【U25投資に強み】未来を変えたい起業家の登竜門に!F VenturesとTORYUMONのリアルに迫る【F Ventures両角さんvol.01】

◯両角 将太 株式会社エフベンチャーズ 代表者
2012年 早稲田大学卒業
2011年 サムライインキュベート入社
日本最大級のコワーキングスペース「SSI」のマネージャーを担当。
2015年 法人アライアンス事業を統括
2016年 前職を卒業し、福岡を拠点としたVCであるF Venturesを設立。
現在2号ファンドを組成し、1号ファンドからタイミーを含む累計30社超に投資。
スタートアップイベントTORYUMONを半年毎に東京と福岡の2都市で主催。

石橋
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、GazelleCapitalの石橋です。

今回はですね、F Venturesの代表パートナーでいらっしゃる両角さんにご出演をいただきまして、F Venturesさんから出資を受けたいならば、この動画を見れば、全部分かるぞっていうような動画として、送りをさせていただきたいと思っておりますので、色々とちょっと突っ込んだご質問もさせていただければと思いますので、両角さん今日からよろしくお願いします。

両角
はい、お願いします。

石橋
F Venturesを創業した経緯ですとか、両角さんの簡単なご経歴みたいなところ、以前の動画でもお話いただいてるところあると思うんですが、教えていただいてもよろしいでしょうか?

両角
元々サムライインキュベートに入社しまして、入ったのが2011年からなので、もう14年経ってるんですよ、この業界。で、4年半勤めて、そこでいろんな活動をさせていただいて、投資先の支援からイベント運営などまでやらせていただいて、いろんな経験積ませていただいたので、その中で、福岡が創業特区になったっていうニュースも飛び込んできて、サムライにいながらも福岡でなんかやりたいっていう風に思っていました。

サムライにいたので、個人的な出張ベースで行ったりはしていたんですけど。そういったタイミングの中で創業期に投資をするVC(ベンチャーキャピタル)が当時はいなかったんですね。

石橋
福岡とかにってことですかね。

両角
そうですね。なのでそこに、僕自身の経験が生かせるんじゃないかと思って、地元をなんとか盛り上げたいって気持ちで、最初福岡に飛び込んで、地元に戻って、設立したのが2016年ですね。
なので今は9年経って、今年10年目ですね。

石橋
確かにサムライの両角さんはVC業界に来る前にむっちゃイベントやってる人っていうイメージはありましたけど。

両角
年間200回やってましたね。

石橋
気が狂ってる勢いですよね。年間200回やってたんですか?

逆にそこから、実際F Venturesさんと独立されて。現在では、どのくらいの規模の資金を運用されていて、どのようなファンドを手がけていらっしゃいますか?

両角
1号ファンドから3号ファンドまで運営していて、1号は2億の小さいファンド、2億満たなかったんですけど。で、2号ファンドは5億ちょっと、

石橋
本当に小規模なところからですね。

両角
そうですね。で、3号ファンドは11億と、少しずつ大きくなってきたようなファンドになります。

今までは90社ほど投資させていただいて、大体インターネットオールジャンルで投資させていただいてるんですが、バイオとかロボティクスとか結構重いところは、我々のタッチしにくい部分かなと思ってます。

石橋
これまで1社あたり、どのくらいの金額を投資することが多かったんでしょうか?

両角
サイズとしては1000万から2000万ほどの投資サイズが多かったですね。

石橋
じゃあ本当にラウンドとしてもシード・プレシードみたいなところにも振り切ってやってるって感じなんですか?

両角
まさに。プレシードからシードにフォーカスしてますね。

石橋
現在3号ファンドまで運営されていますが、今後はTimeeさんなどの上場(イグジット)の話も出てくるかと思います。直近では、新たなファンドの立ち上げも予定されていますか?

両角
そうですね。4号ファンドもこれから準備していくところですね。

石橋
投資戦略とかあまり変わらないんですかね?

両角
投資戦略自体はそこまで変わらないですね。

1号はより福岡フォーカスだったんですけど、今「TORYUMON」っていう我々のコミュニティを基軸にした、アンダー25、若い人に対する投資が非常に多くなってます。

石橋
なるほど。

じゃあ、しっかり若い、次の芽のところに、1000万から2000万ぐらいのシード・プレシード投資をしっかり数をしっかりやってこうみたいな感じになるんですか?

両角
そうですね。特に若い人だけというわけではないですけど、最近もAIでいろんな市場がリプレイスされていってると思うので、そういった新しい分野を変えて未来を作っていく意味でも、FutureのFでもあるので。いろんな領域に投資できればと思ってます。

石橋
確かに福岡のFでもあったが、FututeのFでもあるっていう。なるほどですね。

その1000万円から2000万円だと、場合によってはいわゆるリード投資ですとか、フォロー投資っていう、投資のスタンスもまた分かれるのかなと思うんですけど、どういうケースが多かったりするんですか?

両角
ケースバイケースでリード取りたいって思って、絶対もうこの人一緒に伴走していきたいと思ったらリード取らせていただきたいなと思ってますが、一緒に事業を作っていきたいと思える人がいればフォローでも投資できればと思ってます。

石橋
割と柔軟な姿勢というか、取り組みのスタンスでやられてるって感じなんですね。

両角
そうですね。

石橋
ちなみに、私のイメージではF Venturesさんは特定の業種やtoB、toCにこだわらず幅広く投資されている印象があります。実際にこれまで約90社に投資されていますが、特に多い業界や、toB・toCの割合など、どのような分布になっているのでしょうか?

両角
比較的toCの方が多いかなと思っていて。若い人に投資すると、やっぱりどちらかというとこう日常生活の中で感じた課題とか、Timeeもそうですけど、自分で感じた不都合とか社会のこう負の部分とかを変えたいという発想が多いのはやっぱり若手ならではだなと思ってるので。よりtoCサービスが多いなと思ってます。

石橋
投資した後のコミュニケーションていうのはどんな感じになるんですか?

両角
投資した後は、定例持って、一緒に事業の壁打ちしたりとか、プロダクトないところもあるので、メンタル面のサポートとかさせていただいたり、イベントもよく僕らやってるので、そういったところにみんな呼んで飲み会やったりとか。勉強会も、投資先の困ってることベースで企画させてもらったりとか、そういった支援の仕方をよくやってます。

石橋
なるほどですね。F Venturesとしての組織体制っていうのはどういう風になってらっしゃるんですか?

両角
今フロントで投資やってるのは2名で、僕と伊藤というメンバーの2人います。彼自身も若いので、アンダー25の同じ目線で投資ができて事業の支援ができると思っているので。僕もだんだん年取ってきているので。

石橋
誰も逆らえないですからね。

両角
アンダー25のコミュニティを作る中で、若いメンバーがいることで、より若い世代に継続的にリーチできていると感じています。

また後ほど話しますけど、「TORYUMON」というプロジェクトでは、代表が毎回インターン生の中から選ばれる仕組みになっています。私が良いと思ったメンバーを代表に任命し、その人を中心にコミュニティが回ることで、自然と若い人たちが集まりやすい環境になっています。

石橋
「TORYUMON」代表の人は両角さんに抜擢されているって感じなんですね。

両角
そうですね。あとは、バックオフィスとか、ミドルバックのメンバーが3名、業務委託でいて、あとはインターン生が常に10人くらいいるようにしています。

石橋
めちゃめちゃいますね、インターン生の人。

両角
常に採用してるのでぜひ。

石橋
ちなみにインターン生は全国にいるんですか?

両角
福岡と東京にいますね。

石橋
へえ。じゃあ、必ずしもオンラインでリモートでってだけじゃなくてオフラインでも一緒に動いたりもするってことですね。

両角
そうですね。福岡東京にもオフィスがあるので、こちらでも、イベントをよくやったりしてますね。

石橋
なんとなく、ファンドの投資スタイルは分かってきたんですけど、実際の例えばアンチポートフォリオとかですね。僕自身がよくTimeeさんの事例とか、要はTimeeさんの創業期にお会いはしていたが、全然普通にスルーしちゃってたけど結果は爆伸びして、ああなったみたいな、そういうケースって両角さんとかF Venturesさんとしてなんかあられるんですか?

両角
はい、印象的なのが1つあって、CBクラウドっていう会社。

石橋
ANOBAKAさんが投資してますね。

両角
PickGoってサービス名だと思うんですけど。僕も創業期で彼らも創業期で。

僕がユーザーとして普通にあの全職やめた時に運んでもらうために使わせてもらったんですけど。当時はC向けにやってたんですよね。

C向けのドライバーマッチングしてくれるっていうサービスをやってたんで、引っ越しの時に探して見つけたサービスで。当時はUIがめちゃめちゃ使いづらいっていうのは申し訳ないですけど。使いづらかったので、ユーザーとして問い合わせをして。ここをもっとこうして欲しいって。ちょっとめんどくさいユーザーだったと思うんですけど。結構書かせていただいて。で、ちょっと会いませんかっていうので電話して会いに行って。それがファンド設立前だったんですよね。

で、会いに行って投資したいって言って、彼らも是非って言ってくれてて。
今でもその話を彼らとするんですけど、当時一緒に慣れたら良かったですねと。
ただファンドが間に合わなくって、投資ができなかったっていうのが一番悔しいところですね。

石橋
オファーもして、やろうって言ってるのに、組成が間に合わず。だってめちゃめちゃでかくなってますよね。

両角
そうですね。

石橋
うわ。

両角
もう1個IPO行けたかなと思うんですけど。

石橋
間違いない。難しいっすね、それも。

しかもなんか出会い方がだいぶ特殊ですね。

両角
ユーザーであることが結構大事だなと思って。色々使ってみていいなと思ったら投資したいなと思ってます。

石橋
今でもそういうことってあるんですか?

両角
最近は、もうプロダクトリリース前から投資するVCも増えてきて、なかなかその状態で投資受けてないって珍しいと思うんですけど。

色々触ってみて直感的にいいなと思ったサービスをまあ、新しく変えようとされてる起業家さんとか色々壁打ちしていく中でこういうサービスがいいんじゃないかって議論しながら投資していきたいなと思ってます。

石橋
へえ。両角さんが、新しいものに対するフレッシュな気持ちや感覚を保つために、普段から意識して取り組んでいることはありますか?

両角
2つあると思ってて、1つは新しいサービスが出てきたら、まずは登録してダウンロードして使うようにして、感性を鈍らせないようにしてますね。

2つ目は「TORYUMON」でいろんな若い人たちと会う機会が多いので常に若い人が今何使ってるのかとかどういう生活してるのかとかなるべく若い人の意見を聞くようにしてます。

石橋
改めて、「TORYUMON」全体のご説明とかいただいても大丈夫ですか?

両角
通り門は25歳以下向けのスタートアップカンファレンスになってまして、2017年から始めて、これまで21回やっているイベントになってますね。

初回は実はBDashCamp、BDashVenturesの西田さんに、提案いただいて始まったのが「TORYUMON」になってます。

石橋
きっかけになったのが西田さんなんですね。なるほど。

1回目の開催は福岡からだったんですよね?

両角
そうですね、福岡で始めて。で全国の地域から参加していただけることが増えたので、一番集まりやすい東京で開催しようとなったのが2018年ごろ、「TORYUMON」自体は3回目の頃からやりました。

石橋
過去、毎回どのくらいの規模の人たちが参加されていらっしゃって、潜在的な起業家の方が結果的にいらっしゃったみたいな感じなんですか?

両角
規模的には毎回500名ほどの規模になってきていて、25歳以下だけで500。

石橋
すごい。

両角
最初は100人とかから始めたんですけど、徐々に大きくなってきて、前回は会場に入りきらないぐらいの規模になってきたんで。500名ぐらいを維持しながら今後やっていきたいなと思ってるんですけど。

両角
当時、東京で初めて開催した頃にTimeeの小川さんもちょうど創業期でピッチしてくださって、それがきっかけで、僕らとしても一緒にやることになったんですけど、

石橋
もちろん出会いのきっかけは別だったかもしんないですけど、投資の意思決定のきっかけは「TORYUMON」でのピッチっていうところだったんですが。

両角
当時インターンしていた中川っていうメンバーが学生向けのビジコンとかで運営している中でそこで出会って引き連れてくれたのが初めての出会いで、最初スタバでお話して、投資を決めたのが初めてのきっかけですね。

石橋
へえ、すご。

他にも、今の小川さんみたいな格好でいらっしゃるんですか。

両角
他にはPoliPoliさんとか。当時はうちのインターンとして通り門代表やってた側なんですけど、過去の代表たちは結構起業してるんですね。

石橋
へえ、面白い。

両角
「TORYUMON」に参加していただいてる方はもちろん、どんどんと起業家が生まれていってますし、そういった声もたくさんいただくんですけど、実は社内での起業もかなりの数やってきてます。

石橋
さっきのじゃあまさに学生インターンでその中で両角さん的に見出した人が代表やって結果起業もしてって感じですかね。

両角
そうですね。

石橋
結構じゃあ、そういう方々に向けてF Venturesとしても投資もしてるんですか?

両角
そうですね。今まで20社ぐらいが起業して。

累計で80名ぐらい、インターン採用、これまでしてきたんですけど。20社企業して。

石橋
結構な高確率で起業してますね。

両角
そうですね。

石橋
80分の20ですもんね。

両角
そもそも最初から起業したいと思ってインターンしてくれる人が多いので、それだけ起業して。で、8社投資もして。これからまた5、6社起業する予定ですね。

石橋
ええ、すげえ。皆さん25歳以下ってことですね。

両角
そうですね、もちろん、はい。

石橋
それはでもだいぶ特徴になりますね。

「TORYUMON」のお話伺いましたけど、数字面でのインパクトみたいなところで言うとどんな感じなんですか?

両角
今まで「TORYUMON」21回開催してきましたけど、過去参加者累計で6700人ぐらい来てまして。で、ピッチも毎回していただいて、VC調達前の起業家さんたちが特に多いのですが、105人ぐらい、ピッチもしていただいていて。

で、彼らのその後追っていくと、資金調達どのぐらいやってきたかなというのを、計算してみると、大体109億円ほど調達をしていまして。

エクイティ調達だけで109億円、まあ70億くらいをTimeeが占めているんですけど。

非常にいいコミュニティになっていると思いますし、名の通り「TORYUMON」になってきたかなと思います。

石橋
逆に、F Venturesさんの「TORYUMON」のイメージがめちゃくちゃ強いんですけど、他に起業家目線での強みだったり特徴って他にありますか?

両角
起業家が困っている採用・マーケティング、営業などのテーマを定例で聞いて、人を紹介したりという形で支援できることが強みかなと。

僕自身、前職でイベントばかりやってきたので、僕なりの支援はそれですね。

石橋
年間200件やる体力を持っているわけですもんね。

両角
そうですね。そこでできたネットワークも今も活きていると思いますし。そこでの経験が今自分自身を作っていると思うので、フル活用してますね。

石橋
ちなみにU25だけに投資してるわけでは当然ない?

両角
ではないですね。イベントとかコミュニティ活動がアンダー25にフォーカスしているので、自然とそういう方々の流入は多いんですけど、それ以外も投資はしてます。

石橋
両角さんの中で投資したい・したくない起業家像はあったりしますか?

両角
投資したいなと思うのは、やっぱり志高く、本当に腹の底から世の中変えたい人、大きなビジョンを描ける人。

特に原体験がある人が強いなと思うんですけど。この業界のここを変えたいとか、Timeeだったらバイトしていてここが不便だったから、ここを変えたいとかいう起業家に対して投資していきたいなと。

Timeeの小川さんも当時から、「若き起業家が手がける働き方改革」って最初から目打ってやってたんですね。結構大きい日本の課題でもあるし、政府も押し進めてるところだったので、非常に大きいビジョンを描けていたのがすごく印象的でした。

石橋
逆に投資したくないところで言うとどうでしょうか。

両角
投資したくないところで言うと、ニッチすぎる市場に参入しているところとか目先の利益しか見ていない人とか、今までそういうところに、そういう方々にも投資させていただいたことも中にはあって、そこでうまくいってる方もいるんですけど、より大きくなっていくのはやっぱりビックビジョンを描ける人。

それによって共感する人が採用されたりとか、仲間集めの時にも、そういったビジョンが描けると周りにも集まってくると思いますし、投資家も共感しやすいと思うので。

石橋
これはさすがにニッチすぎたなみたいな市場とかなんかあります?

両角
ニッチすぎても投資しないってわけではなくて、今ニッチでも成長市場であれば投資したいと思ってるんですね。

両角
例えばeスポーツの業界とか。

石橋
分かりやすいな。

両角
当時5、6年前とかすごい小さい市場だったと思いますけど、今はかなり変わってきてますし、グローバルで言うとかなり市場規模が大きくなってきているので、そういった領域には全然投資していきたいなと思ってます。

石橋
今はちっちゃかったとしても変化分がとにかく大きいとか新しい市場も全然対象になるってことなんですね。

両角
そうですね。

石橋
最後に両角さんの今後の、それこそ新しいファンドの準備も進めていらっしゃるってことでしたけど、F Venturesが今後チャレンジしたいこととか次の10年に狙っていきたいところ、目指していきたいところってどんな感じなんですか?

両角
やっぱりシードに張り続けていきたいなと思っていて。

僕自身も、起業家じゃなかったですけど、いざ起業して、スタートアップの世界に飛び込んで、やっぱり人生変えられた1人だと思ってるので、そういうこの世界に飛び込んで世の中を変えるとか、自分自身の人生が変わるって人たちを後押ししていきたいという思いが原体験から強くあって、なので「TORYUMON」もとかも開催したり、コミュニティも作っていったりしています。

シードにフォーカスして支援し続けるなら、やっぱりファンドサイズはある程度維持した方がいいかなと思ってまして。大きくなっていくVCさんもちろんそれは素晴らしいと思ってますし、尊敬しているんですが、僕のスタイルにあったファンドサイズってのは大体20億前後ぐらいかなと思っているので、そのくらいのサイズを維持しつつ。

メンバーもそこまで大きく組織化していくっていうよりは強メンバーを少人数制でやっていきたいという思いが強いので、このスタイルを維持しながらより広く全ての起業家の「登竜門」になりたいと思っています。

新しい取り組みもオーバー26向けのものもあったりしますし、このブランドを維持しつつ徐々に広げていきたいなと模索していこうと思ってます。

石橋
ありがとうございます。個人的にはなんかそっちの話をしだすときりがないぐらい、ファンドの適正サイズとかシード投資どうこうとかって無限に話せちゃうんですけど。

両角
GazelleCapitalさんもサイズは維持されますよね。

石橋
間違いなく。後半戦の方では、もちろんTimeeさん、色々とどういう背景で投資したのかってお伺いしますが、より、Timeeさん以外の投資先の方の具体例とかもお伺いしていきたいと思っておりますので、次回もよろしくお願いいたします。

両角
よろしくお願いします。

【若手起業家必見】スキマバイトから政治意識の変革まで!F Venturesが惚れた3つのスタートアップ【F Ventures両角さんvol.02】

石橋
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、GazelleCapitalの石橋です。

今回もですね、前回に引き続き、F Ventures代表パートナーの両角さんにご出演いただきますので、よろしくお願いします。

両角
お願いします。

石橋
今回もですね、両角さん、F Venturesさんに、なんで投資したんですかというシリーズもので、具体の3社をあげていただきまして、なんで当時F Venturesさんがその会社に投資したのかみたいな背景のお話をいただいて、F Venturesのことを理解していただこうというものになりますので、あんまり世の中でお話いただけないコンテンツも出てくるかなと思いますが、ぜひ色々と突っ込んで教えていただければと思います。

まず早速なんですけれども、知っている人は知っているというか業界の人は知っていると思うんですが、誰がどういう順番で聞いたって「それTimeeから聞くべきだろ」っていうのは当然思ってまして、知らない人いないと思いますけど、Timmeの事業内容について教えてください。

両角
単発バイトのマッチング、スキマバイトのマッチングをやっていて、非常に多くの領域で使われていて。飲食、物流、ホテル、イベントなどですね。

ユーザーボリュームは1,000万人ぐらいのユーザー数になってきているので、クライアントさんが仕事を出すとすぐにマッチングするようなプラットフォームで、その日に来てくれるし、働いた日にお金も渡せるっていう形で、非常にクライアントさんにとってもワーカーさんにとっても非常に喜ばれているサービスになっています。

石橋
IPOされたのっていつ頃でしたっけ

両角
2024年の7月になりますね。

石橋
半年くらいは経たれてるってことですね。

両角
そうですね。

石橋
Timeeさんに投資したのはいつだったんですか?

両角
投資したのが2018年の4月頃でした。

石橋
6年ぐらい前ですかね。

両角
そうですね。6年前、本当に最初のラウンドで投資させていただきましたね。

石橋
当時ってどういう事業ステータスだったんですか?

両角
当時は、プロダクトがまだなくて。本当にスライドが4,5枚あるぐらい。で、当時はその前にファッション系の事業をされていて。

石橋
全然違うことですね。

両角
でピボットした時にお会いしましたね。

石橋
結果的に振り返るとF Venturesさんとしては投資したお金が何倍ぐらいになって回収されてらっしゃるんですか?

両角
我々のリターンとしては400倍になってますね。

石橋
投資したお金が400倍なんですね。

じゃ仮に、一旦仮の話ですよ。仮の計算すると、ざっくり1000万とか投資してたら40億とかになって帰ってきてるような倍率ってことですもんね。

両角
そうですね。投資した金額もちょっと小さいんですけど、それなりにリターンが入ってきたので、今もうすでにLPさんには分配させていただいて、今時点での倍率は、やっと大体5.5倍ぐらいを実現できました。

石橋
まだだってこれから他にも当然1号ファンドの投資先がいらっしゃいますもんね。

両角
そうですね。あと満期まであと2年ほどあるので、粛々と対応はしていこうと思ってますし、上場目掛けてやっているところもあと2社ほどあるので、間に合って欲しいなという感じです。

石橋
改めて、創業者の小川さんってどういうご経歴で、どういう市場課題を見つけられて、Timeeとして起業された時に、F Venturesさんから出資受けられたんですか?

両角
小川さん、当時は学生で起業されていたんですが、前の事業をやった時に、周りからお金も借りて、事業をやって、それでぼしゃったというところで、なんとかお金を返さないといけない。ていうタイミングに、バイトし始めて。バイトして稼いで返そうっていう風に動かれてたんですよね。

で、そんな中見つけたサービスっていうかアイデアが今のTimeeなので、そういった失敗経験もあって。

当時、原体験もあって素晴らしいなと思って投資しましたね。

石橋
両角さんとしては、投資仮説とか、こういうふうになっていくだろうなという仮説があって、これは絶対いけるっていうので投資されたんですか?意思決定の理由ってどういうところにありますか?

両角
最初そこまでの投資仮説はあんまりなくて。当時お会いした時に、その後出したサービスも結局ピボットしているんですね。マイナーピボットですけど。

なので、投資したときには人物投資がメインとしていきたいと思ってますが、いいプロダクトであって、マーケットもよく見るんですけど、しっかりいいマーケットに入られていて、起業家として周囲を惹きつけられる力があるのかとか、巻き込み力というのは僕非常に見ているところで。

急成長していく起業家の方々って、自分より優秀な人を採用できている人が多いなって思って。そういう意味ではTimeeさんは今までも小川さんより年上の方々を引っ張ってきた実績も数々あるんですが、元々そういうタイプだなと思っていて。お会いする時からフラットな関係性作りをするのが上手い方だなと思って。当時からその力が非常に高いなと思っていました。

石橋
なるほどです。小川さんの印象的だった行動とかってあるんですか?

両角
失敗した事業の時あったじゃないですか。その時に実はエンジェル投資家から500万決まってたんですよね。結構有名な方で僕もよく知ってるんですけど。

自分がずっと続けられる事業じゃないっていうことで、サービスを畳んだんですけど、それで投資も断ってるんですね。そういう意思決定の判断軸が素晴らしいなと思って。普通の学生だったら受けちゃう人が多いと思うんですよね。

石橋
そうっすね。

両角
ま、そういった意思決定もしっかりできる軸のある方だなってのが最初の面談でかなりインパクト大きかったですね。

石橋
結果論だとは思うんですけどその人からすると一生Timeeさんはアンチポートフォリオですよね。そのタイミングであの金額投資できてればって思っちゃいますよね。

両角
最初にローンチしたTimeeのサービスは実は形が違っていて、スカウト型のバイトのマッチングサービスだったんですよね。そのサービスを出して1ヶ月間、全くサービスとしては、動いておらず。無風の時期があったんですけど。

石橋
へえ。そうなんですね。

両角
でもUX(ユーザーエクスペリエンス)をフルリニューアルしたんですよね。そういう意思決定も迅速でかつやり切る力があったので、これは僕らが投資した後ですけど、非常に動きとして優れた起業家だなと思いますね。

石橋
結果的にその人を見極める力で400倍のリターンを産むっていうのはやっぱすごいですね。

両角
運の要素は大きいすよね。シード投資てかなり運の要素があると思うんですけど、Timeeもまさに運もタイミングも良かったと思いますし、法令が変わったタイミングもまさにドンピシャで、労働条件通知書っていうものの電子化っていうのが、ちょうど2019年が20年ぐらいになったんですけど、それで雇用契約がオンラインで初めてできるようになったタイミングなんですね。

それまでは業務委託でやるしかなかったので、フードデリバリーとかも業務委託でやってるところがほとんどで、結構グレーな領域だったんですけど、いち早くホワイトに事業を展開できたのがTimeeだったかなと思います。

あとは、グレーゾーン解消制度っていうものもしっかり使っていて、直接支払いの原則って、原則の中にあると思うので、業界人だったら絶対に出ないアイデアなんですよね。

石橋
なるほど。

両角
学生だし、門外漢だからこそ起こせたイノベーションだと思っていて、Timeeのプラットフォームを通して、その原則は違法ではなく適法だと認めてくださって、事業がスタートできたっていうところもありますね。

なので、法令的なタイミングも運が良かったと思いますし、ロビイングによっても、政府にも支えられた事業だなと思います。

石橋
他のF Venturesさんの投資先だと、さっき「TORYUMON」のお話もいただきましたけど、「TORYUMON」発の起業家さんとかだと、なんかどんな事例があるとかってあるんですか?

両角
1つはPoliPoliさんですね。政治系のプラットフォームを運営していらっしゃる事業で、

石橋
伊藤さんですかね。

両角
はい、そうですね。伊藤和真が社長なんですけど。起業する前はうちでインターンしていて、「TORYUMON」の代表をお任せしていた方なんですけど、

石橋
第一弾でお話いただいていたパターンのやつですね。

両角
そうですね、それで「TORYUMON」代表として運営を完遂されて。

「TORYUMON」ってやっていくうちに営業もやればチームビルディングもするし、広報、企画・事業作りもするので、擬似的な起業体験ができると思っていて。それが結構を起業家排出しているポイントかなと思っているんですが、

「TORYUMON」が終わって卒業されて、すぐ起業されたので、投資させていただきました。

石橋
改めて、どんな事業をしているのか、詳細をお聞きしてもいいですか?

両角
事業としては、当時は有権者と政治家をつなげて意見を交換し合うようなプラットフォームを作っていました。

石橋
それが、投資をされた時の話ということですね。

両角
投資した時ですね。

石橋
今は形が変わってきてるんですか?

両角
そうですね。そこで、いろんな政治家の方とのネットワークもできてあの、この業界だと一番こうネットワークを持たれていて、どの政治家がどの政策取り組まれてるかも一番データを持ってる会社になってるんですよね。

で、その中で企業のロビイングニーズって結構高まってきている。Timeeも支援してもらってるんですけど。

石橋
ああ、そうなんだ。

両角
Timeeさんみたいにロビイングして政府とのコミュニケーションを重ねて、事業を拡大していかないといけない企業ってまだまだ他にもたくさんあると思うんで、そういう企業に対して、ロビイングの支援をしていく。

適正な政治家の方を繋ぎして段取りもしっかり組んでいただくみたいなことを企業にエンタープライズ事業として提供しているのが、今、成長されているところかなと思います。

石橋
PoliPoliさんにはちなみにいつぐらいに投資されているのかと、リード投資で結構大きく投資されてらっしゃったんですか?

両角
投資したのが2018年。一緒に入ったVCさんもいらっしゃるのですが、創業期に投資をしました。

石橋
両角さんがその時点で投資を決めた時には今の、さっきのロビイングの事業ではなかったんだろうなとは思うんですけど。投資仮説とか事業仮説的にはそうなる可能性もあるなって睨んで投資されたんですか?それともなんか別のところで決められたんですか?

両角
それも投資仮説をそこまで持ってはいなかったですね。ただ政治に切り込む起業家ってなかなかいないですし、ブルーオーシャンで。非常にあの取り切れるとすごくあの大きな企業になるんじゃないかっていう風に思っていて、あとは若手ならではの突進力があったので、すごく有名な起業家の方にもお会いしに行ったりされるので、そういったところも非常に彼の特徴かなと思って行動力をすごく僕の中では評価させていただいて投資したっていうところですね。

石橋
PoliPoliさんはなんか想定通り成長されたみたいな感じなのか。それとも色々ハードシングスがあったのかで言うとどういう変遷を辿っていらっしゃるんですか?

両角
国民の政治意識も高められるサービスだと思いますし、非常に意義あるサービスだと思うんですけど、最初はかなりマネタイズが難しい事業で。最初の頃はそこまでどでかいハードシングスってよりは緩やかにしか伸びていけないっていうジレンマみたいなのはあったかなと思いますね。

で、だんだん事業は今までも4、5個ぐらい確か新しく積み上げて新しく変えられてきたと思うんですけど、マネタイズできるような事業も最近になってあの重なってきているので、非常にスタートアップとしてもかなり成長してきたなと思います。

石橋
U25以外の起業家の方の投資先とかってどんなところがいらっしゃるんですか?

両角
あとはチャリチャリさんですね。

石橋
似てますね。

両角
韻を踏んでるわけじゃないですけど、PoliPoliとチャリチャリ。

石橋
チャリチャリさんは何をやってる会社なんですか?

両角
シェアリングサイクルを運営していまして、福岡で最初に立ち上げた会社なんですけれども、元々メルチャリっていうメルカリが新規事業として展開されていたシェアリングサイクルをあの事業譲渡されまして。

石橋
それって、元メルカリの方々がやられているんですか?

両角
そういうわけではなくて、メルカリさんと関係のあった家元さんというかなり長い間経営もされていて、熟練の経営者の方なんですけど、この方が引き受けて、スタートアップとして改めて立ち上がったのがチャリチャリさんですね。

石橋
そこは、どういう事業ステータスの時に投資を決められたんですか?

両角
立ち上げまもない時期に、最初のラウンドで投資させていただきました。

石橋
当時の両角さんとしては何が投資の意思決定になっていたんですか?

両角
シェアリングエコノミーっていうもののマーケット自体が非常に大きくなってきていて、スマホが普及したことによって、より拡大しうるタイミングだったかなと思っていて。

Timeeも、スマホが普及したことによってまだ残っている市場を取っていったと思うんですけれども、まだシェアリングエコノミーっていう観点ではそういったモビリティーの可能性も非常に感じていたので、それがまず一つかなと思います。

あと、小回りきく移動もこれから重要になってくると思って。移動がより便利になってくる中で、駅からちょっと離れた部分に行くとなると歩くのが大変ですし、時短したいっていうニーズも高くなってくると思うので、駅の近くに自転車があっていつでもそれに乗って街まで繰り出せるっていうことができると、より生活が便利になるなと思っていて、そういった部分は非常に楽しそうだな、面白そうだなと思って投資しました。

石橋
結果的に、ループさんであるとかドコモ・バイクシェアとかも、同じように広がってきてますもんね。

両角
そうですね。中国は先行していてモバイクってのが当時ありまして。

石橋
あったな。

両角
今も一部あると思うんですけど。そういった海外での事例は非常にその時からも多くありましたよね。

石橋
なるほど。

両角
日本ではなかったと。

石橋
わかりました。改めてそのチャリチャリ起業家さんはどんな方なんですか?

両角
はい、家本さんは歴戦の経営者の方で20以上多分経営されてると思うんですけど。クララオンラインという当時の名前で、クラウドのコンサルティングを事業としてされていたり、中国の進出支援などもされていたり、あとは自転車がすごく大好きな方なんで、自転車に関する修理の事業とか買い取り事業とか。結構自転車を元々展開されていた方がチャリチャリを引き受けてくださった。

石橋
へえ。で、メルカリさんから買われて。

両角
そうですね。

石橋
で、チャリチャリだけ切り出してファイナンス受けたってことなんすね。

両角
そうですね。チャリチャリだけで新設した会社が譲り受けて、それで資金調達をしたという流れになります。

石橋
チャリチャリさんに関しては、両角さん的には、そういう家本さんですごい力強い起業家さんがやってらっしゃるので、予想通りの成長みたいな感じだったんですか?

両角
経営経験が豊富な方なので、そこまで心配することもなかったですし、福岡で展開する中では非常に僕らのネットワークとか、非常に貢献できる部分多いなと思っていて、その部分でも何か力になれると思い、出させていただきたいと思って、オファーさせていただきました。

石橋
投資先の皆さんに今後どういう風な、インパクト残してほしいなとか、こういう風に、次の例えば10年間で成長してほしいなとか、そういう目線感で何かございますか?

両角
Timeeに関してはまだまだ成長し続ける会社だと思っていて、特に新規事業をやっていくってフェーズではまだまだないんですよね。

彼らは多分、まだまだ市場小さくしかまだ取れてないという認識だと思うんですけど、今既存の市場でもどんどんと広げていけると思いますし、飲食・物流、あとはもっと広げていく中で、市場を取り切るってのはまず先決だなと思っていて、さらに、もしかしたら国をまた飛び越えて展開されたり、まだまだ成長余地が十分にある会社だと思います。

他にも投資先の方々、チャリチャリさんとか、PoliPoliさんとか非常にこう意義あるサービスだなと思っているので、PoliPoliさんとかは特に政治の意識を高めるっていう必要性は日本にとってかなり重要なポイントだと思うので、日本を変えていっていただきたいと思っています。

石橋
ありがとうございます。最後に、ぜひ両角さんとしてもしくはF Venturesとして、出会いたい起業家像を教えてください。

両角
志が高く、本気で世の中を変えたいと思っている方々、ぜひ起業するときにお声がけさせていただいて、一緒に伴走して行きたいと思っておりますので、ぜひ、TwitterでもFacebookでもご連絡いただければと思います。

石橋
ありがとうございます。

それでは改めて、両角さん、ありがとうございました。