【東北を世界へ】地方で結果を出すため社長になった男のキャリア|スタートアップ投資TV
◯ 福留秀基 スパークル株式会社 代表取締役
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東北大学大学院通信工学専攻修了。 株式会社シグマクシスにてコンサルタントとしてクライアントへの新規事業開発・PMO案件・ビジネスデューデリジェンス・データ解析に従事。
株式会社MAKOTOキャピタル 代表取締役 就任。 MBOにより独立 スパークル株式会社 現在 代表取締役 。
ハイテク・R&D領域を中心としたベンチャーキャピタル業務、デジタルを利活用した東北発DXの推進、戦略領域を中心としたコンサルテーションを実施している。
震災直後の東北大学入学が人生を変えた
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capitalの石橋です。今回から、スパークル代表取締役の福留さんにご出演をいただいておりますので、福留さん今回からよろしくお願いいたします。
福留:
よろしくお願いいたします。
石橋:
今日は、スパークルさんの前身であるMAKOTOキャピタルさんの時代から会社さんとしてはご認識があるんですけれども、福留さんとは付き合いも良い意味で浅いところがあるかなと思いますので、いろいろとご経歴とか、そもそもなんで今ベンチャーキャピタル(VC)として、しかもマネジメント・バイアウト(MBO)をして独立したんだっけ、みたいな話も順を追って伺っていきたいと思っているんですけれども。
スパークルさん、前MAKOTOキャピタルさんは東北に特化って言うべきなんですかね?
福留:
そうですね、根差してますね。
石橋:
根差したベンチャーキャピタルさんとしてやられていらっしゃいますので、今日ちょうど青森県から弾丸で来ていただいたらしくて。飴ちゃんですよね。
福留:
リンゴが有名なので、可愛い飴ちゃんを。
石橋:
ありがとうございます。そんな感じでというのも変なんですけど、そもそも仙台というか東北ご出身なんですか?
福留:
実はそうじゃないんですよ。私は、大阪の堺市出身でして。東北と縁ができたのは、東北大学に入学したからです。
石橋:
大学生の時から東北に行かれたんですね?
福留:
そうなんですよ。しかもそのタイミングがたまたま2011年の4月でして。震災直後です。なので入学式はなかったんですね。
石橋:
受験はあって入学が決まっていて、1年生になっていきなりその状態で行ったってことですね?
福留:
そうです。入学式なくて、ゴールデンウィークの終わった時から仮設校舎で授業があって、周りの子はすごく悲しんでいる子とか、いろいろといる中で私の大学生活が始まりました。
大阪と東北って全然違う文化圏の場所なので、いろいろな喧嘩したりとか、いろいろな思い出ができましてですね。すごく東北いいとこだなという思いができて、1回東京に就職に出たんですけども。戻りたいなと思って、東北に戻るために転職としてMAKOTOキャピタルに入ったというのが最初です。
石橋:
関西に戻ろうじゃなくて東北に戻ろうだったんですか?
福留:
そうなんですよ。東北に戻ろうと思ったのが、関西っていっても人口としては東京の次に多い場所だし、私結構関西だと陰キャラなんですよね。
石橋:
関西人の割にはということですね?
福留:
関西人の割には、全然関西人らしくないんですけども。その中で東北に行くと、控えめな関西人がフィットしたらしくて、すごく楽しく生活できたんですよね。
関西に行っちゃうと自分が出ていけないと思うときに、東北に行ったらちょうどいいんじゃないかなと思って、今はすごく楽しく過ごしてます。
通信工学からコンサル、そしてVCへの転身
石橋:
新卒の時は東北大学卒業されてどういう会社に行かれたんですか?実際、金融系に行かれたんですか?
福留:
ではなくて、もともと私は東北大学では通信工学というのを勉強していたので、携帯の電波とかですね、5Gの研究とかAIの研究をしていました。
そこで大学の途中で留学をしまして、スイスに行ってたんですけど、そのスイスに行った時に、技術だけだと意味がなくて、やっぱり社会実装しないとダメだと。この社会実装をいかにするかという中ではVCだったりとか、あるいはコンサルみたいな人たちが頑張ってらっしゃるってことを知ったんですね。
東北大学だと推薦がいっぱいあって、研究職にいっぱいなれるんですけど、しっかりと社会実装していきたいなと思ってですね、コンサルにまず行こうと思って、シグマクシスというデジタルに強いコンサルに行きまして。
私もともと幼稚園の頃からずっとパソコンをいじってるような根っからのオタクだったので、プログラミングもすごくやってたんですけども。なので、自分の技術的な、デジタル的な知見も活かしつつ、社会実装できるというところで入りました。
石橋:
シグマクシスさんにはどのぐらいいらっしゃたんですか?
福留:
全然いなかったですね。2年と8ヵ月。
石橋:
約3年ぐらい?
福留:
約3年ですね。
石橋:
ご前職というべきなのか分からないですけど、東北に戻られてMAKOTOさんに入社されるんですか?
福留:
そうですね。東北に戻ろうと思ったのもたまたまで、MAKOTOの先代の竹井という創業者が震災を機に作ったのがMAKOTOという会社なんですけども、そのMAKOTOの記事をどなたかのFacebookで流れてきたのを見て、私酔ってたんですけども、「面白い会社だな」と思って。
その時にたまたま私の先輩が社員だったのもあって、「こんにちは」みたいな感じで連絡するとトントンと進んで、すごく志がある。かつ私がやりたいことに近い会社だなと思って入ったという形です。
震災後の東北を支えたMAKOTOという志
石橋:
当時のMAKOTOさんはどういう会社で、どういうことをやられていらっしゃったんですか?
福留:
もともとMAKOTOという会社は一般社団法人からできています。本当に東北に津波が来て、ただでさえ人口減少がすさまじい地域の中で、もう追い打ちをかけるかのような状態になって、このままだとなくなってしまうんではないかという危機感から、竹井という人が、もともと東北にあった若手VCから独立して作った会社です。
石橋:
もともとVCなんですね。
福留:
もともとVCです。東北にVCがあったんですけど、そこの若手だった。とはいえ若手なのでファンドレイズというよりは起業支援、困っている人を助けようというところで。
今では有名なMIGAKI-ICHIGOのGRAさんとも仲良いんですね。あるいは、ポケットマルシェの会社さんの雨風太陽の高橋さんとか、いわゆる震災後の志士と呼ばれるような方々と、起業支援したりとか、一緒にやったりとか、あるいはEOという団体を作ったりとか、いろんなことをして、ファンドも作り、アクセラも仙台市さんとセッションした。
そのうちの、起業の支援をする事業をMAKOTOキャピタルという形で分けて、もう1個が自治体の支援をしているところをMAKOTO WILLという形で分けて、MAKOTOキャピタルの方に私は入社させてもらって、そこをMBOしたという形になります。
石橋:
なるほどですね。MAKOTOキャピタルさんには何年間いらっしゃったことになるんですか?
福留:
私はMBOをする前までで、2年と7ヶ月ぐらいですかね。
石橋:
それこそ一番最初シグマクシスさんに約3年行って、MAKOTOキャピタルさんにも約3年ぐらいいらっしゃったって感じなんですね。
福留:
そうなんですよ。とはいえ、私が社長になったのが入社して半年後なんですよ。
石橋:
そういう感じなんだ。
福留:
はい、そこから社長をやらせていただいて、株も買い取ることになったのが、2022年の8月末です。
入社半年で社長就任、コロナ禍が後押しした決断
石橋:
そういう流れなんですね。なんでそんなすぐ社長になったというか、新卒3年目とかのタイミングってことですよね?
福留:
はい、これは本当に竹井の志なんですけど、本当に尊敬してます。
理由は2つあって、1つが竹井が後身を育てていきたいと。震災10年目の節目になる中で、次の世代を育てないとまずいというところで、私を僭越ながら認めていただいて、「社長向いてると思うから1回やってみたら」と話をいただいたのが1個。
もう1つが、コロナがちょうど2019年12月に私が入ったので、ちょうどコロナが起き始めた。コロナが起きたときに、竹井はそういう変化にすごく敏感な方でして、「何か時代の転換点になるはずだから、自分でも新しいことをしたい」というところで、新しくビジネスをするために今のビジネスを譲りたいという話で社長を譲っていただいた形です。
石橋:
実質、MBOで独立する前段階から社長業としてキャピタルをもう約2年くらい引っ張ってきていらっしゃったんですね?
福留:
そうですね。七転八倒の中、何が起きているのか分からないですけどやっております。
「東京以外を日本と思ってない人」への反骨心
石橋:
MAKOTOキャピタル時代の話を引っ張っていくと、ファンドの話になっていっちゃうので、そこを避けていくと、なんでVCとして独立しようと。
ある意味、MBOをしないかとか、社長をやらないかって話になってくる。もちろんそれがグループの中での社長であれ、MBOをするという社長であれ、なんでそれを選ぼうと思われたというか、他にはもしかしたら選択肢がいろいろあった中で、なんでVCとしてやっていこうというふうに思われたんですか?
福留:
これは東北に行く前の話に戻るんですけども、シグマクシスの東京時代です。東京時代に私が感じたこととしては、東京にはすごくビジネスのチャンスがあるし、お金もふんだんにあって、まさに大企業向けのコンサルティングファームというのが成立するような世界があります。
ただ逆に私が知っていた東北っていうところはそういう世界ではなくて、牧歌的なものを強要されているのか望んでいるのか、東京には資本主義があって、みたいなそういう対比構造があったんですよね。これが嫌だったんですよね。
一番私の中で嫌だったのは、チーム、コンサルの会社の仲間とか先輩後輩は大好きなんですけども、お客さんとか、いろんな東京の中で知り合った方の中では、東京以外を日本と思ってない人がいるんですよね。地方を馬鹿にするんですよ。
それがたまらなく私の中で直感的に嫌だったんですよ。であればそれを見返してやりたいというふうに思ってまず入っていきました。なので私たちはVCをしたいから入ったわけではなくて、地域を盛り上げたいから。地域を盛り上げたいというよりも、地域も何もなく、世界と毅然と戦える場所を東京以外に作りたかった。ので、入りました。
そうすると、MAKOTOキャピタルという会社なので、どうしても名前もそうですし、やっている事業としても東北のためにやっている金融業に思われてしまっていた。
私が入ったのは、コンサルをまず立ち上げたいと。私の専門がWeb3とかの前のデジタルトランスフォーメーションだったりとか、経営の改革みたいな話が専門だったものですから、新規事業を作るなどですね。
だから、既存の産業を頑張っていらっしゃる方々をテコ入れしていくということをしたくて話したんですけど、どうしても仙台とか東北だとコンサルって怪しい人になってしまう。かつ、若者だと認めてもらえないんですよね。なので「代表」って肩書きが欲しかったんですよ。
竹井さんに「経営してもいいから、私はそういう肩書きが欲しいです」と言ったときにコロナが起きて、「そんなに言うんだったらやってみたらいいじゃん」っていう心意気で一気に代表になった。そこはかなり苦労したんですけども、結果的になって良かったなと思っています。
震災10年、新たな価値観を並行して作る
石橋:
その上でMBOは、次のフェーズでいうとどちら側からお声がけをしたんですか?さっきの竹井さんの方から、「そろそろ切り出していこう」みたいな感じだったんですか?
福留:
これもお互いにあって、1つは竹井さんの方から組織として、竹井さん自身が起業したいと。
周りを支援して東北を盛り上げるのももちろん大事だけども、「自分自身がそうなればいいじゃん」と。自分自身がそこで盛り上げられる存在になれるし、なりたいというところで、新しいチャレンジを応援してほしいという話もありますし、私もMAKOTOキャピタルという、名前がキャピタルということ、あとはMAKOTOという名前で竹井さんの会社、という色が良くも悪くもついてるんですね。
それは全然良いことがいっぱいあったんですけども、私としてキャピタル以外もしたいというところと、竹井さんを尊重しつつ、私たちMAKOTOグループっていうゆるい連合体に入ってるんですけども、別の東北として新しい価値観を並行して作っていかないといけないタイミングであると思って。
震災10年もあったし、スパークルという名前で独立しようという話をさせていただいて、「いいよ」という話で、そういった形になっています。
石橋:
おそらくこのお話も突っ込んでいくと、より自己紹介とは別のベクトルの話が始まっていきかねないので、ファンドのお話は第2弾の配信で、いろいろまた深く突っ込んでいきたいと思ってますし、界隈でも最近増えてきてる、いっぱいいるじゃないですか、MBOをする人。
なんでなんだっけ、みたいなところとかも福留さん目線で「こういう背景やっぱあるよね」「こういう歪み、良い意味でも悪い意味でもあるよね」というところは、MAKOTOキャピタルさんに限らずというか、一般論ベースでもいろいろ教えていただければなと思っておりますので、また次回もぜひよろしくお願いいたします。
福留:
お願いいたします。ありがとうございます。
【若者の起業】東北発VCが目論む世界への挑戦状|スタートアップ投資TV
7.5億円のファンドで東北×大学発に特化
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capitalの石橋です。今回も前回に引き続きまして、スパークル代表取締役の福留さんにご出演をいただいておりますので、改めてよろしくお願いいたします。
福留:
お願いいたします。
石橋:
前回は、そもそも福留さんがどういうご経歴で東北という地域にご縁ができたのかお話もいただきました。改めて今回、前身であるMAKOTOキャピタルさんはMBOされていて、スパークルとしてVCとしても独立をしていらっしゃるわけですけれども。
スパークルさんとしての今後の投資方針を伺っていく前に、改めてMAKOTOキャピタルさんの時代の運用されていたファンドのお話とか、どういう方針でやっていたというところをちょっと簡単に教えていただいてもよろしいですか?
福留:
はい、わかりました。いわゆるVCファンドとしてステージアップファンドという名前でやらせていただいております。こちらは、7.5億円ほどのお金を集めさせていただきまして、特に東北のスタートアップと東北の大学発スタートアップに特化する形で投資させていただいております。
あとは、アグリテックとか東北ならではのことが多かったりもしますし、特化と言いつつ東北のためというところで、例えば建設業向けのドローンを使ったデジタルトランスフォーメーション(DX)のソリューションを持っていらっしゃる会社さん、CLUEという会社ですけれども、そこにも投資をさせていただいております。
10億円規模の新ファンド、リード投資で500万円から
石橋:
改めて今後、スパークルさんとしてまたファンドを作られて投資していくぞ、みたいな、ちょうどそういうタイミングって感じですかね?
福留:
そうですね。いろいろなファンドを仕掛けようとは思っています。
石橋:
ここからはスパークルさんとしてどういう方針でやっていかれるのかというところをお伺いをしていければと思うんですけれども、目指していらっしゃる規模感であるとか、1社に対する投資の予算感であるとか、いわゆるリードなのかフォローなのか、こういう領域に、みたいなのって何かイメージとかもあられるんですか?
福留:
大きくファンド自体も2つやろうと思っておりまして、1個はVCファンドですね。もう1つがVCファンドではなくて、地域に対してニーズがあるインパクトファンドをやっていきたいというふうに思っております。
ベンチャーファンドについては、規模感としては10億円程度で、投資額としては本当に最初の投資として500~3,000万円、しっかりとリードを取らせていただく形を考えてはおります。
逆に東北にいらっしゃりたい、関わりを持ちたいという方は阻むつもりはなくて、ご相談いただいてフォローでも入ることも全然できるかなというのを思っております。
外の面白い人材をローカライズする10年間
福留:
東北という場所は、東北という産業資源だけだと発信がなかなかできません。
外の面白い方々をローカライズしていくっていうところもすごく大事なニーズがあるなと思ってまして、いろんな面白い産業が知られていない、もったいないと思っていまして、であればそれを我々が10年間一緒に育んでいくというのをこのファンドに想いとして込めていきたいなと思っています。
石橋:
領域とかビジネスモデルとかにフォーカスはされないってイメージなんですか?
福留:
そうですね。弊社のファンドもWeb3からディープテックまでやらせていただいているので、領域は問わないという形でございます。
まさにWeb3というところは特化していこうと思っておりまして、しっかりと産業を形成しないといけない段階において、Web3っていう観光の資源がたくさんある場所において特化できるんじゃないかというところで、仙台ってエンジニアが余ってるんですよ。
その方々が労働生産性をしっかり上げていくっていうところではスタートアップにも関心が高くなってくるんですね。そうするとITクラスターからの転身ということで、Web3っていうところは非常にポテンシャルがあるんじゃないかなと思っております。
東北大学発の宇宙ベンチャーとドイツ人起業家
石橋:
今後のスパークルさんの投資活動を象徴するような、今までの投資事例とかってあられるんですか?
福留:
2つありまして、1つがElevationSpaceという会社です。
この会社さんは、もともと小林さんという社長なんですけども、秋田のご出身でして、宇宙のことがどうしてもしたいというところで、JAXAの研究室がある東北大学に入ってきて、在学中に起業されて、ジェネシア・ベンチャーズさんとかから、私たちが入らせていただいた後にも投資していただいて、非常に盛り上がっている、Forbesに選ばれているイケイケな方なんですけど。
もう1つ面白い事例としては、mindbentoさんという会社さんでして、ドイツ出身の方なんですよね。もともとSAPのエンジニアだったり、コンサルをしていた方なので、EvernoteとかNotionとかの使い勝手の悪さに辟易としてたんですよね。
それで、mindbentoという会社を作られまして、私たちとMIRAISEさんでリードを取らせていただいて投資をさせていただいたんですけども、何を言いたいかと言いますと、mindbentoさんもグローバルしか見てないんですね。
地方だからこそ世界を目指す、若手支援の意義
福留:
東北の場所だからって、あるいは地方だからといって、東京じゃないからグローバルを見てはいけないわけじゃないんですよ。
むしろ地域発で世界に飛び出るようなポテンシャルを持った若手の方がどんどん出てくればいいなっていうのを思っていまして、まずその若手の方を応援するっていうところと、Web3っていうところをしっかりとやっていきたいなというふうに思って、そこの先は世界に東京を飛び越えていっていくと、そういったことを考えております。
石橋:
スパークルさんたちの今後の方針に若者は切っても切り離せないようなテーマになってくるんですかね?
福留:
そうですね。やっぱり東北にそもそも人がいなくなってきているので、その中での救いは、東北大学をはじめとした大学とか高専に眠る技術力とまだまだ来てくれる入学生、学生さんです。
この方々は絶対にまだまだいらっしゃるし、学生さんは4年に1回とか2年に1回とか3年に1回で入れ替わっていくので、この若い人にしっかり残ってもらう環境を作るっていうのが、私としての東北創生の一歩かな、というのは思っております。
スタートアップも既存企業も等価、経済循環を生む支援
石橋:
アクセラレータープログラムであるとか経営支援みたいなところもスパークルさんとして取り組んでいらっしゃる、みたいなお話も聞いたんですけれども、投資活動と連携していかれるものになってくるんですかね?
福留:
もちろんアクセラレータープログラムの方は投資活動と連携していくつもりでございまして、いろいろな自治体さんとご相談とかさせていただいております。
とはいえ、私たちが目指しているのは、東北という場所で経済循環を作っていく、我々自身が東北に拍車をかけて経済的な循環を作っていくのを考えてますので、スタートアップを1社作るのと、既存の会社さんを伸ばしていく1社は等価だと思ってます。
なので、スタートアップの方はもちろんしっかりと応援させていただくんですけれども、既存の産業を頑張っていらっしゃる方、例えば跡継ぎさんとか、この後廃業するところを、私のような親族外承継をするような方も応援していきたいなと思ってます。
そのために必要なのは新規事業を作ること、シードでもピボットも含めていろいろと一緒に考えていく。これを既存の産業の方だとガッツリと支援させていただきますし、スタートアップであればバランスを取りながら進めていくと、そういったスタンスです。
来年早々にファンド始動、MBO秘話は次回
石橋:
ありがとうございます。いつぐらいからスパークルさんとしての投資活動を始めていかれる予定なんですか?
福留:
次のファンド自体は来年の早々にはスタートできそうかなっていうところでは考えております。
石橋:
おそらくこの動画出てる頃には、間違いなく年は明けてるはずなので、スパークルさんのホームページを見ていただければ、すでにファンドがあられるかなとは思います。
福留:
かもしれないですね。
石橋:
前後する可能性はあれど、ぜひ関心があるよという方は概要欄の方に、福留さんのFacebookのアカウントですとかスパークルさんのホームページのURLも記載をさせていただきますので、ぜひそちらの方からお問い合わせもいただければなと思っております。
改めて福留さん、今回ご出演いただきましてありがとうございます。
福留:
ありがとうございます。
石橋:
次回は、今回ファンドのお話をいただきましたので、MBOで話題の話みたいなところもお送りできればなとは思っております。
【3年で独立したい人へ】30歳経営者が語るMBOのリアル|スタートアップ投資TV
VC業界でMBOが増加、2つの類型とは
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capitalの石橋です。今回も前回に引き続き、スパークル代表取締役の福留さんにご出演いただいておりますので、今回もよろしくお願いいたします。
福留:
お願いいたします。
石橋:
前回まで、いろいろお話もいただいてまいりましたが、改めて第1弾ではそもそも福留さんがどういうご経歴でいらっしゃるのか、第2弾の方で今回改めてMBOされて独立されたスパークルさんがどういう方針で投資活動されていかれるのかってところもお伺いしてまいりました。
今まさにキーワードとしても挙げさせていただいたMBOがこのVC業界で最近僕目線で見ると多いなという印象は持っていまして、VC業界のことにご関心をお持ちの方がどれぐらいいらっしゃるか分かりませんが、場合によっては事業会社さんからMBOを取得して独立されることもあるかなと思いますので。
今回はVC業界の話になりますが、福留さんから見て何で最近こんなにMBOをされるのか、どのようにみていらっしゃいますか?
福留:
VC、資本主義経済の中枢の機能を持てるようなVCとして自然な方向なのかなと私は思っていて、大きくは2つの類型があるかなと思ってます。
1つが既存の事業会社からパートナー陣が辞めて独立しますというパターン。もう1つは、もともとVCやってたところから多角的な事業をした時に抜けて、またリニューアルしてやっていくというパターンがあるかと思っていて。
石橋:
前者でいうと、DIMENSIONさんとか?
福留:
ANOBAKAさんとか。
石橋:
STRIVEさんはちょっと違うのか?
福留:
そうですね。あるいは、Gazelle Capitalさんもそれに近いかもしれません。起業されて独立するというのも大きくいうとその類型かなと思います。
石橋:
逆にスパークルさんのパターンも前者になるのか。後者の場合はドーガン・ベータさんとかサムライインキュベートさんとかが最近そういったところということですか?
福留:
そうですね。動きがあるかなと思ってます。
判断軸の多様化が投資対象を広げる
福留:
前者は一般的に起きて然るべきものかなと思ってまして、どちらかというとデューデリジェンスをやるってわけではなくて、自分の信念・価値観・判断に基づいてリミテッドパートナー(LP)さんのお金を預かりし、出していくと。
この判断の軸が多角化することに意義があるかなと思っていますし、それで純投資の部分以外のさまざまな社会的なリターン、LPさんへのリターン、社会のリターンが増えていくってことに対してLPさんが面白がってくれたりとか、あるいは社会としてもいろいろな活動できてるねってのがあるので。
まさに今日本のスタートアップ投資シーンとしても、例えばインキュベイトファンドさんがどんどん独立したらいいんじゃないかというところで、ファンズ・オブ・ファンズのファンドを作られたりとかされているのが自然な流れなのかなと思っています。
判断軸を増やして投資できる対象を増やしていくというのは絶対的に必要だと思っています。
石橋:
逆に後者の方でいうと、福留さん目線で考察してらっしゃるんですか?
福留:
後者の場合は事業整理であったりとか、あるいは多角化においての事業改変みたいなところが大きいかなって思ってます。
ツートップってわけにはいかないけれども、仲間としてやっていきたい。実は我々も前者であり後者であるところがあると思ってまして、資本関係がないという点では前者に近い独立になるんですけども、私たちMAKOTOグループという名前で、ある意味、商工会議所のような、そういった繋がりを持っているので、その点では親密だというところでグループ化しているというところもあるかもしれません。
ファンド業とコンサル、アクセラレーターの相乗効果
石橋:
さっきの後者の方の類型で事業整理というお言葉も出てまいりましたが、僕らGazelle CapitalというVCファンドだけでいうと、割とシンプルにファンド業中心の事業体になっているんですけれども、スパークルさんでいうと経営支援をしていらっしゃったりとか、アクセラレータープログラムをやっていらっしゃったり、もちろんファンド業メインかなとは思いますが。
そこは場合によって、事業整理をこのMBOのタイミングでするみたいな話とかってやっぱり上がったんですか?
福留:
本当にそれは私も悩みまして、我々が東北を盛り上げる。私も大阪出身でメンバーも全然東北以外の方もいっぱいいらっしゃるんですけれども、たまたまご縁がある東北を盛り上げるためにはどうしたらいいかっていう観点の中で考えた結果、この会社を1個にしてさまざまなことをしていくべきじゃないかというふうに思ったところです。
石橋:
ちなみにコンサル部門みたいなところとVC部門みたいなところ、両軸持っていたり、アクセラレータープログラムの事業体を持っているからこそ、投資業の方により掛け算されていくというか、相性がいいみたいなところってどういうケースとしてはあり得たりするんでしょうか?
福留:
大きく2つありまして、1つがLPさんとか、あるいは我々が投資検討している方々に対して、「こういった目線があるよ」と別の視点から、投資するかどうかだけじゃなくて、「私たちは難しいけれども、こういう会社さんいますよ」とか、あるいはLPさんとか地域の事業者さんには「こういうスタートアップさんいますよ」などまさにオープンイノベーションの架け橋の実行部隊を我々持ってることになりますので。
東北という場所を盛り上げていく、産業的な活発、活性化をしていくという点では大変重要じゃないかと思っているというのが1個です。
地域の事業承継問題にもアプローチ
福留:
もう1個は、地域というとスタートアップってなかなか少数派で、めちゃくちゃ大事なのは事業承継、あるいは第2創業、あるいは後継みたいな話です。
何万社という会社がその危機に瀕してるんですよ。事業承継されましたけれども、ご自身でされる気概のある方は正直少ない中で、起業家の候補の方が起業してから出すだけでは遅いんですよね。
その方に「自分でやらなくてもこういう会社もあるよ」とか、「1回こういうことに絡んでみたら」っていうのを言っていけるっていうのは、コンサルだったりとかでいろいろな方々とご一緒させていただいたりとか、私たちは新規事業とかデジタル活用、DXのことをいろいろさせていただいているんですけども、そういった目線として前向きな方々との接点を活用することによって。
今はまだまだできてませんけど、例えば事業承継、サーチファンド、あるいは地域の持ち株会社のプライベート・エクイティ的な動き、これは地域にすごく大事だと思っています。こういったところにも発展できるのではないかというのは思っております。
石橋:
ありがとうございます。逆にMBOというワードだけでいうと、それこそVCさんに限らず、様々な事業会社で社内ベンチャーを起こされていらっしゃる方々とかにも1つ選択肢としてありえるようなところかなと思いますし。
たまにこの業界でもMBOする前後で資金調達をされて、MBO資金にも当てられているケースってパラパラと散見されるかなと思う中で、MBOして良かったなとか、悪かったなとか、こういうプレッシャーが上がった、下がったなど、ポジティブな部分とポジティブとは言い切れないみたいな部分を福留さんのケースでいうとどんな感じなんですか?
MBOで得た「腰を据えた覚悟」と新しい価値観
福留:
私は特殊な地域の唯一の独立系VCというところもあるので、もちろんして良かったなと思ってます。
特にポジティブなところとしては大きく2つあって、 1つは私自身の気概と言いますか、これはVC業としても同じだと思うんですけども、自分の会社と株を持って従業員を雇ってやっていると。だから「みんな頑張ろうよ」っていうのを、腰を据えて言えるようになったというのはまず個人的にはすごく大きいです。
福留:
もう1つは、うちがMBOに際して名前を変えた。MAKOTOキャピタルっていう名前はどうしてもキャピタルとついていて金融業だなっていうところと、竹井さんがしっかり築かれてきた、震災からのストーリーをついた名前になっていると。
そのMAKOTOグループというのは名前に入っているので、その名前に対してリスペクトはすごくしてるんですけども、とはいえ震災を機になった名前と、別の並行した新しい価値観として「東北に新しい経済循環を作る」と、「産業を作っていくんだ」と、「お金をちゃんと儲けていこう」というところを主張できた。
これは地域の経済界とか皆さんの価値観として植え付けていけるのはすごく良かったなと思っています。
信念を貫くためのMBO、2馬力で世の中を良くする
石橋:
改めてMBOをしようかなって思われている方々には、フラットにした方がいいって言える感じですかね。
福留:
自分の中の信念とか伝えたい価値観が今の会社で成し得ないのであれば、してもいいんじゃないかと私は思います。もちろん喧嘩別れはしない方がいいですけども、仮にその価値観を「そうだね」となるならば、MBOをして2馬力で前の会社と自分の会社で世の中をいいものにしていった方が絶対いいかなと思います。
石橋:
最近MBOと言うべきなのか分からないですけど、もともと所属されていた会社で新規事業としてやっていて、元の会社には2割ぐらい株を持ってもらったまま、外でスピンアウトして、責任者の方が80%ぐらい持ち分があって、初めて割当増資に行くんです、みたいな人とかもチラホラいらっしゃるので。
それをMBOと呼ぶかどうかは置いておいて、事業会社の中から自分自身でやっていくんだっていうところで資本関係もちゃんと整理してやられている方は増えていくのかなと思うので。
ちなみにこういう方は仙台の中からも見つけていくというか、そういう方も全然歓迎なんですか?
福留:
もちろんです。仙台のみならず東北、あるいは地域の中で困っている方がいらっしゃれば、私に相談していただければ、MBO体験談とか独自の承継スキームを組ませていただきまして、ぜひ連絡いただけると嬉しいです。
石橋:
ありがとうございます。ぜひ概要欄の方に福留さんのアカウント等は記載させていただいておりますので、もちろんMBO関連のご相談もそうですし、これから東北地方を含め起業であるとか、創業を考えていらっしゃる方もご連絡をいただければなと思っております。
それでは福留さん、今回は全3回にわたりましてご出演いただきましてありがとうございます。
福留:
ありがとうございました。
