【投資基準】プレシリーズAで投資を決める判断基準・投資先選定基準とは?|スタートアップ投資TV
◯檜山 悠太朗 HIRAC FUND シニア・アソシエイト
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英国ロンドンの大学で経営学/金融学を専攻。3年で卒業後(academic acceleration)、EY税理士法人に入社し国際税務アドバイザリー及び国内金融機関のコンプライアンス業務に従事。 大学在学中には東南アジア投資に特化した独立系ベンチャーキャピタルのシンガポールチームにインターンとして参画し、企業価値の算定などを担当。 HIRAC FUNDでは投資先のソーシングやDDに携わる。
CVCでありながら独立系VCのような動きをするファンド
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capitalの石橋です。
HIRAC FUND シニア・アソシエイトの檜山さんにご出演をいただいておりますので、檜山さん今回からよろしくお願いいたします。
檜山:
お願いします。
石橋:
なんだかんだ、HIRAC FUNDさんとお付き合いはさせていただく中で何回かお声掛けいただいて、ようやくご出演をいただけたというところではあるんですけど、お声がけしたのはこの前のインフィニティ・ベンチャー・サミット(IVS)のときですかね?
檜山:
そうですね。
石橋:
割と檜山さん含め、定期的にIVSなどのイベントは行かれているんですか?
檜山:
そうですね。IVSであったり他のIndustry Co-Creationであったりとか、いろいろなカンファレンスには積極的に行くようにはしてますね。
石橋:
そもそもHIRAC FUND自体もしかしたら知らない方々もいらっしゃるかもわからないですし、そもそもコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)でもいらっしゃって、親会社のマネーフォワードさんも知らない方もいるかもしれないので、改めてすごく簡単なところから、まずはHIRAC FUNDさんと親会社のマネーフォワードさんについて簡単にご説明いただいてもよろしいでしょうか?
檜山:
HIRAC FUNDはマネーフォワードベンチャーパートナーズというマネーフォワードの完全子会社が運営をしているCVCになっています。ただ外部のリミテッドパートナー(LP)さん、投資家がいらっしゃいまして、実は本当に外部資金で運営をしているというファンドになっているので、形態というか動き方としては独立系のベンチャーキャピタル(VC)さんと似たような動き方をしていますね。
石橋:
ちなみにマネーフォワードさんって何してる会社なんでしょうか?
檜山:
マネーフォワードはメインはクラウド会計ソフトを提供していて、もともと出自は家計管理アプリのtoC向けの事業が先に始めていた形になっています。
企業評価額5億〜16億円、プレシリーズAがスイートスポット
石橋:
HIRAC FUNDさんについて、ここからお伺いしていきたいと思いますが、どういうサイズのファンドさんをやられていて、どういうラウンド感で投資をしていて、まさにCVCの方だとよくある話だとは思うんですけれども、シナジー重視なのか、会計系とかバックオフィス系のスタートアップじゃないと投資できないのか、みたいなところとか、ちょっとまずは大枠のところからファンドの方のお話をお伺いしてもよろしいでしょうか?
檜山:
もちろんです。HIRAC FUNDの方はターゲットとして、シードからアーリーですね。プレシリーズAが一番スイートスポットでやらせていただいていまして、実績ベース的にはバリュエーションが5億円から16億円ぐらいまでが一番多く投資をしております。
チケットサイズとしては最大1億円くらいまでというところでやらせていただいていまして、サイズ感としては今ちょうど2号ファンドを去年の12月に立ち上げたばかりでして、2号ファンドの方は今、ファンドレイズ中なんですけども70億円弱くらいまではレイズをしておりまして、11月にファイナルクローズを控えているので最終的にはどれくらいの金額になるかちょっと皆さんにリリースを見ていただければなと思うんですけども、1号ファンドの方は30億円のファンドを運用しています。
領域といたしましては先ほど申し上げた通り外部のLPさんに入っていただいているので、マネーフォワードは本当に一投資家というか、もちろん運営会社ではあるんですけどもマイノリティ投資家の位置づけになるので、事業シナジーというのは実は全然考えていなくて。
投資先としてもダイレクト・トゥ・コンシューマー(D2C)の会社さんだったりとか、全然BtoBのSoftware as a Service(SaaS)ではない会社とか、FinTechに関係ない会社さんにたくさんご出資をさせていただいているので本当に全領域ですね。
さすがにちょっとバイオとか創薬とかは知見あるメンバーがいないので投資はできていないんですけども、本当に全領域を投資しています。
石橋:
シードを対象としたプレイヤーはVCファンドも含めていらっしゃいますし、シリーズAも結構な数いらっしゃると思うんですけど、そこを繋ぐプレAって語弊を恐れず言うと一番中途半端の状態だからこそ一番判断がしにくくて、「どうなんだっけ?」っていうケースがすごく多いからこそ、結果としてプレイヤーの方が少ないのかなと思うので。
僕らからしても起業家の方からしてもすごくありがたいところにフォーカスしていただいてるんだなっていうのがすごく伝わるんですけれども、どういう事業状況のスタートアップだとHIRAC FUNDさんとしては、結果として株価が10億なのか5億なのか分からないですけれども、せめて物があってこのぐらい顧客がいてとか、ステータスのイメージに近いことって何かあるんでしょうか?
檜山:
事業形態によりけりだとは思うんですけども、なんとなくイメージしていただきやすいのは、シードの調達の後にベータ版をローンチできました、ターゲットとするペルソナがなんとなく計画・実行・評価・改善を繰り返してなんとなく分かってきたみたいな状態で、売り上げは今後ついてくるとか。
プレシリーズA、シリーズAで資金調達をしてマーケティングであったりとか採用費をかければ、あとは「ここを狙っていけばもう伸ばしていくことができそうだよね」っていう仮説がしっかりはっきり出てきたタイミングっていうのがプレAとしては分かりやすいところかなとは思っています。
石橋:
B向けでもC向けでも変わらず、どの領域でも最低限そのぐらいは欲しいかなという感じですかね。
檜山:
そうですね。C向けだともう少し手前の事業フェーズになったりもするのかなと思ったりはしますけれども。
リード投資40%、伴走スタイルは企業の意向に合わせる
石橋:
ありがとうございます。そういった大体1社1億円というところを目安で投資されていて、プレAぐらいが一番スイートスポットだというお話も伺いましたけれども、いわゆるリード投資、フォロー投資みたいな投資のスタンスとか投資先との関わり方みたいなところでいうと、どういう感じで今やられているんですか?
檜山:
1号ファンドの方は追加投資でリード投資家になった場合っていうのも含めて4割ちょっとぐらいの会社さんのリードを取らせていただいております。
関わり方としては2週間に1回定例をしているような会社さんもいたりしつつ、定例を全くしていなくて試算表と重要業績評価指標進捗票だけ毎月いただいてモニタリングだけさせていただいているというような会社さんもあって。
お声掛けいただくタイミングで営業先ご紹介したりとか、いい最高財務責任者(CFO)候補がいるよっていうのをご紹介したりとか、都度都度テキストで依頼いただくみたいな会社さんもあったりとか、本当にまちまちで、基本的には会社さんの意向に合わせるようにしていますね。
石橋:
いい意味でラウンドがわかりやすいのと、投資金額の方針が決まってるぐらいで、かなり幅広いVCさんというイメージがですかね?
檜山:
そうですね。都度都度ケースバイケースでやっているようなイメージですね。
D2Cからアルムナイネットワークまで、多様な投資事例
石橋:
なるほどですね。檜山さんご自身が、例えばこんな会社に、こんな背景で投資をしたとか、こういうふうに伴走してサポートしてますみたいな、もし檜山さんがご担当していなくても、HIRAC FUNDさんを象徴するようなケースとかで、何社か具体例とか教えていただければいいなと思うんですけれども。
檜山:
先ほど申し上げたD2C領域の中でいきますと、我々の一番最初に3社ご出資先の中の1社のTENTIALさんっていう会社ありまして。
ジャケットとかパジャマとか作っている会社さんでして、スポーツ×テクノロジーみたいなところでD2Cブランドを展開している会社さんでして、そういったところは代表のパートナーの金坂であったりとかが、エクイティストーリーをどういうふうに作っていったらいいかとか、もちろん採用のご支援をしてみたりとか、都度都度依頼いただくたびにやらせていただくこともあったりはしますし。
もう1社はハッカズークという会社さんが、アルムナイにフォーカスをしている会社さんでして。
石橋:
いわゆるOB・OGのことですね。
檜山:
企業のOB・OGと企業を繋ぐSaaSを作っている会社でして。
かなり面白いのが、SaaSを展開していて、あくまでジョブマッチングボードで人材紹介料に流していくというモデルではなくて、SaaSとしてコミュニティを提供していく、企業とアルムナイというところをつないでいく、そのコミュニティを作ってあげるというところに切り口を見出している会社でして、ここは私もご担当させていただいていて、導入がかなり進んでいて面白い会社さんだなと思っています。
石橋:
結果的に採用費の節約とか削減になるよねっていうのが一番なんですか?
檜山:
そうですね。カムバック採用の採用費削減にもなったりとか、あとは社外コンサルティングであったりとか業務提携っていうのが、OB・OGの方がもともといた会社なので一番中身のことをわかっているので、社外コンサルをやるにしてもオンボーディングのコストがかからなかったりとか、コミュニケーションが円滑であるとか。
また、そういう大企業さんご出身のOB・OGというのは、転職されてもすごく良い会社さんに転職されることが多いので、提携先としてすごくホットであったりとか、そういう関わり方がされています。
海外のアルムナイ文化に着目した投資判断
石橋:
ちなみに、当時で言うと檜山さんはどういう見立てで投資しようと思われたんですか?
檜山:
私もともと1社目が外資系のコンサル会社であったりとか、大学もイギリスの大学だったんですけど、大学でもそういうコンサルのところでもアルムナイネットワークって結構海外だとあって、そこをすごく大事にしているんですけど、例えばハーバード大学のアルムナイネットワークってすごく強固なものでお互い繋がっていてとかしてると思うんですけど、それ日本の企業では全然されていないなっていうのが感じていて。
1回やめたら裏切り者じゃないですけど、やっぱり終身雇用前提の社会だとなかなかそこがうまくいっていなくて、すごく機会損失になっていて。
直近だと投資した後ですけど、人的資本の開示というところで、人材流動性をしっかり確保していかないといけないよねとか、いろいろそういう波があったりとかもしていたので、ここのギャップってずっとあるよねっていうのがあったので、個人的にもすごくニーズを強く感じる会社さんでしたし、ファンドのメンバーもすごくここには期待したいねっていうところで、ご一緒することを決めたという。
石橋:
なるほどですね。今、D2C系といわゆるSaaS系の話もいただきましたけど、他の領域とか他の市場で投資先でそれこそご担当されていたりとか、他の事例とかってあられるんですか?
オンライン教育からWeb3.0まで、全領域をカバー
檜山:
はい、SOZOWというオンライン教育の会社さんも別のメンバーですけども、直近のラウンドでリードを取らせていただいてご一緒している会社がありまして。N高校さんであったりとか。
石橋:
分かります分かります。オンライン高校ですかね?
檜山:
そうですね。そこよりももう少し手前の小学生とかに最初はもともとフォーカスをしている会社でして、Minecraftを使いながらプログラミングを勉強するとか、マネーフォワードの役員メンバーが入ってお金の教育をするとか、そういう資産形成の仕方を小学生に教えるみたいな。
課外活動ではないですけど、義務教育以外のプラスαで必要な教育っていうのをやっていこうよっていうのを提供されている会社さんでして、いろいろな親御さんから評価が高いサービスを作っていらっしゃいますね。
石橋:
HIRAC FUNDさんはオールジャンルなんだなっていうのは十分理解できたんですが、特にその中でも檜山さんとして、今は2号ファンドをこれから積極的に投資される中で、こういう領域なのかビジネスモデルなのか、ないしは人物像的にこういう起業家を探してます、みたいなのはありますか?
2号ファンドは最大3億円まで投資可能、Web3.0とヘルスケアに注目
檜山:
2号ファンドはファンドサイズを大きくしているので、1社さん3億円くらいまでの予算は設けられるかなというふうにファンド内で話をしていまして、なのでシードももちろん検討させていただけるんですけど、1号ファンドの時よりも大きいサイズ感のラウンドまで検討させていただくことができるようになっているので、より事業が確立しているようなフェーズで。
例えば個人的にフォーカスをしているのはWeb3.0であったりとか、国内でまだまだ可能性があるなと思っているのはヘルスチェック・ヘルスケア、介護の領域だったりとかは、なかなかデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいないみたいなところもあったりもするので。
進んでいないところに理由はもちろんたくさんハードルがあるからっていうのはあるんですけども、何かブレイクスルーはあるんじゃないかなとは思っていて、注力していますね。
石橋:
檜山さん個人のテーマを聞いても、Web3.0からDXまでって、両極端と言えば両極端ですね。
檜山:
ただ海外ですと、ブロックチェーンにメディカルデータを乗せるみたいな話もあったりとか、広義のヘルスケアの中では保険とブロックチェーンみたいなところもあったりするので、つながらなくはないのかなと、無理やりですけども。
SNSから気軽にコンタクト可能、シード期の起業家も歓迎
石橋:
もし檜山さんとかHIRAC FUNDさんに壁打ちお願いしたいなとかコンタクトしたいなとか、どちらから連絡するのが一番良さそうですか?
檜山:
そうですね。基本的にフロントメンバーはみんなFacebookもTwitterも、場合によってはLinkedInとかもやっているので、SNSを見つけてそのまま気軽にDMいただけるのが一番いいかなと思います。
石橋:
承知しました。動画の概要欄の方にHIRAC FUNDさんの公式ホームページと檜山さんのFacebookのURLを記載させていただいておりますので、ぜひお気軽に。
それこそシードからもやっていらっしゃると思いますが、すでに起業されていて次のファイナンスを目指しているとか、なんとなく懸念してるみたいな方も含めて、ぜひご連絡していただければなと思いますのでコンタクトをとってみていただければなと思います。
第2弾ではそんな檜山さんがさっきちょっと出てきましたけど、なんで海外の大学わざわざ出て今VC、しかもHIRAC FUNDさんにいるんだよみたいなところとか、場合によってはその上で今後どういうことを目指していらっしゃるのか、みたいなところを改めてお伺いしていければと思っておりますので。
檜山:
よろしくお願いいたします。
石橋:
檜山さんにコンタクト取られる前にもですね、第2弾見ていただけるとどんな方なのかというのは含め分かるかなと思っておりますので、ぜひ引き続きご覧いただければと思います。それでは檜山さん、今回もご出演ありがとうございました。
檜山:
ありがとうございました。
【若手VC必見!】VCはどんな人に向いている?若手から見た必要な心持ちとは?|スタートアップ投資TV
イギリス留学から金融学専攻へ、学生時代にVCインターン
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capitalの石橋です。
檜山さん、今回もよろしくお願いします。
檜山:
お願いします。
石橋:
今回は第1弾でHIRAC FUNDさんがどういうファンドなのかとか、檜山さんご自身がキャピタリストとしてどういう投資活動をされていらっしゃるのかというところをお伺いはしてまいりましたが、そもそも檜山さんって誰なんだっけ、みたいなところを今回はいろいろとお伺いしていければなと思ってまして。
聞くところによると1社目はいわゆる外資系コンサルティング会社?
檜山:
会計Big4ですかね。
石橋:
そちらにいらっしゃったわけですよね。
檜山:
そうですね。はい。
石橋:
学生時代からそういう金融系だったりとか投資業系とか、そういったところにご関心があったからって感じなんですか?
檜山:
そうですね。大学の専攻も金融学でしたし、在学中にシンガポールにあるVCでインターンをしていたりとかもしていたので、その領域にもともと興味があったというのはありますね。
石橋:
学生時代はあれですよね?ちょっと事前の打ち合わせでお伺いしたところで言うと、もともと日本の大学じゃなくて、海外に行ったんですよね?
檜山:
イギリスの大学に行ってました。
石橋:
なんでイギリスの大学に行ったんですか?大学からですよね?高校とかからではなく。
檜山:
高校まではずっと日本にいまして、大学からです。中高一貫の学校に行っていて、高校受験をしなくてよくて、その間に英検とかTOEICとか「受けときな」と言われていて、受けているうちに英語とか数学はとりあえずやっておいた方がいいなと思って、TOEFLとか、あとSATっていうアメリカの大学を受けるときに必要な共通試験、センター試験のアメリカ版みたいなものを受けたりとかしていながら、「行けんじゃね?」っていう、ちょっと調子乗ってしまった部分がありまして。
頑張って勉強して何とかっていう感じではありましたね。
石橋:
結果、金融系の専攻だったという感じですか?もともと関心があったから金融系だったんですか?
檜山:
ビジネス系は勉強したいなというのはもともと大きなテーマとしてはあって。直接留学でないと、日本の大学行ってから留学というふうになると、語学留学、語学学校に一回入らなければいけないとかもあったりするので、そこよりは直接やりたいことが決まっているので、経営学がしっかり勉強できる場所で英語圏のどこかに入れればいいかなと思っていて。
一番奨学金をくれた学校に行こうというところで行ったという形です。
石橋:
そういう大学にいるとVCとかも存在するのって割とナチュラルなことで、VCでインターンするのって国内で言うとまだまだ少ないじゃないですか。海外大学とかにいると割と普通なことなんですかね?
檜山:
海外大学だからというのはわからないんですけども、金融学のクラスではもちろんVCとかプライベートエクイティ(PE)とかの話はしますし、モデリングの勉強をしたりとかもするので。ヨーロッパは日本よりもVCとかPEが群雄割拠じゃないですけど、たくさんいいファンドさんがいらっしゃるので、自然と学生の選択肢の一つには入ってくるんじゃないかなとは。
ただ、なかなか新卒では就職できないところが多いので、一旦投資銀行に入るか、みたいなそういうキャリアパスっていうのはヨーロッパの学生には一般的かはわからないですけど、日本よりは多分ポピュラーなのかなとは思います。
石橋:
ちなみにそのまま海外でお仕事するっていう選択肢はなかった?
檜山:
そうですね。ちょうど私2020年が卒業年で、3月にちょうどイギリスの首相がコロナになってロンドンがロックダウンで、ゴーストタウンみたいになって緊急で帰国したんですけど、最後の1週間本当にレストランとかも全部閉まっていて、一瞬買い貯めもあって近くのスーパーから食料がなくなってみたいな時もあったりして、すごく痩せて帰りました。
コロナ禍でロンドンから緊急帰国、Big4を経てHIRAC FUNDへ
石橋:
そのタイミングで帰られて、結局EYさんに新卒で入られたんですね。
檜山:
そうですね。もともとインターンをさせていただいていたので、同じ部署でそのまま拾っていただいたという感じです。
石橋:
そこから改めてどういう流れでHIRAC FUNDさんに流れ着いていくんですか?
檜山:
HIRAC FUNDにいるもう一人のフロントメンバーが高校の先輩でして、彼に新卒の会社入る前から就活の相談をしていたりとかもしていて。大学で金融学やっていたりとか、VCでインターンをしてみたりとかしているっていうのを思い出してくれて、声をかけてもらったっていうところが一番の最初のきっかけです。
石橋:
ではEYさんを離れていこうというところがトリガーというよりかは、もともと声かけが先にあってという感じですか?
檜山:
そうですね。最初から「すぐ辞めよう」ということはなかったので。
石橋:
確かに、1年以内ぐらいで転職された?
檜山:
そうですね。新卒の会社10ヶ月で辞めるという暴挙に出たので。ただ、もともと2、3年いるっていうのは普通ですし、できるのであればもう少し長くいようとはもともとは思っていたので。
ただ、その後に面白い会社に転職したからお前も来いよ、みたいなところで声かけてもらったところがあったのですごく悩んだんですけど、どうせやるなら早く行った方がいいっていうのは思ったので、ちょっと思い切って転職をしたような形です。
立ち上げ期ファンドで経験を加速、2号ファンドレイズも主導
石橋:
ありがとうございます。だいぶどんな流れでVCになられたのか分かってきたんですけど、改めてその中でHIRAC FUNDファンドさんを選ばれて、なんだかんだで若手のVCの方々に対する風当たりって常に高いじゃないですか。何ができるんだっけ論争みたいなのは一生終わらないし。
「なくていいだろ」って人も一生いるし、「ないとダメだろ」って人も一生いるじゃないですか。とはいえ、当事者として今おいくつですか?
檜山:
25歳ですね。
石橋:
入られた時は何歳ですか?
檜山:
23歳です。
石橋:
風当たりドンピシャぐらいの気もしなくもないんですけど、改めて檜山さんとしてはVC界隈で何をしていきたいと思っているとか、それを達成するためにこういうふうなことを次チャレンジしていきたいとか、どういうふうにご自身としては思われているんですか?
檜山:
そもそもHIRAC FUNDを選んだ理由というのが、声をかけていただいたというのがすごくありがたかった部分でもありますし、ちょうど1号ファンドが立ち上がって半年、1年経たないくらいのタイミングだったので、立ち上げ期のファンドに入れるっていうのはやっぱり面白いなと思っていて。
人数少ない中でファンド立ち上げていく、実際に2号ファンドを今レイズ中で、そのファンドレイズもこの年齢でやらせていただいていて、主導させていただいているアカウントもあったりとかもするので、そういう経験ができるのってなかなか大きいファンドさんだとないのかなとは思っていて。
まだまだ立ち上げ期でできないこともあるんですけど、機動力高く、瞬発力高く、起業家さんのリクエストにも応えやすかったりとか、LPさんからのリクエストにも返答しやすかったりとかっていうのもあったりするので、そういうところで自分の経験を加速度的に高めていくことがしたいなというのがあったので、HIRAC FUNDに入ったというところはありますね。
若手VCのキャリア選択、独立かパートナーか
石橋:
なるほどです。もちろん檜山さんご自身の話もそうですし、最近すごく若手のキャピタリストの人って新卒も含め増えていらっしゃると思うんですけど、今の25歳前後ぐらいのキャピタリストの方々って、VC業界って年齢重ねれば重ねるほど「おじさんジェネラル・パートナー(GP)辞めない」みたいな永遠の課題あるじゃないですか。
世代交代しにくいみたいな。結局、独立をされていくのか、ファンドの中でパートナーになられていくのか、別の選択肢があるのか、檜山さんご自身はどう見てるのかっていうところと、どういう人が若い人って多かったりするんですか?
檜山:
私自身としてはHIRAC FUNDに残ってパートナーを目指していくと思っていて。やっぱり人数少ないファンドなので、そこで自分でできることを増やしていって、より大きな決裁権を持てるように成長していくというところがまず目下のゴールかなとは思っています。
同世代のVCで他のところですと、やっぱり独立を目指すっていうところが、インキュベイトファンドさんとか、プログラムとしてアソシエイト・アナリストの独立を促しているところもあったりもしますし、CFOであったりとか起業をするみたいなところでスタートアップ側に。
ハンズオン型であればあるほど、スタートアップ側に行きたくなるっていう気持ちはあって、そういうCFOになるっていう同期が結構いたりしますね。
石橋:
独立をする選択肢と、残られてパートナーになる選択肢って結構難しい選択肢なのかなと思うんですけど、その場合はいずれにせよVCに残っていくっていう選択だと思うので、檜山さんの中でそれってどう区別していらっしゃって、なんでHIRAC FUNDさんの中でパートナーを目指していこうという方向で考えていらっしゃいますか?
檜山:
そうですね。HIRAC FUNDにいるとマネーフォワードグループのリソースを活用することもできますし、独立するとどうしても、共同GPで3人とか4人とかでやったとしても、やっぱり1号ファンドではファンドサイズが限られたりもしますし、使えるリソースっていうのはどうしても限られてしまうので。
HIRAC FUNDに残って自分が決裁権を強めていくっていうところが、やっぱりマネーフォワードグループのリソースを使ってこの部署と連携してもらうとかもしやすかったりとか。
HIRAC FUNDとしては歴史はまだ3年、4年みたいなところにはなるんですけど、マネーフォワードグループというところで行くと10年以上のベンチャー界隈にいるという実績があるので、その看板で信用してご出資いただくLPさんが。
2号ファンドでこの規模感というのは、なかなか今の市況感で難しかったりもすると思うんですけど、そういうのができるっていうのがあるので。インパクトを強くしたい、いろんな影響を与えていきたいというのが自分の中で一番あるので、その中でHIRAC FUNDに残っていくっていうのが一番ベストなのかなと思っています。
VCで活躍できる人材像、特定領域の深掘りとネットワーキング
石橋:
ちなみに現時点で転職をされてきて、VCとして活動される中で、番組見てくださっている方の中には、場合によってはこの「スタートアップ投資TV」なので、VC業界の転職に関心ある方とか、最近転職してきた方とか見ているとお伺いしたりするんですけど、こんな方にはおすすめです、みたいな。
VC業界、もしくはHIRAC FUNDでこういう人募集してます、でもいいですし、どういう思いとか、こういうことをやりたい人にはいいかもしれない、みたいなことをぜひ一言教えていただけると。
檜山:
一般論としてはVCで活躍できるというのは、自分の特定の領域をどこまでも掘り下げていくことができて、かつネットワーキングが苦にならない人なのかなというふうに思っています。それがシード投資になればなるほどネットワーキングというところは強くなっていくのかなと思いますし、とはいえ特定の領域で自分の名前を売っていくというところがすごく重要になると思うので。
そこの数字であったりとかロジカルシンキングみたいなところもありつつ、意外とウェットな泥臭いところもしっかり根性を持ってやっていけるみたいな方が向いているのかなと思います。
HIRAC FUNDは、海外投資も実は2号ファンドからできるようにもなっていますし、私個人としてはWeb3.0見てみたりとかもしていますし、いろいろな新領域に挑戦しやすい環境でもあったりするので、それをパートナーが後押してくれるという環境でもあるので。
そういう新しい挑戦をして泥臭く頑張っていきたいという方はぜひHIRAC FUNDに来ていただけたら嬉しいなと思っています。
石橋:
ぜひVCに関心がある方もいらっしゃるかなとは思っておりますので、もちろんそれだけじゃなく、起業しようとか相談したいなという方は1話の方も見ていただきながらHIRAC FUNDさんをご理解していただきつつ、ぜひホームページの方ですとか、檜山さんのFacebookのURLも概要欄に掲載させていただいておりますので、ぜひコンタクトをとっていただければなと思っております。
第3弾はテーマトークというところで、HIRAC FUNDさんが事業会社が親会社にいてCVCなんだが、外部資本も入っていてというのは、まあ聞かないんじゃないですか。
そういうケースのケーススタディといいますか、メリット・デメリット含めていろいろと、玄人っぽいお話をお伺いしていこうと思っておりますので、また次回もよろしくお願いします。
檜山:
お願いします。
【事業としてのCVC】CVCが外部からお金を集める意義 目線とは?|スタートアップ投資TV
HIRAC FUND誕生の背景:連続起業家の「恩返し」から始まった
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capitalの石橋です。
今回も、HIRAC FUNDからシニア・アソシエイトの檜山さんにご出演をいただいておりますので、今回もよろしくお願いいたします。
檜山:
お願いします。
石橋:
今回は、テーマトークではあるんですが、CVCが他の事業会社からお金を集めて投資することのメリット・デメリットについて、大枠でお話をしていこうと思うのですが。
現行HIRAC FUNDさんでいうと外部の方々からもお金をお預かりして運用されている、CVCファンドをやられてらっしゃる思うのですが、一般的なCVCですと、シナジーが目的で今後の非連続の事業成長のために、合併と買収(M&A)とかも重要になっていて、そのための研究開発費を兼ねてスタートアップに投資をするというのがCVCを、結果バランスシート上から直接投資をされるケースが一番多いのかなと思っていまして。
それが分かれるとしても、子会社化するとか、ファンド化するとか、その果てに外部から資金を集めるというのが、ここに到達する人はほぼいないなと素直に思うところでして、一方なぜマネーフォワード社を含め、そもそも大上段の交通整理というと、こういうことを今までやってきていたからHIRAC FUNDはこうなったとか、どういう感じの背景があったんでしょうか?
檜山:
最初の発端は、今パートナーの古橋が連続シリアルアントレプレナーでスマートキャンプという会社を創業していて、マネーフォワードにM&Aでグループジョインをしていた、今はマネーフォワードの役員もやっています。
石橋:
確か、結構大きいM&Aでしたよね。
檜山:
そうですね。当時の規模の中では、スタートアップのM&Aとして一つの成功事例になっているかなと思います。
そういう経験を持った人間が、マネーフォワードの新規事業としていろんな起業家を支援するVCをやりたいと。マネーフォワードは今までSaaS銘柄の中では初の赤字上場を果たしたこともあり、グループの知識があるので、自分も起業していたというところから、今度は還元する側になりたいというところからVCを事業として始まったのがHIRAC FUNDです。
石橋:
古橋さん発端なんですね。
檜山:
実はそうです。
石橋:
結果的に投資業としてやっていくというところが発端だったので、当然外部からお金も集めてという感じだったんですか?
檜山:
そうですね。一定程度規模感を大きくするというのも必要だねというところもあったので、なるべく応援団を増やしたいというところがあって、1号ファンドは起業家LPさんで、本当に30名以上の個人LPさんにご出資いただいて、あとは銀行や金融機関系の法人LPさんも入っていただいて、何度か組成させていただいた背景があります。
石橋:
そもそも出発点が本体とのシナジーやM&Aという戦略上の発生じゃなくて、新事業として立ち上げていくところから、当然分岐したということなんですね。
檜山:
おっしゃる通りですね。
マネーフォワード本体との「2つの財布」戦略
石橋:
マネーフォワードさん本体は、今でもHIRAC FUNDさんがある中でも普通にマイノリティ投資や資本業務提携をしてらっしゃるんですか?
檜山:
マネーフォワードはM&Aで成長してきているグループでもあります。まさにスマートキャンプさんがそうであったりもするので、本体の経営企画チームだったり、中枢の戦略としても大事だよねという認識を経営陣皆しているので、資本業務提携やM&Aは積極的にやろうと考えている。
海外投資も実はしていたりもするので、そういうのはしっかりやっていこうという話があって。HIRAC FUNDはそれとは全く別のお財布で純投資をやっていこうという形で、2つのお財布があるようなイメージで、そこの立て付けはしっかり分けようという感じでやっています。
石橋:
そういうふうに発生するケースってCVCとしては結構珍しい方なのかなと思いつつも、結果として他社さんのCVCでも普通に始まり、そこから徐々に進化する中で外部のLPさんが入っていったりするケース、いろいろいらっしゃる中で、改めてメリット・デメリットであったりとか、僕らみたいな独立系のVCとは違って半分独立系っぽいけど、マネーフォワードさんの冠もついているというのも、それはそれでメリット・デメリットがあるのかなと思うので。
それぞれの観点で外部のお金が入っているからこそ、CVCの良いところと、場合によっては懸念していること、課題になりそうなことなど教えていただければと思うのですがいかがでしょうか?
外部資金を入れるメリット:人材とリソースの活用
檜山:
メリットはすごくたくさんあると思っていて、一番のメリットは、マネーフォワード本体で活躍されている弁護士さんや経理の方が兼務という形で支援してくださったりもするので、人数を比較的増やしやすいというところです。
兼務でもともと社内で活躍しているという方なので、新規でフルタイム採用というよりはコストも案分できたりもしますし、そういった面でしっかり活躍している方なので、お互い信用もしやすいし、コミュニケーションも同じ社内ツールだからしやすい。そこの人を増やしやすいというところは一点あるのかなと思っています。
あとはグループのリソースを活用して広報のご支援をするとか採用のご支援をするとか、そういったところがしやすいのがCVCでやっていく強みになるのかなとは思っています。
デメリット:ファンドレイズと監査の厳格さ
檜山:
一方でデメリットのところでいくと、資金調達活動が大変というところですね。
石橋:
やっぱり親会社さんがいるからみたいな感じになるんですか?
檜山:
単純にやっぱりファンドレイズでJICさんとか中小機構さんとかが検討対象外になるので、完全プライベートの民間の方々から募集していただかなければいけない。
規模を大きくしていくのが、サステナブルにやっていくっていうのが一定のカロリーが必要になる事業なのかなとは思います。
石橋:
確かに確かに。それ以外の課題や懸念ってあり得るんですか?
檜山:
我々と同じファンドスキームを使う場合は上場会社基準の監査が必要にもなるので、リーガル面であったりとかもレピュテーションチェックとかリーガルデューデリジェンスとかは、もちろん独立系のVCさんもやられているとは思うんですけども、ちょっとコンプラ周りや監査周りは普通よりは大変なのかなと思います。
あとシードの会社さんに試算表を提供してくださいみたいなところは、より厳密に。本来は全社やらなければいけないところであると思うんですけども、よりこの四半期とか決算の時期があるので、よりちょっとシビアになる部分はあるかなと思います。
投資活動面でのメリット:シナジーからの解放
石橋:
逆にファンド化していたことによる投資活動面でのメリットって何かあるんですか?
檜山:
それはやっぱりいろんな領域を見れるところが一番強いのかなと。
石橋:
完全にシナジーからも解放されて、より自由にというか。
檜山:
そうですね。本当にピュアにキャピタルゲイン目線で、より成長可能性がある会社さんのみをしっかり見ていくというところができるので、そこはやっぱり一つ強い部分なのかなとは思いますね。
CVCの永遠の課題:キャリー設計とインセンティブ
石橋:
これ言える範囲で全然構わないんですけど、例えば実際YouTubeで過去に朝日メディアラボベンチャーズさんにご出演をいただいていて、あそこも確かにCVCではあれど外部資本がファンドに入っていらっしゃって、かつ特徴的だったのが個人GPで入ってるんですよ。
CVCファンドなのにGPの人たちが個人でもファンドに入っていて、キャリーの設計が旧来のCVCでは考えられないキャリーの設計をされていらっしゃって。HIRAC FUNDさんの場合は限りなく独立系に近いとはいえ、キャリーの設計だったりとか、チームの人たちからすると、CVCの人がキャリー設計上の不満があって独立するというケースはよくある話だと思うんですけど、どういうふうに考えていらっしゃったりとか、どういう仕組みにしていらっしゃるなどはあられるんですか?
檜山:
今、2号ファンドを作っているところなので検討中というところではあって、結論から申し上げると、マネーフォワードベンチャーパートナーズという子会社がGPになっているので、基本的には親会社に計上するというところになっている。
そこのキャリー設計の仕方が難しくなるというのもデメリットの一つではあるかもしれないです。
石橋:
そこは永遠につきないテーマというか、人にすごいつきやすい仕事じゃないですか、VCって。そこの人の永続性とか、もちろんお金のために皆さんやってるとは全く僕も思ってないんですけど、とはいえ同じようなことやってる人たちが独立系だと一定数のファイナンシャルリターンとかある中で、CVCですごい成果出してるけどそんなことはないってなると、ジレンマを感じる方というのが多いのかもしれないですね。
檜山:
そうですね。うまく設計できたとしてもボーナスにはなるのかなとは思うので。
石橋:
給与課税になっちゃいますもんね。
檜山:
そうですね。永遠の課題ではあるかもしれないですね。
石橋:
檜山さんがパートナーになるプロセスで変えていけばいいんじゃないですか?
檜山:
そうですね。1号ファンドの時にはできなかったことを2号ファンドでやろうとしていて、おそらく3号ファンド、4号ファンドではそういうのをしっかりサステナブルな組織を作っていくっていうのも一つの目標ではあると思います。
我々がそういうのをやっていくと、他のCVCさんも真似しやすくなると思うので、いろいろ考えていくのは大事なんじゃないかなとは思います。
CVC会での横のつながりと情報交換
石橋:
CVC会は募集はされてないんですか?
檜山:
CVC会はクローズドコミュニティで招待制というところではあるんですけど、CVCの方であれば基本的に参加していただけるので、そういうところで横のつながりを作っていったりとか。
実際生々しいキャリーの話とか、交流会とか懇親会とかしてると出てきたりもするので、そういうのを横で情報交換しながらみんなで頑張っていけばいいよねっていうふうには思っています。
石橋:
ぜひCVC系の課題感とかある事業会社さんですとか、そういったことがあればぜひ檜山さんであるとか、場合によっては僕らからいろんなCVCの方々をご紹介もできるかなとは思っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせいただければなと思っております。
それでは改めて檜山さん、最後まで今回ご出演頂きましてありがとうございます。
檜山:
ありがとうございました。
