方は、僕たち投資した先のスタートアップさんの事業の状態を常に見させていただくみたいなところは割と投資メンバーみんな意識してますので、毎月1回は必ず起業家の方々ともお話ししますし、そこの中でどういった連携するかっていうのを考えているというのが基本スタンスです。
一方で、我々ってフィナンシャルリターンとストラテジックリターン両方やりたいですというスタンスを取っているCVCなので、そうしないと独立系のVCさんとはやっぱり差が出ないという点ですけど、やっぱりCVCである意味がなかったりしますので、そこの支援というのは各社さんとタイミング合わせてやってます。
具体的にいくと、一番ライトにやりやすいものは、東芝テックって実は小売さん向けの展示会とか自分たちで主催もしますし、場所借りて大きな展示会場をやったりするので、そういう中でうちの投資先が出ていただくスペースを設けて、お客さんの声が聞けるような場であったりだとか、リード獲得をしてもらう場を提供させていただいたりだとか。
あとは実はうちのCVCって投資予算以外に、割と簡単な概念実証(PoC)というか、そういったものを推進するための予算を別で取ってますので、そういったライトな共同研究的な取り組みとか、そういったものもやるような形で、投資後どういう連携がいいかっていうのを一緒に考えさせていただくっていうスタンスを取ってたりします。
石橋:
なるほどですね。多分僕が勝手にリテールテック系に頭引っ張られちゃってるせいかもしれないですけど、そういう協業とかは小売事業周りとかはしやすそうですよね。
鳥井:
そうですね、やっぱり元々あるアセットだと小売系はやっぱり強いので、その辺はすごく連携しやすくなりますよね。
石橋:
先ほどストラテジックリターンとフィナンシャルリターン両軸で見てるっておっしゃってましたけど、この前段の方はまさにその本体との協業というところで、かつPoCを回していけるということを実現できると思いますけど、フィナンシャルリターンの観点でいうと、それこそフォローで追加投資するしないとか、どういう方針でやってるとかってあられるんですか?
鳥井:
そういう意味でいきますと、我々CVCなんですけど、フォロー投資もすでに数件やってますし、初期に入れるだけじゃなくて、そこはしっかりと連携取れてたりだとか、成長性が見込めるところに関しては追加投資をやらせていただいたりだとか。
ファンドにしてないんですよね。ここはいろんな捉え方あると思うんですけど、逆にファンド期限がないのでどこまで持つかとか、逆にすごく成長してるなら期限がない分長く持つってこともできるし、安定株主にもなれますしっていうところもあるので、そういったところも少し今後どうしていくか、まだ考えなきゃいけないフェーズも来るかなと思ってます。そういったスタンスが取れるようにしてるっていうのはちょっとあるかもしれないですね。
ABEJAのIPOから、コロナ禍のダイナミックプライシング支援まで
石橋:
今までお話しいただいた内容とかを踏まえていくと、こんな投資先がいるんだよねみたいなところのケーススタディみたいなところですと、どんな投資先がいらっしゃって、こういうことをしてますみたいなので、どんな感じなんでしょうか?
鳥井:
投資先でいくと、僕が印象に残っているのはABEJAさんなんかは、僕の一番最初の案件で、最近新規公開株式(IPO)をしていただいたので、非常に印象に残るスタートアップさんですけど。
石橋:
7年前の一社目っていうのがABEJAさんなんですね。
鳥井:
そうですね。
石橋:
確かにABEJAさんは印象的だろうなというのは、外野から見ててもそういうのは思いますけどね。
鳥井:
IPOまでの道のりの中に結構紆余曲折あったので、そこの中でも実は事業部との協業とか、一緒に顧客開拓みたいなのもやったりとか、いろんな取り組みさせていただいたので割と印象に残ってたりもしますし。
ダイナミックプライシングをやられているスタートアップさんもあるんですけど、そこは実はリテール向けのダイナミックプライシングをやってない会社さんだったんですよね。
どっちかというとあの分野ってホテルとか、交通系で動いたじゃないですか。僕らはそっちの事業をやられているタイミングに投資させていただいてて、実はコロナが来た時に一気にその辺で大変になったんですよね。
でも、将来的に投資する時にリテール領域一緒にやりたいねみたいな話を起業家さんとしていたので、コロナになった時に我々のさっき言ったそのPoC予算みたいなのを使わせていただいて、リテール向けの製品とかサービス一緒にやろうよ、みたいな形で取り組ませてもらったっていうのも、割とうちの独特な取り組みというか、そういう体制があったからできた案件なのかなというのはちょっと思ってたりしますね。
石橋:
現時点でリテール領域に顧客だとか裾野が広がっていなくても、今後拡張余地があれば東芝テックさんに資本に入ってもらい、PoCを一緒にやって、マーケットを作りに行くってことも全然選択肢って感じなんですね。
鳥井:
まさにさっき言った新規事業を作るCVCっていう意味では、リテール領域でやっている方々に一緒にやらせていただきながら、その技術要素を使って他の領域に伸びていってもらうっていうのもすごく期待するところですし、逆に他の領域でやられていて、事業の拡大の連携の中でリテール領域に入ってこられるっていうところに、自分たちの持っているアセットっていうのを使ってどう一緒に成長していけるかっていうのをコンセプトに考えているっていう感じですかね。
リテールだけじゃない、警備AIなど幅広い投資領域
石橋:
ちなみに一番最初、東芝テックさん自体のご紹介でオフィス機器みたいなところのお話もあったと思いますけど、どうしても今までのお話だとリテール寄りなイメージに、多分見ていただいている皆さんも寄っていってるのかなと思うので、そうじゃないところの、例えばこういう投資先いるよとか、一緒に取り組んでいる事例とかあるよっていうのがあったりするんでしょうか?
鳥井:
実は警備のAIのソリューションとか、これ海外の案件ですけども、そういったところも投資させていただいていて。
石橋:
日本進出を支援するってことになるんですか?
鳥井:
ゆくゆくそういうところも狙うっていうような企業さんですかね。
我々でいくと東芝グループなので工場もあったりもしますし、小売さんの中にもそういった警備ソリューションも入りますし、オフィスにも入りますしっていう、やっぱりそういうリテール以外のところでも、今後拡大が見込める事業をやられているスタートアップさんっていうのは、非常に我々も関心を持って取り組んでいたりします。
石橋:
最後に、鳥井さんたちにコンタクト取りたいなって、今のこのお話聞いていただいてで思った方はどう取るのが一番いいですか? 公式から問い合わせするのがいいのか、皆さんSNSから連絡しちゃった方がいいのか、どんな感じなんでしょうか?
鳥井:
SNSとかで投資メンバーにいただけるのも全部対応させていただいてますし、我々CVCのホームページとかブログとかもやってたりするので、そっちの方で問い合わせいただいても必ず誰かが対応するような体制はとってますので。
石橋:
確かに東芝テックさん、毎週のように更新されてますよね。
鳥井:
そうなんです。
石橋:
noteで記事メディアもめっちゃ更新されてましたもんね。
鳥井:
そうですね、結構力入れて取り組んでる部分だったりしますので。
石橋:
概要欄の方に、東芝テックさんの公式のホームページですとか、noteのURLですとか、鳥井さんのFacebookのURLも記載をさせていただければと思いますので、場合によっては一緒に小売事業のところでマーケットを作りたいよみたいな方ですとか、すでにオフィス機器というか、toB向けの事業をやられていたりとか、小売事業マーケットでやっていらっしゃる方々は、ぜひご縁作っていただくと良いのかなと思っております。
またぜひ2回目もですね、見ていただくと、鳥井さんはそもそもどんな方なんだっけってお話も出てまいりますので、引き続きぜひご覧いただければと思います。
【楽天から東芝テックへ】新規事業立ち上げのプロが直面した大手のジレンマと解消手段|スタートアップ投資TV
法学部からエンジニアへ、インターネット黎明期の決断
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capitalの石橋です。
今回も、前回に引き続きまして、東芝テック株式会社 CVC推進室 室長の鳥井さんにご出演いただいております。鳥井さん、今回もよろしくお願いいたします。
鳥井:
よろしくお願いします。
石橋:
今回は、前回に東芝テックさんの会社自体のお話と、CVCの取り組みの具体的なお話をいろいろと伺いしましたし、その流れで簡単にどういう経緯でCVCを立ち上げてこられたかのお話も出てまいりました。
改めて室長である鳥井さんがどういうキャリアでどういう人なんだっけというお話を伺っていければと思うんですけれども、元々出発で言うと新卒から東芝なんですか?どういうキャリアになるんですか?
鳥井:
そうですよね。僕のキャリアは結構変なキャリアなんですよね。元々の出身は法学部なんですよ。
石橋:
金融とかビジネス系では、法学部は近からず遠からずみたいな。
鳥井:
ただ、僕がちょうど卒業する頃って、ちょうどインターネットでいろんなビジネスが立ち上がってくる時期でだったんですよね。
学生の頃から自分で何かやりたいなって思いがあって、そういう時代背景だったので、法学部なのにちょっとこれはもうコンピューターやプログラムを学ばなきゃいけないと思って。
一社目って実は僕大阪出身なんですけど、そこのすごく小さなSIerに、コンピューターもいじったことないけど「プログラム教えろ」って言って飛び込んだんです。
石橋:
よく入れてくれましたね。
鳥井:
当時だから入れてくれたんだと思いますけど、そこでプログラムとかエンジニアみたいなことを5年くらいやってまして、一定プログラム書けたりだとか、インターネットの仕組みだとかっていうのが分かってきたので、じゃあビジネスできるのかって言ったら当然できないじゃないですか。
石橋:
自分で立ち上げるっていうところは2ステップ目にはなかったんですね。
鳥井:
そうなんですよね。その想いはあったんですけど、「まだ立ち上げられないな」みたいな思いがあって、その時に実は楽天に1回転職して、やっぱりインターネットでビジネスってどうやったらいいんだっていうのをちゃんと学ぼうっていうので楽天に入社したっていうのが2社目になります。
楽天で10年、新規事業の最前線で得た気づき
鳥井:
この当時の楽天が、ちょうどこの前Yahoo!を辞められた小澤さんとかが楽天にジョインされて、前持たれてた事業を楽天のブランドにしてっていうような時に、楽天でやられているオークションサービスのところとかに所属させていただいて、そこからインターネットのビジネスみたいなのに関わってきたっていう感じなんですね。
石橋:
当時で言うと何年前ですか?
鳥井:
2004年とか2005年とか。
石橋:
小澤さんは最近Yahoo!を離れられましたけど、Yahoo!の人のイメージしかなかったので、楽天にいらっしゃったことがあったんですね。その頃から小澤さんと近しい距離にいらっしゃってて、そういう文脈でVCとかスタートアップっていうのも遠からずの距離にいらっしゃったんですか?
鳥井:
そうですね。当時の楽天って、スタートアップを買収して入ってこられてる方とかも多かったですし、僕が入った時ってまだ立ち上げ当初のメンバーもいっぱいいたので、やっぱそういう感覚は近くにあったのかなっていうのと、オークションのサービスをやったっていうところが実は結構僕のターニングポイントだったのかなと思うんですけど、当時Yahoo!オークションが圧倒的だったじゃないですか。
ここをどうにかしなきゃいけないということで、楽天に入ってから結構新しい事業とか新しいプロジェクト、新規事業の立ち上げとか変革みたいなものにいっぱい携わらせてもらうことが多かったっていうのが、割と楽天にいたんですけど独特なキャリアなのかなっていう気はしますね。
石橋:
楽天さんは2004年頃から入社されて、どのくらいお仕事されてたんですか?
鳥井:
10年くらいいました。
石橋:
そんなにいらっしゃったんですね。なんでその楽天から離れようと10年目ぐらいで思われて、どういうキャリアチェンジをされていくんですか。
鳥井:
楽天の中で本当にいろんな事業とかプロジェクトの立ち上げとか経験させていただいて、事業の種類もオークションだけじゃなくて、最後は電子書籍とかに関わらせていただいたりとか、幅広くやらせていただいた中で、じゃあ次自分が何をしていこうかなと思った時に、ちょうど子供とかも生まれた時期で、このままインターネットがいいのかどうなんだろうと思ったら、もう少し社会的な関連性も高いようなビジネスっていうのもいいなあっていうので。
石橋:
ネット以外ってことですね。
鳥井:
そうですね。もう少し自分の幅広げたいなっていうので、実は東芝の新規事業の部隊っていうのが当時ちょうど立ち上がる時だったので、そこに入らせていただいたっていうような経緯があったりします。
東芝での新規事業、大企業ならではのジレンマ
石橋:
東芝テックさんじゃなくて東芝に入ったんですか?
鳥井:
そうなんです。
石橋:
東芝さんの中としても、さっきのお話でいうと、東芝テックさんがまさに新規事業開発を目的にしながらCVC投資もしていらっしゃるというお話で出てきましたけど、東芝さんの中でもそういう投資事業担当とかだったりしたんですか?
鳥井:
東芝の中ではどっちかというと、やっぱり新規事業の立ち上げの方でしたね。東芝の中であるいろんな技術とかを使って新しい事業を立ち上げましょうっていうところで、引き続き楽天の時には新規事業立ち上げとかをやってたので、そういう形で取り組んではいました。
石橋:
ちなみに、過去だとどういう新規事業って言える範囲だとやってらっしゃったんですか?
鳥井:
あまり知られてないですけど、東芝でやっていたのは教育向けの、今は学校に情報通信技術とか入ったりするじゃないですか。それの教育向けのサービスを合わせて事業として立ち上げられないかとか、そういったものをやったりしてました。
石橋:
今でいうと東芝テックさんの中でCVC推進室長というところのポジションにいらっしゃると思うんですけど、ここまで来てもまだそんなに投資業とかVCっていう気は出てこないなとは思うんですけど、それも別に金融畑ってわけでもないような気もしますし、どのあたりから接続が始まっていくんですか?
鳥井:
そうですよね。ここの裏には新規事業をずっとやってると、いろんなやっぱりジレンマとか、大企業の中で事業を作ることの大変さみたいなものを、すごく肌で感じるようになるんですよね。
石橋:
例えばどのあたりが、東芝さんに限らずの話で全然いいんですけど、業界あるあるはどういう課題になるんですか。
鳥井:
やっぱり絶対的にしんどいなと思うのが、新しいテーマの事業をやるんですけど、ここの専門の人たちを急に採用していくとか、一定軌道に乗ってきたから「じゃあ営業人員一気に雇おうぜ」とか、そういうのってやっぱり大企業の中って絶対できないじゃないですか。
そういうところだったりもしますし、逆にやっぱりこの大企業の中から見た時の新規事業の立ち位置って、やっぱり売上高とかインパクト考えて、やっぱり小さいから優先度下がったりするとかっていうのもやっぱりありましたし。
そういうのをやっぱり自分で関わってやっている中で、じゃあどうやったら大企業が新規事業とかそういうものをうまく作れるんだろうと思った時に、オープンイノベーションであったりだとか、スタートアップさんとどう関わっていくのかっていうのがキーだなっていうのが、長く新規事業に関わっていく中ですごく意識するようになって。
その時にやっと、このVCという新しいアプローチの仕方っていうのはすごくありなんじゃないかっていう。なので今うちもCVCやってますけど、新規事業のプロジェクトを一緒にやってるみたいな感覚もあったりするので、初めてその辺からキャピタルっていうものを使った新しい新規事業の取り組みっていうようなコンセプトが出てくる感じですかね。
東芝テックへの移籍、CVCという選択肢
石橋:
そこまでのイメージはすごく改めてすごくしっくりはきたんですけど、なんで東芝テックなんですか?東芝の部門にいらっしゃった中で、急になんで東芝テックのCVCになるのか、ここはどういう経緯があったんですか。
鳥井:
ここはですね、皆さんもご存知の東芝にいろんな事件が起きてですね、なかなか東芝で新規事業をやるっていう、「やりにくいね」ってなった中で、新たに東芝テックでそういった新規事業の部隊を立ち上げるっていう話があって、そのタイミングで移籍してます。
石橋:
なるほど。東芝テックさんとして新規事業部門作るとなったら、一旦新規事業だけをやるわけじゃなくて、その時点からCVCというかスタートアップ投資も交えてやっていきましょうみたいなお話、やっぱり鳥井さんが関わってらっしゃったから早い段階からなっていったって感じなんですか?
鳥井:
そうですね。最初はただやっぱり、東芝テックの新規事業部門も自分たちで立ち上げるっていうコンセプトだったんですけど、さっき言ったような想いが僕の中でもあったので、逆にやっぱりオープンイノベーションをベースにやりましょうっていうお話を経営メンバーとさせていただき始めたのは、移ってすぐぐらいにもうやっぱり始めさせていただいて。
オープンイノベーションもいろんな手段とかやり方あるじゃないですか。その中で、いろいろとトライアンドエラーしている中で、このCVCというやり方はすごくメイクセンスするなというので、改めて提案していったというようなところだったりします。
新規事業経験がキャピタリストの土台に
石橋:
今の鳥井さんのご経歴を聞いていくと、必ずしも別にキャピタル業界にいらっしゃったわけではないというか、金融業にいたわけじゃない中で、今ABEJAさんはIPOしていらっしゃるし、投資実績もあられたりとか、コンスタントに投資事業としてもやられていらっしゃるというところ。
鳥井さんがキャピタリストになるまでのどういうふうな学びとか、どういうことを取り組んできたから、一新規事業開発メンバーとかじゃなくて、CVCのキャピタリストとしてもやれるようになっているのかというところ、学び直しをしてきたのかっていうところ、どう取り組んできたとか、こういうことやってきたとかって、共有いただけることって何かありますか?
鳥井:
そうですね、僕もリスキリングとかすごいしてるっていう印象ってあんまりなくて。何かっていうと、新規事業に関わってリードしてるっていう役割って、企業家に近い考え方だったりするんだと思うんですよね。
一定の数やらせてもらってる中で、どうやったら事業って伸びていくんだろうとか、どういうところがターニングポイントになるんだろうとか、いわゆる投資家の方って実用最小限の製品だとかいろんな話がありますけど、そういう要素をある意味体験してるわけですよね。
そこが多分、キャピタリスト的な動きをしていく中ではすごくベースになってるんだと思いますし、自分自身が今投資する時も、やっぱりそういった観点で見ていったりだとかっていうところはあると思います。
ただ、それにアドオンして投資っていうのをするときに、自分がやるんじゃなくてやってもらうっていうことなので、じゃあ経営チームってどういう経営チームがいいのか見たらいいんだろうとか、企業の価値とバリュエーションって何だろうとか、逆に金融のところが足りないみたいな。
そこが僕には全く足りなかったので、前回の話の中でも少し触れましたけども、VCさんのファンドを通して、そこの部分の知識・ノウハウをしっかりとつけさせていただいて、今も、いろんな方々とそういう連携をさせていただきながら投資ができる形に持っていったっていう考え方ですかね。
石橋:
金融系はやっぱ後からつけていったって感じなんですかね。
鳥井:
そうですね。そっちの方のスキルは後付けっていうか、今もまだまだ勉強させていただいています。
石橋:
改めてどういうご経歴を持っているからこそ、今の鳥井さんが作られているのかなと、だいぶ伝わってきたと思いますし、これ見ていただいている方ですと、まさに今新規事業開発とか経営企画にいらっしゃって、これからCVC作らないといけないとか、もちろんこれから起業される方とか資金調達もしたい方も見ていると思うんですけれども。
ぜひ企業家だけじゃなくて、場合によってはどういう風にCVCやっていくとやっぱ成功できるんだっけみたいなお話とかも、また鳥井さんとか、場合によっては東芝テックさんにご相談していただくのも勝手ながらいいのかなとは思っておりますので、そういったノウハウもぜひまたシェアしていただければなと思っております。
第3弾もまさにそういったところ、どういうふうにCVCとしてスタートアップ業界で投資業として勝ち残っていくのか、選ばれていくのかのメッセージも第3弾でいただければと思っております。
それでは鳥井さん、今回もご出演ありがとうございます。
鳥井:
ありがとうございます。
【勝ち続けるCVCとは?】選ばれるための施策と陥りやすい罠を解説!|スタートアップ投資TV
CVCが直面する「選ばれない」という課題
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capitalの石橋です。
今回も、前回に引き続きまして、東芝テック株式会社 CVC推進室 室長の鳥井さんに来ていただいておりますので、今回も鳥井さん、よろしくお願いします。
鳥井:
よろしくお願いします。
石橋:
第1弾では東芝テックさん自体のCVCのご解説いただきまして、第2弾では鳥井さんはどういうご経歴でCVCに取り組んでいらっしゃるのかということをお伺いしてまいりましたので、第3弾はテーマトークをしていければなと思うんですけれども。
第1弾でもお話いただいたように、まさに1社目のCVC投資先がABEJAさんでいらっしゃって、他にも複数のスタートアップ出資をされている中で、ご実績も今6〜7年目にして出てきていらっしゃる中、実績を出せるようなCVCとして勝っていけるのかというところ。
東芝テックさんのCVCはシナジー投資だけじゃなくてちゃんとファイナンシャルリターンを求めていく、どっちも求めていくんだってところお話もいただきましたけど、理想だと思うんですよね。
CVCの人たちも今めっちゃ増えてると思いますけど、もちろんシナジー投資の人が多いとはいえ、リターンがないと何か言われるじゃないですか。絶対言われますよね?
鳥井:
サスティナブルじゃないですよね。
石橋:
それでCVC辞めちゃう人もすごく多いのかなと思うと、いかにしてちゃんと勝っていけるCVCになるのか。
最近で言うとCVCの数も種類も増えている中で、いかにして数少ない起業家の方々から、ある意味選ばれて投資の引き受け元として選ばれていくのかっていう観点はすごく重要だなと思ってまして。
そこの部分を東芝テックさんの目線感から、いろいろと鳥井さんにご解説というかご意見いただいていければなと思うんですけれども、そもそもCVC増えてるなとか、選ばれないと投資できないよな、みたいな実感値みたいなのとか課題意識って、そもそも鳥井さんの中で、あったりするんですか?
立ち上げ時から意識した「知ってもらう」活動
鳥井:
そこがが立ち上げた時から一番意識はしてたところでして、そもそも東芝テックって聞いてスタートアップに投資するって誰も思わないじゃないですか。
そんな会社に投資されてるスタートアップって絶対いないですし、もし来たらやばいじゃないですか。
石橋:
当時ですね?
鳥井:
当時ですよ。世の中を見ればVCさんもいっぱいいて、今でいくとCVCもいてってなったら、僕らがそういうスタートアップの投資とかをやってますよっていうことを知ってもらわなきゃいけないですし。
それを知ってもらった上で、僕らから出資されたいっていうふうに選ばれなきゃいけないっていうのは、すごく最初の頃から意識してたことです。
なので、実はCVC立ち上げた時も、最初はアクセラレーションとかっていうのを、実はオープンイノベーションの目的じゃなくて、「スタートアップに興味あるんです」っていうプロモーションの目的を兼ねて2年だけやったことがあったりとか。
今も実はnoteで毎週情報発信してたりするんですけど、それもそういった我々が知っている情報とか、そういったことを知ってもらうことで初めて僕らにアクセスしてくれると思うので、そういった意味で知ってもらうっていう活動もそうですし。
スタートアップさんに選ばれるっていうのもそうなんですけど、実はVCさんからも選んでもらうって僕の中ではものすごく大事だと思ってまして。
石橋:
面白いですね。
VCとCVCは敵対関係ではない、選択肢の一つになる
鳥井:
VCさんとCVCって別に敵対するものではないじゃないですか。
スタンスも違いますし、良い案件とかファイナンシャルな案件って当然のようにVCさんに集まりますとなった時に、CVCがこのマーケットの中で何をやっていくべきなのかって思うと、投資っていう反面もありますけど、そのスタートアップを育てられるとか、自分たちのそういうところにアクセスできるっていうのが一つの特徴だったりだとか。
この前もBSっていう話してましたけど、普通のVCさんとは違うポジショニングって取れることもいっぱいあると思うので。
そういった選択肢を作ることによって、スタートアップさんがどういうお金の受け方をしたいかだとか、どういう連携をしたいっていう選択肢になっていけばいいな、ていうのが一つのベースのコンセプトとして作るべきなのかなというのを思ってたりしますね。
石橋:
なるほどですね。ちなみに、めちゃめちゃ投資したかったけど選ばれなかったこととかって実際あるもんなんですか?
鳥井:
あります、あります。「もう十分埋まってます」みたいな話はやっぱありますよね。
ただ、その後もコミュニケーションして、次の投資ラウンドで入れたりもしますし。
そこってどういうスタンスでやってるかとか、そういったスタンスって起業家の方って必ず見られてるので、そこにどう真摯に向き合っていくかっていうことは大事なのかな、なんていうのは思ったりしますね。
CVCが陥りがちな罠、大企業の都合を押し付けない
石橋:
逆に新しくCVC作った方々がよく陥っている罠というか、こういうことしちゃってると、これはスタートアップの人に嫌われるよなとか、これはやっちゃいけないんだよなとか、鳥井さん目線だと何か思われることってありますか?
鳥井:
僕が偉そうに言える立場ではないんですけど、CVCっていう立場って、スタートアップさんに一定寄り添うべきだと思うんですよね。
CVCで投資して株主になっているにもかかわらず、自分たちの大企業の都合をスタートアップさんに押し付けちゃったりだとか、相手のスタートアップさんの事業の状況を考えずに自分たちの協業を進めようとしちゃったりとか。
そのスタートアップの理解が足りないというか、そこを無視してやってしまうと、他のVCとか他の株主さんからも嫌がられると思いますし。
起業家からも最初は同じ夢を見てても、「今そういう状況じゃないんですよね」っていうところのギャップが出てくると思うので、それは一番やっちゃいけないのかなっていうのはすごく思ってたりしますよね。
石橋:
逆に東芝テックさんの場合はどうブロックをしているというか、本来であればもちろんシナジーとファイナンシャルどっちもあるかもしれないですけど、シナジーを目的とするボードメンバーの方とか経営陣の方とかが、もっと前に進めろみたいなこと言ってもおかしくはないような気がしまして。
そうすると、事業会社、CVCの担当の方々も上の方から外圧かかってくると、せざるを得ないみたいな場面もなくはないのかなと思うと。
いかにして東芝テックさんの場合は経営陣の方というか、事業部の方々の理解を得ながら、スタートアップのペースに合わせていくというか、こっちの都合を押し付けないでいられるコツというか、どういうふうにしてるみたいなノウハウとかあれば、ぜひ教えていただければと思うんですけど。
オブザーバー権で情報を把握、社内説明の精度を上げる
鳥井:
僕らは必ず投資した後も毎月だったりだとか、事業の状況によっては毎週だったりだとか、会わせていただくことってあるんですけど。
そこの中で状況をちゃんと把握して、どういう状態だよっていうのを事業部とかとつなぐ時とかもそうですし、経営メンバーにも結構話すことっていうのは多いのかなと思ってます。
なので、最初からご出資させていただく時にオブザーバーライツを取らせてもらって、「毎回取締役会に出させてください」っていう要求を、フォローなのに厚かましく入れてたりするのは、逆にその後どう繋ぐかとか、それを把握するためには僕らにとって大事だったりするので。
そこの情報が入らなくなると、上に説明しきれないんですよね。
石橋:
確かに、起業家の人によっては、フォローの投資家さんのケアはちょっと荒い人もいたりはしますもんね。
そんなに細かく情報共有しなくてもとか、リードの人と月次はやっていてとか、ケースバイケースでいろいろ分かれちゃいますもんね。
鳥井:
そうですね。
石橋:
オブザーバーライツをちゃんと保有させていただいて、定期的に情報をキャッチアップすることが、社内で説明するにしてもすごく重要だから、ということですね。
鳥井:
そうですね。大企業でCVCやっていてモニタリングというと、倒産しないか見てるとか、そういう観点があったりする方もいるのかなと思うんですけど、そうじゃなくて。
この会社がどういう成長フェーズとか、何にチャレンジしてるからどういうヘルプが必要なのかとか、そういう観点で、じゃあ僕らの中で何かできることあるのかっていうモニタリングの方が重要だと思っていて。
その辺の向き合い方みたいなのが、やっていく中で僕らとしては意識しなきゃいけないのかなっていうのは思ってたりはしてますね。
リファラルが生まれる、ヘルシーなCVCへ
石橋:
そういうふうなスタンスで既存の投資先の方々とかとコミュニケーションしてると、結果的に起業家が起業家をご紹介してくれたりとか、「東芝テックさんいいからご紹介するよ」とか。
勝手に彼らの周りのコミュニティで言ってくれたりとか、そういうリファラルとかも生まれてくるものなんですか?
鳥井:
徐々にそっちの方が多くなってきますよね。
そこが増えていくって、VCさんもそうですし、CVCも一番ヘルシーな感じなんじゃないのかなと思ってます。
「今年も選ばれるCVCになろう」っていうコンセプトでメンバーとも話してたりするんですけど、大企業っていろいろなケイパビリティとかアセットがあるし。
もう一つは、それがあるってことと提供できる状態にするって、すごくギャップあるんですよね。
ここは僕らもまだ全然できてないんですけど、今後チャレンジしなきゃいけないと思ってたりはします。
石橋:
改めて皆さんもですね、全3回にわたりましてご視聴いただきましたが、まさにそのCVC周りのTipsもいただきましたし。
第1弾では東芝テックさん全体のお話ですとか、第2弾では鳥井さんご自身がどんなご経歴なのかというところを伺いをしております。全3回にわたりまして、ご出演ありがとうございました。
鳥井:
ありがとうございました。
