大物社長を虜にする投資家・鈴木おさむが考えるスタートアップの未来【スタートアップファクトリー 鈴木おさむさん vol.1】
◯鈴木おさむ スタートアップファクトリー 代表パートナー
スタートアップファクトリー HP: https://startupfactory.co.jp/
Instagram: osamuchan_suzuki
元放送作家。
株式会社BSフジ放送番組審議会委員。
脚本家・作詞家・ラジオパーソナリティ・タレント・映画監督としても活動していた。
元スマイルカンパニー所属。
2024年4月時点での肩書は「スタートアップファクトリー ゴーイングメリー代表」。
石橋
スタートアップ投資TV、GazelleCaptialの石橋です。今回からはスタートアップファクトリー代表パートナーの鈴木おさむさんにご出演いただきます。よろしくお願いします。
鈴木
よろしくお願いします。
石橋
早速ですけれども、いろんなプレスリリースとかメディアで、僕自身も鈴木さんがスタートアップファクトリー社を立ち上げたことは存じ上げていましたが、改めていつからその構想があったのでしょうか?
鈴木
もともと今から5〜7年ぐらい前かな、シェアオフィスを始めたんですよ。僕が2011年ぐらいからサイバーエージェントさんとすごく濃くお仕事をさせていただいて。テレビの仕事をメインでやっていたんですけど、サイバーさんのおかげでインターネットとかITに関して、テレビ界でもけっこう前の方で情報を得ることができた。かつ、テレビに対して俯瞰で見ることができて。サイバーさんとお仕事をする中で、AbemaTVが立ち上がったりする中でいろんな付き合いも増えていって、3年間ぐらいUUUMの顧問をしたり、ネット界隈の人たちのつながりがすごい増えていったんです。
その中で僕が自分のオフィスを持っていて、その地下がずっと空いていたんですね。友達に貸したりとかいろいろやっていたんですけど、何か面白い使い方ないかなと。サイバーエージェントにいるAbemaの谷口建彦っていう人が、「おさむさんらしい使い方として、利益にはならないけどシェアオフィスをやってみては?面白いですよ」って言われて、あ、面白いかもと思って。どうやって人を募集しようかと考えたときに、ちょうどオンラインサロンもやっていたので、オンラインサロンで面白い起業家とか、サイバーの投資の担当の人がうちと相性のいい人を連れてきてくれたりして。
そこから最初は投資うんぬんは考えずに、まず面白い仲間を募ろうみたいな感じでやっていくうちに、だんだん面白い人たちが出入りするようになって。今けっこう調子いいですけど、Webtoonのソラジマとか。
石橋
結構大きくなられてますよね。
鈴木
ソラジマの社長、萩原鼓十郎と前田塁が、まだ二人だったんですよ、うちに来た時に。
石橋
本当に創業期ですね。
鈴木
そうそう。その時はYouTubeのアニメを作ってる事業だったんですけど。うちに入ってる人たちと結構飲み会をするんですよね。飲み会をすることによって横のつながりもできるし、IT以外の僕の人脈を紹介したりするスタイルでやってるんです。合宿も半年に一回やるようにした時に、いろんなメンターになる人も呼んだりとかして。そこでソラジマがいきなり「縦読みをやる」って宣言して、そこから半年で本当に立ち上げたりとか。
そういう成長を見てると面白いなと思って、エンジェルで投資させてもらったりっていう会社がどんどん増えてきたりして。こういうのも面白いし、ある種、放送作家ってテレビ番組を0から育てて、芸人さんとかタレントさんを育てていくっていう作業と、ちょっとなんか似てるなって思うところがあって、この仕事面白いなと思っていたんです。
(放送作家を)辞めるって決めた後に、うちのシェアオフィスとか、今一緒にファンドやってる仲間とか、後にやることになる仲間とかに飲んだ時に、「俺辞めたら何向いてるかな?」って聞いたんですよ。こういうのって意外と人の方が自分のこと見えてるなと思ってて。そしたら「ファンドを本気でやる気ないんですか?」って言われて、「そっか、ファンドをやればいいのか」と思って。そこからですね。
石橋
なるほど。
鈴木
(放送作家を)辞めたのが2024年3月31日で、2023年の5月とか6月ぐらいにファンドをやろうと思って、一番最初に頼れる人は誰だろうと思った時に、「サイバーの藤田晋さんだな」と思って。
石橋
強いですね。
鈴木
藤田さんに相談しにいって、「こういうことやろうと思うんです」「それは面白いですね」と。ただ、僕が放送作家を辞めることに対しては非常に残念と言ってくれながらも、でもそれはとても面白いかもしれないっていうのを言ってくれて、うちのLPとして参加することをすぐ決めていただいたんです。
その次にプライベートでもお付き合いさせていただいてる株式会社MIXIの笠原健治さん。そんな仕事の話をちゃんとしたことなかったので。
石橋
がっつりプライベートでのお付き合いだったんですね。
鈴木
「家族アルバムみてね」ってサービスが出た時に、僕と妻が宣伝したことで名が広まったことをめちゃくちゃ感謝してくれてるんですよ。本当に義理堅くて。「実はこういうことをやろうと思ってるんですけど」って言ったら、「そうですか、面白いですね」って言って、その日の夜に「投資します」って。「早い!」みたいな。かつ、自分でもガッツリちゃんと投資しようと思って、自分のファンドに自分で出そうと思って、自分でも出したんですよね。まずこの3社というか3つが固まって、放送作家をやめますって言った後に、そこから固めていったんですね。
正直その中で、放送作家をやめる僕に価値を感じなくなった人もいる。すごくいい勉強になって。LP回りをしてる中で、「いいですね」って言いながらスッと何も言ってこない人とか。だから放送作家じゃない僕の魔法が消えてんだなって。逆に僕が放送作家だろうが何だろうが関係なく、今までの僕に対してのポテンシャルを買ってくれた人、僕の未来に対して「それ面白い」って言ってくれる見知った仲間が、めちゃくちゃ応援してくれた。
意外と近場の人に頼んでなかったんです。近すぎてちょっとなと思ったんですけど、どんどん応援チームが集まってきたのと、サイバーチームが一緒にLP回りをすごくいろんなところに回ってくれて。それでけっこう大きかったのが博報堂さん。博報堂さんも一緒に行ってもらって、いきなり矢嶋弘毅社長が来てくれたりして、博報堂とDYメディアパートナーズ2社での投資を決めてくれたり。「エンタメアベンジャーズ」みたいなのができないかなと。サイバーさん、MIXIさんがいて、そこに博報堂さんとかいて、どんどんいろんなチームが名乗り出てくれて、講談社さん、KADOKAWAさん。
面白いのがエフエム東京さんは、投資とかやられてないと思うんですけど。
石橋
そのイメージ全然ないです。
鈴木
ニッポン放送は(投資)やってるイメージあるじゃないですか。僕がその話をちょっとしてたら、エフエム東京さんは、今からのラジオの未来も含めて、あと僕が20年番組やってるんで「ぜひそれを!」って言って、すぐに社長さんも会って、けっこう早めに決めてくれて。そういうことをやってない会社が、しかもLPでファンドに投資するって結構ハードル高いじゃないですか。そしたらJFNさんって、ジャパンエフエムネットワークの方たちも入ってくれたりとか、あとワタナベエンターテインメントとか。
石橋
事務所系の方々も入ってるんですね。
鈴木
芸能系の人たちも入ってくれたりとか、すごくいっぱい入ってくれて。例えば焼肉ライクの西山知義さんとか。僕がすごい大事だなと思ったのは、うちに起業家が来るじゃないですか。その起業家から僕が期待されることって、アイデアもそうですけど、プロモーションもデカいと思うんです。そう思った時に、飲食系が入ってきたら西山知義さんってプロがいるとか、何か全国で必要なことがあるって時には博報堂さんにお願いするとか、KADOKAWAさん、講談社さん、その道のプロが集まることによってやれることがめっちゃあった。
プレゼンしにいく時に決めてたことはtoCコンセプトってところですね。toCファンド。言っても投資家のプロじゃないんで、僕はtoBをやるべきじゃない、分からないので正直。
石橋
toCのプロだったってことですね。
鈴木
そうですね、toCに対して僕がやってきた事って、今エンタメもそうなんですけど、番組の中で旅も飲食もさんざんやってきた。外食産業とテレビっていうのを掛け合わせたのが自分だなって自負もある。目利きはできるんじゃないかと思って。その話をしてたら、幻冬舎の見城徹さんと僕が『仕事の辞め方』って本を出して、そのプロモーションのあと飲みに行ったときに、株式会社yutoriの片石貴展くん。
石橋
最近かなり絶好調ですよね。
鈴木
「こんなことやるんです」って言ったら、「えっ!」て言って、「うちもLPとして入っていいですか?」と。自分たちが多分toCで立ち上がり苦労したと思うんですよ。だからこそ、うちのファンドに入ったりとかして、人も紹介してくれるし、あとやっぱり応援したいと言って。株式会社タイミーの小川嶺くんも入ってくれたりとか、つい最近この1、2年でちゃんと上場した人たちも入ってくれて、リアルな苦しみとか教えてくれる。立ち上げ時期の。そういう布陣でやれたらリアルだし、プロモーションも早いし、あとスピード。例えば3年のものを1年っていうスピードにできるんじゃないかなと。
基本は僕がGP1人でやっていくんですけど、ステージはプレシリーズAくらい。めちゃめちゃシードというよりか、やりたいことは決まってるみたいなところが投資しやすい。なんとなく3000万〜5000万円が理想は理想ですけど、シードでも結局僕は人で見ちゃうんで。その人が面白ければBETすることもある。
もう1個は、起業家を募集するスタイル。ずっと社長をやりたいっていう人もいれば、1個会社やったけどうまくいかなかったとか、バイアウトして2個目に行きたい場合も最近多いので、そういう人たちに自分がまずこっち側で考えたものを一緒にうちのファンドでお金を出して出資するし、結構コミットするからやらないかというパターン。
これが配信してる頃にはやってると思うんですけど、退職代行。分かりやすいし。僕にアドバイスしてくれた人がいて、僕は今年『仕事の辞め方』という本を出して、「ソフト老害」とかひとり歩きしたんですけど。
石橋
ソフト老害は僕もキーワードとして先に知って、その後に鈴木さんが考えた言葉だと後から知りました。
鈴木
ソフト老害の権化みたいになっちゃったんですけど。『仕事の辞め方』があるから、多分退職代行的なところとうちのファンドが応援してるってことは相性がいいはずだと。そういう考え方があるなと思って、やりたいっていう社長がいたんで、すごいガッツあるんで「これ(退職代行)どう?」「ぜひやりたいです!」と。
ポイントはやっぱり退職代行って、見方を変えると、会社側からすると「悪」って思う人もいる。でも、もっとカジュアルになってくる。そのイメージをちょっと変えられないかなってことも含め、社名が「スマートヤメマス」。
石橋
ちょっとカワイイですね。
鈴木
少なからず辞める時に、退職代行から電話かかってきて「スマートヤメマスです」って言われたら、「スマートに辞めようとしてるな」って少なからず希望は伝わる。無駄に挑戦的にならず。スマートヤメマスって会社を作ったんですね。この動画が出てくる頃にはスタートしてるはず。そのスタイルで自分が合いそうとか、そういうことも含めてやっていきたい。
もう一個は、イベントプランニング会社を作りたい。
石橋
スタートアップファクトリーとして?
鈴木
また社長を立ててという形で。イベントプランニング会社を作りたい理由があるんですけど、今言えないんですけど、自分の中でこれはいけるっていうのがあるんで。もしこれ観てる方で(やりたい方がいたら)、スタートアップファクトリーに申し込んでほしいんですけど。
難しいのが、芸能系とかエンタメ系のものを考えてる人が僕に求めるのって、プロダクションのつなぎとかそういうものだと正直、自分で違う音声コンテンツを考えてプロダクションを繋いだ方が早い。だけど絶対僕じゃ思いつかなかったりとか、ガッツも含めてですけど、自分がやった方が早いと思ってしまうと、ちょっと残念だと思うし。
芸能とかエンタメに関しては、例えばショートドラマって流行ってますけど、多分どの投資家よりも僕めちゃくちゃリアルに分かる。見えすぎるところがそこが自分の武器だと思うんで。そういうエンタメを見ながら、そういうところに目利きが効くはず。投資もしたいし、あとは起業家募集スタイル。本当にアイデアだけでもいい。ガッツがある人。大事なのはこの令和6年でも根性だと思ってるんで。
だから自分なりのやり方。僕はずっと放送作家でバラエティをやってきて、30歳からドラマをやったり舞台をやってきたけど、ずっと脚本家やってきた人には敵わないって思った。放送作家の僕だからこそできるものがあるはず。他の人が絶対思いつかなかったりするアプローチがあるはずと思ってやってきたんで、おそらくファンドもVCも、僕にしかできないやり方で勝負しないとなって思ってます。
日本を変える事業に投資したい!鈴木おさむがファンドにかける想いと今後の展望【スタートアップファクトリー 鈴木おさむさん vol.2】
石橋
始められる前と実際にLP(有限責任組合員)さん回り始めて、全然違ったとか手触り感とか、基本的には順調だったんですかね?
鈴木
どうだろう。でも実際に色々向き合ってみて、最初に本当に乗ってくれたサイバーエージェントさんと笠原さんにはマジで感謝ですね。最初ってなかなか参加しにくいじゃないですか。だから断られたLPさんも当然いるんですけど、悔しい思いもめっちゃあった。だけど悔しさよりか、自分を応援してくれる仲間に感謝してるっていうのがあって、そこを大きく感じた1年でしたね。
起業家さんで言うと、例えばお笑いって、ダウンタウンさんが生まれて吉本の人たちが売れて学校ができて、ネットができてからお手本があるじゃないですか。お手本があるから、ある程度の子でも漫才やコントが上手かったりっていう風になりましたよね。例えばラップとかダンスとかも、ネットの登場によってお手本があって、小学生の人でもラップ上手くなるわけですよ。
ということは、多分起業家も2000年代のITブームですよね。それこそ藤田さんとか堀江さんとかいろんな人が出てきて、ビジネス本が売れて、お手本がめっちゃ多いじゃないですか。だからすごいみんな優秀なんですよ。でも優秀なんですけど、お手本が多い分、最初のバリュエーションとか、気持ちは分かるんですけど、バリュエーションの値段の付け方とかも、ちょっとファッション的なことを感じてしまって。そういうところを意外とちゃんと見極めていかないといけないなと思いますね。だからすごい勉強になります。
石橋
改めて、リリースベースだとファンドサイズは15億円でしたっけ?
鈴木
もともとは15億円を目指して「15億円で」って思ったら、多分おそらく20億円を超えて、それで20数億になってきたので、本当にありがたいです。でも、これでもっと当初よりいろんな戦い方、いろんな投資ができるなと思ってます。
石橋
今後はLPさんを巻き込んで、投資先のサポートもされるんですか?
鈴木
もちろんです、もちろんです。LPさんに対してのただの報告じゃなくて。例えばローカルのテレビ局も入ってくれてるんですよ。KBC(九州朝日放送)、北海道テレビ、東海テレビとか。要はそうなるとローカルって、情報番組の視聴率とかも東京よりもすごい高いし。
石橋
チャンネルの数が少ないからそうなるんですか?
鈴木
まだテレビ文化っていうことがすごく強くて、情報番組とか強いし。今挙げた福岡、名古屋、北海道って、スタートアップも結構多いじゃないですか。そういうところと組むことによって、バックアップできることも絶対にあると思ってるんですね。そういうLPさんとタッグを組みながら、何かパッと出た時に自分のアイデアだけじゃなくて、「ここはあそこと組んだらいいかもしれない」とか。
TGC(東京ガールズコレクション)やってるW TOKYOさんも入ってくれましたが、「この形だったらTGCとこういう組み方できるんじゃないの?」とか。けどLPさんもそれを求めるんですよ。「今まで自分たちには出来ない新しいやり方。鈴木さんだったら間に入ってやってくださるんじゃないか?」と。直接W TOKYOとかだったら、社長の村上くんとかも長いので、直接話して「面白いじゃん!」ってなったりとか、そういうことができる。やっぱりみんなクリエイターでいたいし、なんか面白いことしたいっていうのは全員共通なんですよね。そんなことが出来たらいいなと思ってます。
もちろん僕の場合は内容もそうですけど、でも内容って変わっていったりするじゃないですか。その中でやっぱり人がまず輝いていたり、人が根性あると、そこには投資をしたくなるっていう感じですかね。
面白いところで言うと、株式会社Gab、エシカルなものを売ってる会社で、有楽町のマルイに店舗があって、エシカルなもののセレクトショップなんです。この会社がすごく評判がよくて。りんごのカスで作ったレザーとか。
石橋
へえ。
鈴木
最初エシカルなものって偏差値高いなって思ったんですけど、でもたしかにこれは欲しいし、そういう意識って結構あるじゃないですか。ここの会社がそういうのを集めていて、結構いろんな大きい企業が応援してくれてるんですよ。かつ、この会社が結構ゴミ拾いイベントをやっていて、子どもを巻き込んでめちゃくちゃうまくいってるんですよ。なのでこれもエンタメじゃないですか。
石橋
確かに。
鈴木
こういうことも僕にとっては、アップルレザーも言ったらエンタメだなって思うんですよ。企画として面白いし、ゴミ拾いイベントもエンタメとかっていう時に。
面白かったのはこの間、キングコングの西野とたまに飲むんですよ。いろいろ情報交換をして。彼は僕が(放送作家を)辞めることもすごく面白がってくれるし、僕が新しいファンドをやることも面白がっていて。うちのシェアオフィス出身の起業家と山内萌斗が、すごい西野のことが好きだって言って、飲み会に連れて行ったんですよ。
結構飲んだ時に、彼がやってることってゴミの事業じゃないですか。『プペル』ってゴミがテーマじゃないですか。山内萌斗が自分のゴミのイベントを説明した時に、西野がいきなりスマホ出して「もうLINE交換しよう!」って言って。そこから仲良くなったんですけど、翌日、萌斗が「西野さんの持ってるIPと、うちがコラボレーションしたらすごくいいなって思うんですけど、西野さんって株主になってくれたりしますかね?」って。「それは分からん!自分で聞いてみろ!」って言って、自分で聞いたっぽいんですよね。
それで僕がTwitter見てたら、西野のつぶやきで「昨日、呑み席で出会った若手起業家から、さっき『出資してください』と連絡があったので『する!』と即答した。呑み会って大事!」って。「決めたんだ!」と思って。そこでびっくりしちゃったんですけど。それによって西野が入ってくることで、結構強力なパートナーじゃないですか。今の成長最終段階で言うと。
紹介はしますよね。でも最後に勝ち得たのは彼の根性なので。彼のことを「面白い」って思ったから、多分西野は決めたんですよね。「LINE交換しましょう」なんて普通言わない。これ今めっちゃ分かりやすいので例としていいなと思ったんですけど、そういう取り組みとか幅の広げ方。1年がこれによって半年になるかもしれないし、子どもが集まった時に西野のやってるIPを借りることによって、より分かりやすくなるかもしれない。そういうものがあって。
結構投資してるところも、動画系も含め増えてきたんですけど。あとは「好きこそ物の上手なれ」って思うんですけど、この間社長に会ったネイリー(Nailie)。
石橋
ああ、ネイリーさん。
鈴木
社長が元々渋谷でギャル男的な感じだったと思うんですけど、その中で「好きこそ物の上手なれ」でできたサービスじゃないですか。あれって多分、それに関わってない人が机で考えるビジネスじゃないんですよ。これぞ僕の中では「toC」だなって思うところがあって。だからどんなジャンルをって言うと、飲食も気になるし、メイク・ファッションとかの新しい「toC」とのアプローチの仕方だったりとか、そういうところはやっぱり面白いし。机の上で考えたものもいいんですけど、自分の人生と経験からこぼれ落ちてきたものはめちゃくちゃ強いなって思うんですよね。僕、絶対に暴走族出身のバイク屋が一番売れると思ってるんですよ。
石橋
バイク愛はめちゃくちゃ強そうですよね。
鈴木
バイクは暴走族出身が売れると思ってるんですよ。
石橋
改めて言うと今後、VCとして今52歳でいらっしゃる中で、どういうことを最終的に成し遂げていきたいですか?
鈴木
自分がこの30年の中で、例えばSMAP×SMAPとかめちゃイケに携わって。僕は一作家で入ったんですけど、「マネーの虎」が立ち上がった時に、今となったら投資って当たり前だけど、投資をカルチャーにしたりとか、いろんな現場に立ち会ってきましたけど、そうやっていろんな番組を作れたかなって思うんですよね。テレビっていろんないま問題があるじゃないですか。でもその中で経験値を生かして。
僕は今度このファンドをやった時に、例えばサイバーエージェントだったり、MIXIだったり、ファンドに入ってくれたDeNAとかみたいなものが、10年後にうちのファンドから生まれてほしいですね。それを言うと「無理だろう」って言う人もいるかもしれないけど、でもそれ言わないとダメだろうって思うんです。だから自分がアシストしたことによって、サイバーエージェント、MIXI、DeNA、KADOKAWAとかも含めて、ドワンゴとかもすごいじゃないですか。20年くらいで生まれたものとして。だから日本の景色をちょっと変える、大きく変える会社を立ち上がるお手伝いをしたいっていうのはすごい思ってます。
僕の中では景色を変えるって大事だと思っていて。例えばLUUPとかすごいじゃないですか。ここの2年の間で日本の景色を変えましたよね。
石橋
そこらじゅうにLUUPのポートがある景色になってますもんね。
鈴木
だからそういう景色を変えることのお手伝いをしたいと思ってるんですよね。あとは自分の中では、これあんまり外で言ってないですけど、すごい興味があるのが、エンタメのプロジェクト出資。
石橋
プロジェクト出資。
鈴木
例えば映画って製作委員会で作ったりとか、音楽とかもそうなんですけど、アメリカとかだとエンタメのプロジェクトに出資して、売上のパーセンテージをもらっていくのがあると思うんですけど、プロジェクト出資って日本では恐ろしくないんですよね。自分が正解が見えてきたら、僕が立ち上げるプロジェクト出資みたいなことに対して、みんなが乗ってくれるんじゃないかなって思うんですけど。
それもスタートアップファクトリーがある程度うまく発信していかないといけないし、発信したら僕が思い描く「エンタメプロジェクト出資ファンド」みたいな、新しい日本でありそうでないものが作れるんじゃないかなって思ってます。韓国がすごいブームになった後に、今日、日本にバトンが渡ったと思うんですよ。漫画もそうだしドラマとかも。日本のカルチャーとエンタメってすごい。「ゴジラ-1.0」がアカデミーで賞を取ったりして、いよいよバトン渡ってきたって思うので、そのタイミングでこうやって「toC」のスタートアップファンドできるのもそうだし、プロジェクトファンドみたいなものがこの5年くらいで何かできたら面白いなって思って。絶対リーダーが必要で、経産省がいろいろやるんですけど、みんな決めようがないと思う。だから僕みたいな人が前に立って、いろんなチームができる中で、誰かが前に立たないとダメだと思うので、そういうことも出来たら面白いかなと思ってます。
石橋
ありがとうございます。全体通じて僕も今回のインタビューにあたって、いろいろと鈴木さんの過去の動画とか拝見したんですけど、このスタートアップ向けだからこそお伺いできたこともあるのかなと。ぜひいろんな起業家の方、おそらく鈴木さんと話したいなとか、スタートアップファクトリーさんとご縁作りたいなって方多いと思うんですけど、どうやってご連絡するのが一番いいですかね?
鈴木
スタートアップファクトリーのHPがあって、そこにinfoがあるので、そこに言っていただいたらいいのと、あとは僕のインスタにDMくれる人もいたりして。それでももちろんいいんですけど、スタートアップファクトリーのHPのinfoにいただくのがすごくいいです。
石橋
ありがとうございます。動画の概要欄にお問い合わせのURLも記載しておきますので、ぜひ観て頂いた方はコンタクト頂いて。
鈴木
レイターでも、僕が入る意味というか、自分ができることがあれば、それはぜひですね。
石橋
ぜひこれから起業されるという方も、レイターでも、自分たちの事業との相性がいいと思われる方は、ぜひ積極的に声かけてみて頂ければと思います。それでは鈴木さん、最後までありがとうございました。
鈴木
ありがとうございます。