【商船三井】海運業界発!?全く異なる業界から誕生したCVCとは|スタートアップ投資TV

◯阪本拓也 株式会社MOL PLUS(エムオーエル・プラス)代表
株式会社 MOL PLUS HP▶https://www.molplus.net/
Facebook▶︎  / takuya.sakamoto.1004  
新卒で株式会社 商船三井に入社。
主に鉄鉱や自動車の海運事業に従事。
同社の社内起業制度に参加後、スタートアップの人材と交流するうち、海運業界全体の課題である、他業種との交流やビジネスの創出といった問題に向き合い、CVC事業を立ち上げる。
2021.04  株式会社MOL PLUS設立、代表に就任。

商船三井という「見えない巨人」──BtoBの海運ビジネスとは

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。

今回から僕自身久しぶりのスーパーエンタープライズ企業、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の方のご出演なんですけれども、MOL PLUS代表の阪本さんにご出演をいただいております。

阪本さん、今回からよろしくお願いします。

阪本:
よろしくお願いします。

石橋:
場合によっては視聴者の方々、MOL PLUSと聞いても、石橋が冒頭で超エンプラとか言っているけど、MOL という会社あったっけ?みたいなところあるかもしれないので、自己紹介も兼ねて、そもそも阪本さんがどういうご経歴でというお話をいただく中で、おそらく皆さん気づいていただけるかなと思うので、まずご経歴からお伺いしていければと思うんですけれども。

学生時代はどんなことをされていて、どういう経緯で事業会社さんに就職されていらっしゃるんですか?

阪本:
一言で言うと、海外のビジネスが好きだなということだけですね。

我々MOL PLUSというのは株式会社商船三井のCVCということで、商船三井の英語名がMitsui O.S.K. Lines, Ltd.ということで、その略称でMOLですと。外航海運業ですので、世界中で資源なりコンテナを輸送するというビジネスですので、海外だなと。

石橋:
就職活動のときにその海外で仕事しようという目線から商船三井さんも受けられて、そのまま新卒で入られたという感じなんですね。

今でいうと新卒からのキャリアって何年目ぐらいだったんですか?

阪本:
4月(2022年)で11年目ということになりますね。

石橋:
新卒当時の僕自身、全く海運業を想像できないんですけど、何をやるんですか?

阪本:
BtoBのビジネスでの売上がほとんどなので、そういう意味で知名度は低めなんですけれど、基本的に大型船で、船のサイズ的には300~400mなので、東京タワーを横に倒してちょっと長いぐらい。

石橋:
わかりやすいですね。

阪本:
資源なり液化天然ガス(LNG)ですね、今高騰してますけど、あるいは自動車とか、一般的な商材を扱うものを箱にどんどん詰めていくので、これをとにかく世界中に輸送することで、そこの運賃をいただく。

これがもともとの歴史的なコアビジネスのところですね。

石橋:
新卒で入社されると、どういったところから社内でのお仕事が始まっていくんですか?

阪本:
僕の場合は鉄鉱石を扱う部署で、お客さんが鉄鋼メーカーさんとか、日本とか韓国とかそのあたりだったんですけれど、商材によって分かれていることが多いんですよね。私もキャリアとしては鉄鉱石をやったり自動車をやったりということを経験しました。

ただ、船で物を運ぶというだけじゃなくなっているというのが、このCVCの設立にも若干関わってくるんですけど、今は船で物を運ぶというところがコア事業として残しつつ、他のビジネスも始まってきているという感じですね。

社内起業制度からCVC構想へ──スタートアップとの出会いが転機に

石橋:
なるほどですね。いわゆるCVCを始めていくとなると、経営企画室の人がやられていたりとか、合併と買収(M&A)部門の方がやられていたりとか、いろんなケースがあると思うんですけれども、阪本さんご自身の場合、もしくはMOL PLUSさんの場合はどういう文脈で始まっていくんですか?

阪本:
私の場合は、社内起業制度の一期生でもあるんですけれども、ひとまず手を挙げてみて、最終的に提案したのがCVCだったというのが背景です。

石橋:
だいぶ、でも飛んでいますよね。普通は社内起業制度を使って、実業を提案するじゃないですか。新規事業だとは思うんですけど。

なかなかそこでCVCをやろうという方はいらっしゃらない気もしますし、ある意味、海運業という非常にレガシーな産業と、投資業という非常にニッチな産業ですごく距離が離れていると思う中、なんでそもそも投資業で新規事業を提案していくというのはどういう流れなんですか?

阪本:
最初は社内起業制度に手を挙げたときに、いわゆるイントレプレナー、社内からの起業家ということなので、商船三井なり海運業の未来を考えるビジネスアイデアを提案してやろうと思っていたんですよね。

実際に10個も20個も考えてみたんですけど、やっぱりマネタイズが難しくて。そのときにいろんな相談をしていた相手に、スタートアップのまさに友人とかがいたんですよね。

会社で社内起業制度が始まったから絶対面白そうなんだけど、という話をしてコミュニケーションしていたときに、むしろ海運業という強みを活かすのであれば、スタートアップ企業的にやっていくというのも面白いけれども、CVCという座組みがあるぞと。

そういう意味で社内起業制度に手を挙げてから、そういうのがあるというのをいろんなスタートアップ界隈の人とお話しするときに知ったんですよね。

ファイナンスバックグラウンドじゃなかったので、なかなかその座組みというのも正直あまり知らなくて。自分の友人でもスタートアップ企業をやっている人は、すごく熱量もあるし、優秀だし、自分でやっていきたいというよりかは一緒に組んだら面白いなというのが最後勝ったんですよね。

海運業でそういうCVCというのがないというのも調べていくうちでわかったので、そういう意味では旗の立て方としては、海運×スタートアップという掛け算をやる方が面白いなというふうに、最後すごい腹落ちしてやり始めたという経緯ですね。

経営会議決裁までの道のり──海運業界初のCVCをどう説得したか

石橋:
逆に海運業でまだCVCがなかったというところに立ってしまうと、社内で提案をしても通らないというのが想像できてしまうなと思うんですけれど、よく通りましたねと言うのも変ですけど、会社の方向性としてもちょうどタイミングも良かったというか、どういう経緯でしっかり立ち上がっていったんですか?

阪本:
いわゆる事業化検証を一定期間それに100%コミットしてやることができるための最初の審査があって、それを予選と呼ぶとすると、最終的に投資計画分を会社の投資ポートフォリオから一部CVC投資計画としてくださいというときは、これは経営会議決裁になるので、決勝に行くまでの道のりは決して短くはないんですよね。

そういう意味では結構時間はかかるというか、それなりに説得していく必要があるので、もともと社内にそういうCVCというアイデアがあったわけではなかったので、ここはそれなりに苦労はありましたね。

石橋:
最終的に会社としての方向性としても合致してというところだったんですかね?

阪本:
そうですね。そこはおっしゃる通りで、特に資源を輸送するということに関しては、そこに対して、それだけでいいのかというお話は社内で結構課題感としてあって。

その中で我々は今、船で物を運ぶだけではなくて、海洋事業ということで、要は海の上で行う、例えば洋上風力発電みたいなビジネスとかそうですけれども、ここに海の会社として関わっていこうという話までは経営の方向性としてあったんですよ。

さらにそれだけでもいいのかという話もどんどん出てくる中で、そもそもあまり知らない業界の人と情報交換しながらビジネスを生み出していくというのをやっていない業界なんですよね。

というのがある中で、他産業の人といろいろ情報を取りながらエコシステムに出ていくということが、会社ができていない課題の部分だったので、そこは最後一番経営陣にも響いた内容にはなりましたね。

「やってみなはれ」──起案者が代表になるまで

石橋:
ちなみに金融業界未経験でもいらっしゃって、M&Aとかの部門にいらっしゃったわけじゃない阪本さんが今代表としてやられているのは、結構稀有というか珍しいんじゃないかなと思うんですけど、それはスムーズに決まったんですか?

阪本:
「やってみなはれ」ということにはなりました。

私が言っていたのは起案者なので、スタートアップさんと直接やり取りするときのフロント人材としての責任者的なところはやらせてくれと。

逆に事業化検証で自分もいろいろカンファレンスに出ながらネットワークを作ってはいたので、阪本が適任だろうと。

石橋:
突然キャリアチェンジされたという感じになるんですかね?

阪本:
そうですね。コアビジネスの方で、それはそれですごい楽しいんですけど、大きい商材を世界中で回すというビジネスなので、これは間違いなく海運業の魅力なんですけど、今回これを機にかなりキャリアチェンジになりましたね。

次回予告

石橋:
今回は阪本さんがどういう経緯でMOL PLUSさんを作っていらっしゃったかというところを簡単にお伺いしてまいりましたが、次のパートでそもそも立ち上げられているMOL PLUSさんがどういうファンドなのか、どういう特徴を持っているのかというところをまた詳しくお伺いしていきたいと思っておりますので、次回もぜひよろしくお願いします。

阪本:
よろしくお願いします。

【投資決定プロセス】スタートアップ必見!超エンタープライズ企業のCVC代表に聞きました!|スタートアップ投資TV

40億円ファンド、7割を直接投資に配分

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。

今回は、前回に引き続き、MOL PLUS代表の阪本さんにご出演いただいております。阪本さん、今回もよろしくお願いいたします。

阪本:
よろしくお願いします。

石橋:
前回は社内起業家としてどういう経緯で商船三井さんの中でCVCを立ち上げられたかというところをお伺いしましたが、改めて阪本さんが立ち上げていらっしゃるMOL PLUSさんについて、どういう投資をしていらっしゃるのかお伺いできればと思います。

toBのビジネスがメインでいらっしゃるからこそ、実感とか想像がつきにくい方が多いのかなと思いますので、できれば商船三井さんが改めてどういうことをやっているとか、どの領域で特にみたいなところも触れながらお話しいただければと思います。

サイズ感であるとか、こういうチケットサイズとか、シナジーなのか純投資かというところでいうと、大枠どういう感じのファンドになりますか?

阪本:
まず子会社型にしていまして、商船三井100%子会社のCVCという形で立ち上げてます。投資枠として40億円を持っておりまして、そのうちの2〜3割をベンチャーキャピタル(VC)ファンドへのいわゆるリミテッドパートナー(LP)出資、残りの7〜8割をスタートアップへの直接投資に充てているという形ですね。

投資領域で言いますと2つあって、海運物流のアップグレードという話と、周辺領域への進出という自社目線の言葉ですけども、要は物流をただコア事業をアップグレードするだけではなくて、新たな海運業の産業を作っていくということにしています。

チケットサイズは数千万円から5億円まで

石橋:
その中で7〜8割が直接投資というお話でしたので、40億円から逆算すると大体30億円程度ぐらいがそれに該当するのかなと思いますが、1社あたりのチケットサイズというか、このラウンドぐらいのスタートアップの人が適切で、1社あたりこのぐらいの規模がメインかなというのはイメージがありますか?

阪本:
数千万円から数億円まで幅広くという感じですね。子会社型に分けていますので、分けている一つの意味でもあるんですけれども、投資意思決定を子会社の中でやると、本体の投融資プロセスには乗せないということにしていまして。

そこで意思決定できるのは最大5億円までというふうにはしているんですね。実際には数千万円から数億円で、投資先さんの事業フェーズに応じて、状況に応じてということで対応させていただくという座組みにしています。

石橋:
子会社でライトに意思決定できるように、ある意味きちんとしていらっしゃって、というのも、前回もお話いただきましたが、社内起業制度を使ってご提案されてから、いろいろ業界研究された結果、そのストラクチャーになっているという感じなんですかね。

阪本:
そうですね。会社さんによってどのメリット・デメリットをどう評価するかというのはあると思うんですけれども、弊社の場合は既存事業、メイン事業としての意思決定のプロセスと、スタートアップ投資のプロセスにおいて変えた方がいいだろうなと。

それは時間軸としてスピーディーにするということもそうですし、あまりいろんな人がいろんな目線で「あれはどうなんだ、これはどうなんだ」ということだと推進力が不足すると。

ということで、うちの場合は最初から分けて、スタートアップ投資専用のルールの中でプレイしていく方が、この業界の中でのバリューを発揮するという意味でも、整えておくべきだろうなと思いました。

資金調達前の早期コンタクトが鍵

石橋:
そういう領域であるとかチケットサイズの方が投資をしていく中で、検討プロセスとして、期間としてはどのぐらいで見ておくとMOL PLUSさんとお話しするのが良さそうなんでしょうか?

阪本:
いざ投資意思決定プロセスに乗せる場合には、MOL PLUS投資委員会での意思決定になるので、一回きりなんですよね。なので、理論上はそれを開催すれば、メンバーが集まれば1ヶ月とかになると思うんですよ。

実際には、スタートアップさんとのファーストコンタクトがあってから、どういうふうにスタートアップさんの成長にとってのバリューアップということには、投資委員会に通すこととは別に本質的な議論だと思うので、どういうふうにご一緒させていただきましょうかという議論は比較的長くやりまして。

いざファイナンスを行うというような状況になったときに、そのときにスピーディーに動くというのが私の中では進めやすいなと思っていますね。

石橋:
もし阪本さんであるとかMOL PLUSにコンタクトをするのであれば、数ヶ月後に資金ニーズがあるよではなくて、自分たちの領域がMOL PLUSさん、商船三井さんと相性がいいだろうから、先々に声をかけておくというほうが適切ですか?

阪本:
そうですね。資金調達をされているされていないに関わらず、海運とか物流の業界、あるいは海洋事業ということに対して何かポテンシャルがあるとか、そういうファーストミーティングを早めにさせていただくことの方が、いろいろそこでディスカッションの内容によっては、「次はこういうことを深掘って話しましょう」とか、「この事業部の人と話すと領域の解像度が上がる」とか。

そこはある意味、じっくりお互いの理解を深めていくというのがあった方が、うちの業界も分かりづらいので、「どこにどういう人がいるんだ」とか、「何がやりたいんだ」とか、「何が海運業における課題なんだ」とか、このあたりは議論させていただくのが、最終的にご一緒させていただく上での最初の良い入り方だなというふうには、これまでの投資させていただくにあたっての話を考えてもそうだなと感じますね。

京大発MOF素材スタートアップへの第1号投資

石橋:
すでに投資実行も複数されていらっしゃると思うんですけれども、分かりやすい代表的な投資ケースとかは何かお持ちだったりしますか?

阪本:
第1号案件としてご一緒させていただくことになったのが株式会社Atomisさんという、京都大学発のスタートアップなんですけれども、MOFという小さいビーズみたいな素材、いわゆる新素材ですね。

これは水素とか二酸化炭素とかを吸着させることができると。すごく微細な穴がたくさん空いていて、そこに気体を収納することができるみたいな。

今後、中長期でそのテクノロジーを社会実装していくということを目指されているスタートアップは結構多いと思うんですけれども、時間軸としては中長期になってくると思うんですけれども、かなりご一緒する上でのポテンシャルがあるなというか。そこが一つ目の案件です。

石橋:
投資事例の話だと、海運業との繋がりはどういうところでのシナジーというのが分かりやすかったりするんでしょうか?

阪本:
海運業というと船で物を運ぶということになってくるので、そこでのシナジーで実際に分かりやすいのは自動運転とかそっちだと思うんですけれども、脱炭素の文脈であるとか再生可能エネルギーの文脈、そういうところの文脈で言うと結構広くなってくるのかなと思っていまして。

その気体の吸着で言いますと、二酸化炭素を吸着するということだとまさにそのものですし、水素とかを吸着するということで言うと、今後燃料が原油ではなくなってきますので、そのときにどういうふうな形で気体を貯蔵して輸送していくというところについては、物流業において今はまだ考えられていない。

新しいエネルギーという話があるときにどう輸送していくのか、これはセットになると思っていまして。その上での海運業としてのシナジーという。なので、時間軸が中長期になりますよね。

脱炭素領域でフランスのシード案件にも投資

石橋:
脱炭素みたいなキーワードだと、先ほどお伺いしたところで別の投資先の事例とかもお持ちだったような気がするんですけど、他にはそういう投資先っていらっしゃるんですか?

阪本:
今4件、投資意思決定済みなんですけれども、唯一の海外投資でフランスのスタートアップなんですけど、そこは二酸化炭素の削減量を見える化し、それをカーボンクレジットとして取引までワンプラットフォームでできてしまうと。こういった会社さんがあって、そこにもご一緒させていただくことにしていますね。

石橋:
そこはいわゆるシリーズAとかなんですか?

阪本:
そこはシードでの調達なので、そういう意味では一番フェーズ的には早めに入らせていただいた案件でもあるという形ですね。

石橋:
ちなみにフランスのシード案件をどう見つけるんですか?

普段のVCとしては国内に寄せているので、想像がなかなかできないといいますか、どういうルートだったんですか?

阪本:
もともとグローバルには見ています。世界中で国際外航海運をやっているプレイヤーですので、拠点も多いですし、ビジネスを考えるときにはグローバルで見るというのは会社のカルチャー的にもそうだというのはあるんですけど。

ただ、ことスタートアップということについては、今VCさんにLP出資をさせていただいており、その案件についてはファンドさんからのご紹介で同じタイミングで入らせていただいたということですね。

石橋:
ファンド全体が40億円のうち、約2〜3割ぐらいがファンドさんに投資をし、それと並行して、メインは直接投資をされていらっしゃるところが、それも連携が取れてきているという感じなんですかね?

阪本:
自分たちだけでということもなかなか限界があるなということと、特にグローバルのところについては、なかなか物理的に毎月行くということも、いろんなエリアを見ようと思うと難しいので、有効なやり方だなというふうに思っていますね。

直接コンタクトも歓迎、20〜30分から関係構築を

石橋:
そうなると阪本さんたちにご連絡する方法は、VCさんを介した方がいいんですか?

直接ご連絡しても、差し障りはないんですかね?

阪本:
直接で大丈夫です。全然ありがたいです。

石橋:
ちなみにどういうルートだと良さそうですか?

FacebookとかTwitterとかでも大丈夫ですか?

阪本:
全然大丈夫です。

石橋:
承知しました。すぐにファイナンスというよりかは、今後連携の可能性も深いだろうから、早めにコンタクトを取ると一番良さそうですか?

阪本:
そうですね。結構皆さんもお忙しいと思うので、最初例えば20〜30分話すということがあると、そこから記憶されるので、逆に我々も記憶していただきたいですし、そこはすごくいいかなと思ってますね。

石橋:
動画の概要欄に阪本さんのFacebookのURLを記載させていただいておりますので、「自分たちの事業ドメインであれば商船三井さん、MOL PLUSさんと相性いいんじゃないかな」という方はご連絡してみるのが良いかなと思っておりますので、ぜひよろしくお願いできればと思っております。

阪本さん、今回も引き続きご出演いただきましてありがとうございます。

阪本:
ありがとうございます。

【超貴重!】大企業がスタートアップに求めるものとは!?コラボレーションの未来を考える|スタートアップ投資TV

超エンタープライズ企業がスタートアップに求める真の価値

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capital株式会社の石橋です。

今回も、前回に引き続き、MOL PLUS代表の阪本さんにご出演いただいております。阪本さん、今回もよろしくお願いいたします。

阪本:
よろしくお願いします。

石橋:
今回は、第3弾というところですので少しテーマトークっぽくお題を決められればなと思ってはいるんですけれども、何回かキーワードとして出させていただいているように株式会社商船三井さん、誰がどう見ても大きいスーパー大企業さんだと思いますので、超エンタープライズ企業の方々がそもそもスタートアップに何を求めているのか。

売上規模でいうと1兆円を超える規模で本体がいらっしゃる中、投資してリターンが出るというのは数十兆円のリターンにはならないと考えると、インパクトは本当に大きいんだっけみたいなところ。

経済的なリターンじゃないところを求めているのかもわからないですし、そういう超エンタープライズ企業の方が今後スタートアップ界隈ともっと交わっていく方向性にあるのかどうかみたいなところもぜひご意見をいただければと思っております。

そもそも商船三井さんとして何を求めていらっしゃるというか、シナジーとはいえファイナンシャルリターンなのか、最終的にはシナジーがしっかりあれば、グループ化していって新しいソリューションとしてグループの中で機能していくみたいなところを見ていらっしゃるのか、何を一番商船三井さんとして、MOLさんとしては求めていらっしゃるんでしょうか?

「MOL PLUS」に込められた想い──海運業と社会に新しい価値を

阪本:
MOL PLUSという会社の社名の由来でもあるんですけれども、「海運業と社会に新しい価値をプラスする」、これでMOL PLUSと、こういうことでやってはいるんですよね。

ただ、それだけだと極めて抽象度が高いので、海運会社としてこのスタートアップ業界に一つ旗を立てて入り込んでいきたいということについては、いわゆるファイナンシャルリターンの考え方というのはCVCである以上は関係ないとは言えないと思うんですけれども、商船三井という海運業CVCが入り込んでいるということが最大の付加価値だと思っていまして。

海運業というのが物流の中で、海の部分、船の部分のサプライチェーンを担ってきたという歴史的な背景もある中で、なかなか他産業とコラボレーションする必要がなかったんですよ。毎日忙しいし、海の上だといろんなことが起こりますから、今後それだけでいいのかと。

前回お話した二酸化炭素排出企業という意味でも物流業というのはかなり上位にきますので、そういった中でかなり海運業自体が過渡期にあるというふうに思っていまして、海のサプライチェーンを担っている商船三井として閉じこもっていてはなかなか厳しいと。

海運業というのはそこを認識すべきだというのは、私の考え方でもあり商船三井の経営課題でもあると思うんですけれども、そういう意味での海運業のバリューアップを自ら担っていきたいという思いはありますね。

2号ファンド・3号ファンドで描く、業界全体を巻き込んだ座組み

石橋:
今後2号3号と続いていくときに海運業を引っ張るという観点で言うと、他の事業会社さんとか海運業者さんからもファンドとしてお金を預かっていくかもみたいなところも描いていらっしゃったりするんですか?

阪本:
あるかもしれませんね。

石橋:
CVCとしての戦略って結構難しいですよね?

阪本:
海運業というところも「今までの海運業」と定義をしてしまうと、定義自体が他産業とのコラボレーションに対してかなり狭まるということもあるので、海運業をアップグレードするというのもあまり言い過ぎたくないとか。

自分たちの会社だけでというよりかは、こういう新規の事業を生み出していくにあたっては当然業界としての話なので、普段のコンペティターの考え方とはセパレートだと思いますし。

このあたりをちょっと中長期的にはなりますけども、いい座組みを作っていくというのは本当におっしゃる通り、2号目3号目にやっていくにあたってはぜひ実現したいですね。

エンタープライズ企業とスタートアップの共創は今後増えるのか

石橋:
逆に阪本さんご自身のご見解で言うと、今後もこういうエンタープライズ企業は同じような目線感でというか、スタートアップとの共創を求めながら増えていく方向性にあるんですかね?

どういうふうに感じていらっしゃいますか?

阪本:
増えていく方向にはあると思いますね。

スタートアップさんとのコミュニケーションをするときのお話として、やろうとするけどもうまくいかないという事例も比例して、良い事例も悪い事例もどんどん出てくるという状況だと思うので。

お互いに良い学びでレビューをしていきながら良い方向の数が増えるということを願っていますが、そのあたりどうなんでしょうね。

石橋:
最近グローバル・ブレイン株式会社さんでありますとかSBIインベストメント株式会社さんであるとか、CVCを事業会社と一緒に運営される方々の存在もすごくケースとしても増えてきたようにも思いますし。

そこのプレイヤーが増えていくといい意味で資金供給者の幅も広がって、海運業界はそもそもスタートアップがない気もするので、業界の方々が門戸を開いていただいているおかげで広げやすくなるんじゃないかなと思いますし。

今回もこの配信を見ていただいて「海運業界なんてそういえばあったな」みたいな、「そんなに市場デカいんだ」みたいな、「だったらそこの業界に入り込んで起業をしてファイナンスしながらその業界変えていくような新しいチャレンジしていこう」みたいな思われる方も、もしかしたらいらっしゃるかもわからないですし。

そういういろんな業界の人たちが、今まではコラボする必要がなかったかもしれないんですけれども、スタートアップの方に見てくれると僕らとしても非常にありがたいなと思いますし、そこはむしろ増えていっていただきたいなというのが素直に思うところですかね。

事業会社のお金の使い方を変える──重厚長大産業からの挑戦

阪本:
やはり事業会社というのはお金の出し手として、今後商船三井も一つ重厚長大産業の会社ですけれども、そういったテクノロジーを社会実装していくときのお金のかかり方というのは当然莫大なお金がかかってくるので。

事業会社がそこに対して支援をしていくというか一緒に前進していくというのは、成功する上では不可欠なことだと思ってまして、事業会社のお金の使い方の考え方を変えるきっかけになればなと思いますね。

どうしても大企業 vs スタートアップみたいな構図だと今はさすがにきついと思うので、そういう意味では商船三井みたいな会社が事業会社のお金の使い方として、まだまだ国内は特に少ないと思っていますので、事例ができればなというのは海運業界から自分たちがアピールしていきたいですね。

海運業界から始まる、新しいチャレンジへの招待

石橋:
全3回にわたりまして阪本さん、ご出演いただきありがとうございます。

阪本:
ありがとうございました。

石橋:
僕自身も全然馴染みのない業界といいますか、なかなか想像しきれない業界ではあったので、今後も投資業としてもご一緒できればと思っておりますし、その業界でチャレンジするスタートアップの方はまだまだ少ないのかなと思うので、起業家を中で作っていくというところもご一緒できればなと思っております。

ぜひ見ていただいた方も、チャレンジしてみたいと思っていただいたら直接お問い合わせを阪本さんにしていただくもよし、弊社側にご質問していただくもよしと思っておりますので、ぜひそういった方はご連絡いただければなと思っております。