グローバルのベンチャーキャピタルへ転職した理想と現実|スタートアップ投資TV
◯大内 陽介 プリンシパル
Eight Roads HP▶︎ https://eightroads.com/ja/
東京大学学士(教養学部国際関係論)
卒業後はコンサルティングファーム及び投資銀行で7年間勤務し、 その後2016年にEight Roadsに入社。
Eight Roadsでは主にFintech及びソフトウェアビジネスに注力。
現在は東京ベースのアナリストとして活躍している。
学生時代の一つの講義が、金融キャリアの原点に
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capitalの石橋です。
今回は、Eight Roads プリンシパルの大内さんに来ていただいておりまして、改めてよろしくお願いいたします。
大内:
お願いします。
石橋:
Eight Roadsさんは高尚なイメージがあるというか。
大内:
いやいや全然高尚な感じはイメージだけで、結構みんな地道な感じです。
石橋:
そうなんですね。大内さんどんな方なのかというのをいろいろとお伺いしていければなと思ってるんですけど、金融業界というかベンチャーキャピタル(VC)業界にファーストキャリアからいらっしゃったんですか?学生時代とか、どういうことをされていらっしゃったんですか?
大内:
大学の時は理系で入学していて、卒業する時は文系にいたので、途中でそれこそキャリアチェンジをしてるんですけど、元々は全然金融にはあんまり興味がないというか、そもそも知らなくて。
金融に興味を持ったきっかけというのは2つあって、1つは勝又さんという方がいて、モバイル・インターネットキャピタル株式会社の社長とか、株式会社INCJの社長もやられていると思うんですけど、元々大学の学部の先輩で、今その大学の学部の講義をされていて、その中で提供されている講義が「起業とベンチャーキャピタル」。
当時は、受講生自体10人程度いたんですけど、Abroad in Komabaっていう大学に来る留学生のチューターをやっていたので、彼らは結構意識が高いので起業とかベンチャーキャピタルみたいな講義に参加してたので、僕もそれに帯同していったら思いのほか面白かったんですよね。
「起業とかベンチャーキャピタルとは何か」とか、「アメリカのイノベーションって実は裏にはベンチャーキャピタルという存在がいる」みたいなところとか、基礎的なところですけど、今思えばめちゃくちゃ興味を持ったきっかけでしたね。
ミシガン大学留学で感じた、金融が果たす役割の大きさ
大内:
もう一つは、それが頭にあってAbroad in Komabaを経験して、やっぱり留学したいなと思ってミシガン大学っていうところに留学をして。
僕は教養学部なんですけど、幅広く授業を取れるので、僕はビジネススクールの生徒じゃないんですけど、そこの授業をちょこちょこ取ったりして。
金融とか経済とか、あっちは本当にそこに対する熱量が高いので、一緒に授業に参加したりした時に、金融のインパクトというか、世の中における金融の果たしてる役割の大きさみたいなところを、授業ですけど感じたっていうのは、金融に興味というか、ずっとその金融とかベンチャーキャピタルみたいなのが残ったきっかけではありました。
石橋:
そういった体験や経験から、ファーストキャリアからベンチャーキャピタル業界にいらっしゃるんですか?
大内:
実はそうではなく、紆余曲折があったんですけど、最初はコンサルティング業界に入りました。
元々はミシガン大学を留学した時に、ボストンキャリアフォーラムというのが、よく留学生が行くイベントがあるんですけど、そこにインターンとして某金融機関に参加することになって。
特にレバレッジとファイナンス、企業を買収する時に株だけじゃなくて融資もつけてレバレッジをかけて買収するみたいな、そういう仕組みがあるんですけど、そこを担当している外資系の金融機関でインターンをしたんですね。
リーマン・ショックで方向転換、コンサルから投資銀行へ
大内:
基本的にはインターンして、次の年もインターンして、そこに就職っていうのが普通の流れなんですけど、運悪く当時は2007〜2009年頃だったのでリーマン・ショックで就職が難しくなって。
じゃあ就職どうしようかなと自己分析した時に、やっぱり好奇心みたいなのがすごく唯一の長所というか、自分ができることかなと思ってたので、その軸で探していて。縁があって日本経営システム株式会社さんっていう、日系の中堅大企業向けの経営コンサルティングの会社に一社目として入社したっていう経緯です。
石橋:
コンサルタントとしてはどのくらいお仕事されていらっしゃったんですか?
大内:
そこは日系だったので、帰国子女というグローバルなバックグラウンドを活かして働きたいなと思ったので、学生時代に読んだ本の今北さんというコンサルタント、その方の働いていらっしゃる小さい外資系の戦略コンサルティング会社なんですけど、そこに転職しました。
コンサル2社で、大体累計で4〜5年。その時に担当していた案件が、シャープ株式会社・鴻海精密工業問題。シャープを鴻海が救済するかどうかみたいなところで。
日本の金融機関も総出でサポートする、もちろんチームでやってるんですけど。
そこに関わった時にもう一回その金融のインパクトですね、結局最後は銀行さんとかがお金を融資してシャープさんをサバイブさせたと思うんですけど、そこの意思決定における金融の役割の大きさみたいなことを感じて。元々金融に興味があったというわけで、金融に関わりたいなと思ってUBSインベストメント・バンクという外資系の投資銀行に入ったっていう感じですね。
友人の起業、CFOの相談──スタートアップとの接点が増えた2015年
石橋:
UBSさんではベンチャーとかスタートアップっていうところとはそんなに接続はなかったんですか?どういう感じだったんですか?
大内:
UBSでは金融機関担当のチームに緩くいたので、既存の事業者のところを担当してましたので、スタートアップとの関わりはなかったんですが。
当時2015〜2016年で、自分の周りの友人とかもどんどんスタートアップにジョインしたりだとか、それこそAbroad in Komabaのプログラムで会っていたフランス人がいたんですけど、彼がフランスで起業して、「日本にオフィスを開こうと思ってるんだけど、どう?」みたいな、そういう相談とか。
CFOになった友人が相談してきてくれたり、結構スタートアップの接点、仕事の内外で増え始めたっていうのはちょうどその頃で。
VCとか、そういえば昔、勝又先生の授業で聞いたなーっていうのもずっと思ってたので、どんな感じなのかなーって思ってた時に、たまたまエージェントからEight Roadsという、当時はFidelity Growth Partnersという違った名前だったんですけど、ご紹介を受けて検討してみようかなって思ったんです。
石橋:
学生時代のその講義というのが、やっぱり影響が大きかったんですね?
大内:
大きかったと思いますね。本当に理系で入っているので。あと僕は宇都宮市出身なので、金融機関といったら地方銀行で。投資とかそういう話じゃないので、金融の世界に関心もなかったし、接点もなかったんですけど、大学入ってという感じです。
石橋:
今となってはEight Roadsさんが一番職歴としても長くなっているんですか?
大内:
長いです。Eight Roadsに入る時は、日本にしてはかなり転職回数が多い部類だと思います。7年くらいで3社経由したので、次はやっぱりコミットしたいなって思っていて。そういう軸では結構探してました。
華やかなイメージと現実のギャップ──地道な関係性と作業の日々
石橋:
学生時代の講義を経てとか、それこそミシガンに行かれていろいろVCとかスタートアップについて知ることが増えていく中で、VCとしてお仕事されてきて、ギャップとか、実際こういうふうに動いてるみたいなところってあられるんですか?
大内:
視聴者の方々がどれだけベンチャーキャピタルに関わってらっしゃるか、いろいろあると思うんですけど、Netflixとかでプライベート・エクイティの方々の豪華な生活とか、パソコン上でピピピピってやって「買いだ」「売りだ」みたいな、そういう世界かなーっていうのは1%ぐらい思ってたんですけど。
でも入ってみると、僕ら外資系のVCとしてやってますけど、やってる人は一個人もしくはチームだったりするんで、全然華々しい世界ではなくて。
結構属人的な関係性で成り立っているのもありますし、日常的に若手の人は特に作業してることが多いので、もちろん意味はすごくあるんですけど、地道な仕事だなっていうのは、すごく良い意味でのギャップとしてはあります。
石橋:
そういう中で一番長い職歴になられるってことは、VCってやっぱりこういうところにやりがいがあるよねってところを大内さんの中では整理されているのかなと思うんですけど、どういうところにやっぱり感じてらっしゃるんですか?
大内:
ベンチャーキャピタルの醍醐味っていろいろ人によって取り方あると思うんですけど、個人的にはベンチャーキャピタリストのミッションって、やっぱりなんだかんだ投資のリターンをあげることかなっていうのは思っています。
投資家っていう部類なんで、LPのために投資のリターンを返すことがミッションだと思ってます。
それに対する近道はないと思っていて、結局みんな愚直に、できれば大きな社会課題を解決するようなスタートアップに投資して、かつそれが長い時間軸を持ってちゃんと成立して、その結果として会社が高い企業価値で評価され、それでリターンを得ていく。そのサイクルをどんどん回すことが重要だなと思っていて。
そこに何かしらの形で関わることができるというのは、社会課題の解決や広い目で見ると日本の再興や日本の底上げみたいな話を含めると、やりがいは人によってはあるんだろうなと。
朝7時の面接で一度帰宅、2ページの熱意メールで再挑戦
石橋:
転職される時って他のVCさんと比べたりとか、きっかけはそのエージェントさんからかもしれないですけど、どういう理由だったんですか?
大内:
UBSに限らず、投資銀行は基本的には24時間働いているのが当時はベースなので、時間的な制約もある中で、横に10社並べてみたいなことは、当時は僕の環境ではできなくて。
結果的に、正直に言うとEight Roadsだけ受けた、一発一中みたいな感じなんです。
なんでEight Roads受けようと思ったかというと、グローバルなバックグラウンドを活かしたい。でもケイパビリティとかも考えると、人付き合いがめちゃくちゃ得意な方ではないですし、すでにネットワークがあるわけじゃないですし。
一方でハードスキル、Excelとかモデリングとか分析するとか、いろんな業界にキャッチアップするみたいなところは、コンサルティングとか投資銀行でめちゃくちゃしごかれて学んできたので、その生産性は部分的には高いなと思ってたので、それが活かせる環境がいいなというのはありました。
当時2016年頃、外資系で少しシリーズB以降、ミドルステージ・レイターステージのVCってそんなになくて。
今もそこまでないと思うんですけど、僕の中でEight Roadsがいいなって、ハマるなというふうに思っていて。
余談ですけど、そういう気概を持って受けに行ったんですけど、実は一回、家に返されてて。時間がなかったので朝7時に面接をセットしていただいて、今パートナーやってる村田に話す中で、「ちょっと君、疲れてるから一回帰って寝てから、本当に受けたいんだったらもう一回教えて」って言われて。
なので当時朝7時30分ぐらいにトボトボと帰って、「本当にやりたいのかな」って自己内省して、その週末にOutlookのメールで2ページ分ぐらい、ベンチャーキャピタリストになる熱い思いを語って、なんとかご縁をいただいた。
Patient Capital──長期に寄り添う投資スタイルに共感
大内:
グローバル連携があってシリーズBに投資をフォーカスしているっていうところはその通りで、起業家に対しても長い時間軸で向き合っていることが多いファンドです。
僕は長くキャリアを過ごしたかったので、ファンドとしても、ファンドの起業家に対する見方としても、Patient Capital、我慢強い投資みたいなところを大事にしているファンドなので。
自分のバックグラウンドも含めて、その会社のスタンスですね。寄り添って、長い時間軸で一緒にその大きな社会課題を解決していこうっていうところが本当にあるファンドだったので、結果的には良かったかなと。
石橋:
ありがとうございます。ぜひまた次回のコンテンツでもお話しいただければと思っておりますので、引き続きよろしくお願いします。
大内:
よろしくお願いします。ありがとうございます。
【シリーズB以降注力】グローバルファンドの知られざる実態|スタートアップ投資TV
フィデリティの自己資金で運用する独立系ファンド
石橋:
はい、皆さんこんにちは。スタートアップ投資TV、Gazelle Capitalの石橋です。
今回も前回に引き続き、Eight Roads プリンシパルの大内さんに来ていただいておりますので、大内さん今回もよろしくお願いします。
大内:
よろしくお願いします。
石橋:
前回どういう経緯を経て、大内さんが今のEight Roadsさんにいらっしゃるのかってところをお伺いしてきたと思うんですけども。
改めてEight Roadsってどんなファンドだっけっていうのが、やっぱり僕自身まだまだ理解できてないことがあるかなと思いますし、それこそ母体にFidelity Internationalがいらっしゃるかと思うんですけれども、改めて母体についてとかお話いただければと思うんですけども、お願いしてもよろしいでしょうか?
大内:
わかりました。フィデリティって僕も入社するまでは名前は知ってましたけど、謎に包まれた存在だったので、普通に暮らしてるとなかなか接点が無いので。
今は保険の運用をフィデリティのファンドで運用してもらうみたいな人が結構増えてきてるんですけど、あんまり一般的な接点が無くて。
入ってから分かったことは、めちゃくちゃ巨大なマザーシップみたいなもんだなっていうのは思っていて。何やってるかっていうと、要は一般投資家・一般消費者・機関投資家のお金を預かって、それをいろんな会社さんに投資する、いわゆるアセットマネジメント業務をやっているのがフィデリティですね。
それをグローバルで本当に展開していて、アメリカのニューヨークとかボストンとか、イギリスのロンドンに行くと本当にフィデリティの看板がいたるところにある。日本でも見かけるタイミングが増えてくるのかなと思います。
フィデリティはそういう存在なんですけど、Eight Roadsとフィデリティの関係で言うと、Eight Roads 自体はフィデリティのコーポレート・ベンチャー・キャピタルではなくて、あくまで独立系のファンドとして運用されています。
要はフィデリティが一般消費者から預かっているお金を投資対象としてベンチャーなどに入れてるんですけど、そこではなくて、フィデリティは実は非上場企業でオーナーがもちろんほとんど株式を持ってるんですけど。ジョンソン家様がいて、ジョンソン家の自己資金の一部をいろんなものに投資していて、その一部がEight Roadsを通してグローバルなベンチャーに投資をしているということになります。
ジョンソン家は当然ながら、フィデリティのオフィスはいろんなところにあるので、必然的にグローバルでベンチャーに投資をするというミッションがEight Roadsにはありまして。
実はF-Primeという姉妹ファンドがアメリカにあって、母体は一緒なんですけどブランドは違って、F-Primeはアメリカ、それ以外のグローバルはEight Roadsというブランドで、基本的にはフィデリティの自己資金をベンチャーに投資をするビークルとしてあります。
少子高齢化という日本の社会課題に投資する理由
石橋:
そうなると、直近でEight Roadsさんの3号ファンドを始められていらっしゃると思うんですけど、改めてどういう規模感であったりとか、投資テーマとか決まっていらっしゃいますか?
大内:
基本的にはグローバルでやっているんですけど、グローバルにおいても共通したテーマで運営されているかなとは思います。
主にどういう領域かというと、Eight Roadsとしてはテクノロジーとヘルスケア、この二本柱になっていて、それぞれもう少し細かく分かれるんですけど、大きくはテクノロジーとヘルスケア領域にチャレンジされているスタートアップさんに投資をしています。
共通しているのは、テクノロジーもヘルスケアも社会課題というところに注目しています。グローバルもそうだと思うんですけど、基本的には大きな社会課題にチャレンジされていて、それの解決をすると必然的にリターンもついてくるっていうのが基本スタンスなので。
そもそも大きな社会課題が何かっていうところ、それにチャレンジされているスタートアップさんっていうのは、見ているポイントの一つになるかなと思います。
結構よく言われるのが、グローバルをやっていて、なんで日本でやってんだっけ?という話が結構あって。やっぱり中国とかアメリカとか、市場の大きさで言うと人口で何十倍みたいな話が中国だけである中で、じゃあ日本でなんでやってるんだっけって、グローバルファンドだからこそLPにも聞かれますし、他のファンドさんにも結構聞かれます。
なんでやってるかというと、社会課題って国別に事情があると。日本の社会課題とは何か?と僕が捉えてるかというと、基本的には少子高齢化ですね。
これは皆さんおっしゃってると思うんですけど、少子高齢化が一番トップの課題になるかなと。それから派生して、「少子」ってところで言うと、生産性改善を頑張ってやらなきゃいけないですね。
東京都は増えてますけど、その他の地域は本当に人が減ってるなって実感する。2050年には日本の人口が1億人を切るみたいな、そういう話もいっぱいあるので、少子化による生産性改善を。
もう一つは、高齢化の方で、少子高齢化のバランスによって社会保障費というか、国をサステナブルに支えていく仕組みがなかなか難しくなっていく中で、医療だとか介護とかっていうのをより良いものにしていくところで、バイオテックもヘルスケアテックも、チャレンジしている領域に投資したいなと。
シリーズBで5〜15億円、厳選投資のディシプリン
石橋:
なるほどですね。ファンドのサイズ感であるとか、どういうような領域に投資されていきたいというのはよく分かってきたんですけど、投資されるタイミングとか規模感でいうと、どういうようなサイズ感でやってらっしゃるんですか?
大内:
5〜15億円ぐらいが初期投資の1回の金額になりますね。
石橋:
初回で5〜15億円?
大内:
初回で5〜15億円ですね。そこからのスタイルとして、ばらまくというのができないファンドなので、僕らとしてはいわゆるディシプリンというか、もう少し厳選投資をして、いいと思った一つの会社により大きな金額を張っていくスタンスでやってますので、ちょっと大きな金額になってます。
初期投資含めて1社あたり25億円程度、これをフォロー投資含めるといけるので、基本的にはほとんどの投資先で、今までの実績からしてもフォローオンしているんです。25億まで行かない場合もあれば行く場合もあるんですけど、ただそういう長い投資、深い投資ができる仕組みにはなっているかなと思います。
それが日本でどのタイミングでいけるかというと、やっぱりシリーズB、バリュエーションで言うと、別に決まってないですけど、数十億〜数十億円前半とかですかね。
なるべくダイリューションの問題もあると思うので、インパクトを与えすぎない範囲で、日本のマーケットを見ると、やっぱりシリーズB・Cあたりが結果的にスイートスポットになってきているかなと思います。
石橋:
5〜15億円が一番最初のチケットだとすると、やっぱり基本的にはリード投資が前提みたいなイメージになるんですか?
大内:
おっしゃるとおりです。リード投資がおそらく、今40社ぐらい日本でポートフォリオがあるんですけど、多分8〜9割程度ですよね。
基本的にはリード投資をして、しっかりとシェアを持って、ちゃんとサポートをさせていただくっていうのが基本的なスタンスになります。
ただ例外を除いて、新興の領域で、僕らとしてはいまいちまだよくわかってないんだけど、やっぱり掘りたい領域ってあるので、そこについてはもう少し少額で投資することも実際に実績としてはあります。
調達の3〜4ヶ月前から密なコミュニケーションを
石橋:
ちなみに、シリーズBってなると到達してる起業家の方も絶対数まだまだ少ないのかなと。もちろんシードの方のほうが相対数は多いと思うんですけど、シリーズBぐらいの5〜15億円集めていこうみたいな時に、どのぐらい前から大内さんとかEight Roadsさんとかとお話しするべきなのか、一般論とEight Roads さんの場合で言うとこう、みたいなところで大内さんのお考えとかあられますか?
大内:
めちゃくちゃいい質問だなと思って考えてるんですけど。一般論で言うと、最近僕が会ってる起業家さんとかはそれをやっていただいてるなと思うんですけど、ただまだまだ全体としてはやってる方少ないなと思うのが、投資家との接点の頻度と深さ。
要は、たくさん会って深い話をするっていうところが大事になってくるかなと思います。
やっぱり投資するまで、「調達しますよ」って言って投資家の方々に皆さん声かけてやるっていうのは一般的な話ですけど、それよりは、それをやる前から、調達したタイミングには投資家が決まってるぐらい、それぐらいのスピード感で、あるいはその仕組みセットアップで調達を進められることが、起業家の方にとっても投資家の方にとっても効率がいいと思っていて。
そのためには投資する前の期間からある程度投資家を決めて、そこに対して、株主じゃないので細かい数字でプレイする必要はないんですけど、定期的にコミュニケーションいただくと、いざ調達になった時にお互いにとって効率よく進むかなと思います。
Eight Roadsは特に厳選投資、あるいはディシプリンを持って投資したいっていうのが基本的なスタンスなので、そこは重要かなと思ってます。
やっぱり調達するというタイミングで3〜4ヶ月ぐらい、投資の意思決定まで通常かかるんですね。特にそれがいきなり伺って話を聞き始めると、時間がどうしてもかかっちゃうんですけど。
逆に言うとそれまで密にコミュニケーションさせていただいて、起業家の方にメリットがないといけないので、もちろんそれお互いメリットのある形ですけど、いざ調達ってなった時に時間軸を短くできる可能性もあります。
特にEight Roadsみたいに時間をかけてDDだったり、お互いの相性を確かめるっていうような投資家にとっては重要なことかなと思います。
石橋:
ちなみに大内さんの中で、まさにそういう長くコミュニケーションを取られて出資されていらっしゃる事例とかってあったりするんですか?
大内:
いろんな形で起業家の方とは接点を持たせていただいていて、それも特徴の一つかなと思うんですけど、多層的っていうんですかね。いろんなレイヤーのところで起業家サイドといろんな形で接点を持っていることが多いです。
例えばうちの代表が前の会社から、シリアルアントレプレナーということもあり、前の会社から知っていて、新しい会社やっていてというのを、何回かマイルストーンがある中でその都度キャッチアップさせていただく中で投資するということもありますし。
例えばピッチイベントで2年前に会って、実はそこから知っていて「陳情確認させてください」ということで定期的にやっていった結果、投資に至ることも。
代表じゃなくても、いろんなレイヤーでもあるので、2年かけてやることっていうのは結構あります。
物流クライシスに挑むオープンロジへの投資
石橋:
例えば大内さんの中で、代表的な投資先の例とかってあられるんですか?
大内:
チームでやってるんですけど、パートナーの村田とやっていて、僕は今可能性があるって感じてるのが株式会社オープンロジという会社です。
オープンロジって何をやってるかっていうと、それこそ社会課題でいうと2017年頃に僕らは投資をシリーズBで投資していて、当時ってまさに物流クライシスみたいな話がご記憶にあられる方もいると思うんですけど。
何が起こっているかというと、EC事業者さんが増えて物量が増えて、一方でそれを対応する倉庫事業者さんとか配送業者さんっていうのが、例えばデジタルトランスフォーメーション(DX)が遅れたりとか、人手がそもそも不足しているという問題でバランスが崩れたタイミングがあって、それに対してチャレンジしている会社がオープンロジになりますね。
彼らはその中で何をやっているかというと、EC事業者に対して物流プラットフォームを提供していて、要はさっき申し上げた課題の根本って、EC事業者と倉庫事業者と配送業者、その他物流事業者含めて分断されちゃっているのが結構問題なんです。
それぞれ個別最適化されていて、要は全体を通して一元的にデータが整っていないが故に個別最適・全体最適化されていないということが仮説としてあって。それの間にオープンロジが入ることによって、EC事業者のデータも入る、倉庫事業者のデータも入る、ゆくゆくは配送事業者のデータも入る。
そうするとまさに最適な差配ができて、より良い物流の業界の発展に寄与できるのではないかというのが仮説で、次はシリーズDとかですけども、それに向けて邁進している感じです。
チーム体制で投資先を多層的にサポート
石橋:
割とリード投資家としても定期的にコミュニケーション、チームとしても取られてらっしゃるんですね?
大内:
パートナーの村田が今役員をやっていて、私がオブザーバーで入っていて、もう一人最近オープンロジは期待の投資先ということで、チームに加わっていただいてます。
これ結構特徴かなと思っていて、オープンロジに限らず、どの投資先でもチームでやっぱり当たっていることがEight Roadsの特徴かなと思っています。
いろんなレイヤーで3~4人の体制でポートフォリオの会社をサポートするっていうのが結構重要と僕たちは認識していて。
やっぱり人っていろんな悩みがあるので、必ずしもCOOだけが悩んでいるのではなく、CFOも悩んでるし、その他のレイヤーの方も悩んでる中で、それぞれが対応できるところはあるので、頑張ってチームとして投資先を支援していくっていうことがEight Roadsの一つのポートフォリオマネジメント上の特徴かなと思います。
結構一人で担当されている方もいらっしゃると思うんですけど、それはいろいろな考え方があるので。ただ僕らは相対的に投資先も少ないので、そこをいかにより一つの案件に力をかけてサポートしていくかっていうところが特徴かなって思ってますね。
石橋:
だからこそ、ある意味絞り込んでもいらっしゃるし、前回自己紹介のところでもお話一部いただきましたけど、辛抱強く投資し続けるというか、長く本当にお付き合いしていくというところが、そういうところに体現されてらっしゃる感じなんですか?
大内:
まさにそうですね。チームとしてまとめてサポートをして、グローバルでやってるので、日本チームの3~4人だけじゃなくて、例えばオープンロジさんでいっても、海外のこういうプレイヤーは何やってるのかなっていうのを知りたいみたいな時があった時に、ヒアリングみたいなのを設定したりだとか。
それこそ、もちろんグローバルな事例っていうのをいつも研究してるのでシェアしたりだとか、他の国のパートナーから他の国で何が起こってるんだっていうのをシェアしてもらったりだとか、そういうのを聞いてたりはしますね。
なので結構グローバルなサポートっていうのをチームでやるっていうのが特徴かなと思います。
どんなタイミングでも気軽に声をかけてほしい
石橋:
ありがとうございます。ちなみにさっきのお話で、早い段階からコミュニケーションしておくことが、Eight Roadsさん然り、場合によってはシリーズB前後のタイミングではすごい重要だとお話いただきましたけど、大内さんに話を聞いてもらいたいなとか、Eight Roadsさんに話を聞いてもらいたいなと思ったら、どこから連絡するのが一番良さそうですかね?
大内:
なんでも有りじゃないですかね。人によってLinkedInをやっていたり、Facebookをやっていたり、あるいはピッチイベントだったり、ジャッジをやっているキャピタリストもいるので。
あるいはダイバーシティみたいなものをベンチャーキャピタル業界で根付かせようとして活動しているキャピタリストもいたりして、そこでもコミュニティはあると思うので。
いろんな形でいろんな人たちがいろんな好きなことをやってるので、何かしらオンラインでもオフラインでも見かけたらお声掛けいただければ、話をむしろ聞きたい。嫌だっていう人はいないと思うので。
やっぱり「これ誰なんだろう」っていうふうに思われることが多いんですけど、突き詰めるとやっぱり人なので、そういう関係値づくりはみんな好きな人が多いので、どんなタイミングでもお声掛けいただければ、ぜひお話させていただきたいなとは全員思ってると思うので。
石橋:
ありがとうございます。改めて僕自身も、投資先でここを早めに紹介した方が良さそうだなと頭に思い浮かんでくるぐらいなので。
ぜひ皆さんの中でもですね、お話をしてみたいなという方は概要欄の方にEight Roadsさんの公式FacebookページのURLを記載させていただいておりますので、そちらの方から大内さんとお話をしたいとか。
場合によってはHPのチームのところを見ていただいて、この方とお話がしたいとご要望をいただくとしっかりご対応していただけるとお話を伺っております。ぜひ良い意味でお気軽にご連絡していただくのが良いのかなと思っております。
改めて大内さん、今回もご出演いただきましてありがとうございます。
大内:
ありがとうございました。
