新卒1年目でダウン…人生詰んだと思った男が起業するまで|スタートアップ投資TV

◯岩田真一 MIRAISE Partner&CEO
MIRAISE ▶https://www.miraise.vc/
外資系企業にてエンジニアとして従事したのち、2018年にMIRAISEを設立。
海外に日本製のソフトウェアが全くないことに疑問を感じ、 「日本には、エンジニア出身で経営経験がある投資家がとても少ない。海外経験という要素を加えるとほとんど存在していない」という課題を発見。
グローバル・スタンダードな視点からエンジニアの起業家への投資活動を積極的に行っている。

物理学科からエンジニアへ──10ヶ月で退職した理由

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capitalの石橋です。

今回から、MIRAISE代表パートナー兼CEOの岩田さんにご出演いただいておりますので、改めて岩田さん、今回からよろしくお願いいたします。

岩田:
よろしくお願いします。

石橋:
岩田さんのことまだ知らないよっていう方もいらっしゃるかなと思ってますし、簡単に今回は自己紹介と言いますか、どういう経歴を経てMIRAISEさんに至っているのかってところをお伺いしていければと思うんですけれども、現状はMIRAISEさんでベンチャーキャピタル(VC)としてご自身でやられていらっしゃると思うんですが、やはりファーストキャリアからそういう金融系のお仕事をされていらっしゃったんですか?

岩田:
いや、全然ですね。元々普通に上場企業のメーカーで理系で物理学科なんですけど、そのまま入りまして、そこで五月病みたいになって、10ヶ月ぐらいで退職して。胴上げされました。社会人人生終わったっていう。

石橋:
何かその目的意識があって退職されたんですか?

岩田:
全然ないですよね。これでも、僕の原点というか、ずっと言い続けていることにも繋がるんですけど、プログラミングが好きだったんですよ。

物理学科ってプログラミングでシミュレーションするんですけど、その一方で潰しが効かないので、光学系のカメラとかそういう方向だと割と使えるので、自分たちが学んできたことを活かす道と、面白そうな好きな道っていうのがあって。

よく分かんないうちは、役立ちそうな、せっかくやってきたことを活かさないとみたいに思ったんですけど、ダメなんですよね。面白そうなものとか興味があるものしか集中できないんだなっていうのはそこで学んで、全然物理学とか関係ないけれども、プログラマーの道でやっていこうっていうのは思いました。

石橋:
IT系のソフトウェアエンジニアに転職されていくということですか?その後はどういうキャリアを歩まれていくんですか?

岩田:
その後、外資系のソフトウェア会社に入ったんですよね。Lotusというところから、マイクロソフトというところでエンジニアをしてたんですけど。

やっぱり悩みはみんな同じで、本社の人が作ったものを日本語化するっていう仕事ばっかりで、それをエンジニアとしてのスキルをつけるために自分たちで仕様を考えてそれを形にしないといけない。それをしないとエンジニアと呼べないよなっていう漠然とした焦りがあって。

その時にLotus時代の上司が起業しますと。彼は知ってるんですよ、その不満というか不安を。だからゼロから、スクラッチからコードをかけるよっていうのを結構決め台詞で。それやんないとっていう。

マイクロソフトも入って8ヶ月くらいだったんで、またご迷惑をおかけしまくりながらやめて。でも相当辛かったですけどね、その起業は。

社会人2年目で起業──アクハイアまでの4年間

石橋:
社会人ほぼ2年目ぐらいのタイミングで、スタートアップというか、ほぼご自身たちで創業してみたいな感じになってくるんですか?

岩田:
そうですね。2社目のLotusっていう会社は長いんですよ。そこは4年ぐらいいたので、そこで割と自信がついたけど、「このままじゃダメだね」っていうので起業になったんですよね。

石橋:
最高技術責任者(CTO)的にやられてらっしゃったんですか?

岩田:
CTOはすごいプログラマーの井上さんという方がいて、僕は開発マネージャーみたいな感じです。エキセントリックな経営陣だったんで、僕は割と常識人として、お客さんを怒らせない唯一のエンジニアとしての役割をしていましたね。

石橋:
その時は外部から資金調達をされてたんですか?基本的に自己資金でやられてたんですか?

岩田:
調達ありきな感じで出資いただいたんですよね。

石橋:
ご自身たちで起業されて、エクイティも経験されて今に至っていくのですか?

岩田:
Lotusっていう会社にいた時に、そもそもの上司がアメリカのチームの一部として日本の担当者としてやってるわけじゃないですか。そのチームがごそっと抜けて起業するみたいな話になったんですよね。「そんなことってあるんだ!」っていう。

「あそこのチームもスピンオフしたらしいよ」とか、聞いたこともないようなことが結構日常的に話されていて。隙あればスピンオフして、それで出資を受けてみたいなことって起きるんだなっていう。外資系で外国人がやる動きみたいなものを日本でもやっていて。

石橋:
そういうのを見聞きしていたからこそ、ご自身たちでも創業されてファイナンスもされて、結果的にその会社さん何年くらいやっていらっしゃったんですか?

岩田:
4年ぐらい私もいて、最終的にはワークスアプリケーションズさんにアクハイア。ビジネスを買うというよりは、そこにいたエンジニアの一級品みたいなエンジニアを丸ごと買収していただいて、ワークス社の中の研究開発チームみたいな位置づけになったんじゃないですかね。

Skype創業者との運命的な出会い──P2P技術が繋いだ縁

石橋:
途中でチームから抜けられてSkypeさんに行かれるんですか?

岩田:
そうなんですよね。扱ってたプロダクトがP2Pっていう技術を使ってるんですよ。その頃ってファイル交換ソフトとかがあって、P2P=違法みたいな感じで。それを払拭するためにいろいろなところで話をしてたんですけど、雑誌でSkypeのことを寄稿してくれっていうので、毎月記事を書いていて、その時にSkypeが僕を発見してオファーが来て。

自分たちで創業した会社を辞めるのは相当悩んだんですけど、社長にも相談して、チャンスだから自分の意思を大事に、みたいな感じでSkypeに入りました。

石橋:
Skypeでは日本の支店を立ち上げるところからずっとやられてらっしゃったんですか?

岩田:
僕の前に外国人の方がいて、彼の技術的なサポートという形で入ったんですけど、彼が異動になったんですよね。僕がむき出しになって。「いつかまた新しい上司が来るからそれまで頑張ってくれ」と言われたんですけど、今もまだ来てないです。

石橋:
結果的にSkypeJapanの代表をずっとやられてたんですか?

岩田:
そうですね。その時はずっと待ちながら代理みたいな感じでずっと続いてるんですけど、「後から社長来るからね」って言ったその人も辞めちゃったりして、誰も知らないことになって岩田だってことになっちゃったんです。

めちゃくちゃ辛かったですよね。分かんないことも多いですし。でもみんな優しかっ…。優しかったっていうか、怖かったし泣きましたけど、よく指導してくれたなとは思いますよね。

ランチの誘いからVC転身へ──Atomico参画の経緯

石橋:
ここまでお話を聞いても、部分部分でVCさんはキャリアの横にちょこちょこ出てくるものの、岩田さんがVCやっていくっていうストーリーに全然繋がりが出てこないんですけど。Skypeにいらっしゃった後でいうと、どうVCに繋がっていくんですか?

岩田:
SkypeがeBayという会社に買収されて、その後一回独立するんですよね。今度マイクロソフトに買収される。

石橋:
そっちのイメージ強いです。

岩田:
僕はまたマイクロソフトに戻ったんですよ。僕はマイクロソフト2回辞めてるんですよ。その時にSkype一巡しましたし、自分の会社は思ったほどうまくいかなかったので、もう1回起業しようと思ってたんですよ。

Skypeの創業者の社長のニクラスっていう人からランチに来いみたいな話になって、そこ行ったらニクラスさんから入社することになったからみたいなに紹介されて。

その時、自分が起業するにあたっても投資家の気持ちをもっと分かっておいた方が得なんじゃないかっていうことと、Skypeとすごく縁があって大好きだったので、本当に完全にSkypeから切れちゃうのっていうのがすごい寂しかったんですよね。その時にSkypeの創業者がやってるファンドだったら、いいかなっていう。

石橋:
ランチに行ったら急にVCになることになったみたいな感じだったんですか?

岩田:
そうなんですよね。でもSkype自体に同僚がいるんですよ。だからすごく懐かしかったし、またその仲良かったメンバーで働けるのはいいなと思って、ベンチャーキャピタリストとしてやってみようというふうに決めました。

Atomicoで学んだ投資哲学──約2,000億円ファンドでの経験

石橋:
ちなみにAtomicoさんは、どういうVCさんでどういうご経験されていらっしゃったんですか?

岩田:
そうですね。Atomicoは今5号ファンドまでいっていて、おそらく2,000億円。もっとですかね?今円安なので。ゲーム会社だとSupercellっていう会社とか、日本はスマートニュース。

海外でいうところのシリーズABC。日本のシリーズAとか数億円とかじゃないですか。大体約10億円とかのチェックサイズでやってるようなファンドですね。

石橋:
それこそ今スマートニュースさんのお名前も出てきましたけど、岩田さんはAtomicoの中では日本担当というか、どういうポジションでやられてらっしゃったんですか?

岩田:
バリュークリエーションっていうチームで、投資先の日本進出の支援だったりとか、それがメインですね。なので最初の役割としては、君がSkypeに対してやったことを今度はすべての投資先でやってくれっていう。それが結構VCとして走りだったと思いますね。

各地域のSkypeのカントリーマネージャーがそのまま入ってきたんで、そのネットワークそのままAtomicoの投資先で全部使えるっていう。

2018年12月、MIRAISE創業──日本のシード投資に特化した理由

石橋:
AtomicoさんでVCを経験されて、そのまますぐにMIRAISEさんとして独立するってわけじゃないですよね?

岩田:
ベンチャーキャピタリストの場合は、熟成期間が必要じゃないですか。知識があってどうのこうのじゃないので、10年はかかるのかなと思ってはいましたね。

石橋:
最終的にMIRAISEさんを創業していこうというところで決められた要因というか、どういうきっかけでやられていくことになるんですか?

岩田:
Atomicoの投資哲学とか投資のプロセスとか考え方とか、すごい共感してたんですね。

社長のニクラスは常に社員に「自分たちのことベンチャーキャピタリストだと思うな」と。「自分たちは投資先のためのサービスプロバイダーだ」「口出しするな」「困ってたら駆けつけろ」っていう。自分たちが起業家だったがゆえに心地よかった投資家のスタイルみたいなのを分かっているんですよね。

すごく好きだったんですけど、Atomicoの投資サイズが日本だといらないぐらいでかいので、それを日本のサイズに合わせた形、チェックサイズが2,000万円とか3,000万円くらいのシードステージで、かつ自分がせっかくやるので、エンジニア経験と自分で起業してる経験、あとはAtomicoの時のノウハウみたいなものを合わせて差別化を作り出せないかなと思ってました。

石橋:
それで1号ファンドはいつに始められたんでしたっけ?

岩田:
2018年12月ですね。

石橋:
1本目でだいぶ複合的な自己紹介というか、本当に様々なご経験されていらっしゃるのが分かってきたので、改めて2本目はそういった岩田さんが創業されたMIRAISEさんについてのお話もいただければと思っているんですけれども、それこそどういうチーム体制で現状働いているのか、どういう岩田さんの今のご経験が活きているみたいなところをもうちょっと深掘りして2本目でお伺いしていきたいと思っておりますので、改めて次回もよろしくお願いします。

岩田:
よろしくお願いします。

【エンジニア限定】尖りまくりの投資会社MIRAISEの世界|スタートアップ投資TV

エンジニア経営者に特化したシード期VC

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capitalの石橋です。今回も、前回に引き続きまして、MIRAISE代表パートナー兼CEOの岩田さんにご出演をいただいておりますので、岩田さん今回もよろしくお願いします。

岩田:
よろしくお願いします。

石橋:
前回の第1弾では岩田さんのだいぶ複雑なというか、分厚い自己紹介をいただいたなと思っているんですけれども、その上でMIRAISEさんがどういうVCファンドなのかというところを今回はいろいろとお話ししていただきたいなと思っておりまして、改めてどういうテーマ、どういう領域に投資するVCファンドだみたいな大枠をまず教えていただいてもよろしいでしょうか。

岩田:
一言で言うと、エンジニアが経営者であるような会社に投資するシード期のVCです。

石橋:
だいぶ尖ってますよね。

岩田:
そうかもしれないですね。やっぱり海外のファンドにいたので、創業メンバーに一定数の株を持っているスーパーデベロッパーがいないチームは投資しないよ、みたいな感じでずっと断ってたら「珍しいね」って言われたんで、「じゃあそれを特徴として書きましょう」って。

石橋:
そうだったんですね。

岩田:
しかも、エンジニアリングスキルも「3年間ぐらいやってました」みたいな人で全然いいと思ってます。

日本のIT産業に足りないもの

石橋:
そこをフォーカスして「大事だよね」って、どういう背景からそこって「重要だよね」って思われてたんですか?

岩田:
海外のファンドとか外資系でずっと働いてた時に出張に行くじゃないですか。そうすると日本製品が溢れてたんですよね。

でもPCの中って何にもないなと思って。それもAppleで、Zoomで、YouTubeじゃないですか。「なんだろうこれ」って思って。昔を振り返ると、今でも強いブランドのSONYとかHONDAとかってみんなエンジニアが創業してたよなと思ったんですね。今ITの時代になっていないんですよね、あんまり。

時々いるエンジニアの起業家はだいたいデカくなってるんですよ。エンジニアってスケールする仕組みとか、仕組み作りはすごい得意なんですよね。売れる仕組みとか、使っていただける仕組みとか。だから、あながち上手いことハマればですね、エンジニア経営者ってそういうのは向いてるし、それを割と日本人は知らないなとか思ったり。

なので、自分でも事業を起こしたりとか、周りが感じている課題を解決するソリューションを自分で作ってみようって思ってくれるようになったら。まだちょっと足りないと思うんで、エンジニアが起業するにあたって足りないこととか、その人たちがぶつかる壁の典型的なものとか。伝授できるんじゃないかなと、そんな熱い思いがありました。

投資額は2,000〜3,000万円、リード投資家として

石橋:
だいたい1社あたりいくらぐらいであるとか、いわゆるリード投資、フォロー投資みたいなところの方針っていうのはあられるんですか?

岩田:
そうですね。今、2号ファンドですと2,000〜3,000万円ぐらいが平均の初回出資額ですね。今回は自分たちの契約書を作って、自分たちでリードしてってことができているので、ようやく投資を考えていたことができ始めたかなっていう感じですね。

石橋:
投資されるようなフォーカスの人の部分っていうのはだいぶ分かりやすくなってきたんですけれども、投資する領域とかビジネスモデルには特にこだわりはなくやられてらっしゃるんですか?

岩田:
そうですね。エンジニア起業家であれば技術的なテーマもないんですよね。バイオとか、AIとか、地方とか、地域とか「あれば検討しやすいんですけどね」って言われたんですけど。

1つははWeb3です。Web3は分散ネットワークの難しさとかはめちゃくちゃ知ってるので、しっかり技術を見ていく。このWeb3の領域って、思想家も多くて、それを僕らは「エンジニアじゃないと受け付けない」ということでフィルターできているのはすごく良かったかなと。

もう一つはメタバース。

石橋:
はいはい。

岩田:
あとはデベロップメントとオペレーションを合わせた技術、DevOpsという分野。情報のロングテール。Amazonができた時に、ニッチなニーズのあるものがロングテールですよと。でも、情報でそれが起きてないなと思っていて、例えばYouTubeが完全にそうなんですけど。

1ビューあたりの売上ってめっちゃ薄いですよね?だけど、スタートアップ投資TVがすごい好きな人は500円払ってもいいと思っているかもしれないじゃないですか。そうすると、そんなマスに対してすごい頑張らなくても、100人とかにやったのと同じぐらいの売上、情報のロングテールって僕が言ってるやつなんですよね。

それで同じだけの収益を上げられると思うんですよ。発信者、クリエイター。Web3がもしそれに活用できるようになれば、すごいいいなと思ってますね。それを一応テーマとして出したんですよね。

1週間以内に返信、1ヶ月程度で意思決定

石橋:
今、投資のプロセスのところで言うと、パートナーはお二人でやられているんですか?

岩田:
そうですね。僕とあとプリンシパルの布田がおりまして、基本的に意思決定はそこでやっています。

石橋:
MIRAISEさんに投資してほしいなって思ったら、どのぐらい余裕持っておくと検討の時間としてはいいよねっていう感じのイメージになるんですか?

岩田:
返信は1週間以内で、意思決定はそこから1ヶ月ぐらいだと思います。相手方がレビューしたいとかだったら、その分かかってしまったり。

投資先コミュニティでピアラーニング

石橋:
特急便で投資をご一緒してからでいうと印象的なエピソードとかってあられますか?

岩田:
うちの場合は投資先のコミュニティっていうのがあるんですね。Slackのオープンソース版みたいなのがあるんですよ。それを私たちのAmazon Web Services上にホスティングして使ってるんですけど、そこにうちの投資先は全員入ってもらわないといけないんですよ。

そこでピアラーニングといって、自分たちの悩みをそこで話して、知ってることがあったら答えてあげるっていう、そのQ&Aがずっと溜まってくると、後から入った人も調べると出てくるんですよね。それを溜めていってます。なので投資先が増えれば増えるほどサポートが厚くなっていくみたいな。

これも実はエンジニア的なスケーラブルにする発想なんですけどね。誰かが成功したり、うまくいったりするとそのノウハウがシェアされていったり、あとメンターが8名いるので、その方々が回答したりっていう感じですね。

サステナブルな活動を支援するDEVプロトコル

石橋:
他に、お話しいただける投資先ってありますか?

岩田:
つい最近ですね、ゼロワンブースターさんとかビーダッシュさんとか。日本で結構珍しいプロトコルっていうレイヤーを作っているDEVプロトコルっていうトークンも発行して、とにかくサステナブルな活動を支援するようなプラットフォーム。

価値を生み出しているのに金銭的な対価がないが故に継続できないようなこと、ボランティアとか典型的にそうなんですよね。「本業忙しくなっちゃったんで、来週から来れなくなっちゃいます」というのは、困っちゃうじゃないですか。

だったらオープンソースの開発者として生きていける、それ自体で何らかの収益が上がっていけばサステナブルになっていくんじゃないかっていうので、分散型金融の仕組みを作ってるんですよね。

石橋:
岩田さんの深いWeb3の、ほぼオフレコに近いような話とかもラジオだったらしてらっしゃるのかなとは思うので、ぜひ気になった方は聞いていただければなと思っておりますので、ぜひ概要欄の方からチェックしていただければと思います。

それでは次回はまたテーマトークでお話をお伺いしていきたいと思っておりますので、また次回もご出演のほどよろしくお願いします。

岩田:
よろしくお願いします。

【99%が知らない】エンジニア起業家が成功する必須の能力|スタートアップ投資TV

プログラミングスクール卒業だけでは不十分な理由

石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capitalの石橋です。今回も、前回に引き続きまして、MIRAISE代表パートナー兼CEOの岩田さんにご出演をいただいておりますので、岩田さん今回もよろしくお願いいたします。

岩田:
よろしくお願いします。

石橋:
1本目は岩田さんの自己紹介、2本目はMIRAISEさんのファンドの投資方針等を伺ってまいりましたので、その中で1つ出てきたキーワードとしてエンジニア起業家というところがやはりキーワードとして大きいかなというふうに解釈しております。

今回のテーマトークとしては、そもそもエンジニアじゃないと起業しちゃいけないのか、キャリアとしてエンジニアを経て起業した方がいいのかみたいなところ、どの程度の経験があるといいみたいなところを、いろいろお話しいただければなと思っております。

プログラミングスクールに、例えば半年、1年通われた人がすぐに起業するぞっていうのでも、MIRAISEさんとしては投資対象になり得るのかというか、プログラミング経験としては十分だというふうにお考えだったりするんでしょうか。

岩田:
時と場合によるんですけど、それだとちょっと弱いかもしれません。プログラミングスクールでも、卒業試験の時に自分で作らなければいけないとか、自分でプロダクトを作って形にするとか、一通りのサイクルをやる。あるいはその会社の中でエンジニアとして働いてプロダクトリリースに関わったとか、そこは必要かなと思いますね。

ただ、天才プログラマーじゃないといけないとかは全然ないです。

非エンジニアが身につけるべき「エッセンス」とは

石橋:
逆に非エンジニアの起業家の方も結構多いとは思うんですけれども、エンジニアのエッセンスというか、プログラミングに対する理解っていうのは何かしらの方法で高めるべきなんですかね。

岩田:
僕はすごい思いますね。まさにエッセンスとおっしゃったのはその通りだと思っています。ジョブズも全員プログラマーになるべきだって言ってましたけど、僕はプログラミングは文房具だと思うので、鉛筆や消しゴムを使えない人は勉強できないですよね。

メールを書けるぐらいではダメで、課題があったらノーコードで解析してみようとか、自分でもやってみたり、ルーティンワークを、Zapierで自動化してみようとか、そういう日々のライフハックみたいなものを、このPCの中で起きるハッキングをやる癖ですよね。

それが課題解決、課題発見に繋がるし、エンジニアがやろうとしていることを理解することにもなるので、すごく社内のコミュニケーションが良くなると思いますけどね。

石橋:
プログラミング言語って当然言われるように、それが分かんないと話せないよねって大前提になっちゃってるみたいな感じですもんね。

岩田:
本当に今はノーコードが主流。僕もコードを書かなくなって、ノーコードが大好きなんで。

独学でも身につく、オタク気質が重要

石橋:
逆に非エンジニアが、エンジニア経験を積んでいこうってなると、キャリアとしてはどういう環境で、今だったら大企業に行くべきなのか、スタートアップに行くべきなのか、副業でも個人事業でもいいから何かお仕事していくのがいいのか、プログラミングスクールの中でもいいから何かものを作っていくみたいな粒度感でもいいのか、どういう環境が良いですか?なかなか比べられないとは思うんですけど。

岩田:
結構独学に向いてるものなので、個人で家でやる気になれば身につけられると思うんですよね。

その状況でどっかで雇ってもらうのがいいのかな。1つ得意な分野を見つけたり、あと好きなもの、面白そうな分野を入り込んでいくオタク気質みたいなのがエンジニアなんで、将来食いっぱぐれないためにエンジニアの知識身につけようみたいな人はちょっといらないですよね。

それだと違うかもしれない。本当に自分の日々の生活を楽にするために、たしなみとしてこれぐらいはやっておこうみたいなのは必要で、世の中にYouTubeとかいっぱいあるので。

石橋:
独学しようと思えばコンテンツはいっぱい溢れているって感じなんですね。

Googleスプレッドシートから始めよう

岩田:
「どの言語が1番良いでしょうか」とよく相談受けるんですけど、僕が全員に勧めてるのがGoogleスプレッドシートです。スクリプトとか書けるんですけど、僕が今MIRAISEで送っている請求書は僕がコード書いたやつなんですよ。

それがもうできないな、もう限界だってなったらPythonとかKotlinとかやればいいんじゃないですかね。そこで限界までやってみる。JavaScriptと同じ文法なので学べるからすごく勧めるんですけど、「始めます」って言う人は今まで一人もおりません。

石橋:
みんなおすすめとか聞くけど、行動するっていうところに至る人はやっぱ少ないんですかね。迷わず行動できるっていうところも、フィードバックを得て自分自身で進んでいく人が結果、起業家に向いているっていうフィルターもかかってくるかもしれないですよね。

エンジニア起業家が陥る「プログラミング逃避」の罠

岩田:
エンジニア起業家のデメリットみたいなところではそういうのはあります。プログラミングに逃げ込む。プログラミングでプロダクトを作ると必ず進捗するじゃないですか。営業って進捗してるんですけど、売れることを進捗だというのであれば、しない日もありますよね。

そういうのがエンジニアってあんまりわからないんですよ。何が起きるかわからないようなところに自分の時間をコミットできないです。だから「営業は効率が悪い」って言い出したりする人とか、「絶対買ってくれるなら営業しに行ってもいいですけどね」みたいな人とか。

もちろんガンガン行動力が高くて、片っ端からアクセラレーターとか応募してやってる人もいる。だいたいそういう人の方が成功する。自分のプロダクトを温めて「どうだ」って出した人はだいたい失敗してます。そうなりがちなんですよ。ちょっと営業やってみようとするんだけど、すぐ心折れて、またプログラミングに逃げ込むんですよ。

そういう時にこっち側は分かるので、元エンジニアとして。だから逆に言うと言い訳できないというか、「俺もそうだった。だけどそれでダメだっていうのが分かったから、君も気づいてほしい」みたいな話をするんですよね。

石橋:
僕ら自身も投資先にエンジニアの方とかいらっしゃるので、逃げてると思ってはいないですけど、注視していかないとなっていうのは。コード書くのは確かに間違いなく進捗はしますよね。

営業で「走る」経験が起業家を目覚めさせる

岩田:
だけど、目覚める起業家もいるんですよ。

そのきっかけが何かっていうと、息子が小学校からずっと野球やっていて、最初の頃にボテボテのゴロを打つじゃないですか。そうすると走らないんですよ、一塁まで。どうせアウトになるから。でもそのうち1回ぐらいポロって落として、本当にセーフになったりするんですよね。そっから走るようになるんですよ。

ほとんどアウトだけど、走ってると無駄にならない。営業ってそうだと思っていて、売れるかわかんないことに時間を使うことだけど、よく考えてみると、売れなかったけど別のお客さん紹介してもらったりとか、いろんなこと起きてますよね、実は進捗してないように見えても。

しかも工夫して「こういうふうに言ったら売れた」とか、「あそこダッシュしたらセーフだった」とか、あれを1回体験するとスイッチが入るっていう。それをいかに体験させるか、僕は考えてますよね。

石橋:
見ていただいている方の中には、起業されていらっしゃらなかったりとか、それこそエンジニアでもない非エンジニアの方もたくさんいらっしゃるかと思いますので、いきなり起業されるという方もいらっしゃるとは思いますが、コードを書くという経験というか、現場に触れる。

岩田さんからお話いただいたような内容を経て起業されるという方、MIRAISEさんにご相談しに行くっていうのもすごくいいのかなと思っておりますので、MIRAISEさんに問い合わせする時はホームページからでいいんですかね?

岩田:
そうですね。そこにApplyっていうリンクがあるんで、それがいいと思います。

石橋:
概要欄にそちらのURLも記載をさせていただいておりますので、ぜひそちらの方からご連絡をしていただけるといいのかなと思っております。それでは岩田さん、全3回にわたりまして、最後までご出演ありがとうございました。

岩田:
ありがとうございました。