【独立の経緯】元ヤフーの2人がVCで独立するまでの物語!|スタートアップ投資TV
◯松山 馨太
Twitter▶︎ / ktmy0507
早稲田大学大学院卒。ヤフー株式会社入社後、株式会社GYAOへ出向、ネットワーク推進室室長、広告開発部部長としてパートナーとの事業開発、広告プロダクトの開発に従事。
その後、地域課題の解決を目的として起業、キュレーションメディアやC2Cサービスを開発、2018年10月よりYJキャピタルに参画。 East Venturesと共同で運営するアクセラレータープログラムCode Republicの共同代表として、シード期のスタートアップ支援に注力している。
◯大久保 洸平
Twitter▶︎ / koheei_okubo
東京工業大学大学院卒業後、ヤフー株式会社に入社。 入社後はYahoo!ショッピングにて、出店企業へコンサル営業、サービスEC事業立上げ、広告企画の業務に従事。 2017年10月よりYJキャピタル(現Z Venture Capital)に参画。 Eコマース領域を中心にBtoC・BtoB幅広く出資。
ヤフーでのコマース経験がすべての原点
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capitalの石橋です。
今回は恐らく配信当日に発表されているであろう、新しくファンドを組成されたお2人、New Commerce Ventures株式会社代表パートナーの松山さんと大久保さんにご出演をいただきます。改めて今回よろしくお願いします。
松山&大久保:
よろしくお願いします。
石橋:
併せてファンドの組成もおめでとうございます。
松山&大久保:
ありがとうございます。
石橋:
僕はベンチャーキャピタル(VC)歴6〜7年くらいなんですけれども、大久保さんが活動を始められた頃から勝手に存じ上げていたりとか、松山さんも前職だとは思うんですけれども、YouTubeの配信をずっとされていることも、僕らもYouTubeチャンネルをやらせていただいていたのでよく知っております。
視聴者の方はもしかしたらギャップがあるかもしれないんですけれども、改めてお2人から、そもそも今日発表したNew Commerce Venturesになぜ行き着いたのかみたいなところを改めて、お話しいただければと思っております。
そもそも今回、名前が非常に分かりやすいというか、誰が見てもeコマースに投資していく会社だろうと思うんですが、お2人ともファーストキャリアがずっとeコマース畑といいますか、どういうご経歴で今に至っている感じなんでしょうか?
松山:
僕はヤフー株式会社(現:LINEヤフー株式会社)に新卒で入社して、そこからは広告営業をやっていたんですが、GYAO!という動画配信サービスをヤフーが買収したタイミングで、GYAO!に出向して広告営業とか、放送局との共同開発をやって、その傍らで元々起業したいというのがあったので。
副業という形で起業して、地域課題の解決みたいなところでキュレーションメディアだったりとか、あとはサービス電子商取引(EC)というか、観光体験のCtoCサービスをやったんですけれども、そのCtoCの方が全然上手くできなかったところがあって。
その時にちょうどVCの人と話す機会があって、VCを通して事業開発のプロセスを学びたいというところで、当時のYJキャピタル株式会社(現:Z Venture Capital株式会社)にヤフーのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)として入らせてもらったという経緯になっています。
石橋:
大久保さんも新卒からヤフーグループでいらっしゃるんですか?
大久保:
私も最初に入ったところがYahoo!ショッピングという、当時eコマース革命というのを孫 正義さんが打ち上げて、「出店料と月額利用料を無料にします」というタイミングが就活のタイミングでした。それもあって、eコマースの中でも面白そうだと思ってYahoo!ショッピングを選びました。
そもそもなぜeコマースをやりたかったかというと、インターネットビジネスでメディアとか広告がある中で、どれも最終的にはコンバージョンまでさせるのが目的だと思った時に、ECが一番総合格闘技感があるというのが就活時に思っていたので、EC×一番変化率が高そうというところで、Yahoo!ショッピングを最初に選びました。
主に業務としては、モール型のビジネスモデルなので、出店者様の営業、全国を回ってどうやって売り上げるかの営業活動と、当時は物を主に販売するマーケットプレイスだったので、サービスと呼ばれるレンタルとかリフォームとか家事代行みたいな、物がないものをカテゴリーとして作ろうという新規事業をやっていた。
あとは広告、今だと福岡ソフトバンクホークスの優勝セールとか、PayPay株式会社のキャッシュバックとか、ユーザーにありがたいサービスがあるかと思うんですけど、その企画などをやらせていただいて、EC×マーケットプレイスのいろいろな角度での業務を2年半ほどやらせていただいていました。
その中で何か新しい挑戦をしたいと思い悩んでいた時に、今のZ Venture Capitalの代表の堀さんに拾っていただいて、YJキャピタルに参画したのが2017年10月というような経緯でYJキャピタルに入った形になります。
起業の挫折がVCへの転身を決めた
石橋:
元々お2人ともVCを希望して移られたという感じなんですか?
松山:
そうですね。
石橋:
ちなみに松山さんが起業された事業は結局どうされたんですか?今はVCとして独立されていらっしゃいますけど、外部のVCさんとご相談してそのまま起業とか、外に出てやっていくとかならなかったんですか?
松山:
どうすれば成長させられるのかというのが分からなかったので、その時点で1回失敗しているんですよ。
立ち上げてみたけど上手くいかなかったというのがあったので、そこのタイミングでその起業はリセットして、もう1回3年間くらいVCで経験を積んで、その経験を元に、3年後にもう1回立ち上げようという気持ちで入ったという感じでした。
シード支援とシリーズA投資、それぞれの役割
石橋:
それぞれのタイミングでZ Venture Capitalさんに所属をされていらっしゃると思うんですけれども、それぞれはZ Venture Capitalさんの中ではVCとしてどういうふうに活動されていらっしゃったんですか?
松山:
僕はCode Republicというアクセラレータープログラムを通じてシードステージの企業を支援していくというのがメインの担当という形でした。
そのプログラムを通じて創業資金を提供させていただいて、4ヶ月間のプログラムがあるんですけど、一緒にメンタリングさせていただいて仮説検証や営業同行したりとかをずっと一緒にやっていく、そんなことを担当していました。
石橋:
基本的にはずっとCode Republicを担当されていたということですか?
松山:
メインはCode Republicをやって、並行して僕もそのコマース領域の通常の投資というところも両方セットで担当させてもらっているという感じでした。
YouTubeで情報発信を始めた理由
石橋:
ちなみに松山さんはなぜYouTubeを始めたんですか?あれはほぼ同じタイミングで、2年弱前くらいからですよね。
松山:
そうですね。
当時VCになってみて、しかもVC経験とかコンサル経験とかがない状態でZ Venture Capitalに入ったので、自分の知名度というか、起業家の皆さんに知ってもらわないといけない。
それこそ皆Twitterとかで情報発信をやっていると思うんですけれども、海外を見ているとYouTubeで情報発信しているVCがたくさんいたんです。
当時は石橋さんくらいしかいない感じだったので、僕もそこでやってみようと思ったのと、結構起業家の皆と話していた時に、海外のスタートアップの企業名をYouTubeで検索していると聞くことが結構あったので、「YouTubeで僕を知ってもらおう」というのがきっかけでした。
石橋:
大久保さんもかなりいろいろなメディアで活動されていらっしゃるというか、僕の中ではブログのイメージがすごく強かったんですけど、今は音声メディアとかもやられていらっしゃいますよね?
大久保:
そうですね。今はブログとメールマガジンと音声メディアとTwitterをやらせていただいていて、これも堀さんの教えで、情報発信をして個人として選ばれるようになる必要があるというところで。YJキャピタルに移動して、SNSとかをやったことなかったんですけど、その日にアカウントを作って始めるところからスタートしておりました。
石橋:
VCとしてはどういうふうに活動されていらっしゃったんですか?
大久保:
VCとしては主にシリーズA以降をステージとしてはやっていて、領域としてはコマースがメインというような形になっています。
地域経済活性化への想いと2人での起業
石橋:
改めてそういうお2人がNew Commerce Venturesという形で独立をされるというのは、僕からするとすごく想像ができる次のステップだと思うんですけれども、視聴者の皆さんからしても、なぜそもそも2人でやるのかとか、そもそもなぜここに至ってるのかというか、どういうジレンマとか思い悩んだりとか、どうして今なんですか?
松山:
僕は3年間VCを経験したら起業したいというのがあって、ちょうど1年半前くらいから何をしようかと考えていたのが正直なところで、その中で元々副業として起業していた時も地域経済の活性化が僕の軸としてある部分だったので、その軸でやろうと考えていたんです。
その時に大久保と飲みながら話している時に、僕はVCとして独立したいという話をしていたので、大久保は今まで一緒に働いてきた中でもすごい信頼できるし、年は僕より若いですけど尊敬できるというところがあったので、彼と一緒に何かやれたらいいなとすごく思って。
その地域経済の活性化みたいなところも、今回のコマースやリテールみたいなところは全国に点在しているので、そこの人たちを活性化というか支援をすることができれば、地域経済の活性化というところに繋がっていくだろうというので、VCという形で起業してみようという感じでした。
コーチングを通じた内省が導いた決断
石橋:
今のお話に出てきましたけど、大久保さんは元々VCとして起業にチャレンジしようというふうに思われていたんですか?
大久保:
そうですね。それで言うとまだ1年前くらいから、YJキャピタルに来た時はVCという業務を全く知らなかったんですが、業務を通じて回るタイミングで、VCとして今後会社に残るにしても独立するにしてもやっていきたいというのをまず決めたタイミングが、ちょうど1年前くらいにありました。
やっぱりZ Venture Capitalの中でやっていくのもすごくワクワクしますし、いわゆる独立という両方の未来を想像した時に、両方ともワクワクするというのがあって、なかなか決めきれないというタイミングが結構ありました。
その中で松山さんが独立するということは知っていて、VCとしてやるかどうかというのは聞いていなくて、普通に事業としてやるというふうに思っていたんですが、このVCとして起業するみたいなところのアイデアが出た時に、その未来はすごくワクワクするというのがあったので。
もちろん松山さんとは3年間一緒に働いているので、人として信頼できるのは分かった上で、一緒にやるという決断をしました。
石橋:
1年前からVCとしてというのは、何かトリガーになったきっかけはあったんですか?
大久保:
YJキャピタルでコーチングを全社的に強化しようというタイミングがあって、その時に自分を内省するタイミングが増えていったんです。
そうすると自分の人生で何をやりたいのかみたいな青臭い問いがあって、その中で起業家は一番素晴らしい存在なのではないかと思ったんです。
より良い未来を創っていく原点になるのは、アイデアであり人であり起業家だなと思った時に、起業家の方を応援する何かしらの仕事は続けたいと思いました。
そうなった時にコンサルティングとか外部の第三者的なポジションがある中で、VCが株を持つという意味では構造的に一心同体になっているというところで、起業家を一番近くで応援できるというのがVCなのかなというところで、VCをずっとやっていきたいというふうに思ったのがちょうど1年前くらいで。
その中でどうやるのかというのは、YJキャピタルに残るとしても辞めるにしてもどちらでも正直良かったのかなというふうには思うんですが、最終的にはこのような形で独立にチャレンジしてみようというような形になっていますね。
起業家を最も近くで応援できる存在として
石橋:
僕もコーチングでいうと、独立する直前くらいの前職を辞めた後に、ちょうど年末年始だったんですけど、コーチングのマッチングサービスの株式会社mentoの木村さんにTwitterで「年末年始だから時間があるし新規のコーチング募集します」というので、1回だけしていただいたことがあって。
それこそまさにおっしゃっていたように、改めて内省化というか自己反省みたいなことをしてVCを作るみたいなところも1つ、僕自身も起業する立場として選んだというところもあったので、タイミングもそうですけど非常に共感するというか。
VCで起業している人はまだ少ないじゃないですか。たくさん今までVCの方に出ていただいているんですけど、同年代くらいで起業をしてVCとしてやっている方がすごく少ないので、ぜひこれからも仲良くしていただければと思っておりますので、よろしくお願いします。
これ以上聞いていくと新しく創業されるNew Commerce Venturesのお話になってしまうと思いますので、次回はそのお話をお伺いしていきますので、ぜひ次回も皆さん見ていただければと思っております。
概要欄の方に先ほど松山さんからお話もいただいた、Code Republicさんの最終発表会、DemoDayと呼ばれるものなんですが、その動画もスタートアップ投資TVに公開をさせていただいております。
概要欄にその動画のURLを載せておきますので、こういうプログラムを実際やられていた方々なんだなとか、こういう起業家の方々をご支援していたんだな、というところはしっかり見ていただけるかなと思っております。
【幅広い支援】ニューコマースベンチャーズの新ファンドを徹底深掘り!|スタートアップ投資TV
ファンド規模は20億円、シードからミドルレイターまで対応
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capitalの石橋です。
今回も、前回に引き続き、New Commerce Ventures株式会社代表パートナーの大久保さんと松山さんがいらっしゃっております。今回もよろしくお願いいたします。
松山&大久保:
よろしくお願いします。
石橋:
前回は、この新しいVCファンドであるNew Commerce Venturesに至るまでのお2人のご経歴や自己紹介をいただいたわけですが、今回の配信では、改めてどんなVCなのか、現時点で新規投資先がまだないのか、まだまだ知らない方が大勢いらっしゃるのかと思います。
まずは概要からお伺いしていければと思っているのですが、改めてどんなサイズ感であるとか、コマースと名前についているので、さすがにコマースだと思うんですけど、どういうテーマで投資していくのか、まず大枠から教えていただいてもよろしいでしょうか?
松山:
まさにNew Commerce Venturesということでコマースとあるんですけど、人によって言葉の捉え方が変わると思うんですけれども、僕らの中で考えているのはモノ・サービス・コンテンツ、そういった流通全体を指してコマース。コマース自体が商取引みたいな意味なので、そこのモノ・サービス・コンテンツの流通をアップデートしていくようなスタートアップを支援していきたい。
石橋:
モノ・サービス・コンテンツだと結構幅広といえば幅広ですね。
松山:
そうですね。結構幅広ではありますね。いわゆるモノの物販だけではなくというところを考えてはいます。
石橋:
ちなみに投資対象のテーマはざっくりとコマースというところに紐づくと思うんですけれども、ファンドの全体のサイズ感の目標やどういう規模のスタートアップに投資をしていくかというのはどんな感じなんでしょうか?
大久保:
ファンドサイズの目標は20億円を目指しております。
石橋:
だいたい1社あたりの投資金額でいうと、どのくらいをイメージして今計画をされてらっしゃるんですか?
大久保:
ステージとしてはシードとミドルレイターの大きく両サイドをやっていこうと思っているので、それぞれに対して出資金額が変わってくるんですが、シードの方については1,000〜5,000万円程度で、ミドルレイターの方は1〜2億円程度ということで考えています。
石橋:
基本的にそれぞれのタイミングでリード投資なのかフォロー投資なのか、そういうモットーみたいなものはあるんでしょうか?
大久保:
シードの方は主にリード、ミドルレイターの方はフォローがメインになってくると思っています。
石橋:
やっぱり分かれているというのも、前回の自己紹介のパートでお話はいただいているんですけれども、松山さんがご前職時代にアクセラレータープログラムをやられていらっしゃったりとか、大久保さんがシリーズA以降の投資を担当されていらっしゃったところもあって、棲み分けて活動されていかれるイメージなんですか?
松山:
そうですね。スタートアップの方々の支援みたいなところは2人で一緒にやっていくつもりでいるんですけれども、僕の方はシードの支援みたいなところをやってきたので、そこに重きを置いてやっていくという感じですね。
商材×ビジネスモデルで投資領域を定義
石橋:
先ほどコマースの大きいところの定義はお話を伺っていたかと思いますが、これからお2人に問い合わせをしていかれるような皆さんが、もう少しブレイクダウンして投資テーマといいますか、領域みたいなところをお伺いできると、より「これだったら自分も問い合わせした方がいいな」とか「むしろ僕たちのことだよね」みたいなところはイメージしていただけるのかなと思います。
もう少しかいつまんで、ブレイクダウンして教えていただければと思うのですが、お願いできるでしょうか?
大久保:
以前スタートアップ投資TVで話させていただいた全体マップなんですけど、それがどういうものだったのかを簡単にお話しさせていただくと、大きく商材×ビジネスモデルの掛け算で考えています。
商材は先ほどお話したようにモノ・サービス・コンテンツ。モノであればアパレルや家具も入ってきます。サービスであれば飲食とか不動産とか美容とかトラベルという、いわゆるモノの軸に、掛け算のビジネスモデルが大きく3つで、ブランドとマーケットプレイスとイネーブラー。
イネーブラーは支援する方々なので、BtoB SaaSのビジネスモデルなどいろいろあるのですが、3つ目はイネーブラーということで考えていて。旅行×イネーブラーも投資対象になりますし、デジタルコンテンツ×マーケットプレイスも投資対象になるという意味でいうと、この掛け算に当てはまるところは全て投資していくというような形で考えています。
石橋:
その概念で言うと、フォーカス外みたいな分かりやすい例はあり得るんですか?極論、全部商取引はそれにカテゴライズしようと思えばできてしまうような気もするんですけど、これはさすがに違うかな、みたいなのはあるんですか?
大久保:
社内向け業務効率化SaaSとか、あとはあまりにもディープテックのような創薬とか、そっちの方になると少し遠くはなってくるんですが、いわゆるライフスタイルに関わるすべてのものはコマースに包含されるというふうに考えています。
石橋:
なるほどですね。
コロナ・少子高齢化・環境問題が生む転換期
石橋:
先ほど大久保さんから頭出しをしていただいた少し前に、大久保さんにウェビナーでECについての歴史や、消費者直接取(D2C)についてのビジネスモデルのご解説をどっぷりといただいているコンテンツがありまして、概要欄の方にそちらも記載をしております。
改めて、どういうふうに大久保さんたちがECとかD2Cについて整理をし、投資テーマをもっていらっしゃるのかについては、そちらを見ていただくとより詳しく分かってくると思っております。
ちなみに、先ほど大久保さんから整理してお話をいただいたのですが、僕がコメントさせていただいたように、極端に言うとインターネットの商取引は昔からあると思っています。
一方で、ファンドのお名前がNew Commerce Venturesなので、そもそもなぜ今まで歴史が脈々とインターネット産業で続いている商取引のところで、どんな新しいところに投資をされようと思っていて、なぜ今なのか、みたいなところで言うとお考えってございますか?
松山:
モノ・サービス・コンテンツの流通みたいなところでいくと、大きな転換期に迫られているのが今なのかなと思っています。
特にコロナは本当に大きかったんですけど、コロナが起きてリテールの事業会社さんもみんなEC対応をしていたりとか、デリバリー対応をしていた。
あとは、少子高齢化で人手不足、例えばトラックの配送人員の不足とかもそうですし、地域でいくと、そこの消費者自体がその地域で減っていってしまうので、商圏自体を拡大させて販売拡大をしていかないといけないとか。
環境破壊もそうですね。SDGsとかサステナブルもすごく言われていますけど、今までの売り方とか物流というところが変わっていかなくてはいけない。あとは、まさにWeb3とか、その4つです。こういう環境変化が来ているのが今だと思うので、これらをアップデートしていくようなスタートアップ。
さっきの商材とビジネスモデルという話があったんですけれども、そこの中でもさらにそういった環境変化に適応してデジタル・トランスフォーメーション(DX)とかサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)とかをしていくようなスタートアップに、投資をさせてもらいたいと思います。
石橋:
本当に良い意味でも悪い意味でも広いし、考え出すとキリがないくらい難しい投資テーマなんだと、改めてお話を伺っていて感じました。
VC機能とコミュニティ機能の両輪で支援
石橋:
先ほど検討プロセスをお話いただきましたが、投資した後のコミュニケーションで言うとリード・フォローというところはそれぞれの起業家の方のステージによって変化するというところでしたが、何か具体的にこういうふうな支援をしていこうであるとか、こういうふうな取り組みを新しく準備しているみたいなものは何かあるんでしょうか?
松山:
それでいくと、僕たちが出資をするというVC機能とコミュニティ機能というものを結構重視しております。
もちろんVCとして出資させていただいて支援させていただくというのはあるんですけど、コミュニティのところにこの流通とかコマースという領域のいろんな企業とか事業会社を皆さんにパートナーに入ってもらう。
こういう企業と上手くコミュニティの中でスタートアップを繋いでいって、概念実証とか実際の導入だったりとか協業だったりという、そこのマッチングを促進させていくようなコミュニティを作っていくというところを支援の1つとしてやっていきたいと思っています。
石橋:
なるほどですね。基本的にかなり積極的に関わっていかれるみたいなイメージで概ね間違いはないんですか?
松山:
そうですね。そこはがっつり携わらせてもらいたいと思っています。
投資戦略を立ててから投資する、大久保流
石橋:
それぞれご前職で担当されていたラウンドというか規模感のスタートアップは、もしかしたら部分的に違うのかと思うんですけれども、どうしても新しいVCさんなので「どういう投資の事例がありますか?」というお話はしにくいところがあるかと思いますので。
ご前職時代に投資されていて、ご支援とかの活動であるとか、印象的だったところはあったりするのでしょうか?
大久保:
前職はコマース領域を主にやっていていくつもあるんですけれども、我々は投資するタイミング、投資戦略を立ててから投資をするというのをやらせていただいておりました。
そういった文脈で、中古車というのが海外だとすごくスタートアップが来ている、日本ではまだ来ていないというところで、株式会社アラカンさんに出資させていただいたり、あとはこのスニーカー版の株式会社モノカブさんにも同じような文脈で出資をさせていただいていました。
この領域をしっかり調査して、海外の事例とかを起業家の方とディスカッションして、一緒に事業を作っていくというところを意識しながらコミュニケーションをとっていることが多いと思います。
石橋:
大久保さん自身は投資に至るまでに、起業家の方と長くディスカッションする機会が多いんですかね?
大久保:
事業の話はすごくしますし、あとは3~5年後にどういう世界になっているかという、定性的な未来を議論することは多いかなと思います。
「共同創業者」として伴走する、松山流
石橋:
松山さんは印象的な投資先や担当先はありますか?
松山:
今、Priceyという価格比較アプリをやっている株式会社Wilicoというところです。思い入れというか印象深いのは皆なのですが、コマース領域というところと何回か投資した後もピボットしていったというのがありました。
山本 息吹樹くんが代表なんですけど、僕が思っているのは、シードなので共同創業者と同じくらいのポジションで支援していくというのを、この間もCode Republicの中でもそういう気持ちでやらせてもらっていました。
Code Republicを採択した時にも言っているのが、僕たちは皆の共同創業者なので、「皆の駒として使っていいよ」と言っています。なので、ピボットが発生する時も、一緒に「そこの市場調査は僕の方でやるね」とか、「海外のベンチマーク企業はこっちで調べてくるわ」とか、そういう分担をしてやっていく。
シードに関しては1人のメンバーみたいな位置づけで支援していくというのは、これからもやっていきたいなと思っています。
石橋:
なるほどですね。やっぱりその事業転換の時も、つかず離れず寄り添っていくというのは、Wilicoさん以外にもケースとしては前職時代とかにもあられたんですか?
松山:
そうですね。Wilicoさんとか株式会社cookpy(現:株式会社AccordX)とか株式会社Boomee(現:フレックスコマース株式会社)とか何社かあるんですけれども、結構みんなピボットする時にどういうアイデアでやっていくかという議論や合宿には一緒に参加してやるみたいなことをやっていました。
石橋:
起業家の方と事前に投資前からコミュニケーションを取られて、しっかり議論を尽くされた上で投資をしてご支援に入っていくというのが、お2人の共通するスタイルでもあるというところなんですね。
TwitterやFacebookのDMで気軽に連絡を
石橋:
ちなみにお2人に、今見ていただいている方、投資検討してもらいたいという場合は、何からご連絡するのが一番良さそうですか?FacebookとかTwitterですか?
松山:
そうですね。TwitterのDMかFacebookでも。
石橋:
承知しました。概要欄の方にお2人のTwitterのURLを記載させていただいておりますので、もしこれを見て、まずは議論からでも構わないと思いますので、お話してみたいという方はぜひご連絡していただければ良いのかなと思っております。
改めて、お2人とも第2弾のご出演いただきましてありがとうございます。
松山&大久保:
ありがとうございます。
新VCとして生き残るための戦略を語り尽くす!|スタートアップ投資TV
「想定通りにめちゃくちゃハードゲーム」──VC独立のリアル
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capitalの石橋です。
今回も前回に引き続き、New Commerce Ventures株式会社の代表パートナーであるお2人に来ていただいております。改めて、今回もよろしくお願いいたします。
松山&大久保:
よろしくお願いします。
石橋:
第1弾ではお2人の今日に至るまでの背景、第2弾ではどういうふうな新しいファンドとしての投資テーマであったりとか、投資活動をしていくのかというお話をいただきました。
第3弾の方では、新しく独立をされるVCさんということで、僕ら自身もある意味3年くらい前に独立をさせていただいて起業をしている立場でもあるのですが、テーマとしてVCの独立あるあるというか、最近のVCの独立事情みたいなところをいろいろとお話いただきながら、どういうふうなVCにしていきたいのかみたいなお話まで踏み込んでいければと思います。
まず大きい質問からいくと、今まさに独立をされていらっしゃって、想定よりもVCとしての起業は思ったよりイージーゲームなのか、思ったよりハードゲームなのか、実際のところどんな感じなんですか?
大久保:
思った通りにめちゃくちゃハードゲームだなと思っています。我々Z Venture Capitalで大きなトラックレコードがあるわけではなかったので、周りの方に相談した時も「お金集めするの大変だよ」というふうに言われていたので、そういう意味では想定通りにすごく大変だなというふうに思って、毎日具合悪いです。
石橋:
事業会社を起業されるケースではなかなかVCの起業のリアルは想像しにくいかもしれないんですけれども、どういうふうにコメントが返ってくることが多いというか、大変だという前提だとどういうフィードバックが多かったりとか、特に事業会社の方とか、金融機関の方から多かったりするんですか?
1号ファンドの壁──金融機関・事業会社・個人投資家の反応
大久保:
今ご相談させていただいている方は大きく3つのカテゴリーに分かれると思っていまして、1つは事業会社の方、もう1つは金融機関の方々、あとは個人投資家の方々といった時に、金融機関の方々は1号ファンドに入れるのは難しいとか、そういった意味で実績を主に見られるので、そもそも土台に乗れないというところがあります。
そうすると親しくさせていただいている個人の方々であったり、あとはコマース領域に非常に関心を持っていただいている事業会社の方々と主にコミュニケーションを取っているような形になっています。
石橋:
個人の方であればお付き合いとかご縁というところもあると思うんですけれども、事業会社の方だと僕の勝手なイメージではコマースに関連する方々だと非常に関心を持ちそうというか、積極的に関わってくれる方も多いのではと思うんですけど、それでも大変なんですか?
大久保:
大変ですよね?
松山:
大変ですね。
大久保:
「応援するよ」とすごく言ってもらえて、僕らはファンドは頑張るんですけれども、それ以外にもコミュニティ作りというのを頑張っていくので、そういうところで応援いただくというのは非常にありがたい、助かっているというような形なので、お金以外の繋がりでも大企業の方々、コマース領域の方々にも非常に応援されているというふうには感じますね。
VCとして生き残るための戦略──コミュニティ形成という差別化
石橋:
VCとしてお金集めが大変な中で、いかにVCとして生き残り続けるのかというか、長く活動し続けるためには、分かりやすく言うと勝っていく必要もあるのかなとも思っていまして。
最近VCさんも増えてくる中で、お2人としてはどういうところでVCとして生き残り続けていくために、どういう取り組みをやっていこうだったりとか、そこに対するお考えみたいなところは、大枠で言うとどういったところからお考えなんでしょうか。
松山:
僕らはNew Commerce Venturesでコマース領域に特化しているので、そこの人たちの知見や人脈が蓄積されて支援に繋がっていくものを作りたいと思っています。
まさに僕らもコミュニティに力を入れていきたいと思っていて、その領域のスタートアップというところと、領域のいろいろな事業会社や支援会社の方々が、勉強会やピッチイベントというコミュニティの中でのイベントで繋がっていったりとか、マッチングしていくという、そういう場をどんどん僕らも注力して作っていきたいなと思っていますね。
EC特化コワーキングスペース構想──在庫・物流機能を備えた支援拠点
石橋:
イメージでも構わないんですけれども、実際にその場を持たれるみたいなイメージなんですか?どういうふうにコミュニティ形成していこうみたいなイメージでいらっしゃるんでしょうか?
松山:
1つはイベントというのと、もう1つは場所というのがあります。イベントに関しては、領域の勉強会もそうですし、スタートアップがピッチして企業と連携できるようなイベントをやっていくという、このイベントですね。
もう1つが、EC領域やコマース領域に特化したコワーキングスペースを作りたいなと思っていて、特に物販系だと、在庫の管理や配送みたいなところがあるので、そこの機能というのをこのコワーキングスペースの中に備えた、特化のコワーキングみたいなものを今準備しているという形ですね。
海外ベンチマーク事例──Saltbox、Commerce Venturesに学ぶ
石橋:
そこまで踏み込んでコマース領域を支援する形は、あまり今までにないですよね?それこそお2人で言うと海外事例とかもよくご存知だと思うんですけど、そういう参考事例は何かあったりするんですか?
松山:
海外のSaltboxというところが、まさにECとかのコワーキングみたいなものでいくと、オフィスと会議室に加えて倉庫とか配送機能を備えているみたいなものがあったりとか。
コミュニティみたいな文脈でいくと、まさにCommerce Ventures。名前パクったみたいですけど。
そこがコマース領域のスタートアップに投資して、その裏側にWalmartとかTargetとか、ブランドやリテールの経営陣クラスの人たちを束ねて、そことスタートアップを繋げるみたいなことをやっているので、コワーキングもそうですし、エコシステムという、結構ベンチマークになるところはあるのかなとは思いますね。
ネットワークの質で勝負──領域特化がもたらすコア・コンピタンス
石橋:
なるほどですね。今はお2人からしても、VCとして起業家に選ばれるという観点と、ファンドにお金を集めるという文脈において、特徴を出していかないとなかなか難しいというような手触り感だったりするんですか?大久保さんからは、VCを起業する大変さをどんなふうに見ていらっしゃるんですか?
大久保:
スタートアップの方々に選んでもらう必要もあるし、出資者の方々にも選んでもらう必要があるという意味で言うと、特色を出していく必要があるというふうには思っていて。
領域に特化することでネットワークの質を一番濃くできるはずなので、そこを僕らのコア・コンピタンスとして、スタートアップの方々、そしてリミテッドパートナーの出資者の方々に価値提供していきたいというふうに思っています。
石橋:
なるほどですね。
ぜひ見ていただいている皆さんの中でも、幅広くご検討をされていかれると思うんですけれども、コマースの領域に関心のある方はぜひご連絡いただければと思っております。
先ほど松山さんからお話しいただいたコミュニティみたいなところも、恐らく今後リリースされていくというか、準備されていて情報発信もされていかれるのかなと思っております。
僕らの投資先もEC系の方が一部いらっしゃるんですけど、在庫あったりするので、最初のそこの部分で課題感をすごく抱えていらっしゃるかなと思うので、ぜひこれからチャレンジを考えている方は、ご支援のプログラムの情報もキャッチアップしていただけると良いのかなと思っております。
改めてお2人に、最後までご出演いただきましてありがとうございます。
松山&大久保:
ありがとうございます。
